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Garaging & Carlife

Update:2003/05/27
New:2003/05/17 

●DIYアライメントその1

●DIYアライメントその2

●DIYアライメントその3-(1)

●DIYアライメントその3-(2)

●DIYアライメントその4

〜DIYアライメントその2〜
アライメントDIYのためにガレージ床の水平度を簡易計測

 前段のタイヤ位置の勾配に続いて、高低差の有無を確認することで、測定場所としての水平度を判定します。


◆どうやって高低差を計測?
 

★下の画像で、床に黒いテープを貼ってあるのが、各タイヤの外側位置です。

 

 

 

「DIYアライメントその1」に続いて、今度は4つのタイヤ位置について、高低差を確認します。タイヤ位置の呼称は前ページと同様に

  1.FLレベル:フロント左タイヤ高さ(ここを高低差表現の基準とする)
  2.FRレベル:フロント右タイヤ高さ
  3.RLレベル:リア左タイヤ高さ
  4.RRレベル:リア右タイヤ高さ

として統一して記述します。

 計測する際には、接地面積をハガキ一枚分くらいとして、そのほぼ中心に近い部分を代表値と扱います。

 

 

 

 


◆計測ツールを造る

次に、計測用のツールを自作します。

計測するには、建築で基礎工事を行う際に使用する、「水盛り」という方法を応用します。
これは、透明なビニールホースに水を注ぎ、高さを測定したい2点にその両端を立てると、両端の水面高さは同一になる、という昔、理科で習ったあの原理を利用するものです(^_^;)。原理は簡単ですね。

そういえば、バイクなどキャブレター仕様の場合、フロートレベルの測定はこの方法でやりますね。

 

 

 

費用はなるべく掛けないのがDIYの王道(?)なので、廃材も利用します。今回使う材料は、

 ・500mlペットボトル
 ・内径φ6のビニールホース(ホームセンター
  で単価100円/mくらい?)を数m。
 ・ホース用中継管(真鍮製φ6.5)×2本(単価150円)
 ・シリコンコーキング材少々
 ・電動ドリル、6mmのドリル刃


 

ペットボトルを適当な高さに切断。
これで水位を読むので、油性マジックで
底面から40mm〜60mmのところに目盛りを入れておきます。
 左の画像で、手書きした目盛りが分かりますか?

 

★水位の安定を考えると、もっと高さを稼いで水量を増やす方がよいかと思われます。


ドリルで切断したペットボトルの横面にφ6の穴を開口します。


開口した穴に真鍮製の中継管を押し込み、シリコンコーキング材でシールします。


コーキング材が固まったら、中継管にそれぞれφ6のビニールホースを繋ぎ、水を満たします。水の量は、手書きした目盛りの中間値まで注ぐと良いでしょう。

 左のように隣り合わせてみると、当然ですが水面高さが揃います。


水を入れたペットボトルを、測定したいタイヤ位置に置きます。
今回は
フロント左(FL)タイヤを基準に相対値を計測しますので、FLと他3つのタイヤ位置をそれぞれ組み合わせて3種類測定します。

 左の画像はフロント両輪を計測中。大工仕事にも使うためにビニールホースが長いので随分遊びがありますね(^_^;)

 

なお、水位が安定するまで、数分間、放置する必要があります。(接続するビニールホースがもっと短ければ早く安定すると思われます)

 また、接続するホースは内径が大きい方が気泡が滞留しにくく、水位も早く安定するでしょうが、部材費が高くなります。今回は内径φ6のホースを使用しましたが、ホームセンターではφ13程度の物も売られていました。しかし、単価は2倍強します

 


◆測定結果

 フロント左(FL)タイヤを基準にするので、3回(3つの組み合わせ)計測します。

しかし、あくまで簡易な計測方法なので、表面張力に影響されるため、水位読み取りには誤差が出やすくなります。(水に界面活性剤を入れると読みやすいかも)

測定順(測定の組み合わせ)

各タイヤ位置での水面高さ

1回目:FLとFR

FL:48.5〜48mm

FR:49mm     ←FLより床レベルが低い

2回目:FLとRL

FL:48.5〜48mm

RL:50.5mm    ←FLより床レベルが低い

3回目:FLとRR

FL:50.5mm

RR:48.5mm    ←FLより床レベルが高い

 

以上の結果から、基準タイヤであるFLとの相対的な高さを求めると、以下のようになりました。
ちなみに、基準位置よりも水位の読取り目盛り値が高いということはペットボトル底面が低い、つまりコンクリート面が基準位置より下がっていることになります。
水位の読取り目盛り値が低い場合はその逆です。

タイヤ位置

タイヤ位置コンクリート床の相対高さ

FL

0mm(基準高さ)

FR

-0.5mm〜-1mm

RL

-2.5mm〜-2mm

RR

+2mm


 

 これらの結果から、フロントで左右で約1mm弱の高低差があり、同様にリアの左右では4mm強の高低差があることになります。コンクリート面を今から平らに修正するのは難しいので、強いてあげれば、リア左のタイヤ下に厚さ4mm程度の鉄板を敷くと、前後の高さ差は2mm残るものの、左右の後輪はほぼ水平になるかも。(とは言っても、RLタイヤ部には傾斜があるんですよねぇ...)

(追記:2003/05/27)

 

&さんのサイトを参考に、自作の計測ツール(※このツールについては、後日追加予定)を使って4輪それぞれの現状でのキャンバー値を測定してみたところ、

FL:-1°30′付近
FR:-1°30′付近

RL:-0°30′付近
RR:-1°00′付近

という値になりました。(簡易な測定なので、絶対的な精度は望めませんが、各輪の相対値の確認には充分かと思います)

フロントの左右輪は純正形状のビルシュタインBTSキット+STI強化アッパーマウントの組み合わせにおいて、キャンバー調整カムボルトの最大値で試したところ、約-1°30′程度のネガティブキャンバーが付いたことになり、左右揃っているのでOKのようです。

 問題なのは、リア側ですが、左側の角度が足りないので、2回ほど各リンク類の締結ボルトをいったん緩め、1Gに近い荷重負荷を掛けて締め直したりしてみましたが、やはり変化はありませんでした。

 

 ところが、前回書いた通り、基準面から約2mm低いRL(後輪左)は、同じく約2mm高いRR(後輪右)とは相対的に4mmの差があるので、それを補正出来るかどうか、試しに4mm厚のベニヤ板をRLタイヤ下に敷いてみたところ、正解だったようで、-1°00′付近に落ち着きました。薄いベニヤだと、コンクリート面の波打ちに追従してくれ、かつ圧縮には割と耐えられそうなので正解だったようです。

 つまり、ワタシのBH5とガレージ条件の元で4mm床面を上げたら約-30′角度が付いた(補正された)事になるんでしょうか?これは後ほど、車体向きの入れ替えなどをしても確認していきたいと思います。
 もしこれが正解であったなら、水盛りでガレージ床面の測定をしたことが役に立ったということになります(^_^)

 

 


 これらがどの程度車体の静姿勢に影響を与え、また、ホイールアライメント値にも影響を与えるものでしょうか?

#2点の測距間隔と得られた高低差の値を三角関数(tanθ)に当てはめると、見かけ(均した)の床面勾配(θ)が求められますね

例えば、今回のような床面の微妙な高低差は、タイヤの空気圧の大小による条件の差異と意味合いが似ているかも知れません。空気圧が0.2k(今はパスカル表示ですが(^_^;))違うと、どのくらいアライメント値に変化が出る物なのか、等も基礎的な傾向として調べると面白いかも。(あくまで個人が趣味の範囲でやることなので、実際にデータ取りするかはお約束できませんけど(^_^;))

 こういう事をやるなら、車両(レガシィ)のサスペンションの特性データ(バンプに伴うトー変化、キャンバ変化とか)が公開されているとより正確な検討になると思うのですが、公開されてないでしょうねぇ?(^_^;)。


 次回以降の測定、調整をしながら、もうちょっと考察など加え、ぼちぼちと足回りの勉強をして行きたいと思います。

 


 

次は、ホイールアライメントの測定と調整(→DIYアライメントその3へ

  


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