直線上に配置

徳仙丈山(711m)とくせんじょうさん

2006.5.21(日)の記録
 概   要  「つつじ咲く徳仙丈山ハイキング」という、Y社の日帰りバスツアーの登山。ハイキングの帰りに、志津川のホテル観洋で入浴付き。
 場   所
 交   通
 大型観光バスで、仙台→石巻→津山町もくもくランド→大谷海岸→気仙沼→羽田→林道の途中(登山口まで3キロ手前)で下車。林道歩き登り徒歩65分。登山口から頂上まで登り徒歩30分。
 注   意
 事   項
 山渓分県ガイドは本吉側の登山道を紹介しているが、Y社のツアーの場合、気仙沼側から登るので注意。登山道はよく整備されており、一本道なので、往路を忠実に引き返せば、問題ない。しかし山頂に道標が無いので、霧などで、山頂で降りる方向を間違えると、本吉町の方に下ってしまうので、注意。バス旅行の場合、バスに戻れなくなります。
 また旅行会社は、頂上まで行ける時間をとってくれているが、頂上までの地図は用意しておらず、麓の展望台までの案内しかしない。添乗員も展望台までしか同行しないので、自由時間に頂上まで行くつもりの人はそれなりの事前の下調べと地図・磁石等を用意しておく必要あり。
 コ ー ス
 タ イ ム
 仙台駅西口→(車約3時間休憩含)→気仙沼市羽田付近の林道の途中→(歩65分)→徳仙丈山気仙沼登山口→(歩30分)→徳仙丈山山頂→(歩30分)→徳仙丈山気仙沼登山口→(歩40分)→林道の途中→(車約3時間・・・ホテル観洋にて入浴休憩90分位か?)→仙台駅西口
 ※バスから降りて徳仙丈往復徒歩:
     所要時間3時間20分(女性2名、休憩含む)
 ※バスツアー:朝8時乗車〜夜7時半下車
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「新・宮城県の山」山と渓谷社
地図:県別マップル 宮城県広域詳細道路地図


↑Y社配布地図
※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します    

 ツツジ咲く徳仙丈山ハイキングの日帰りバスツアーに申し込みをした。気仙沼のこの山は自分で運転していくには遠いので、いつかツアーで行こうと思っていたのだ。ガイドブックに、頂上まで30分とあり、ツアーでは登山の時間が充分とってあるので、高齢者でも大丈夫と判断。母の日、父の日のプレゼントを兼ねて、義父母と私の3人で参加した。
 満員バスは、仙台→石巻→津山もくもくランド→大谷海岸→気仙沼と軽快に走る。配給の豪華なお弁当も車内で食べ、バスハイクは呑気だわ〜と思っていたら、山間の林道の途中で、バスが急に止まった。え?ここはどこ?

←11時10分、バスから降りて
 登山口までバスが行くのかと思っていたら大間違い。大型バスは通行規制されていた。ここから登山口まで徒歩。(トホホ)渡された地図では、3キロも林道を歩くらしい。徳仙丈山の登山口までハイキングと書いて欲しかった。義父は僅か10分でギブアップし、他の数名とバスに戻った。
 ※Y社は2007年より小型バスツアーも割増料金で大型バスと併行設定し改善してい
←林道で脱輪した車
 舗装道から砂利道となり、道幅も狭くなる。途中で路肩に脱輪した車を見る。沢を渡る橋が狭い為だ。バスが通行禁止になっているのは、この為だろうか。最初は文句を言っていたツアー客も、疲れと諦めとで黙々と林道を歩く。義母も頑張って登っていくが、疲れの色は隠せない。こんな所に連れて来てスミマセン。
←登山口のトイレ

 バスから降りて、徒歩65分。やっと登山口に到着した。登山口には広い駐車場があり、林の中に小さなトイレもありました。ペーパー無し。きれいではありません。
 同じ旅行会社のバスツアー客もいて、登山口は結構賑やかでした。
←登山口

 ここが登山口です。山渓分県ガイドに載っていた3本道は、本吉側の登山道。気仙沼登山口には、山頂までは一本しか道がありません。休憩をして、ここから登り始めます。12時20分出発。
←展望台

 登山口から10分足らずで、展望台に到着。義母がここでリタイヤ。よく頑張りました。バスの乗客の殆んどがここで登山終了。ここで待ち合わせをすることにし、私は一人急いで頂上に向かう。
←左が迂回コース
 我々のバスで頂上に行ったのは、先を歩く男性と私だけのようでした。もう一台のバスも頂上組は数名。つまらない林道を1時間も歩いた後に、30分かけて、この道を登るのは、年配の人には無理があります。左側に本吉方面に通じる登山道があります。
←遊歩道

 「十二曲り登山道 この道は眺望絶景の山頂へ」と書いてあります。
←階段状の遊歩道

 整備され、歩きやすい登山道です。天候にも恵まれ、気持ちのいいハイキングです。
←もうすぐか?
 
 12も曲がらなかったような気もしたが、ともかく頂上も近い。木々も低くなり、眺望も良くなってきました。
←頂上付近に人影が

 登山口から、ちょうど30分で到着です。林道歩きが無ければ、義父母もここまで連れて来れたのに、と残念に思いました。
←頂上の様子

 頂上には10人位の先客がいました。広くはありませんが、お弁当を広げるスペースは充分あります。
 石で作られた、古民家風のお社が建っています。徳仙丈神社だそうです。
←頂上の様子

 参拝をする人々。もはや13時になろうとしていました。
←頂上の様子

 石碑によると、徳仙丈山神社(祠)は、平成15年5月に建立となっています。本吉町川内の有志献納、本吉町つつじ保存会後援と刻されています。
←頂上からの景色(南東方向)

 本吉湾と津谷川が見えます。手前の山腹に道路が見える山は大神宮山、504mです。岬の向こう側に、歌津町、志津川町があります。
←隣にこんもり山が

 神社と石碑のあるところから少し離れて、高い所があります。人もいるので、そこまで行って見ます。
←ここが頂上なの?

 あれ?どちらが頂上なのでしょうか。こちらが高いような気がします。
←本吉登山口の尾根(東方向)

 手前の山道が、ガイドブックに載っていた尾根道コースです。その奥に愛宕山(585m)、長の森山(490m)。頂上から東方向を見ています。大変気持ち良さそうな尾根で、つい行きたくなりますが、本吉に降りてしまうので、もと来た道を帰ります。
  
   ↑頂上から北方向を見ています。登ってきた気仙沼側の登山道(橙)と
     歩いた林道(黄色い点線)です。
←下りで見た気仙沼湾

 気仙沼湾が見えます。湾の向こう側の小高い山が、大島のリフトのある亀山だろうか。
←まっすぐの下り(北東方向)

 義母が待っているので急いで、元来た道を引き返します。階段の登山道を下ると、直線の道になります。両脇はツツジで、満開であれば見事なのでしょう。
←つつじのトンネル

 トンネルになっています。
←つつじの古木群生地

 やっと開きかけたつぼみ。我々が登ったのは、5/21でしたが、2006年の見ごろは5/30〜8だったようです。宮城県本吉町公式サイトで、徳仙丈山・田束山つつじの開花状況を写真で掲載していました。
 
←下る途中(北方向)

 遠くに室根山(895m)が見えます。義母と合流して、登山口まで下ります。
←やっと開き始めた

 登山口い近い方に、少し色付いたツツジがありました。ちょうどワラビが出ており、義母は私を待つ間に十数本採っていました。
←能楽堂のような?

 登山口の北側に立派な建物が。水洗トイレがあるようです。山奥の舞台がどの位利用されているのか疑問。旅行会社の地図には「山村文化センター」となっているが、ネットで検索してもヒット無し。少し休憩してから、また退屈な林道を下りました。
←林道の下り
 林道は登りは65分でしたが、下りは40分でした。バスに戻ると、我々が一番最後でした。皆さんまで行かず、展望台の往復なので、早く帰着していたのです。でも、集合時刻13時40分よりは10分早く戻りました。
(※偶然昆虫が写っています)
←途中に寄ったトイレ

 気仙沼市街に戻る途中に、きれいなトイレのある駐車場で休憩があった。その後志津川町のホテル観洋で入浴と休憩時間がありました。ホテルで夕食も済ませ、バスに揺られて仙台に夜7時半に着き、バスハイクが終了しました。
  出合った植物


←シナノキ


 ハート型の葉。プレートにシナノキと
 記載。
←アオハダ?

 プレートにアオハダとありましたが、
 ツルが絡んでいるようにも見えるので?
←スミレ科

 頭も画像もボケているのでわかりません。いつか、判らないなりにも、ゆっくり観察してみたい花です。
←スミレ科

 上に同じ。
←イヌコリヤナギ?(ヤナギ科?)

 毛虫のような白い綿毛がある木。
 林道脇にあり。柳行李は懐かしい響きの言葉になりました。イヌがついているから、コウリを作るのにも役に立たない、という意味の命名だそうです。
←ヤマブキ(バラ科)

 林道の脇に咲いていました。標高500m位の所なので、仙台付近よりは、やや遅くまで咲いている感じがします。
コンロンソウ?(アブラナ科?)

 林道脇にさいていました。白い花弁?は4枚で、葉に鋸歯あり。白い花を、崑崙山の雪に例えて名づけられたという説もあるそうです。


参考文献:「宮城の野草」河北新報社、「葉で見わける樹木」小学館、
「気仙沼市史T自然編」気仙沼市編纂

※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


                徳仙丈山に関する補遺


       ●ツアーでも登山するなら下調べ

 日帰りバスツアーに申し込みをしたのは、白神山地と徳仙丈山の2回目。気仙沼まで自力運転では、登山前に疲れてしまうので、いつかツアーで行こうと思っていた。それに、つつじで全山真っ赤に染まると聞いては、一度は訪れて見たいもの。ガイドブックに、頂上まで30分とあり、ツアーでは登山の時間が充分とってあるので、高齢者でも大丈夫と判断。折りしも母の日、父の日が近い。プレゼントを兼ねて、義父母と私の3人で参加した。

 Y社企画のバスは、5/21は当初バス6台分の申し込みだったようだ。(45人×6台=270人!)でも、今年は春先の低温で開花が遅れているとの連絡が、10日前に入った。出発日を1週間後に変更できるとの事だったが、我々は都合により、当初の予定通りの日程で参加をした。新緑を楽しむのもいいだろうと思った。

  仙台→石巻→津山もくもくランド→大谷海岸→気仙沼と軽快に走る。山には休憩所が無いので、昼食は到着前にバスの中で食べるようにとの事だった。おにぎりを予想していたら、配給されたお弁当は、かなり豪華で満足だった。逆に不満に思ったのは、車内で配布された地図と添乗員の要領を得ない説明だった。

 地図には、なんと徳仙丈山が無かった!方位、順路も未記入。また、添乗員さんは、4月に入社したての若い女性だった。愛嬌はいいのだが、彼女は何も見ないで言おうとするので、あがっているのか、要点が頭に入ってないのか、説明は全く判らなかった。「昨日も同じ場所を案内していますし、私も一緒に行きますから」とニッコリとするので、不満を抑えた。

 かく言う私もうっかり者で、山渓のガイドのコースは本吉側の案内だったのを、気仙沼側のコース説明と勘違いしていた。だから地図を渡されても、ガイドに記載の三つの登山道がないので頭が混乱した。略図も悪いが、思い込みの激しい自分の頭も悪かったのだ。あなた任せの気楽さから、事前にどちら側から登るのかも確認しないし、ガイドをコピーして安心し、内容をよく読まなかったのも失策だった。

 バスは山あいの道に入り、道路も狭くなってきた。持参の道路地図で現在地を確認する間もなく、バスが急に止まった。駐車場でもない、狭い舗装道路の途中だった。左右に植林の山が迫っている。 皆キョトンとしている。ここから歩くらしい。 

 まだ舗装道で、すれ違いできるのに、なんでこんな下から歩かなければならないのだろう。みんな先頭を歩く添乗員さんには聞こえないので、ブツブツ文句を言いながら歩き出した。「ここは気仙沼市が交通規制し大型バスは通行禁止区域で、1時間以上は林道を登山口まで歩きます」と、バスの中で早めに告知すれば、皆の不満も和らいだはず。我々は、バスから降りて歩き出してから、現実を知ったのだった。(交通規制は帰宅後、気仙沼市公式HPで知った)

 自分は歩くのは問題ないが、老いた義父母には、何とも申し訳なかった。そして僅か10分で父は帰ると言い出した。こんな道を1時間も歩けないと判断したのだ。1本道だから、迷うはずはないが、一人でバスまで帰すのはまずいなあと思った。添乗員にも告げず、大丈夫だからと言い残し父帰る。もう一人リタイヤの連れが居たので、仕方なく見送る。

 林道は舗装道から砂利道となり、道幅も細くなった。最初は直線だった道も、曲がりくねり、勾配が急になってきた。乗用車でもすれ違いが厳しい道だ。バスは同じ旅行会社の2台がほぼ同時刻に到着し、80人近くが一斉に林道に広がり、ばらけてそれぞれのペースで登った。まだツツジが咲いていないので、一般の乗用車は少なく危険は無かったが、最盛期は車を避けて歩くのは大変だろうと思った。

 気温19度、日も照って汗をかいた。眺望の無い、砂利の林道。下部は杉林、上部はコナラ等の雑木林の単調な登り。上部の林道の傾斜は結構きつかった。65分黙々と歩いて、やっと登山口に到着。草地の駐車場があり、バスが10台位は置けそうだ。登山口付近の砂利道の路肩で10分休憩をし、添乗員に付いて又皆で歩き出した。

  私はまだ自分の思い違いに気が付かず、ガイドブックと違うなあと、不思議に思っていた。しばらく、二人で並んで歩けるような広い遊歩道で、ツツジが多く植えられている。樹名板もあり、ツツジだけでなく樹木の観察もできた。母とゆっくり登って行くと、先に上ったツアーが戻ってきて、頂上はすぐそこと言う。え?と思う。すぐそこにあったのは、展望台だった。みなさん、ここが頂上と思っているらしい。添乗員の同行も展望台までで、後は自由散策との事だった。

 母は流石に疲れたのか「ここ(展望台)で待っているから頂上まで行ってみたら」と私に言う。天候もよく、30分余りで帰れそうだったので、私だけ頂上に行くことにした。母を残して、スピードを上げて登って行く。展望台から、数100mで直線のツツジの道に入った。渡された手書きの地図はここ迄だったが、頂上が見えてきたので、何とかなると思い先を急いだ。

 ツツジは、まだつぼみで、開花している株は僅かだった。ゆっくり観察している暇がないので、どんどん登り、階段状の登山道の付近から9分位で頂上に到着。頂上には先客10数人。バスの客は数名だった。気仙沼側からは、駐車場に数台しか車が停まっていなかったので、後は、大半は本吉側からの登山客だろう。

  頂上からの展望は、素晴らしく、東に気仙沼市街、本吉湾、大島が見え、歌津方面の岬もきれいに見えた。北側には、室根山が見えたが、奥山はかすんではっきりしなかった。南側の尾根にはガイドブック通り、本吉からの3本の登山道がくっきり見えた。私はこの時やっと、自分の勘違いに気づいた。(おそまつ)
 
 頂上に居たのは5分程。急いで写真を取り、すぐに登ってきた道を引き返す。階段を駆け下り、ツツジの直線道も走り降りると、母の姿が見えた。母と合流し、最後になった我々を待っていた添乗員さんと一緒に、またつまらない林道を下った。集合時刻10分前だったが、バスに乗り込んだのは最後だった。
 
 待っていた父に聞くと、皆早々に帰ってきたそうだ。ツツジも蕾だし、頂上まで行かずに、展望台で景色を見てすぐに引き返したようだ。私が確認したのは、頂上まで行ったのは同じバスで2名だけだった。一方父は、バスに戻ったあと、林道の周辺を散策し、バスで休憩していたとの事。

 自分は頂上まで行ったので目標は果たせたが、義父母には申し訳なかった。30分で頂上に行けるからと、調子のいい事を言って連れ出したのは、この私なのだ。でも、義父母は一日、文句も言わずに過ごした。気仙沼のバス旅行は始めてだったようで、大谷海岸の景色が良かった、と言ってくれた。有り難かった。ホテル観洋では、入浴もでき、早い夕食も食べる時間もあり、その点は良かったのかもしれない。

 登山としては、今回もまた失敗の山となった。事前に行程の詳細を旅行会社に確認せず、同行者を決めたこと。よくガイドブックを読まず、勘違いしたまま登ったこと。結果として、同行三人が離れ離れに(家族離散状態)なって行動したこと。ツツジも見れなかったし、二名は目標の山頂まで行けなかったこと等・・・・。でも、無理をしなかったので、何とか無事に帰宅できた、という訳です。

 バスツアーの登山は、疲れないし、気軽に安く行けるのが利点。旅行会社の方に伺うと、最近は広告に「ハイキング」と書くと、参加者が増えるのだそうだ。夏場は特に登山を目的としたツアーも、各社競って出している。元気な団塊世代を狙った良い企画も、きっと増えることだろう。ちなみに今回の旅行代金は3980円。(激安!お弁当が特に良かったです)

 これから私も、利点が多いバスツアーを利用することが多くなると思う。今回の苦い失敗は、今後の良い教訓となりました。(終わり)

Y社は、2007年から小型バスで登山口まで行くツアーも、割り増し料金で
設定し改善している。利用客の感想などを取り入れたものと思われ、良心的。


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