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男と女のダイアリー 〜宿命〜

 日記のタイトルを、内容が分かりやすいように変更した。ついては記念にマンションを買うことにした。

 駅から五分で3LDK、築十年で2,800万円のマンションがオープンルームをやっていたので見に行った。すげー狭い。玄関から息を吹いて、一番奥のロウソクが消えるぐらい狭い。チラシを見たら専有面積が50平方メートル。よくもまあこんな狭い空間に四つも部屋を作ったな、と逆に関心した。
 月々七万円の支払いで35年ローンで買え、と担当さんに脅されたが、齢六十半ばに達するまでこの物件に金を払うのかと思うと目まいがした。目まいのせいで一瞬だけ部屋がとても広く見えたが、自分は決してだまされなかった。五十円玉を床に落として、担当さんが気を取られている隙にマンションを出た。

 近くのマンションでもオープンルームをやっていたので、ついでに覗いてみた。専有面積は80平方メートル。広い。3LDK、駅から五分、築十年で4,200万円。そして何より担当さんのやる気がまったくなかった。すんませーんと言って玄関を開けても返事がない。留守かと思って勝手にあがったら、奥の部屋に担当さんがいてソファにふんぞりかえっていた。立ち上がって部屋を案内してくれる気配もない。だから自分で勝手に見て回った。
 部屋が全体的に薄汚い。リフォームしてくれるのかと担当さんに尋ねたら答えはノー。エアコンが四基あるのにアンペアは40で、これ全部つけたらブレーカー落ちるんでねーの、と聞いたら答えはイエス。アンペア増設はノー。やる気はと聞いたらノー。帰ると言ったら元気よくオーイエス。なにがオーだ。担当さんは結局最後まで立ち上がらなかった。不動の山の如き担当さんだった。

 それでもやっぱりマンションは買う。買うったら買う。やっぱり買わないことになってもここには書かない。買ったフリをして、ヨーロッパのお城と自分の合成画像をアップしてごまかす所存である。
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