直線上に配置

雁戸山(1485m)がんとさん★笹雁新道

2004.9.19(日)の記録
※記録が古いので他の最新情報もご確認下さい
 概   要  宮城・山形県境の雁戸山。今回は北東の尾根を宮城川崎から登る笹雁新道往コース。危ない箇所はないが、3時間半の登りは根性を要す。下りも2時間半で長く感じる。 紅葉は9月19日では、山頂付近がわずかに色づき始めた程度。この時期、リンドウが見ごろ。稜線からの展望と、静かな山歩きが楽しめる。
 場   所
 交   通
 仙台から国道286号を笹谷峠方向に車を進める。セントメリースキー場を過ぎ、橋を渡ると左手に笹雁新道の林道入口がある。地図付きの案内板が目印。林道の行き止まりが登山口で、狭いが5〜6台は駐車できる。登山口から約800m手前の林道脇にも駐車スペースがあり、ここにも4台は駐車可。
 注   意
 事   項
 道標完備。この日は刈り払い直後だったため、迷うことはなかった。しかし、刈り払い前の夏道や雪道では、堰堤付近は枝沢があるので迷い込まないよう注意。山渓の分県別ガイドの旧版にこのコースが紹介されているためか、登山道はよく踏まれている。しかし、新版には載っていない為、今後はアプローチの長さから敬遠され、道が荒れるのが心配。
 危ない所は、雁戸山直下の下りで、右手がスパッと切れている場所が一ヶ所だけ。尾根道はほとんど笹の道で、雨でもぬかるまない。刈り払いがされないと、頂上直下はヤブこぎになる可能性有り。
 コ ー ス
 タ イ ム
仙台南部→(車50分)→セントメリースキー場→(車3分)→林道入口→(車5分)→駐車スペース→(歩15分)→笹雁新道登山口→(歩30分)→象ヶ沢湧水付近→(歩10分)→堰堤→(歩70分)→尾根に出る→(歩50分)→1410mピーク→(歩25分)→分岐→(4分)→雁戸山→(歩115分)→堰堤→(40分)→駐車スペース→(車8分)→るぽぽ川崎→(車50分)仙台南部
 ※休憩含まず、雁戸山まで登り3時間25分、
     下り2時間35分  ※女性4名、男性3名
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「宮城県の山」山と渓谷社:地図「笹谷峠」「今宿」1/25000図

※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します
※拡大したらプラウザの戻るで元に戻って下さい。

 おなじみのマラソン愛好チームでの登山。私は間に合わせのランニングを
ちょっとしただけ。3時間の登りに耐えられるだろうか。そして又、雨乞いの
神様のおかげで、雨が落ちてきた。(雨具を買って正解でした)
→林道脇に駐車

 セントメリースキー場を過ぎたら減速。「一の湯」を右前方に見たら、すぐさま左手の林道に入る。林道入口には、案内板がある。山形高速道をくぐると、舗装がなくデコボコ道になる。林道入口から約600m入った右手に3〜4台の駐車スペースがある。
→栗拾い

 林道を歩き出すと、栗が落ちていて、すかさず栗拾い。

※小さな山栗でしたが、ゆでたらとても
  美味しかったです。
→林道の行き止まり

 車はここまで進入可能で、駐車も無理すれば5〜6台は駐車可能。但し方向転換するには少し苦労しそうで、駐車する際は後からの車の進入も考えた方がよさそう。
→登山口の石

 林道の行き止まりには1m程の石があり、その横の踏み跡をたどっていく。登山道のはじまりです。
 ※地図では堰堤まで林道表示になっていますが、現在はここから車は入れません。
★カモシカを見ました!(登山口から5分ほどのカーブ付近)
→刈り払いされた道

 有り難いことに、道はきれいに刈り払いがされたばかり。左下に水無沢の音を聞きながら、山腹の道をゆるやかに登っていく。深野氏の「宮城の山ガイド」によると、このルートは昭和51年に開さくされたそうです。
→岩盤か堰堤か?

 登山口から20分。左前方に人造のように見える一枚岩が見える。河北新報社刊の「宮城の名山」によると、よると、「笹谷造瀑帯にある屏風ノ滝」と写真付で掲載されている。 
→象ヶ沢噴水への目印?

 ここから10mほど下ると、噴水があるそうです。登山標識のプレートにマジックで「象が」と頼りなげに書いてあるだけ。
 ここから水が湧いているからか、上部はパタリと沢音が聞こえず、名前通りの水無し沢となる。
→堰堤

 地図には二つの堰堤の記載があるが、真近に見たのは、一つだけ。また地図では登山道が堰堤から離れているが、実際には登山道は、堰堤のコンクリートを乗っ越している。
→堰堤のすぐ上

 歩き出してから、約60分。登山道から、約30分だ。堰堤上の広場で、休憩。
→ブナ林の道を行く

 まだ9月で、標高も低いので、ブナ林は緑です。水無沢沿いの、うっそうとした林の道脇には、きのこが多くみられました。
→カラマツの植林帯

 林を抜けると、沢沿いの山服の道となる。しはらく平坦な登り。ここらあたりから、いくらか眺望もあり、仙台市内の中山観音様や、泉のシェルコムのドームが白く見えました。
 
→ザレ場

 ザレ場を渡り、今度は沢を外れて、山腹をジグザグに登っていきます。
→リンドウ見っけ!

 ジグザグ道には、リンドウが道脇に沢山見られ、登りの辛さを忘れさせてくれる。写真を撮る皆さんの後ろには、山波が見え初め、高度を上げているのがわかります。中央最奥にうっすらと船形、北泉、泉ヶ岳、七ツ森が見えます。
→道脇のリンドウ

 標高700m付近からリンドウは見られ
たが、標高が高くなるに従って、
紫が濃くなるように思う。標高1000m
付近が見ごろで、一番きれいでした。
→ガレ場

 ジグザク登りも終わり近くになると、
一箇所、ガレた赤土の右脇をかすめる。
赤いペンキの矢印を右に折れる。
→刈り払いの道

 見てください、こんなに丁寧に刈り払いされているんですよ〜。それも笹雁新道全て!どなたがなさるのか、有り難いことです。
→展望のいい尾根

 登りつめると、初めて木のない原っぱに出る。展望があり、気持ちのいいところでした。地図では、1200m付近の広い尾根です。堰堤から、70分の所。
→ランチタイム

 風を避けて低潅木の真ん中でお昼を食べる。料理上手なメンバーのお陰で、玉子焼き、ピクルス、かぼちゃ、トマト等他にも沢山のおかずにありつく。
 静かな登山道で、他の登山者とは会いませんでした。
 
→この木何の木?

 展望の原っぱからは又、一登りがある。時折、頭上注意の枝が登山道に張り出している。
→茶畑尾根

 一登りすると、高山の雰囲気のゆるやかな尾根に出る。ここから1410mピークまでは、胸丈くらいの低木の間を行く。この付近を茶畑に見立てて、「西茶畑」と名付けたのだろうか。深野氏のガイドでは、1410mピーク付近が「西茶畑」になっている。
展望無し

 紅葉の時期には、さぞかしと思わせる、素敵な尾根歩きができる道です。ガスで雁戸山が見えないのが残念。
→北雁戸山の登り

  ガスの切れ間から、左が南雁戸、右が北雁戸。1410mピーク付近より。ここから鞍部まで下って、130m登ると、北雁戸山です。
 ※最後の急登をバックに、師匠はウキウキ状態。
→さすがに急斜面

 背丈以上の潅木帯を、尾根に沿って、ほぼまっすぐ(直登)道がついている。きついが、あと少しの辛抱だ。
※1410mピークから30分で頂上です。
→雁戸山山頂

 分岐から数分で、山頂に到着。あいにく眺望は全く無し。山頂は土の広場で、約30人位は休憩できそう。
 お天気なら、月山まで見えるそうです。
 ※ここから下山路の様子です。

→分岐

 もう午後2時半なので、早々に下山。ガスの中でしたが、完璧な道標に導かれて、下っていきます。これが無いと迷ってしまいそうです。道標さまサマ。
→刈り払いの笹道

 行きは良い良い、帰りは怖い。刈り払いされた笹の茎に足を置くと、滑ります。
→唯一の下りの難所

 写真ではよく見えませんが、右手が急斜面で、笹に足を取られると、そのまま谷底にまっさかさまです。
 分岐から下山直後です。
→きもちのいい吊り尾根

 1410mピーク付近からの眺め。分岐と北雁戸山だと思うが、方向音痴なのであやしい。
 鞍部から南東を見やると、雲間に白石の青麻山とあけら山の双耳峰が見えました。
→下山途中

 このあたりからの稜線歩きは、天気がよければ、最高のお散歩道なのです。

 ※リーダー、いいコースですね。
→後ろは雲の中の雁戸山

 雁戸山のお姿を見たかったです。資料によると、ガントは大型のノコギリの意で、山の形が鋸のようにギザギザしている所からの命名という説と、岩洞(ガンドウ)説、雁が飛ぶ説など、さまざまである。
→下山途中

 おそらく1300m付近の尾根道。ここから、右手に下っていく。広い尾根なので、道の隠れた積雪期は、ガスに巻かれると厳しいと思う。
 ※夏道は全く問題ないです。
→色づきはじめた紅葉

 風もなく、気持ちのいい尾根歩きです。紅葉も始まっておりました。
 
→笹谷峠付近

 中央のうす緑の辺りが、笹谷峠。送電の鉄塔が連なっている。正面奥が、山形神室岳。
→展望の尾根から

 台形の大東岳が奥に見えます。隠れて見えないが、その奥に面白山があるはず。
→展望のいい尾根付近

 原っぱに戻ってきました。ガスが上がったのか、我々がガスの下に来たのか、だいぶ辺りが見渡せるようになりました。
→道に咲くリンドウ

 道の真ん中に咲くリンドウは残して、笹だけ刈り払いしている。きっと花好きな方なのだろう。
→植林帯

 ガイドブックによると、カラマツらしいが私には判らない。もう午後4時近くで、木々の陰も濃くなりました。秋は夕暮れが早いので、日の落ちないうちに、林道に着きたいです。
→下りあと1時間の地点

 下りも2時間半かかり、こんなに登ったかと思うほどでした。笹に足を取られて、転ばないようずっと緊張していたので、太ももが筋肉痛になりました。
 帰りに、栗を拾い、るぽぽ川崎の湯につかって帰りました。
------●登山報告終了●---------
●出合った植物●

→ホコリタケ

 頭部の表面は初め白色で、前面に
トゲが生える。老成すると、暗褐色になり
頭部に穴が開き、胞子が煙状に吹き
出す。「宮城のきのこ」より。
調査中

 傘の直径15センチほどの大型のきのこ。
マツタケじゃないですよね〜。

※きのこは他にも白、赤など、数種見られました。
→エゾリンドウ?
  エゾオヤマリンドウ?


 日が指さないと開かないそうです。花が頭頂部だけにつく、エゾオヤマリンドウは、エゾリンドウの高山型で、山形以北に分布するそうです。リンドウ科。
→ゴマナ

 キク科。葉が胡麻に似ていることから。

 ※他には、白い可憐な一輪で咲くウメバチソウ(ユキノシタ科)もあったが、画像が大ボケなので割愛。

※長くてスミマセン。最後までご覧下さり
  感謝します。お疲れ様でした。
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参考文献:「宮城県の山」早川輝雄他、「宮城の名山」柴崎徹、
「宮城の山ガイド」深野稔生、「宮城の樹木」河北新報社
「宮城のきのこ」河北新報社
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※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


                雁戸山に関する補遺


●るぽぽ川崎

利用時間  客室(宿泊)15:00〜10:00、客室(休憩)10:30〜14:30、
        温泉10:30〜22:00、(月・金曜日12:00〜22:00)
利用料金  宿泊1泊2食8000円、休憩2000円、日帰り入浴500円
施設内容  浴室・サウナ風呂・レストラン・休憩室

   住所  柴田郡川崎町大字今宿字小屋沢山39
   電話  0224-84-6611
   交通  山形自動車道「笹谷I.C」より車で約2分。
   駐車場  30台
   ※新しくてきれい。シャンプー付き。ロビーでの休憩も許されました。
   ※セントメリースキー場の286号をはさんで、向かい側です。

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