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風牌ダイアリー

 レストランでフラメンコのショーを見ていたら、占い師のオッサンに食いつかれた。食事中の客を占って回る流しの占い師で、自分は決して目を合わせまいと頑張っていたのだが、フラメンコに夢中で占い師の接近に気づかなかった。
 ふと振り返ったらそこに占い師がいて、笑顔で手の平を差し出していた。一回千円。帰れと言っても帰らない。手の平にムール貝を乗せてやっても納得しない。しまいには青龍刀を腰から抜いて、占いさせてくれなきゃ死ぬと泣き喚く。仕方がないので占ってもらうことにした。
 自分と彼女で計三分。お前たちはやれば出来る子だから頑張れ、という内容は占いでも何でもなかったが、力強くて優しさに満ちあふれたメッセージだった。
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