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霊山(805m)りょうぜん

2004.10.11(月)の記録
 ※記録が古いので他の最新情報をご確認下さい
 概   要  歴史のロマンと奇岩怪石の絶景を味わえる、なかば観光地化した(里山というよりは)景勝地である。登山道は完備されており、所用時間も短いので、家族連れで四季を通じて楽しめる。(夏は暑いかも)紅葉は10月下旬〜11月初旬が見ごろだそうだ。一度は訪れておきたい山だが、何か目的を持って登らないと、観光になってしまう。
 山はおおよそラーメンのれんげを伏せたような形で、上部は岩場で、複雑に谷や沢を刻んでいるが、登山道はさほど高低差がなく環状についている。3時間一回りで、眺望のいい岩場や雑木林、暗い沢と変化に富んだ山歩きが楽しめる。
 場   所
 交   通
 福島県伊達郡霊山町。仙台からは(高速を使わない場合)6号線が混まないので、相馬から115号線に入った方が時間的に近いと思う。霊山は町名にもなっているように、霊山が観光のメッカなので、道路の表示もわかり易い。登山口は「こどもの村」の看板を目安に行けば問題ないです。駐車場は無料。
 注   意
 事   項
 道標や道が整備されているので、道に迷うことはないと思う。奇岩には、ハシゴや鎖があり、深い沢には橋が架かり、崖のふちにはチェーンが張られて安全は確保されている。一般道では、全く危険箇所はないが、ルートを外れてフリークライミングなどしたら、凡人には命はいくらあっても足りない。(と思う)
 コ ー ス
 タ イ ム
仙台南部→(車55分)→相馬市街→(車45分)→登山口駐車場→(歩25分)→宝寿台→(歩25分)→護摩壇→(歩10分)→霊山城址→(15分)東物見岩→(30分)→日暮岩入口分岐→(歩25分)→駐車場→(車55分) →丸森町→(車55分)→仙台南部 
 休憩なしで2時間10分  ※男性2名、女性1名
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「福島県の山」山と渓谷社:地図「霊山」1/25000図

※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します
※地図を見た後はプラウザの(戻る)で戻って下さい
 学生時代の山仲間の秋合宿(松茸狩り)が、台風で流れたので、日帰りで里山登山のみとなった。台風一過のはずが・・・・朝から霧雨。でも気温は高い。紅葉狩りはどうでしょうか。
※下記写真の掲載が不都合な場合は即刻対処致しますので、お申し出下さい。
←駐車場
 仙台から、常磐の国道6号線を、相馬まで走り、国道115号を福島方向に走ると、霊山町に入る。
 こどもの村入口の看板を見て、土産物屋を右折。目立たないが、曲がり角に登山口の道標がある。狭い舗装の山道を標識に従い、くねくね登っていくと、広い砂利の駐車場に出る。※写真は駐車場にあるトイレ。ペーパー有り。
←登山口

 車を降りて、数分歩くと分岐があり、そこを左に登っていく。霧雨だが、林の中の道なので、さほど濡れない。
←登山口の案内図

 分岐には、案内板があり、奇岩怪石の案内が細かに記載されている。
 最初は、針葉樹林中に舗装された道をなだらかに登っていく。
←鍛冶小岩付近

 階段状に登山道はよく整備されている。沢を右に見て進むと、左手に岩壁が見えてくる。
 薄暗い沢の途中に小さな滝なども見られる。この付近の登りが、霊山山中で一番きついが、30分弱なので根性のない人でも我慢できる。あとはなだらかになる。
←宝寿台へのはしご

 駐車場から、約25分で宝寿台入口に到着。大きな岩にはしごがかかっている。雨の後なので滑りやすく、高度感もあり、スリル満点。
 霊山は全山に、このような岩場が点在しており、それらしい名前が付いている。ロッククライミングの腕に覚えのある方、時間がたっぷりあって高所恐怖症でない方には、全岩制覇すれば、それなりの達成感が味わえるのではないかと思う。
←宝寿台からの眺め

 見下し岩付近かと思われる。10月11日だが、標高800m弱なので、紅葉はまだ早い。
 ガスの切れ間から、麓のこどもの村が見えた。
 幸い雨があがったので、雨具を脱ぐ。この日の景色はここが一番良かったです。
←日暮岩入口

 左が霊山城址方面、右が蟻の戸渡り方面。分岐になっているが、周回コースなので、どちらに曲がってもここに戻って来られるようになっている。
 我々は、城跡方面へ向かう。
←整備された歩きやすい道

 地形は岩や沢で入り組んでいるが、二人で並んで歩けるような場所も多くあり、道標も完備されているので、荒天でも迷うことはないと思う。但し、奇岩付近は絶壁になっているので、足元に注意が必要。
←親不知・子不知 おやしらずこしらず

 ここから護摩壇までが、一般ルートのなかでは最も魅力的な岩場地帯だ。でも足場は良く左手下の絶壁には、安全確保の柵と鎖があり、おだたなければ落下することはない。
※おだつ→宮城の方言でふざけるの意 
←親不知子不知の眺め

 あいにくのガスで何も見えませ〜ん。紅葉ももうあと10日早いか。眼下は絶壁です。
←護摩壇の手前

 こんなトンネルもあるのでございます。子供が喜びそう。(今どきの子供はこれでは、心が動かないかも・・・)

 
←護摩壇の手前

 宝寿台から25分ほどで、護摩壇に到着。かがんで、岩のトンネルをくぐるようになっている。
←護摩壇

 祈祷の護摩をここで焚いたのだろうか。眺望はダメでしたが、風はなく暖かな秋の日でした。
 このあとは鉄の小橋などを渡る箇所もあるが、また雑木林の中を歩く道になります。
←国司館跡

 護摩壇から10分ほどで、国司館跡の広場に到着。キャッチボールや、バレーができるくらいのスペースです。お弁当を広げるにはいい場所ですね。
←広場のあずま屋

 広場の護摩壇寄りの入口に、東屋があり、雨天時の休憩などには良さそうである。
 我々は、広場の一段上にある霊山城址に行ってみます。
←霊山城址

 ここも下の国司館跡の倍くらいのスペースがありました。休日でしたが、ここで1パーティだけに会いました。
 我々も、ここで昼食にしました。天気が良ければ、もっと賑わう場所だと思われます。
←城跡のトイレ

 ペーパーなし。汲み取り式。この右脇が、東物見岩方面への登山道になっている。
 トイレの左手に栗の木があり、栗の実が沢山落ちていました。しっかり拾う。
←城址の石碑

 城址の広場の隅には、石碑と祠のようなものがある。今から670年も前に10年間築かれたという、お城をイメージするにはかなりの想像力を要す。(往時の栄華を今に伝えている、と書けば風雅なのだが)
←東物見岩入口

 霊山中最高峰と書かれていたので、道標に導かれて登ってみます。
←東物見岩

 う〜む、景色は霧の中です。蔵王や太平洋も見えるらしいが・・・。標高824mです。
←なだらかな登り

 とてもいい感じの道です。落ち葉を踏みながら鼻歌まじりに歩けます。名前の付いた岩場以外は、こんな眺望の全く無い、ありきたりな雑木林の道がほとんどですが、私は好きです。
 
←蟻の戸渡り

 三角点のある霊山山頂805mは、登山道上にはなく、蟻の戸渡りに来てしまった。城址から約30分です。別ルートで、細い岩稜歩きのスリルを楽しめますが、眺望も無くてちょっと怖そうだったので、やめました。
←五百羅漢岩

 蟻の戸渡りからは、稜線から外れて、やや下り、複雑な岩場や沢の間をすり抜けるようにして、もと来た見下し岩方面に出ます。
 写真の右手上が五百羅漢岩で、岩がキノコ状に突起している。下から見えるのは、十羅漢程です。 雨の後なので、途中に沢ができていました。危ない所には橋が架かっています。
←親切な道標

 霊山は全山に道標が完備されているのが、すばらしい。迷いやすい分岐には必ず道標があり、現在地と、目的地までの距離がmで表示されている。
 また日暮岩入口まで戻り、同じ道を下山しました。もっと大変な岩場を想像していたので、ちょっとあっけなく終わったという印象です。
←紅葉の落ち葉

 台風が去った直後だったので、紅葉に混じって緑の葉も落ちており、風が強かったことが想像できる。
 もう駐車場も真近で、休憩も含めて約3時間のハイキングを終了する。
←駐車場

 駐車場に戻ると、、朝は見えなかった霊山がうっすら浮かび上がっている。車は広い駐車場に3台ほどで、観光地化した山という印象の割には、静かな山歩きができました。日が射さなかったせいもありますが、深い森と岩窟のくら〜い山でした。
         ●登山報告終了●

●出合った植物


←リンドウ
 少し開いていました。天気が良くなる兆候でしょうか。
←どんぐり

 この山は、クリの類が多く、ドングリ、椎の実、クヌギ、ヤマグリが、いたるところに落ちていた。台風のせいもある。
 今年クマの出没が多いのは、台風でこうした木の実が落ちてしまい、ネズミなどの小動物が落ちた木の実を先に食べてしまうからだそうです。
←山栗

 小さいが、おびただしく落ちている。家にお土産にと、急いで拾っていたら、同行の先輩お二人も一緒に拾って下さる。有難うございました。※虫食いの栗に注意。落ちて間もないような栗を選ぶと、虫食いが少ない。
←ゆでた栗

 家に帰って10分ほどゆでる。ナイフで
半分に割って、小さなスポーンで実を
すくって食べるとおいしい。
小さいが味は良好です。
←まきばのジャージー

 ソフトクリームが美味しいとの情報があり、立ち寄る。バニラとミルクががおすすめだそうだが、季節のクリ味を選んだ。
 地域の特産の野菜や果物も同敷地内で販売している。こどもの村、霊山登山口より、車で数分相馬寄りの、国道115号沿いです。ジャージーはトレパンではなく、牛の種類だそうです。(笑)
←齋理屋敷

 帰路は、霊山町から、保原、柳川、丸森を経由した(国道349号)。時間があったので、丸森の齋理屋敷に立ち寄る。
 大正時代に飛行機で宣伝をしたり、どうやってお金を使ったらいいか悩んだという豪商も7代で途絶えた。今はお屋敷を公開し、丸森町の観光の中核となっている。

※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


                霊山に関する補遺


●史跡及び名勝霊山 (霊山城址の看板を写しました)
          昭和9年5月1日指定
 霊山は貞観元年(859)、比叡山延暦寺の座生円仁(慈覚大師)によって開山されたといわれ、釈迦が修行したというインドの霊鷲山(りょうじゅせん)に因み霊山と命名され、山号を南岳山山王院霊山寺と称した。往時は伊達・宇多・刈田を寺領とし、南奥における宗教・文化の中心地として栄えた。
 下って延元2年(1337)正月、陸奥の守北畠顕家は後醍醐天皇の皇子義良親王を奉じて霊山に拠り、南朝再興を策してここに国府を開いたが、貞和3年(1347)北朝方の勢力に抗しきれずついに落城し、山中の堂宇はことごとく消失した。今霊山山中には数多くの遺跡群が埋もれており、往時の栄華を今に伝えている。
 このような悠久の歴史を秘め、四季折々に山容を変える霊山は、玄武岩質の火山角礫岩によって構成されており、長い年月にわたる風化侵食作用によって出来た奇岩怪岩と、岩間に映える新緑、紅葉はすばらしく天下の景勝地として広く知られているところである。
          昭和60年12月  文化庁・霊山町教育委員会
         
●まきばのジャージー
 ソフトクリームが美味しい。ラフランス、かぼちゃ、抹茶等18種類ものアイスクリームと、季節限定のシャーベットが数種ある。シングルコーン250円。ダブルコーン300円。手人店員さんにお勧めを尋ねたら、バニラとミルクとの事。「ジャージー牛乳の栄養と風味をそのまま生かした、なめらかでこくのある濃い味をお楽しみください」とパンフレットに書いてあった。なるほど、と思ったが、邪道の栗味を食べた。まずまずおいしかった。
  福島県伊達郡霊山町石田字川面1-1 電話024-589-2375
  営業時間  8:30〜6:30(冬季は5:30)、年中無休。

●齋理屋敷(丸森町 蔵の郷土館)
 昭和61年に、7代目のご主人がお屋敷を町に寄贈され、63年に蔵の郷土館として公開を始めたそうです。150年前の蔵や居宅など、当時の豪商の暮らしぶりをかいま見ることができる。1時間弱で見学できる。喫茶部もある。
  宮城県伊具郡丸森町字町西25 電話0224-72-6638
  入館料 大人600円、こども300円   休館日 月曜日
  開館時間9:30〜5:00(6〜8月は午後5:30まで 12〜2月は午後4時まで)

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