ブログ
HOME

男と女のダイアリー 旅行のお話

 新婚旅行で外国に行ってきた。自宅の布団の中で楽しく想像する脳内外国と、飛行機という乗り物で現地に赴く本物外国があるが、今回はなんと後者だ。生まれて初めての海外旅行だったので、無難なガイド付きのパッケージツアーに申し込んだ。
 ツアーなので他の参加者もたくさんいた。50歳でセミリタイアしてゴルフ三昧みたいな人が多く、生活レベルの部分で決定的な壁を感じる。観光地でもまあ教会ステキ、あら銅像オホホなどいちいち優雅でうるさい。一方自分はスモーカーなのでずっと灰皿にへばりついていた。セミリタイアでも中クラスぐらいの人にはスモーカーもちらほらいて、そういう人たちとは仲良くなれた。問題は高次元のセミリタイア軍団で、金銭的なラッキーを期待してアプローチを試みたがイマイチの結果に終わった。今後の課題とさせていただく。
 肝心の外国だが、セブンイレブンには食い物しか置いてなかった。しかも量り売りの食い物が多い。計量カップが非常にデカいので買いすぎて太る。あと水場が多いので、入水禁止の標識があちこちにあった。飛び込んだら死ぬ系のイラストなのでかなりエグい。空は青い、海は透明、緑は鮮やか。自然に飽きたら他に見るものは何もない。
 ただしヒューマン的にはいい外国人ばかりだった。心配だったひったくり、人さらい、病原菌の類は一切なく、船で会った外国人に新婚旅行だと言ったらお祝いにブランデーをボトル1本もらってしまった。どうもありがとうございます。ただしその場で全部呑まされた。本当にありがとうございます。
 最後になるが、飛行機の中でカップヌードルが食べ放題だったのには感動した。この旅で一番の思い出です。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜霧笛〜

 レッドクリフという映画が猛烈に見たい。しかし今は金がない。缶コーヒーを1日1本ガマンすれば120円たまるので、15日間ガマンすれば見にいける。決して不可能な数字ではない。
 レッドクリフは三国志を題材にした映画で、呉・蜀の連合軍に魏がボコられた赤壁の戦いがストーリーの中心らしい。最終的には魏が生き残って三国のチャンピオンになるのだが、レッドクリフではそこまでやらない。そのため魏のファンにはすこぶる評判が悪く、熱狂的な魏ファンがクーデターを企てたが諸葛亮の知略の前に敗れた。それ以外の中国人は全員100回以上見ている。
 レッドクリフのタイアップぽい企画で「三国志検定」というのをやっている。金を払ってクイズに答えて、合格したら変な資格をもらえる夢のような企画だ。三国志検定のホームページに例題が載っていたので試しにやってみた。
「一龍二虎を分かつと呼ばれる物語において、張飛はどのような商売をしていたとされるか」
「後漢時代の官僚登用制度である郷挙里選の科目名としてふさわしくないものは進士、孝廉、有道、方正のどれか」
「青龍偃月刀が水中に沈み、赤兎馬が死ぬことを見た関羽が死去する小説のタイトルを答えよ」
 まったく分からん。横山光輝のマンガにも光栄のゲームにも、そんなウンチクは一切出てこなかった。受験しようかと思ったが、勉強不足と金がないのでやめた。まずレッドクリフを見て勉強して、次回の検定は必ず合格する。今度は会社からいくらボーナスが出るのか今から楽しみだ。
 ところでレッドクリフはパート2まであるらしい。だから金がねえっつってんだよバカチン。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜小錦〜

 近所のスーパーが突然閉鎖した。晩ご飯のおかずを買いに行ったら店内は真っ暗で、入り口に閉鎖の張り紙がしてあった。張り紙には「突然ですが閉鎖します」と書いてあって、突然の文字がギザギザの吹き出しで囲ってあったので本当に突然だったようだ。はすむかいのショボいスーパーは営業していたのだがショボいから何も買わずに帰った。
 ネットで調べたら、そのスーパーの全支店が一斉に閉鎖したらしい。経営元の会社が倒産したというニュースも見たが、その割にはホームページはしっかりと残っている。スーパーも営業中になってるし、社長も挨拶ページで「日本の食文化を支えます」と頼もしい抱負を語っている。「支えました」に修正するヒマもなかったのだろうか。
 最近、企業が突然潰れるケースをよく聞く。大きいものではリーマン・ブラザーズやツクモ電機、小さいところではグラップラー刃牙の花田の睾丸が片方潰れた。そういえばスーパーの隣にあった雑貨店も古いビルを取り壊して、新しいビルが建ったら営業再開のはずがずっと空き地のままだ。今年の夏はヒマワリがたくさん咲いていた。建築を請け負ってた会社が突然倒産したという噂を聞いた。
 何年か前、そこそこ大手の学習教室がいきなり潰れた。校舎に入れない先生や生徒が怒り心頭で泣きじゃくっているニュースを鼻毛を抜きながら見た翌日、自分の会社も潰れてた。自分の会社はその学習教室の子会社だったという事を、その時初めて知った。
 会社に限らず、あって当然と思い込んでいたものが突然なくなるショックは計り知れない。「あって当然」ではなく、「なくなってからでは遅い」という危機感を常に持ちつつ、感謝と努力を忘れずに生きていきたい。ここで愛を引き合いに出すと非常にカッコいいと思うんですよ。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜悟空〜

 初級シスアドの試験を受けてきた。午前と午後で合計6時間以上も拘束されるので、せっかくの日曜日が台無しになった。しかし日曜日を有意義に使う自信は全くないので別に構わない。おまけに合格すればボーナスも出る。簿記3級の分と合わせるとかなりおいしい額になるので、一生懸命勉強した。
 当日の朝、気がついたことが1つあった。
「試験会場と開始時間が分からん!」
 受験票は届いていたが、中身を確認していなかった。試験会場は早稲田大学。近いのでよしよし。開始時間は9:30。今は8:00なのでオーケーオーケー。顔写真を貼り付ける場所があった。へー。
「写真がない!」
 そんなもんが必要だなんて生まれて初めて知った。デジカメで撮ってカラープリンタで印刷しようと思ったら紙はつまるし鼻毛は伸びてるしでクソの役にも立たない。あきらめて駅前のインスタント撮影機で撮った。1分ぐらいで男前の写真が6枚つづりで出てきた。
「ハサミがない!」
 なので切り離せない。ミシン目すら入ってない。駅員さんも貸してくれないしカニさんもいない。しょうがないのでコンビニでハサミを買った。早稲田駅には早めに到着したので、喫茶店で一息ついて写真を切り離して受験票に貼った。
「ノリがない!」
 貼れない。コーヒーもまずい。だんだんイラついてきたが怒っても口からノリが出てくる訳ではない。コンビニでノリを買って、大学構内のベンチに座って写真を貼った。やっと準備が完了して、ほっとしてタバコに火をつけた。
「ライターのオイルがない!」
 コンビニに戻って100円ライターを買った。ホント試験ってお金がかかるもんですね。肝心の試験は、午前問題がヤレヤレ、午後問題がオヤオヤという出来。合格したらオーイエーと日記に書きます。あと結婚しました。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜女房〜

 簿記3級の試験を受けてきた。これで3回目のチャレンジとなる。1回目はお寝坊さんで勝負の土俵にすら上がれず、2回目は受験はしたものの完全な準備不足で、問題文が何語で書いてあるのかも分からなかった。
 自分は業務システムの営業マンなので、会計の知識が必須となる。簿記の資格を持たない営業マンは、よほどのハンサムでなければクビになってしまう。自分はクビの心配はないけれど簿記の資格は取っておきたい。三たびの挑戦となる今回、さすがに必死に勉強した。予想問題集を何度も解いて、当日は朝の4時に起きて総仕上げの復習をやって、万全の体制で会場の明治大学に行った。
【やる気ゲージ 100】

 明大前駅はクソミソに混雑していた。簿記試験とかスポーツなんちゃらとか全国ほんじゃらとかのイベントが同じ日に重なったようで、明治大学に向かう道がビッシリと人で埋まっている。もう見ているだけで胃液が沸騰するような気持ちになる。家に帰ってゆっくりおやすみ、という神の声が聞こえた。
【やる気ゲージ 5】

 本気で帰ろうかと思ったが、そういえば落ちたら別れるとカノジョに言われていた。そもそも試験を受けなければ落ちなくてすむ。よし帰ろう。いやそれはダメだ。激しい葛藤の末、やはり試験を受けることにした。駅からの大行列に合流して、歩道橋を渡って明治大学の門をくぐった。
【やる気ゲージ 20】

 試験会場の教室に入った。自分の席に座ってマンガを読んだり鼻クソをほじったりしていると、試験官がやってきて教室の扉を閉めた。この時点で、申し込みをしたはずの会社の先輩がまだきてない。試験開始まであと3分しかない。
 試験官が入室禁止の紙を扉に貼った。これ以後は受験者の入退室は許されない。結局先輩は姿を現さなかった。急病なのか緊急事態なのか。先輩のことが心配で、試験に全然集中できそうもない。ああ心配だ。
【やる気ゲージ 120】

 第1問と第2問。でけた。簡単だった。
【やる気ゲージ 150】

 第3問。よく分からん。でけなかった。
【やる気ゲージ 50】

となりの兄ちゃんの電卓がうるさい。気が散る。しかし外はいい天気だ。
【やる気ゲージ 10】→【やる気ゲージ 70】

 第4問と第5問。完璧に解けた。
【やる気ゲージ 200】

 試験が終わった。おそらく合格ラインぎりぎりの攻防だろう。家に帰って解答速報を見たら、終了1分前にあわてて書き直した答えが間違っていた。書き直す前の答えが正解だった。ばんざーい!
【やる気ゲージ 測定不能】
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜便通〜

「グラップラー刃牙」というマンガがある。週刊少年チャンピオン誌上で人気を博した格闘マンガで、現在も「範馬刃牙」とタイトルを改めて連載が続いている。刃牙(ばき)という主人公が色々な敵と闘って、最終的に無職の父親をこらしめるというストーリーだ。
 自分は15年ぐらい前から刃牙のファンで、刃牙のホームページを作ったこともある。ある時、出版元の秋田書店の担当さんからメールがきて、「お前のホームページの画像は著作権違反なのですぐ消せ」と因縁をふっかけられた。いや因縁ではなく、確かにネットで拾った刃牙の画像を何点か掲載していた。もちろん悪いのは自分なのだが、これぐらい見逃してほしい、という気持ちも少しはあった。なので一応メールでお目こぼしをお願いしてみた。
「見逃してくださいお願いします」
「ダメですごめんなさい」
 やっぱりダメだった。ただ担当さんがとても丁寧に対応してくれたので、自分も心から謝罪して刃牙の画像をすべて消した。

 1週間後にホームページが全削除された。今度はまったくのノー警告だった。速攻で秋田書店の担当さんに抗議した。
「画像は消したのに何してくれんのさー!」
「ウチはなにもしてないです。たぶん集英社さんとか・・・」
 そういやドラゴンボールの画像も少し貼ってあった。他にもドラえもんとかランボーの1シーンとか、ネットで拾った画像をごった煮的に貼り散らかしていたのを思い出した。敵に回すと100回は死ねるような企業の画像もいくつかあった。
 ウルトラダッシュでプロバイダに泣きを入れて、なんとか命は助かった。ホームページも画像以外は復活したが、すっかり更新意欲をなくしてしまってもう完全に放置している。
 ただ、今でも刃牙は読み続けている。ピクルという古代の最強戦士が現代に蘇って、次号はいよいよ刃牙と対決する。まあ死なない程度に頑張れ。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜死闘〜

 ゲームセンターのクイズゲームが面白い。最近のゲームセンターはオンラインの通信対戦ができるゲームが人気で、通信麻雀とか通信格闘とかオレンジ通信とか色々な種類のオンラインゲームが出ている。クイズゲームもオンラインゲームなので、全国の色々な人と対戦クイズができる。
 自分が好きなクイズゲームは2つある。1つはコナミという会社が作った「クイズマジックアカデミー」で、もう1つはセガという会社が作った「アンサーxアンサー」。自分は早押しクイズが好きなので、早押し形式の「アンサーxアンサー」で遊ぶことが多い。

「アンサーxアンサー」は人気のあるゲームなので、行列ができる場合もたまにある。少し前に上野のゲームセンターで「アンサーxアンサー」をやっていて、準優勝でゲームが終わった。悔しいのでもう1回挑戦しようと思ってコインを投入する寸前で、後ろのお兄さんに肩を叩かれた。
「並んでいるんで、替わってもらっていいですかあー」
 よく言えばカッコイイ、悪く言えば不潔で薄汚くて豚肉にそっくりな顔のお兄さんだった。しかも語尾の「かあー」がえらく気にくわない。気にくわないがもっともな言い分ではあるし、すぐに他の台が空くだろうからおとなしく台を譲ってやった。
 しばらくして、豚肉お兄さんの隣の台が空いた。自分はその台に座って再びゲームを始めたが、豚肉お兄さんの貧乏ゆすりが気になってゲームに集中できない。あと豚肉お兄さんは、ボタンを押すときにハッ!とかセイッ!とかいちいち叫ぶ。問題を口に出して読む。貧乏ゆすりでヒザを台にぶつけてうずくまったりする。気になるのを通り越して、だんだん面白くなってきた。
 結局、自分は1回しかゲームをやらずに席を立って、あとはずっと豚肉お兄さんを見学していた。ゲームは不完全燃焼だったが、とても充実した2時間だった。
 こんなに楽しい「アンサーxアンサー」、おすすめのゲームです。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜闘将〜

 自分の会社は業務システムを売っている。労務費を原価として案件に、要はすごい業務システムだ。あまりにすごいので販促用のムービーを作ることになって、女性の声優さんにナレーションをお願いした。
 とてもキレイな声の声優さんで、男性の業務システムファンが聞いたら間違いなく買う。しかし女性ファンへの訴求力がやや弱い。カッコイイ男性の声を混ぜれば女子高生にも売れるからオレに任せろ、と社長にお願いして、ナレーションの後半部分は自分が声を吹き込ませてもらった。
 声優さんの収録は専用スタジオで1日がかりでやったと聞いた。自分の収録場所は会社の会議室で、ディレクターのお兄さんがボストンバッグ一丁でやってきて、機材のセッティングをするのかと思ったらいきなり台本とマイクを自分に渡して、ラジカセの録音ボタンをガチャリと押した。収録スタートらしい。
 なんだこれ。声優さんと待遇に格差がありすぎる。怒りの形相でディレクターを睨みつけたら、ディレクターも自分を見ていた。早く喋れこのウスノロ、と顔に書いてある。それによく見るとなかなかいい男だ。自分は気持ちを整理して、マイクに向かって喋り始めた。
 収録は極めて順調に進んだ。少々噛んでも救急車のサイレンが聞こえても、語尾にセックスをつけてもNGにならない。結局、12分のムービーに声をつけるための収録が12分で終わってしまった。1日作業を予想していたので肩透かしを食ったが、ディレクターがお上手でしたと褒めてくれたので満足した。後で聞いたら、業界ではかなり有名な凄腕のディレクターらしい。完成がとても楽しみだ。自分の声を全部ボツにして小杉十郎太の声に差し替えるぐらいの荒業も期待している。むろん怒るが。
 マスターアップは12月5日で、ホームページでのストリーミング公開は来年を予定している。興味のある方は検索エンジンで「業務システム」と打っていただきたい。グーグルだと約1,350,000件ヒットするが、根気よく探せば当たりは必ずあります。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜肉食〜

 自分の会社は毎月10日が給料日なので、月末になると資本力がやや弱まってくる。しかも今月はあまり考えなしに金を使ってきたので、銀行の残高を見るのが怖い。怖いが見た。預金残高が22万円ほど減っていた。
 22万円が高いか安いかは人によるだろう。自分にとっては高い。次の給料日までのあと2週間をどう過ごすか、考えただけで餓死しそうになる。一体何に金をつぎこんだのか、朦朧とした意識で勘定してみた。
 まず家賃で12万円払った。諸事情により2DKのマンションに一人暮らしをしているので、毎月ここで無駄金を払っている。引っ越すか二人暮らしをすればいいが、前者は面倒なのでやらない。後者は諸事情によりコメントのしようもない。
 次に、渋谷で焼肉を食って18,000円払った。駒込で居酒屋に入って12,000円払った。大学時代の同級生とバーで暴れて30,000円払った。ここまで風俗系の出費が一切ないのは評価できるが、自分の所得を省みない行為だとは思う。
 他にタバコ代などが1万円くらいで、残りの3万円が怒りの出費だった。11/16に社内旅行があって、宴会のゲーム用の景品をなぜか自分が買いに行った。営業マンに社内用の買い物を任せるというのも相当にメッセージ性があるが、それより自腹というのが納得がいかない。もちろん事後申請で精算できると言われたのだが、その申請メールが3回ほど突っぱねられてしまった。1回目は自分が費目を間違えて非承認を食らって、2回目は申請のフォーマットが急に変更になったので再申請しろと言われた。3回目は上司が間違えてスパムメールと一緒に捨ててしまった。いま4回目の申請を出しているが、どんな理由で却下されるのか楽しみになってきた。
 家賃が12万円で呑み代が6万円、タバコ代が1万円で、もらえるか不明の立替金が3万円。最後の3万円が戻ってくるかどうかで、今後の生活が大きく変わってくる。頼みますよホント。戻ってきたら3万円分呑みにいっちゃうんだけどもさ。
- | - | - | PAGE TOP

男と女のダイアリー 〜血脈〜

 11月18日は簿記3級の試験日だった。開始時刻は午前9時で、自分が起きたのは午前9時だった。試験会場までは約1時間なので、普通に考えれば受験は絶望的である。だが会場に行きさえすれば、開始時間が遅れている可能性も万に一つくらいはある。素敵なハプニングを期待して、身支度もそこそこにダッシュで家を飛び出した。
 メシ食ってコンビニで立ち読みをしたので、会場到着は11時30分だった。試験は完璧に終わっていた。あきらめて帰ろうかとも思ったが、それでは無駄足になってしまう。掃除のオッサンが会場の後片付けをしていたので、今から試験を受けられますか、と一応聞いてみた。相手にされなかった。通りすがりの受験生たちにも聞いてみたが、ざんねん次回にチャレンジだ! みたいな顔で笑われてしまった。お前ら全員落ちてしまえ。
 しばらく色々と聞いて回った結果、試験本部というものがあるらしい。そこへ行けば問題用紙だけはもらえるようだが、ついでに受験もさせて欲しい。試験の偉い人が勢揃いしている場所なので、最後の望みを託して本部に駆け込んだ。笑顔で出迎えた受付のお姉さんに、心の底からお願いした。
「お姉さん、ボクに試験を受けさせて下さい!」
「もう試験は終わったのでダメでーす」
 そんな事は分かっている。ダメなものをダメじゃなくすためにお願いしとるんじゃボケ、という切ない気持ちを押し隠して、土下座また土下座で懇願を続けた。すでに受験を終えた人から問題を教えてもらっていたらアナタ余裕で満点とれるでしょそれはフェアじゃないでしょ、のようなことをお姉さんから言われたので、そんなことはないですボクは問題が分かっていても0点を叩き出すくらいのぶっ飛びバカなんですだから大丈夫です、と反論した。そしたら
「そんだけバカなら試験を受けてもムダですよね」
 実に適切な指摘だった。怒りと焦りで曇っていた自分の眼前が、ふいに澄み渡っていくのが分かった。自分は冬の青空を吹き抜ける風のように、足取りも軽く家路についた。もちろん問題用紙はもらい忘れた。
- | - | - | PAGE TOP
1/5 >>