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「すずむし」の心   
   ( 森 敏昭氏より寄稿して戴きました。)
Rev 2010年7月.6日  2012年.6月.8日 2014年10月6日,更新
 1、今年も「すずむしの森」健在
 2、すずむしの楽しみ方
 3、すずむし飼育のポイント
 4、すずむしの一生
 5、すずむしを増やすには (すずむし交換会)
 6、「赤坂山」を「すずむしの里」に
 7、すずむしの話題
 8、すずむしの捕獲方法
 鈴虫の育て方
 1、飼育箱や土について
 2、よく食べるえさ
 3、産卵後の管理
 4、白い幼虫で孵化
 5、鈴虫のお宿
 6、鈴虫の安宿

1.今年も「すずむしの森」健在

 我が家で30年も飼育している「すずむし」は平成19年7月16日の「新潟県中越沖地震」の影響も無く今年も無事に卵からかわいい姿を見せました。
 例年はエンマ市前後には孵化が始まりますが今年は20日ほど遅れ6月末から7月初旬に孵化がはじまりました。このまま順調に成長すると8月中旬には例年と変わらないリーン、リーンと秋風を感じるさわやかな音色を聞かせてくれることでしょう。
 既に早々に両養子の申し込みも入りました。 10月中旬、晩秋のもの悲しそうな音色もまた季節感を感じさてくれ、なんともいえない風情が感じられます。

 虫の音色を楽しむ習慣は西洋人にはなく、東洋人だけとも言われていますが、皆さんもすずむし飼育にチャレンジしてはいかがでしょうか。 平成3年<(1991)「柏崎日報」に私の飼育している「すずむし」のことが掲載され、その後BSNラジオで放送、さらに地元局FMピッカラでも放送されたこともあり、あちらこちらから飼育法の問い合せやら、両養子の引合いがあり「飼育方法のポイント」を簡単に書いたパンフレットは用意してありましたが、ここにあらためてまとめてみました。

2. すずむしの楽しみ方
 「すずむし」「スズムシ」「鈴虫」「すず虫」と読み方は同じですがひらがな・カタカナ・漢字など書き方は様々です。
 「すずむし」は10月頃に産卵し数ミリの小さな卵の状態で土の中で越冬、6月頃に孵化して8月には成虫になりさわやかなリーン〜リーンの鳴き声で楽しませてくれ、ほんの数ヶ月間の地上でのいとなみです。
  毎年のことですが、桜の花の開花時期になると前年秋に産卵した「すずむし」の越冬状況が気になり、飼育箱の新聞紙とビニールシートカバーをそっとめくり土の乾き具合を観察し、湿り気を与えてやります。

 この春先の水分の与えるタイミングが孵化させるポイントの一つのようです

  暦の上で啓蟄(けいちつ:3月6日前後)地中の虫が動き始める頃に乾燥している土に十分水分が行きわたる様に与えることが重要です。

 乾燥している土には霧吹きでは水分は表面止まりで、飼育箱の底まで届きませんので割り箸などで表面に穴を開けて十分に底まで浸透させます。

 その後は週に1回程度の水分補給ですが土に湿りを与える程度に抑えることが肝心です。
 水分が多いと気温が上がるとカビが発生して「すずむしの卵」に死んでしまいます。

 多少乾燥気味が良いようです。 私の30年来飼育している「すずむし」は温度、湿度など特別の手を加えず、ごく自然に近い状態で飼育していれば、当地柏崎最大の祭ごと6月14日から始る「えんま市」の前後から月末頃までに「孵化(ふか)」しています。

 図1の写真は6月14日に撮影した鈴虫の卵で、大きさは1.5ミリ〜2ミリ位、色は白っぽいです。

 図2は最初に孵化したばかりの鈴虫で、胴体が3ミリ位あり白いが数時間後には黒くなります。

 図3は、三番目の孵化、図4は孵化とその抜け殻です。

 図5は最期の孵化で、ほぼ成虫の形となっています。この鈴虫も孵化したばかりなので白いですが、同様に数時間後には黒くなります。
 「孵化」後は脱皮を数回繰り返し、真夏日がすぎて秋の気配が感じられるお盆時期、8月中旬頃にオスが「リーン…リーン」と風流な美しい鳴き声を聞かせてくれます。
 
 その成育サイクルは多少の天候不順はあっても、ほぼ毎年決まっており卵から成虫になりすばらしい鳴き声を数週間聞かせてくれます。

 この自然界でのいとなみは大きな驚きであります。
  桜の花には桜前線という「そめい吉野」を基準とした開花の予想が毎年発表されていましたが、残念ながら「すずむし」にはそのような「孵化」の予想は公表されていません。

  十数年前、東京からのお客さんに「おみやげ」としてさしあげた「すずむし」は7月末に第一声を発しましたが、私の手元で飼育していたのは8月10日過ぎでした。

 20年ほど前には友人、知人、親戚はじめ市内の保育所まで分けてやり、なかには宅配便の運転手さんから「命は保証できませんが1日でお届けします」との保証のもとに柏崎から500Kmの長旅に耐えて電話を通し大阪から元気のよい「リーン…リーン」に喜びを分かち合ったこともあります。
 家庭で「すずむし」の音色を楽しむにはオス、メス各数匹程度で十分です。

 数が多いと「安眠妨害」となり、団地やアパート住いの人にとっては「騒音公害」になりかねません。
 飼育箱のうちから1箱置き場所を変えて、暖房のよくきいた部屋に置いた飼育箱は例年より1ヶ月以上も早く5月初旬に「孵化」し7月中旬に素晴らしい鳴き声を聞かせてくれたこともありました。

  30年以上前になりますが、6月の中旬東京に出張、レストランで昼食しているときにテーブル下の足元から「リーン…リーン」と「すずむし」の音を聞いたこともありました。

  ときには「えんま市」の露店にプラスチツクの飼育箱に入れられて並んでいたこともありましが、柏崎では8月の中旬にならなければ鳴かないものと思っていたので不思議に感じたことがありました。

  昼間の温度が25℃前後になると「孵化」が始まるようで、人口的に温度管理をすれば季節外れに「すずむし」の鳴き声を聞くことはできますが、真夏を過ぎて秋風の吹きだす頃に聞く「リーン…リーン」という涼しそうな音色が何ともいえず、一段と季節感・風情があるようです。

  そして秋も終りに近づき羽根も傷み、途切れ途切れに聞くうら悲しい「音色」も又、冬を迎えるに相応しく一段と季節感を実感させ、時の流れを感じさせる趣は格別です。

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3.すずむし飼育のポイント

 「すずむし」を家庭で飼育することは難しいと思われていますが、2、3の注意事項を守り、生き物を育てる時の基本である「愛情と気配り」を持って育てればそれほど難しいものではありません。  
 野生では小さな「すずむし」ですから生存競争に負けて成虫にまで多くは育たないようですが飼育箱ではちょっとの注意で生存率はかなり高まります。

 (1) えさ

 生まれたばかりの「すずむしの新生児」は市販のフレーク状の「金魚の餌」を粉状にして少々と「はくさい」「キャベツ」「キュウリ」などと水分さえ与えていれば良いです。
  大きくなれば市販のフレーク状の「金魚の餌」「かつおぶし」「煮干粉」等の動物性飼料に「なす」「はくさい」「キャベツ」「キュウリ」「メロン」等、野菜、植物性飼料も与えます。
 「すいか」「メロン」等の水分の多い果物を好むようですが、水分が多過ぎると餌が傷みやすいので人が食した後水分の多い甘い部分は取り除き外皮の部分を与えた方が良いようです。
 
 成虫になると表皮も食しています。 お年寄りから教わったとのことで「なす」や「キュウリ」を「小さなすずむし」が食べやすいように「歯でかみ砕いて」与えている人もいました。
  時には同じような理由から包丁等の刃物で切らずに手で千切って与えてやるという優しい心遣いも耳にしました。 私は与えたことはありませんが砂糖を少々という話もありますが、オスが羽を摺り合わせて発する振動音の音色には一切関係ない話のようです。
 むしろ羽を丈夫にするにはカルシューム分の多い動物性のにぼし、かつお節などを飼料として多く与えたほうが良いです。 生き物を飼う時に一般的に言えることですが、昆虫が自然界で野生で生存する環境に近い条件で育てた方が簡単で元気に生育するようです。

 餌も毎日与えるのではなく2,3日おきとか、フレーク状のえさは湿気をよぶので食べ残しの出ないように少量与えることもコツの1つです。
  自然界に近い飼育環境を考えると傷みかけた「なす」「キュウリ」「メロン」等を好んで食べているところを見ると水分補給の道理にかなっていることです。

(2)  用土と砂(飼育マット)

  飼育箱の用土には30年ほど前は海砂をよく水洗いして塩分を取り除き、天日乾燥で消毒してから新しい「すずむし」を飼育していました。
 市販の「すずむしマット」だけよりも日光消毒済みの川砂と半々に混合して作ったものが保水等で適当なようです。
 市販されている専用の「すずむし飼育用マット」は単品でも十分のようです。20年以上前にはゴルフ場でバンカーに使用している乾燥焼き消毒済の芝補修用の砂の差し入れがありましたが、今は木炭粒をマット下に入れ多少湿気の管理に工夫しています。

(3)飼育環境

 「すずむし」は「物かげ」を好む習性がありますので、飼育箱の中には海岸の流木を沢山入れてやれば、数多くの「すずむし」を1つの飼育箱で飼うことが出来ます。
 流木に含まれている海水からの塩分をすずむしが好んでいるようです。
 また木炭、竹炭を入れておくことも水分の調節や雑カビの発生を防ぐ等、良い影響を与えているようです。  
 飼育箱にたくさん飼うには「すずむし高層マンション」の発想で植木鉢のかけら、木炭等で2〜3層造りにする。脱皮のしやすいように枯れ木の小枝を入れること等の生育環境に気遣いも必要であす。
 大きく成長した「すずむし」に対する水の与え方も一般に言われている「霧吹き」よりコップで飼育箱の適当な場所2,3箇所に集中して与えた方が「すずむし」に水がかからないですみ簡単です。


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4、すずむしの一生

(1)春先の管理

 暦の上で啓蟄(けいちつ:3月6日前後)地中の虫が動き始める頃に乾燥している土に水分が行きわたる様に与えることが重要です。乾燥している土には霧吹きでは水分は表面止まりで、飼育箱の底まで届きません。
 割り箸などで表面に穴を開けて十分に底まで浸透させます。この最初の水遣りがポイントで、その後は週に1回程度の水分補給で土に湿りを与える程度に抑えることが肝心です。

(2)孵化

 ペットショップで購入した成虫からの飼育は簡単だが、家庭で卵から「孵化」は難しいといわれていますが、それほど難しいことはありません。
  卵は意外と丈夫で「寒さ」や「乾燥」にはかなり耐えるようです。
 10月末ごろ産卵後の死骸や餌の残りを始末して、そのままの状態で床下、階段下などに置き3月初旬啓蟄の頃(冬ごもりの虫が穴から出てくる)桜の花が話題になる頃に水分を与えることが秘訣の一つのようです。
  「孵化」後についても水分の与えすぎは「カビ」が発生し悪い影響がでるのでむしろ乾燥ぎみに飼育箱を管理した方が失敗は少ないようです。
 このタイミングが生き物を育てる時の「愛情と気配り」のポイントの一つではないでしょうか。
 誕生から1週間もすると体長の何倍もの触角もはっきりと見られ、羽は見られませんが小さいながらもすずむしの風格があります。

(3) 脱皮

 孵化後は3〜5回の脱皮を繰り返し成虫になりますが最後の脱皮直後のオスの羽は柔らかそうな幅の広い半透明の乳白色ですが数時間で黒褐色に変わります。
 メスは羽の幅が狭くお尻には産卵管がついていて、オスには無いのですぐに分かります。
 成虫になる最後の脱皮は時間が分からないのでめったに見ることはできません。
 脱皮した抜け殻もあまりに見ることができません自分自身が食べるのか、他のすずむしが食するのか定かではありませんが飼育箱の中には見つかりませんから食していることは確かです。
 タイミングよく抜け殻を見かけた時は直ぐに回収して保存してありますが大きさは4種類くらいあり間違いなく3〜5回程度脱皮を繰り返して成虫になるようです。
 インターネットでは「すずむし学校」も開設されており飼育のポイント等も公開されています。

(4)成虫  

 最後の脱皮でオスは大きく羽を拡げ、すり合わせて「リーン〜リーン」の音色を聞かせてくれますが、次々と成虫になるので鳴く期間はどのくらいかはわかりませんが1〜2週間程度ではないかと思われます。
 オスはメスに食べられて一生を終わります。最後は数匹の亡骸ですから産卵後のメスも食べられているのでしょう。

(5) 産卵

 おす・めす1組から約200個のたまごが産れ、70%程度は孵化するが、飼育管理が良ければその内約半分程度(約70匹)が成虫になるといわれています。
 自然界では2ミリ程度の幼虫は大きな昆虫類に食べられてしまい成虫まで成長するのは数匹なのでしょう。メスは腹を大きくして産卵に備えますが水槽のガラス越しに1〜2センチの深さに2ミリ程度の小さな卵を見ることが出来ます。

(6)越冬

卵は意外と丈夫で「寒さ」や「乾燥」にはかなり耐えるようです。
 10月末ごろ共食いでオス、メスは食べられ最後は何匹かの死骸が残りますが、越冬前に死骸やえさの残りを取除き飼育箱をきれいにして新聞紙等でほこりが入らないように養生してから、床下・階段下等に保管する。冬季は水もえさも必要なく、産卵後は3月まで何も手をかけることはありません。


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5.すずむしを増やすには
   (すずむし交換会)

 自然界の摂理で産卵数の多ことからも生存率の低いことが想像されますが、飼育環境を整えて病気や他の昆虫等に食べられないように管理し、さらに餌を十分に与えて飼育すれば毎年確実に数十倍に増え続けます。
 毎年「よい音色を保つには」良い血統のムコ殿、おヨメさんが必要とのことで、市内の同好の仲間から「すずむしの縁談」申し込みが数件あります。遠くは見附から新しい「お嫁さん」と「お婿さん」を迎えることもありました。 (すずむしの世界ではあまり影響のないことですが)
飼育箱の中で生まれたばかりの白い「すずむしの新生児」は私の老眼には定かに見ることができない数o程の小さな生命体で、大きな虫メガネで覗き「フー」と軽く息を吹きかけると「モゾモゾ」と動き廻るので確認できます。
 大勢の人々に素晴らしい音色を聞かせてくれることを願いつつ成長を楽しむこともできます。
 小さな子供のいる家庭では親子で「すずむし」を毎日観察して「誕生の瞬間」を見た時の感動は忘れられないとの喜びのことばもいただきました。  
  さしあけた方々の中には、鳴き声を楽しんでいる間はよいが、晩秋になり次々とすずむしが共食いされていく姿、特にオスから先に食べられていくのが、見るに偲びがたいとの優しい心の持ち主も少なくありません。

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 先日、このホームページを見たという 「NPO法人生き生き企画」の吉田氏より 電話を戴きました。
 平成23年7月30日に同企画主催で、『すずむしの交換会が見附市の「ふぁみりあ」で開催される』との事でした。
 早速、我が家の「すずむしの縁談」の準備して参加させて戴きました。
 当日は、各地から多くの老若男女が集まり 今年生まれた「すずむし」を交換しながら情報交換などをもしてきました。
 また、その他に参加費は無料で 初心者にはすずむしの生態・飼育法などの説明会も行い、希望者には20匹のすずむしもプレゼントしていました。

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6.「赤坂山」を「すずむしの里」に
 増えた「すずむし」を庭先に放したり近くの野山に帰してやることもいかがでしょうか。
 90年大阪で開催された「花の万博」会場の一部に「すずむし」のなき声が聞ける場所がありましたが、行かれた方は気がついたでしょうか、残念ながら本物ではなくて土の中に埋められたスピーカーからの録音テープの音のようでした。
 柏崎でも「赤坂山」を「すずむしの里」としてはいかがなものでしょうか、ただし近くの住民の了解を得ておかないと騒音公害?の元になりかねませんので注意が必要です。
  「すずむし友の会」もいかがなものでしょうか毎年なき声の善し悪しを比べるもよし、「お嫁さん」と「お婿さん」のお見合いの場所としても良いようです。
 会員から「すずむし」を提供して頂き柏崎駅の「海水浴」帰りのお客さんに「プレゼント」し柏崎をPRする材料の一つにしてもよいです。
 柏崎海岸の砂や石では子供の記憶には残りませんが「すずむし」ならば「夏休みの宿題」作文の題材の1つくらいにはなることでしょう。
 米山レストハウスの岬の一角を「昆虫公園」として「すずむし」「かぶとむし」「くわがた」など昆虫をたくさん放し飼いし、子供たちに自由に捕まえさせることもいかがなものでしようか。
  市内にも多くの「すずむし愛好家」がいます。
 それぞれ裏わざと言うか秘伝で毎年、音色を楽しんでいます、時々伝え聞いて交換の申し入れがあり快く受け入れています。


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7.すずむしの話題
 古い話では1931年(昭和6年)8月25日、早朝羽田空港滑走路から中国・大連へ向けて飛び立つプロペラ機6人乗りフォッカー式単発機の客室には、大連のカフェーに届けられるスズムシとマツムシ計6千匹がおさまっていた。
 一般の利用者は一人もいない。できたばかりの航空会社の営業係がさがしてきた大切な「乗客」だった。
 なんと日本で最初の民間航空機第1号の乗客で、6人乗りの座席を占領してのVIPな長旅に選ばれていたのです?

 1991年(平成3年)4月16日朝日新聞 最近は「IC昆虫」なるものも出てきました。
 本物と同じなき声をIC回路に組込んだ「ICすずむし」「ICヒグラシ」が東京の秋葉原で売られています。

 私も数年前に「ICすずむしキット」を購入して組み立てましたが、小さな部品を数個、基盤にハンダ付けするだけで簡単に何時でもすずむしの音色を楽しむことができます。
 音色については生の音色とは多少異なりますが季節に関係なく楽しむことができます。

 京都の和紙製造会社では和紙で作った「すずむし」をデパートで2万5千円で販売し「エサもいらないで、田舎を思いださせてくれる」と大変に好評であるとのことです。

「蛍の里」は全国に数百あるようですが、「すずむしの里」はあまり聞いたことはありません。
  石川県の珠洲市は市の名前にちなみ「すずむし」に関連した情報がインターネットで公開され、各種のイベントが開催されているようです。  
 
スズムシが鳴きだす頃になると東京のデパート等の売り出しのイベントで先客へのサービスに数匹入りの飼育かごのプレゼントがあるようです。

  京都には鈴虫寺があり、長野県の大糸線北安曇郡松川村は絵本作家・いわさきちひろの「ちひろ美術館」がありますが、村は平成6年「すずむしの里」として特別シンボルとして制定され駅、温泉施設、道の駅などあちこちで澄んだ音色を楽しめるとのことです。

  1985年に520人の犠牲者がでた日航機墜落事故現場群馬県上野村、御巣鷹山にスズムシを20年以上も佐賀から送り届け、毎年8月12日の慰霊祭に「犠牲者の霊の供養に」リーン・リーンと鎮魂の鳴き声を奏でているとの新聞報道もあります。 朝日新聞2005年(平成17)年7月18日  

 例年スズムシの「リーン〜リーン」の鳴き音を聞ける季節になると全国から「すずむし」便りが新聞紙上に掲載されていますが、青森・津軽平野を走るストーブ列車で有名な津軽鉄道に毎年「鈴虫列車」が9月1日から運行されているとのことです。
 乗客を和ませる仕事は10月中旬まで続くとのことです。
 この「鈴虫列車」の鈴虫は鳴き声が弱ると始発駅の津軽五所川原駅に置かれた飼育箱から新メンバーと「メンバーチェンジ」されているとのことでした。 朝日新聞2007年(平成19年)9月2日

「すずむし」にまつわる話は尽きることはありません。
 成虫の「おす」だけがはねを摺りあわせて、鈴のような美しい音色を発する羽根の構造や、擦りあわせのメカニズム、音色の波形分布、周波数など興味は尽きませんが、こんなことを考えているようでは、晩秋に素晴らしい音色を楽しませてくれる「すずむしの心」など理解できていないのかもしれません。

 虫の声は日本人、東洋人では言語脳である左脳で意味あるものとして処理され、西洋人は右脳で雑音として処理されるらしいとのことで、世界で虫の声を楽しむのは蒙古斑を背にした東洋人の証拠かもしれません。

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8.すずむしの捕獲方法
T 鈴虫の捕獲方法
1、ペットボトルの上部を切り取る
2、下部に鰹節、ナス、キュウリなどのエサを入れる
3、下部を1〜2cm位出し土の中に埋めることで、落とし穴ができる
4、鈴虫はエサに匂いにひかれて落とし穴に落ちる
5、落とし穴に落ちた鈴虫は、ペットボトルが滑るので外に逃げられない
6、昼間、鈴虫に居る所に仕掛け、翌朝仕掛けにいる鈴虫を捕獲する

U その他の簡単な古典的鈴虫捕獲方法
1、鈴虫の鳴いていると場所に行く
2、鈴虫のいる方向に向かって、団扇(ウチワ)を仰ぐ
3、団扇で仰がれた鈴虫は草むらが出てくる
4、出てきた鈴虫を虫取り網で捕獲する


  鈴虫の育て方
   改定0807

1.飼育箱や土について
(1)飼育箱
 「金魚の水そう」を使うと中が見えて鈴虫の動きを楽しめる。
 「ポリバケツ」でも 暗い所が好きなので「かめ」でも良い。
 昔から反響してよい音に聞こえるといわれている.

(2) 容器に入れる土は 
 3〜5p程度の深さに十分に天日乾燥で消毒した土7:川砂3を入れる。 又はペットショツプで販売している「すずむし用マット」を表面2〜3cm程度敷くと産卵に良い。   
 底には細かな木炭、竹炭などを敷いておくと湿度の調節作用があり、カビの発生の予防になる。

(3) きりふきで土を湿らせる。
  「すずむし」を濡らさないこと 乾きすぎは「すずむし」が弱ってしまう。湿りすぎはカビが発生して病気になる。若干乾燥気味が良い

(4) 暗所に置く
 暗い所が好きなので海岸の流木、植木鉢のかけら等でかくれ場所を作る。
 二層三層のマンション

(5) 小枝を入れておく
 脱皮に都合が良いようである。

(6) 直射日光のあたらない目のつきやすい所におく。
 管理の目が行き届くところにおく

(7) 飼育箱の置場所
 クーラーの風が直接当たらないよう、かとりせんこうには注意する。

2.よく食べるえさ

(1) えさは土の上にじかに置かない。
 えさのいたみが早い 「キュウリ」「スイカ」「ナス」「リンゴ」「カボチャ」などの植物性飼料 「にぼし」「かつおぶし」「しらすぼし」などの動物性飼料を粉状にして適宜与える。
 金魚、熱帯魚などの餌でも良い、特にフレーク状の金魚の餌を好む。(細かくして与える)
  ペットショツプ等では専用の「すずむしのえさ」も売っている。
 シメジ、シイタケ、マイタケ、エリンギ等も好物とのことです。

(2) えさは適宜与える。
 動物性のえさが不足すると共食してしまうこともあるとのこと?

(3)えさの交換
傷んだえさは早めに取替える。

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3.産卵後の管理
(1) メスとオスの違い
  メス・・・お尻に長い産卵管が伸びている。はねの幅が狭い。9月中旬には産卵を始める。鳴かない。
 オス・・・産卵管が無い。はねの幅が広い。広いはねをすり合わせリーンリーンと音を出して鳴く。
 

(2) 産卵後は共食い
 オスはメスに食べられ、残ったメスはメス同士で共食いをして最後は何匹かの死骸が残る。
 死骸やえさの残りを取除き飼育箱をきれいにして、床下・階段下等に保管する。

(3) 春季に水分補給
 桜の話題がでてくる3〜4月頃から時々きりふきで水分を補給する。

(4) 6月中頃には孵化する。
 オスとメス1組から約200個のたまごが産れ、70%程度はふ化するが、飼育管理が良ければその内約半分程度(約70匹)が成虫になるといわれている。

(5) 自然に帰す
 たくさんに増えたスズムシは スズムシの住みそうな庭先や野山に返して自然の中にスズムシを増やして見てはいかがですか。   
 人工飼育で過保護で育てたスズムシは野生に戻すのは難しいようだ。

4、白い幼虫で孵化

卵から出たばかりは白い幼虫で生まれるが、長いひげは生まれた時からある。 身長は数ミリ程度
卵から生まれて数時間で黒色になる

5、鈴虫のお宿
 飼育箱の中での鈴虫の飼育には、光を遮断する暗所が必要です。
 そこで見附の鈴虫の仲間から、土に戻る天然素材の「植えられる鉢」を使用して「鈴虫のお宿」を作製する方法を聞きました。

 やり方は簡単で、右の写真のように上部に切り込みを入れ出入り口を作ってからひっくり返して設置するだけです。
 このようにすると、暗所の隠れ場ができて快適な「鈴虫のお宿」になります。
  また、この鉢は保湿作用もありますので、適度な湿気が継続しますので、鈴虫にとって快適なお宿になります。
元の鉢    切込を入れた鉢

6、鈴虫の安宿
 「上記の『鈴虫のお宿』は確かに良いと思う。しかし、買いに行くには面倒だし、わざわざお金を出してまでそんな鉢を買う気にはならない」
 と仰る方がいましたので、そんな方には「鈴虫の安宿」を紹介しています。

 「鈴虫の安宿」とは、光を遮断する暗所を作るのに、家庭で不要になったトイレットペーパーの芯を代用することです。
 これならば、買いに行かず、出費もせず、廃物利用ができ、一石三鳥になります。


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