直線上に配置

屏風岳(1817m)びょうぶだけ

2006.8.6(日)の記録
 概   要  宮城を代表する観光地、蔵王にあり、県内の最高峰。エコーラインで標高1600m地点まで車で行けるので、アップダウンはあるが、比較的楽に登れる。盛夏に涼を求めるなら、同じ蔵王の熊野岳の次にお薦めのコース。熊野岳は火山地形で男性的だが、屏風岳は途中に湿原もあり、花の種類も多く、なだらかで女性的な景観。マイカー利用の場合、往路を引き返すのが一般的。
 一方人気コースなので、湿原や登山道の荒廃が進んでいる。平成18年8月には、芝草平付近の木道と屏風岳手前の土溝の整備が行われていた。(登山には支障はありません。)
 場   所
 交   通
 仙台の生出でから、村田を経て、蔵王町平沢を通り、白石上川線のセブンイレブンに出るのが早い。川崎からすずらん峠もいいが、帰路は釜房周辺の混雑が避けられる。遠刈田温泉を過ぎ、エコーラインを登り、ハイラインの料金所の看板が見える辺りから、路肩左側に駐車スペースがある。休日は朝8時前から満車状態。道路との段差があるので、条件のいい場所に駐車するには、早出しなければならない。
 注   意
 事   項
 登山道は、夏道の場合はよく踏まれているので、迷うような場所はない。湿原地帯は保護の為ロープが張られ、立入禁止になっている。尚、背の高い木が少ないので、天気が良いと直射日光をまともに受けるので、紫外線対策が必要。また荒天時は高山なので、ガスも深く風当たりは強いと思われる。尚、芝草平から屏風岳の最後の登りは予想外にきつく、体力を消耗します。
 コ ー ス
 タ イ ム
 仙台茂庭→(村田経由・車1時間15分)→エコーライン路肩駐車場→(歩6分)→屏風岳登山口→(歩50分)→前山→(歩20分)→杉ガ峰→(歩20分)→芝草平→(歩40分)→屏風岳→(歩35分)→芝草平→(歩30分)→杉ガ峰→(歩60分)→屏風岳登山口→(歩7分)→路肩駐車場→(車30分)→遠刈田温泉→(村田経由・車50分)→仙台茂庭
 ※エコーライン登山口から屏風岳往復:
        所要時間6時間(歩行4時間半、休憩1時間半)
 ※女性3人で花の写真を撮りながらのタイムです
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「新・宮城県の山」山と渓谷社
地図:「蔵王山」1/25000図

※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します


平成18年の6、7月は、土日が天候不順で山には行けなかった。
待ちに待った梅雨明け直後の日曜。願いがかなって久々の快晴。
 涼を求めて、宮城の最高峰屏風岳に行く事になった。久々に高山植物を
堪能できそうだ。

峩々温泉への分岐の建物

 仙台南インターをくぐって、生出から仙台村田線に入る。村田から西に平沢を経て、白石上川線のセブンイレブンに出る。同乗のN子さんの道案内でスイスイ進行。遠刈田を過ぎ、お勧めのトイレに立ち寄る。表登山口というバス停もあります。
→清潔なトイレ

 エコーラインから右手、峩々温泉に下る分岐の広場の奥に建っています。まだ新しく、水洗でペーパーもあります。山中に入る前にトイレは済ませておきたいですね。ここから車で15分程で、ハイラインの料金所手前に到着します。
→駐車スペース確保!

 ハイラインの料金所の案内板のすぐ脇に駐車。朝8時でしたが、既に周辺の駐車スペースは満杯状態で、やっと停めました。エコーライン沿いに30台位は停まっていたと思います。道路との段差があるので、普通車は車体を擦らないよう一苦労しました。
→後烏帽子と屏風

 逆光の峰々。ここで標高1580mありますが、朝から気温も上昇し、さっぱり涼しくありません。幾重にも紫外線対策をし、エコーラインを山形方向に歩きだしました。
→前山と杉ガ峰

 これから登るなだらかな尾根が見えて
います。何とも気持ち良さそうで、わくわく
します。
  ガードレール沿いに咲くのは、ヨツバ
ヒヨドリです。
→ハイラインへの分岐

 ハイラインの登り口です。この付近にも、道脇両側に、屏風岳への登山者の車が、びっしり停まっています。早朝に来ないと、駐車するのに難儀をします。
→屏風岳登山口

 ハイライン分岐から200m程山形側に歩くと、道路左手に登山口があります。案内板や道標もあります。
 ここを左(南)に入って行きます。いよいよ、南蔵王の登山の始まりです。
→これから登る峰々

 登山口から10分余りの場所です。木道が整備されています。2001年から始まったそうです。流石に歩きやすいです。
 最初は、やや下りながらの平坦な道なので、ルンルン気分です。
→保護されている湿原

 木道のある場所は、湿原がある場所のようです。みだりに踏み荒さないように、通行を木道で一本化し、保護すべき場所には、立ち入り禁止のロープが張られています。
→キンコウカ咲く

 ロープの中には、キンコウカが黄色の群落を見せていました。本には、キンコウカは秋の花の段に載っているので、8/6ですが、高山は既に秋の気配。
 植物観察や写真を撮りながら歩きます。
→刈田峠・避難小屋への入口

 登山口から22分で到着。平坦な峠ですが、右は山形の須川へ、左は澄川へ水を集めて谷を刻んで行きます。登山口からここまで、なだらかな下りで、ここからは前山への登りとなります。高い樹木はオオシラビソです。
→ハイラインと刈田峠

 登山口から35分経過。前山の登りの手前に、僅かに露岩部分があります。樹木が無く風通しも良いので、休憩にしました。写真は岩場からの景色です。刈田岳の山頂には、刈田神社がポツンと見え、その下には、ハイラインと、歩いてきた道が所々に見えています。
→前山道標

 先程の岩場から、さほど辛くない登りは15分弱で終了。前山に到着です。ただ道標があるだけで、展望が良くないので通過。少し下ってから、今度は杉ガ峰の登りにかかります。
→杉ガ峰直前

 杉ガ峰もなだらかな登りで、息が切れるような箇所はありません。次々に顔を見せる高山植物を観察しながら、登ります。ただ、上天気でかなり温度が高く、汗をかきました。
 
→広い杉ガ峰の山頂

 前山から、25分で到着。団体で休憩可能な広場になっています。ベンチもあります。ほぼ中間点に来たので、行動食を食べ、屏風の登りに備えます。
 
→杉ガ峰から熊野岳

 熊野岳が見えます。熊野岳の左肩にうっすら月山の雪が見えました。ともかく素晴らしい天気です。風も無く、日差しも強いので、喉も渇きます。熱中症予防の為、水分も充分補給してから、出発しました。
→杉ガ峰から芝草平へ

 杉ガ峰から芝草平までは、なだらかな下りです。
→また木道が

 芝草平に近くなると、やはり湿原保護の為か、木道になります。前に見えるのは、屏風岳です。
→芝草平到着

 杉ガ峰から20分で芝草平に到着。湿原へは立ち入り禁止となっています。
→荷物のデポ

 まだ整備中で、木道等の資材が積まれています。木道の下には、石が敷かれているようです。
→あちこちに置かれた資材

 作業の効率を考えて、資材を分散して置くようです。資材は、ヘリで運ばれるのでしょうが、設置場所までは、トラックが入れないので、人力だと推察します。
→ブルーシートの下は?

 木道はここで終了します。(未完成)
 青いシートの中に、作業のプレハブ小屋とテントが有りました。泊まりの人もいるのでしょう。今日は日曜なので、作業はお休みかもしれません。
→屏風の登りは工事中

 屏風岳の登りは、ガイドブックにも、泥の深い溝で、大変滑りやすいと書かれています。今まさに、その溝の改修工事が行われていたのです。木札に「砕充填石工」と書かれています。砕いた石を、充填していく工法?なのかしら??
→振り返れば杉ガ峰

 ヘリでシートに包んだ砕石を登山道の数箇所に落として、それを広げて敷きつめるのでしょうか。壊れたシートもあちこちにありました。それにしても大変な作業です。総工費は?と心配になります。
→飛行機雲

 絹雲の中に一筋。旅客機がもたらした平和な雲です。
 登山道の改修工事の大変さを思いながら、我々も入山料を払ってもいいよね、という話も出ました。
→烏帽子分岐

 芝草平から約20分で、烏帽子の分岐に付きました。急な登りでもなく、石も敷かれて歩きやすくなっていましたが、暑さにバテていました。ここから頂上までの残り20分が、かなりきつかったです。
→屏風岳山頂

 だれも弱音を吐かないので、休まずにやっと頂上に到着しました。幸い少ないベンチが空いていたので、すばやくゲット。もはや11時。はらぺこでした。
→不忘への道

 お腹を満たしてから、次回の為に不忘山の道を確認しに行きました。頂上は高木はないのですが、台地状なのかあまり辺りの山が見渡せない状態です。広場は、杉ガ峰の方が広いです。東側もガスで見えません。
→南屏風か?

 
左が宮城、右が山形です。ちょこんと頭を見せたのは、南屏風でしょうか。
 頂上では、お手製の玉子焼きや淹れたてコーヒー等をご馳走になりました。50分休憩してから、来た道を戻ります。
・・・・ここから復路です・・・・



→右が宮城県側


 屏風岳山頂付近のみ、宮城側からガスが沸いていました。
→道脇の樹木

 オオシラビソ、シャクナゲなどの道です。
→屏風岳直下からの景色

 屏風岳からの下りです。来た道を引き返すのですが、アップダウンがあるので、帰り道は長く感じます。温泉を楽しみに下ります。
→屏風岳直下登山道の溝

 まだ砕石が充填されていない屏風岳の下りの溝です。今年6月には、まだ砕石は無くて、ずーっと段差のある泥溝に難儀をしたそうです。
→芝草平のキンコウカ

 屏風岳から35分位で芝草平に下ってきました。行きは見落としたキンコウカの群落です。
→杉ガ峰付近

 道の脇に紫色のシャジン?が咲いています。
→杉ガ峰直下からの眺め

 手前から順に、前山、ハイライン、刈田岳、熊野岳と見渡せます。朝は見えていた月山も、霞んできました。
 屏風岳から、1時間程戻ってきた所です。
→前山の手前

 屏風岳から1時間経過。休憩無しで、ここまで来ました。だいぶ疲れてきました。前山を過ぎて、行きに休んだ岩場で休憩です。
→登山口近くの湿原

 もうすぐ登山口です。行きは楽チンだったなだらかな下りも、帰りは登りとなります。たいした登りではないのですが、疲れた足には長く感じました。
→エコーライン
 やっと道路に出ました。でもとても心地よい疲れでした。満車だった駐車場も、午後2時を過ぎには、だいぶ空いています。ここも道路との段差が大きいので、駐車には要注意です。日曜なので登りはまだ観光の車が多かったです。遠刈田温泉へは、車で30分で下り、入浴後帰宅しました。
     ●登山報告終わり●

◆出合った植物◆名前は?
 ハ
 イ
 ラ
 イ
 ン
 付
 近
↑ヨツバヒヨドリ キク科
 葉が4枚輪生し、ヒヨドリが鳴く頃咲きことからの命名だそう。

黄色:クモマニガナ?
 白色:シロバナクモマ二ガナ?
 登
 山
 口
 付
 近

↑キソチドリ??

↑マイヅルソウ?の実
 登
 山
 口
 付
 近
↑タケシマラン?の実
↑イワショウブ?
 刈
 田
 峠
 付
 近
↑?イタドリ?
↑イワオトギリ?
 刈
 田
 峠
 付
 近
↑?
↑ヒメシャジン???
 刈
 田
 峠
 付
 近
 
↑?シャジン??? ※ミヤマシャジンはめしべが花冠から長く突き出るそう

※ヒメシャジンはめしべが花冠と同じ位だそう

※ハクサンシャジンは花が輪生するそうです
 刈
 田
 峠
 ↓
 前
 山
 付
 近
↑ミネザクラの実か???
↑コメツツジ??
 前
 山
 付
 近
↑ハクサンシャクナゲ
↑メイゲツソウ タデ科 名月草
 前
 山
 付
 近
 

↑ネバリノギラン

↑?
 前
 山
 ↑
 ↓
 杉
 ガ
 峰
↑クロヅル???
↑??ツゲ??
 前
 山
 ↑
 ↓
 杉
 ガ
 峰
 
↑ウスユキソウ?
↑エゾシオガマ
 前
 山
 ↑
 ↓
 杉
 ガ
 峰
 
↑ヤマハハコ?
↑シャジン?とウスユキソウ?
 杉
 ガ
 峰
 付
 近
↑ナンブタカネアザミ?
↑ヒメシャジン???
 杉
 ガ
 峰
 ↑
 ↓
 芝
 草
 平

↑?
 
↑オオシラビソ?
 杉
 ガ
 峰
 ↑
 ↓
 芝
 草
 平
 
↑ミヤマネズ???
↑ハリブキ
 芝
 草
 平
↑?
↑イワショウブ?
 屏
 風
 岳
 付
 近
↑オオシラビソ?
↑ナナカマド
 屏
 風
 岳
 付
 近
↑(ナンゴク)ミネカエデ?
↑ハクサンシャクナゲ
 屏
 風
 岳
 付
 近

↑ハクサンシャジン?

↑ハクサンシャジン?
 屏
 風
 岳
 付
 近
↑ミヤマアキノキリンソウ?
↑マルバシモツケ バラ科
※植物名は?で識別できませんでした。
参考文献:「蔵王の花」村上孝夫著、「宮城の高山植物」河北新報社
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           屏風岳に関する補遺  ●遠刈田温泉


→遠刈田温泉新共同浴場「神の湯」

 旧センター浴場は取り壊され更地(公園?)になっています。神社前の駐車場だった辺りに、平成18年4月にオープンしたそうです。シャンプー・石鹸・シャワーはありません。脱衣所と浴槽の間に、扇風機とベンチのある明るい小部屋がありました。サウナ無し。

→無料の足湯

 お風呂に入るのはちょっと、という方は温泉の前に足湯場がある。無料です。
 「神の湯」は大人300円。無休。
 営業時間 5:30〜6:45、9:00〜22:45



→観光案内所

 湯上りに、ソフトクリームの売店を聞いたら、長谷川豆腐店(壽の湯の筋向い)の豆乳ソフト(さっぱりして美味)を案内してくれた。蔵王周辺の地図やパンフレットもあります。



→温泉駐車場とトイレ

 温泉の右手に駐車場とトイレがあります。駐車場は狭く(15台以下)、交通整理の方に従って停めました。

※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。

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