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男と女のダイアリー 〜霧笛〜

 レッドクリフという映画が猛烈に見たい。しかし今は金がない。缶コーヒーを1日1本ガマンすれば120円たまるので、15日間ガマンすれば見にいける。決して不可能な数字ではない。
 レッドクリフは三国志を題材にした映画で、呉・蜀の連合軍に魏がボコられた赤壁の戦いがストーリーの中心らしい。最終的には魏が生き残って三国のチャンピオンになるのだが、レッドクリフではそこまでやらない。そのため魏のファンにはすこぶる評判が悪く、熱狂的な魏ファンがクーデターを企てたが諸葛亮の知略の前に敗れた。それ以外の中国人は全員100回以上見ている。
 レッドクリフのタイアップぽい企画で「三国志検定」というのをやっている。金を払ってクイズに答えて、合格したら変な資格をもらえる夢のような企画だ。三国志検定のホームページに例題が載っていたので試しにやってみた。
「一龍二虎を分かつと呼ばれる物語において、張飛はどのような商売をしていたとされるか」
「後漢時代の官僚登用制度である郷挙里選の科目名としてふさわしくないものは進士、孝廉、有道、方正のどれか」
「青龍偃月刀が水中に沈み、赤兎馬が死ぬことを見た関羽が死去する小説のタイトルを答えよ」
 まったく分からん。横山光輝のマンガにも光栄のゲームにも、そんなウンチクは一切出てこなかった。受験しようかと思ったが、勉強不足と金がないのでやめた。まずレッドクリフを見て勉強して、次回の検定は必ず合格する。今度は会社からいくらボーナスが出るのか今から楽しみだ。
 ところでレッドクリフはパート2まであるらしい。だから金がねえっつってんだよバカチン。
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男と女のダイアリー 〜小錦〜

 近所のスーパーが突然閉鎖した。晩ご飯のおかずを買いに行ったら店内は真っ暗で、入り口に閉鎖の張り紙がしてあった。張り紙には「突然ですが閉鎖します」と書いてあって、突然の文字がギザギザの吹き出しで囲ってあったので本当に突然だったようだ。はすむかいのショボいスーパーは営業していたのだがショボいから何も買わずに帰った。
 ネットで調べたら、そのスーパーの全支店が一斉に閉鎖したらしい。経営元の会社が倒産したというニュースも見たが、その割にはホームページはしっかりと残っている。スーパーも営業中になってるし、社長も挨拶ページで「日本の食文化を支えます」と頼もしい抱負を語っている。「支えました」に修正するヒマもなかったのだろうか。
 最近、企業が突然潰れるケースをよく聞く。大きいものではリーマン・ブラザーズやツクモ電機、小さいところではグラップラー刃牙の花田の睾丸が片方潰れた。そういえばスーパーの隣にあった雑貨店も古いビルを取り壊して、新しいビルが建ったら営業再開のはずがずっと空き地のままだ。今年の夏はヒマワリがたくさん咲いていた。建築を請け負ってた会社が突然倒産したという噂を聞いた。
 何年か前、そこそこ大手の学習教室がいきなり潰れた。校舎に入れない先生や生徒が怒り心頭で泣きじゃくっているニュースを鼻毛を抜きながら見た翌日、自分の会社も潰れてた。自分の会社はその学習教室の子会社だったという事を、その時初めて知った。
 会社に限らず、あって当然と思い込んでいたものが突然なくなるショックは計り知れない。「あって当然」ではなく、「なくなってからでは遅い」という危機感を常に持ちつつ、感謝と努力を忘れずに生きていきたい。ここで愛を引き合いに出すと非常にカッコいいと思うんですよ。
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