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壁牌ダイアリー

 困った。○牌ダイアリーの○に入る字がもうない。

 最初に書いた日記はなーんも考えずに「珍牌ダイアリー」とした。○牌ダイアリーで統一しようと思ったのはその後のことで、麻雀用語のネタがつきたら「位牌」とか「スカイハイ」とかやってウケをとろうと目論んでいたのだが、全然ウケそうもないのでやめた。
 第一ウケをとろうにも読者がいない。自分はmixiというソーシャルネットに入会していて、そこでも同じ日記を書いている。mixiとこのブログと合わせて、読者はチンコを切った人とギギギの人の二人しかいない。もっと面白い日記が書ければ人も増えるのだろうが、これでも脳みそをフル回転させてネタをしぼり出している。これ以上やったら自分は死ぬ。
 タイトルが内容と関係ないのはよくない、というご指摘もいただいたことだし、これを機に○牌は卒業しようと思う。内容に即したタイトルをつけてアクセスアップを達成して、眞鍋かをりをギャフンと言わせてやろうと思う。
 
 これでおしまいでは日記にならないので、今日あった出来事も書く。実家に帰ったらはす向かいの家が燃えカスになっていた。外人のダンナと大ゲンカした日本人のカミさんが自分の家に火をつけたらしい。ふーん。
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端牌ダイアリー

 近所によく行く焼肉屋がある。帰りにいつも五百円分の割引券をくれるのだが、焼肉全品半額のサービス期間中は使えない。こちらが少しでも気を緩めるとサービス期間に突入するので、使いそびれた割引券がモリモリたまる。そして一ヶ月の使用期限を過ぎた割引券がモリモリ紙切れになっていく。これはゆゆしき事態ですよと店長にボヤいたら、
「だいじょぶヨー。古くなた券もつかていいヨー」
 と言ってくれたので、期限切れの券も捨てずに大事にとっておいた。

 こないだ行ったらサービス期間じゃなかった。ついに自分の時代がやってきた。高笑いをしながら店に入って五千円分呑み食いをして、割引券十枚をレジに叩きつけた。そしたら店長がとても面白いことを言った。
「ぜんぶ期限切れてるヨー! こんなばっちい券つかえないヨー!」
 遠くで少女の悲鳴が聞こえた。と思ったら自分の金切り声だった。いやいやいやちょっと待って下さいよクソオヤジ。アンタこないだ使えるって言ったじゃないの。
「そんなこと全然いてないヨー! これみんな紙クズだから、キムチと一緒に海に捨てるヨー!」
 キムチはお前んとこの売り物じゃないのか。ところで日本語お上手ですね。
「ニポン語で言ってあげるからよく聞くヨー! この券は、古くて、つーかーえーまーせーんーヨー!」
 調子に乗るな。けっきょく押し問答の末、半分の五枚は使用を認めてもらった。店長はオレの寛大さにひれ伏せとのたまって、残った五枚の割引券もひったくってキムチの壺に沈めた。

 確かに期限が切れているのだから、店長の理屈は筋が通っている。しかし理屈を越えた感情の部分では納得がいかない。使っていいって言ったじゃん。愛してるって言ったじゃん。
 使えなかった割引券は、キムチの壺に藻屑と消えた。次に店で食べるキムチは、自分の涙の味がするに違いない。
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数牌ダイアリー

 日曜日と月曜日は地震の話で持ちきりだった。新宿で乱闘に巻き込まれたり棚の小物が全部落ちたりと、相応の被害をこうむった方もいらっしゃる一方で、高速道路で奇跡のドリフトを体験しただのショックでカミさんから抜けなくなっただのいうバカもいた。
 それでは自分はどうだったかというと、地震による影響は一切なにも受けなかった。土曜日は知人宅に招待されて、浴びるように酒を呑んでいた。地震のあった時間は酔いつぶれて、知人の赤ちゃんと一緒にベッドで寝ていた。起きたら電車は運行再開していて、席に座ってぐっすり寝て帰った。自宅も無事だった。地割れもなかった。富士山も噴火しなかった。
 明日は台風七号が猛威を振るうらしい。事故になど遭わないのが一番だろうが、あまりに何もなくても話の輪に加われない。どしゃ降りの雨に打たれて乳首が透けるぐらいのアクシデントはあってもいいかな、と思っている。
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打牌ダイアリー

 オカンが背中の腫瘍の除去手術をしたらしい。十分そこそこの簡単な手術で、一日じっとしていればお風呂も余裕でオーケーだという。しかし包茎手術ですらお風呂解禁まで一週間を要するこのご時世で、腫瘍の手術がこんなに簡単な訳がない。ひょっとしたらもの凄い悪性の腫瘍で、医者もサジを投げたんじゃないのか。それとも包茎は腫瘍より重い病気なのか。不安になったのでネットで調べてみることにした。検索エンジンに「腫瘍」「悪性」「手術」と入れて、なんとなく気分で「古田敦也」も追加して検索ボタンを押した。
 そしたらあーた。なんとヤクルトスワローズの古田敦也選手も腫瘍の検査を受けたというじゃないですか。詳しくはこちら。良性の腫瘍ならば放っておいても問題ないらしい。なーんだそっか。

 以上、トラックバックのテストでした。自分はホークスファンだけど、古田選手のプレーは一年でも長く見ていたい。これからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
 ちなみに「包茎」「悪性」「古田敦也」では大したページはヒットしなかった。
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好牌ダイアリー

 映画を見に行った。チケットを買ってエレベーターで地下の映画館に降りて、カウンターを抜けてロビーを突っ切って扉をくぐって席についたところで気がついた。チケットを誰にも見せていない。
 カウンターに受付のお姉さんが一人いるが、ニコニコ笑っているだけでチケットにはあまり興味がないようだ。他にスタッフらしき人間は見当たらず、まるで神の大いなる意思がチケットのもぎりを拒んでいるかのようだった。
 拒まれても困る。もぎりもしないチケットを買ってしまったこちらの身にもなってほしい。お姉さんを捕まえてチケットをもぎれとどやしつけたら、お姉さんはハイーと言ってチケットをもぎってくれた。今度からちゃんともぎれと叱ったら、デヘーと笑って寝てしまった。客は五人くらいしかいなかった。映画もクソつまらなかった。見ているこっちがよっぽど逆境だった。

 貧すれば鈍す、という言葉がある。ゆきすぎた貧乏や不景気は、人のやる気をこの世の果てまで吹っ飛ばす。むかーしむかしの秋葉原で電器屋に入ったら、客が一人もいなかった。店員に聞きたいことがあったのでスンマセーンと呼んだが、店員も一人もいなかった。コラーと強めに呼んでも出てこない。頭にきたので棚からフロッピーディスクをひったくって、来ないと万引きするぞーと叫んだら遠くからどうぞーと返事がかえってきた。結局万引きはしなかったが、店はすぐに潰れた。
 取引先の会社に行って見積もりを出したら、担当がもの凄い勢いでねぎってきた。双方一歩もゆずらず交渉した結果、なんか知らんが見積もり額の倍の数字で契約できた。いいんですかと一応聞いたら、担当はいいんじゃねーのと鼻をほじって笑っていた。笑っている間に会社は潰れた。

 かくいう自分も鈍している。相撲の勝敗予想がさんざんの出来である。上位で予想した力士がことごとくケガで休場して、代替のブタマン力士どもが面白いように負けてくれる。すっかりやる気がなくなって、パンツをはくのも面倒くさい。
 それでも仲間内ではトップらしいのでビックリした。みんなやる気を失って、パンツをはくのを面倒くさがっている。ノーパン軍団結成の日は近い。
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生牌ダイアリー

 漫画の最終回を見逃して悔しい思いをすることがよくある。「B.B」というボクシング漫画の最終回も読んでいないし、「デカスロン」という十種競技の漫画の最終回も読み損ねた。「ありゃ馬こりゃ馬」という競馬漫画は単行本で読んでいたが、最終巻の一歩手前までを友人に貸したらソイツが全巻なくしやがった。ケチがついたので最終巻は買わなかった。漫画喫茶に行くのもネットで犯罪的に読むのも面倒なので、心残りではあるがいずれもほったらかしている。

 電車の網棚に「リプレイJ」の第12巻が置いてあるのを発見した。コミックバンチで連載されていた漫画で、自分は毎週バンチを買って楽しみに読んでいた。それがある時から立ち読みに切り替えて、やがて立ち読みすらしなくなって、今では街でバンチを見かけてもお互い目すら合わせない。「リプレイJ」も最終回付近の数話を読んでいない。
 第12巻は最終巻だったはずで、とても読みたい。読みたいのだが、うかつに手を出せない理由があった。

 大学時代、駅前の広場で「ろくでなしBLUES」全巻セットを拾った。リュックに入れて持ち帰ろうとしたら物陰から中学生ぐらいの男子グループが湧いて出て、それは自分たちのものだから返してくれ、とぬかしてきた。どうやら小学生に拾わせて、因縁をつけてカツアゲをする腹だったようだ。まさか大学生のお兄さんが拾うなどとは思ってもみなかったようで、みんなで口に手を当ててアラまあどうしましょと慌てていた。まだ暑い九月の午後だった。

 ここで「リプレイJ」を拾ったら、今度こそカツアゲされるかもしれない。しかし読めないとスッキリしない。読もうか。よし読む。いやでもカツアゲが。うっさいボケ。ボケってなんですかボケって。
 一人でグダグダ言っていても始まらないので意を決して、頭をかくふりをして網棚に手を伸ばした。その手はしかし「リプレイJ」には届かなかった。
「待ちたまえ」
 男の乗客が自分の手首をつかんでいた。別にカツアゲではないようだが、どこかで見覚えのある顔だった。男は言葉を続けた。
「網棚の本を掴むんじゃない。この手で未来を掴むんだ」
 電車が駅に到着した。男は自分の手をつり革に戻して、ゆっくりと扉に向かった。自分は稲妻に打たれたように網棚の「リプレイJ」を取って、表紙を見た。扉絵の主人公・室伏と去りゆく男の顔を何度も見比べて、そして男に叫んだ。
「室伏さーん!」
 むろん全然別人だったので振り向かなかった。「リプレイJ」も最後まで読んだ。よかったよかった。
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花牌ダイアリー

 ダンディーは男の勲章である。ダンディーな男には女をひきつける魔力があるが、究極のダンディズムである自分には女も畏れ多くて近寄れない。代わりにホモの男が群がってくる。
 学生時代、バイト先の社長がホモだった。二人っきりの新宿のオフィスで襲われて、この時は危うく難を逃れた。一ヶ月後に新宿でベロベロに酔っ払って終電を逃して、社長に電話してオフィスに泊めてもらった。オフィスでは社長と二人っきりで、やっぱり寝込みを襲われた。どうなったかは言わない。
 自分の部屋に電話を引いたら間違い電話が何本もかかってきて、これが全員ホモだった。以前はホモの秘密クラブか何かの番号だったようで、大抵は間違いと分かってあわてて切ったが、一人だけ自分にチンコのサイズを聞いてきたホモがいた。1センチと答えてやったらものすごい勢いで慰められた。自分はチンコの小さい男が好きだとも言ってくれた。どうもありがとうございます。
 大学の男友達とスケートに行った時も、自分だけ男に声をかけられた。銀座で人を待っている時も、オッサンに千円札を握らされた。よく行く焼肉屋のお兄さんが、しきりに自分の体を触ってくる。高校時代にホモビデオを貸してくれた友人がいて、こいつもホモだと最近知った。まったく気がつかなかった。

 こないだ池袋を歩いていたら、よく行く呑み屋の元店員さんと久しぶりに会った。自分にとてもよくしてくれたお兄さんで、今は別の店で働いているらしい。男友達をたくさんつれて呑みに行きますと言ったら目を輝かせて喜んでいた。お兄さんが浮気をしたら、店の中でハンカチを噛んで泣いてやろうと思う。
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