大土ガ森(580m)おおどがもり |
概 要 | 鶯沢の細倉鉱山の奥にあり、仙台市街からは遠く地味な名前なので、見過ごしていた山。ところが、春先にはシラネアオイをはじめ、花を楽しむには絶好の山となります。渓流コースの奇岩や山頂直下のロープの急登と、コース的にも変化があり、歩行時間もちょうどいい感じ。 2005年(平成17年)4月1日、築館町、若柳町、栗駒町、高清水町、一迫町、瀬峰町、鶯沢町、金成町、志波姫町、花山村の栗原郡10町村が合併し「栗原市」が誕生。大土ガ森は、旧栗駒町・花山村・鴬沢町の境にあり、登山口は旧鶯沢町にある。 |
場 所 交 通 |
仙台からは築館、金成ICよりも、距離・時間・経済的にも古川ICで降りるのが良いと思う。古川ICから国道47号へ。岩出山のあら伊達な道の駅でトイレ休憩をし、457号、398号を経て花山湖へ。県道178、180を通り、細倉新町で鋭角の分岐を道標に導かれながら、北向沢方面に林道を走る。山道の峠を越えるといったん沢筋に道が下って文字方面から登ってくる道に出る。道標を左折し、ニリンソウが咲く沢を左に見ながら登っていくと、右手に広場がある。ここが大土ガ森の登山口です。(細倉新町から約4Km) |
注 意 事 項 |
登山道は整備されており、道標も完備されているが、山頂直下の鼻こすり坂は岩の露出した急坂。ロープに頼らないと手がかりがなく登れないような箇所もある。ストックは邪魔になるし、落石にも注意が必要。下山路には不適。安全面を考えたら、いっき坂の往復が無難。 |
コ ー ス タ イ ム |
仙台南IC→(車45分)→古川IC→(車60分)→大土ガ森登山口→(歩50分)→渓流コースを経て展望広場→(歩40分)→大土ガ森山頂→(歩3分)→ベンチの広場→(歩30分)→いっき坂分岐→(歩40分)→登山口駐車場→花山湖→古川IC→仙台南IC ※登り→渓流コース+鼻こすり坂→大土ガ森山頂→ 下り→いっき坂+中央コース :所要時間3時間25分(休憩45分含む)) ※女性5人 |
ガ イ ド ブ ッ ク |
「新・宮城県の山」山と渓谷社 地図:「岩ヶ崎」「花山湖」1/25000図 →登山路は地図には掲載なし |
ゴールデンウィーク後半。森仲間の企画に混じり、花山村の森や畑の作業を 泊りがけでお手伝いに行くことになった。午後からの作業の前に、山好きな メンバーだけでひとやま登ってしまおう、というのが今回の登山。 花山湖が見渡せて短時間で登れるようですが、 実際はどうだったでしょうか。 |
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→大土ガ森登山口駐車場 岩出山のあら伊達な道の駅から約1時間で登山口に到着。 連休後半で天気もまずまずだったので、5〜6台の駐車スペースは満杯。林道をさらに50m程登った路肩に駐車する。 |
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→登山口の案内板 判りやすい案内板があり、略図でコースの概略がつかめる。(画像↑) 大土ガ森は、その端整な姿から「文字富士」とも呼ばれているそうです。 |
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→沢を渡ります 登山口から100m程ですぐに沢を渡ります。すぐにイカリソウやシラネアオイがお出迎え。 |
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→中央コースと渓流コース分岐 花の観察をしながら10分程で、分岐に到着。ガイドブックに従い、登りには渓流コースを選び、下りは中央コースを歩くことにしました。 |
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→渓流コース 渓流沿いの、平坦で歩きやすい道を登って行きます。 |
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→くじら岩 ちょっと太った鯨です。数トンはありそうです。 |
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→ニリンソウが咲く道 渓流コースの名の通り、沢沿いに道がついて気持ちの良い道です。水際にはニリンソウが群生していました。 |
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→子生婦岩に到着 歩き出して30分位で到着。 |
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→近くで見た子生婦(こんぶ)岩 何の木か観察するのを忘れましたが、ガイドブックによるとケヤキだそうです。子を生む婦人の連想からの命名だと思いますが、岩も木もお互いの存在が必要なので、離れずにいるのでしょう。 |
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→渓流コース最後の急登 谷底からから一気に階段を登って、中央コースに合流します。この階段、短いけれど急です。 |
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→尾根道に出ます 狭い尾根に出ます。両側には、アカマツに混じって広葉樹の新緑が美しく、ちょうどクロモジの花が咲いていました。又、私は怖くて見ませんでしたが、細い蛇もいたそうです。 |
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→観察広場への分岐 尾根に出て10分程で、あずまやのある観察広場への分岐に到着。道標に従い、右手の斜面を登ると広場に出ます。 |
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→観察広場のあずまや 広場にはあずまやがあり、ここで休憩します。登山口からは約50分かかりました。奥に見えるのが大土ガ森山頂です。 小休止しながらホオノキやブナの芽吹きを観察しました。 |
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→山頂への2コース分岐 観察広場からは10分足らずで分岐に到着。道標があるので安心です。我々は右から山頂に行き、下りは左手の道を下ってくる事になります。 |
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→くま落坂の始まり 結構な坂で、ロープが張られています。ロープが無くても大丈夫な所もありますが、この辺りの両側には、シラネアオイが群生しているので、その保護の為に立ち入り禁止の意味のロープではないでしょうか。 |
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→大兎(おおど)岩 分岐から観察しながら17分経過。下の鯨岩より大きいウサギ。鼻こすり坂はこの岩のすぐ上から始まっています。 |
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→鼻こすり坂 いよいよ難所の鼻こすり坂。あらら、こんな急だとは・・・・。 |
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→スゴイ急坂 いくらかジグザグなコース取りになっていますが、直登です。息が切れますが、時折顔を見せるシラネアオイに慰められながら、じりじりと登っていきます。 |
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→落石注意! ロープに頼らないと登れないような箇所もあります。前の人の落石も要注意。雨の場合は滑って厳しいです。 |
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→やっとなだらかに やっとロープが無くなり、なだらかになってホッとします。頂上は右手です。 |
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→山頂まで50m T字路にぶつかり、右に50m行くと山頂との案内があります。 |
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→頂上で〜す 無事大土ガ森山頂に到着。栗駒山が見えるそうですが、曇りがちでもあり、山頂は木々が邪魔をして、あまり眺望がよくありません。 山頂は広くないので、山頂から東がわの鞍部に下ります。 |
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→休憩する人々 先客がいて、賑やか。ベンチもあり、ここで昼食にします。 木のない南側には花山湖が見えました。 |
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→山頂をあとに 30分の昼食休憩そして、頂上を後にします。ちょうど正午になっていました。 |
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→いっき坂の下り開始 鼻こすり坂への分岐を左に見て、下山路は「いっき坂」を下ります。 |
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→花山への分岐 山頂から5分程で、花山への分岐の標示がありました。花山といっても、花山のどこに通じているのでしょうか。かなり距離がありそうです。 |
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→足元注意 頂上から15分位下ったあたりが、急坂になっていて、ロープが張られている。鼻こすり坂よりは道幅もあり、道もしっかりしているので、ゆっくり慎重に下れば大丈夫です。道脇には、スミレが咲いていました。 |
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→くま休み場 頂上から25分位下ると、くま休み場の標示がある。なるほど、やっと急坂が終わり、クマでなくてもホッとして足を休めたくなるような場所です。 |
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→鼻こすり坂といっき坂の分岐付近 登った鼻こすり坂の分岐を左に見ながら、尾根道を下って行きます。平坦な下りなので、植物観察にはとてもいい道です。でも、時間が押してきたので、割愛。(この分岐から登山口まで40分かかりました) |
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→渓流コースの分岐 登ってきた渓流コースは右下に道が下っていますが、下山路は中央コースを下ります。駐車場まで0.6kmとの標示。 |
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→ゆるやかな下り 呑気に歩ける気分の良い道です。アカマツ、ウリハダカエデ、ウグイスカグラ、オオバクロモジ等の木々を観察しながら下ります。 |
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→登山口に無事下山 頂上から70分。ほぼ予定通りの午後1時過ぎに到着。ともかくシラネアオイが美しい花の山でした。皆にっこり。 麓の村では春祭りで花山湖畔は賑わいを見せていました。知人の別荘には約1時間で到着。すぐ畑仕事を手伝い、翌日は森林作業や蕎麦打ち体験もし、有意義な連休でした。 |
キバナイカリソウ? |
シロバナエンレイソウ? |
ニリンソウ? |
オオバクロモジ? |
ミスミソウ??? |
ヒトリシズカ? |
シラネアオイ |
シラネアオイ |
ムシカリ(オオカメノキ)? |
ヘビイチゴ??キジムシロ?? |
ジュウニヒトエ??? |
ヤブレガサ??? |
ウグイスカグラ? |
ウリハダカエデ? |
大土ガ森に関する補遺 ●花山鉄砲祭り 5月5日は花山のお祭り 大土ガ森登山を終えて、車で花山湖畔にさしかかると、鉄砲祭の行列に出遭った。5月5日はお祭りだったのです。 「花山村史」によると、1712年に、領主遠藤対馬がわが子の健康回復を喜び、12人の鉄砲組に命じて礼砲をうたせたのがこの祭りの始まりだそうです。維新後も許可を得て祭事は受け継がれ、その後も村祭りとして略式で行なわれたが、昭和47年から昔の服装行列が復活。行列順は、お先払い、御鉄砲組12人、草履取、立槍、はさみ箱、添人、獅子舞、太鼓と続き、一足毎に両足を揃えてふみ出し静かに歩行する・・・・のだそうです。 行列しか見れませんでしたが、なかなか味わい深い静かなお祭りで、長く守ってきた花山の人々の誇りを感じました。他所から観光客を呼んで地域を活性化させる、というより、このお祭りを正しく受け継ぐことに主眼を置いているのかしら、とふと思いました。 そういえば、花山湖はダム湖で、ダムの下には文化財や家屋もあったはず。資料によると、ダムの着工は昭和27年、竣工昭和33年とありました。花山には、村名由来のアズマシャクナゲの自生北限の御嶽山や、イワウチワが咲く御駒山もあるので、また是非訪ねて花山をもっと知りたいと思いました。 参考文献:「花山村史」 花山村史編纂委員会 昭和53年発行 |