今回の素人設計において懸念事項と解決法は以下の点でした
1.耐久性に関わること
(1)基礎、土台のつくりかた
当初考えていた輸入キットガレージを止めた理由のひとつに、土台を用いず、10cmほどの高さの土間コンクリートの上に直接建ててしまうという点がありました。建築等に携わる知人に相談したところでは、やはり下からの湿気により構造が傷みやすいだろうとのことでした。
結局、オール自作となったことで、防腐処理された土台材を購入して設置することとします。実際、それ以外のキット製品(国産キットGarage等)では、ある程度の高さの基礎面の上に土台を敷く形のものがほとんどです。
(2)壁構造
輸入キットガレージの構造での難点がもうひとつ。それは構造材である合板が内壁、外壁を兼ねるという簡易な構造で問題がないかということでした。自宅の設計時に調べた知識を元に考えると、やはり太陽光や雨風に常に晒される外壁は傷みやすいことは否めません。となると、Garage構造の基本である構造用合板は外気に直接晒すことは避ける方が良いことになります。実際、住宅建築において、内壁と外壁が共用である構造はログハウスくらいなもので、通常の工法では構造壁の外側にサイディングと呼ぶ外壁を別に張って2重構造とすることで耐久性を確保しているのです。
耐久性とコストというのは通常、比例関係にあるので、前述のように2重構造にして耐久性を確保すると、その分、サイディング部分の部材が必要になるので、コストはその分高くなってしまうのですが、せっかく造るのですから、耐久性を優先することとしました。これが予算オーバーの第一歩でしたが...
2.使い勝手に関わること
(1)シャッター開口サイズ、シャッタータイプ
なにぶん素人ですから、シャッターを自分で着けたことなど皆無ですし、取り付け工事の詳細も分かりません。おまけに、シャッターは一番単価の高い部材ですので、サイズ、タイプの選定が大きくコストに跳ね返ってくるので重要なポイントです。知人のアドバイスでメンテナンス等の問題を考慮し、これは取り付けも込みで近所のシャッター扱い店(木材店)に相談し、見積もりを取ります。
(2)ドア、窓の位置と数
シャッターはあくまでも車の出入りがメインであり、人の出入りにはそれだけでは不便なので別にドアを設ける必要があります。このドアも購入すると結構なお値段がしますから、今回は自作する方向とします。
窓については、住宅用の部材を購入する手もあるのですが、単価が高くなるのと、ちゃんとした窓となると、取り付け自体に手間がかかること、取り付けサイズの点や、Garageであることなどから簡易なものでよいと考え、前述の輸入キットGarageの構成品である上下窓(単品で購入可能)を購入して使用することに。窓位置については、内部での作業の際の採光を考え、当初は3つの窓で検討していたのを、2つ追加して計5箇所の窓を設置します。(これは壁製作中に変更追加)
3.組み立ての容易さに関すること
いくら部材コストが安くなっても、限られた時間の中でセルフビルドするためには、組み立ての容易さも十分に考慮が必要です。基本的には、ワタシ一人での作業がメインですから、当然クレーンを使うような工程を組むことは不可能です。よって、構造を組む際には、なるべく軽量コンパクトな部材を要領よく組み合わせることが必須となります。
2×4工法においては、構造壁を作ってある程度組みあがったところで強度が出てくるのですが、その壁の組み方にもいくつかやり方があり、
・2×4材でスタッドを最初に土台に立ててしまい、そこに合板を張っていく方法と、
・2×4材と合板で分割された壁パーツをそれぞれ造り、一気に土台に立ち上げて結合する方法
があります。前者は組み立ての際にそれほど重量が伴わないので扱いやすい反面、歪みが多い2×4材を立てて垂直、直角の精度を出すのが大変重要になり、難しいと判断しました。よって、後者の、壁パーツを分割して造り、それを立ち上げていく方法の方が精度を出しやすいと判断し、こちらの手法をとることとします。重量の点については、壁パネルの分割によってカバーしようとするものです。
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