水引入道(1656m)みずひきにゅうどう |
概 要 | 静かなブナの森林浴、渡渉のスリル、砂礫の高山の雰囲気がいっぺんに楽しめる南蔵王の奥山。 水引入道山頂へは、渡渉があるコガ沢コースと、尾根道を登るジャンボリーコースがある。 |
場 所 交 通 |
国道4号の宮地区から、蔵王方面にむかう。遠刈田温泉を、七日原方向に左折し、白石スキー場を目指す。スキー場は駐車場の上部に、数台駐車のスペースがある。 余裕があれば、屏風岳や不忘山にも足を延ばせ、スキー場に戻れるので、マイカー登山には都合の良い山域だと思う。 |
注 意 事 項 |
コガ沢コースは、増水時は濡れないで沢を渡るのは難しい。ロープを頼る岩場や草付の急斜面の下りが2箇所、登り1箇所あり。ガイドブックの★★★はこの部分の困難さを示していると思われる。 |
コ ー ス タ イ ム |
仙台南部→(車70分)白石スキー場→(歩1時間40分)第三水飲場→(歩10分)コガ沢渡渉点→(歩1時間15分)ジャンボリーコース分岐→(歩1時間40分)林道出合登山口→(歩40分)白石スキー場→(車15分)遠刈田温泉→(車1時間15分)→仙台南部 ◎朝5時半出発、帰宅17時半 ※男性3名女性1名 |
ガ イ ド 地 図 |
「宮城県の山」山と渓谷社 : 地図 1/25000図 「白石」 「遠刈田」 「蔵王山」 「不忘山」 |
今回は、ウルトラマラソン愛好家三人に混ざっての登山。1週間だけ間に 合わせのランニングをして、体調整備。せめて睡眠だけはと、たっぷり とって当日に備えました。 |
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→登山道の案内板 朝6時50分に、白石スキー場に到着。 数日雨が続いていたので、リーダーは直前までコースを悩んでおられた。コガ沢の渡渉地点を見たいという思いもあり、増水でダメなら引き返そうということで、コガ沢コースに決める。 |
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→左手にトイレあり 「市営無料休憩所」と「登山カード入れ所」「トイレ有り」と書いてある。 早朝でも、入口が開いていて、トイレをお借りする。ペーパー有り、水洗です。 |
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→スキー場のリフト スキー場のゲレンデを右手に進み、最右端のリフトの脇を登っていきます。 |
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→登山口の道標 道標に従って、ゲレンデの右手の樹林帯に入っていく。なだらかな樹林帯の道を登って、尾根を越える。 雨が降りだしたので、雨具を着ける。 |
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→山腹を越える 山腹を右に巻くように越えると、沢沿いのルートになる。第一、第二水飲場の標識を見落とす。(無いのかも・・・) |
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→沢沿いの道を行く 雨の為、デジカメのレンズの内側が曇ってしまいこのように画像が不鮮明です。 |
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→第三水場の標識 ここまで約1時間40分。雨が降っていたが、ここまでは歩き易く、ブナ林のいい感じの道です。 |
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→権現沢に下りる 第三水場を過ぎると、アップダウンのある道となる。まずは権現沢に降りる地点に、ロープが垂れている。 |
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→ロープに伝って 土の急斜面なので、雨で滑りやすい。ロープが頼りなので、一人一人下るのが安全です。 この下が、コガ沢の支流の権現沢の渡渉地点。この渡渉は通常は容易に渡れそうだが、今回は水量が多く、丸木橋も壊れているので、ちょっとコース取りを考えて渡る。 |
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→沢の高巻き 権現沢を渡り、沢の出合いを高巻く道をたどると、次の渡渉地点、本流コガ沢の流れが見えてくる。 |
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→コガ沢の渡渉地点 橋は無く、両岸からロープが張られているだけで、浅瀬を探して渡るしかない。ここから、ロープで岩場の崖を下り、沢に降ります。 折りしもの雨で、やはり増水しており、靴が濡れるのを覚悟で、渡渉を決行する。 ※写真提供M井さん |
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→コガ沢を渡る 画像ボケてますが、最初にリーダーが向こう岸に渡って、二番手のM井さんを迎えている所。 下は2m弱の落差の滝つぼになっているが、落ちても濡れるだけで溺れるようなことは無いと思う。 渡渉のコース取りと、張られたロープをどう使うかが難しい。 |
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→コガ沢(右が上流) 私は皆様のHELPのお陰で、靴下を濡らさずに済んだが、スパッツを着けない2名は靴下が濡れてしまう。今、靴下の水を絞っている所を上から見ています。 ※渡渉には4名で約30分かかりました。 |
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→ロープを伝って登る コガ沢を渡ると、対岸は崖にロープが垂れており、急斜面を登っていきます。 雨が上がってきたのが、救いです。 |
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→コガ沢上部 ロープ伝いの崖登りが終わって、ホッと一息。コガ沢上流はいくつかの滝をみせています。 ここからは見晴らしの無い樹林帯の急登となる。たっぷり45分の登りに汗を搾られます。 ただ花が多いのが、慰め。ギボウシ、ヤマユリ、さらに上部にミヤマシャジンを見ると、大日向は真近い。 |
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→稜線に出る 登山道は樹林帯から低潅木になり、ひょいと突然砂礫帯に飛び出す。 樹林を揺らしていた風が、今度は人間にまともに吹き付ける。天候急変にびっくり!!耐風姿勢をとらないと立っていられない程の暴風だ。 |
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→岩陰に避難 ジャンボリーコースの分岐の道標を見て、さらに水引入道山頂に行こうとするが、風で体が飛ばされそうになり、進めない。しばらく岩陰に退避。 |
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→スゴイ風〜! 風に向かうと、息苦しい。小石が飛ぶまではいかないが、呼吸困難になる風は初体験だった。 這ってでも行こうなどという気持ちは全く起きず、大人の分別で、撤退を決める。頂上まであと10分手前でした。 |
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→風から逃れて 本来の計画は、水引、屏風、不忘のコースでしたが、今回は水引手前で引き返し、ジャンボリーコースを下ることに。 同じ山中でも、稜線と樹林帯の風当たりは全く違う。樹林に守られて、一同に笑顔が戻りました。 ※写真御三方は先週、那須岳でも暴風に遭っている。風男は誰でしょう。 |
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→ジャンボリーコース 昭和57年の日本ジャンボリー大会の時に開かれた登山道だそうです。ゆるやかな歩き易い登山道で、花は少ないものの木漏れ日が目にやさしい。 ゆっくり下って行きます。 |
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→??カエデ 下りの途中で、山の樹木に詳しい御一行に会い、色々とご教授を受ける。 モミジにも種類があるそうです。名前を教わりましたが、忘れました〜。(^^ゞ |
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→ブナの葉 葉の側脈が、葉の切れ込みに向かってついているのが特徴で、7〜11対だそうです。 イヌブナは、葉の裏にうぶ毛がはえているとか。 |
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→熊の爪あと ちょうど人の手ほどの大きさです。 この他にも、ショウジョウバカマがクローンでも増えること等も教えて頂く。 山は興味の対象も盛りだくさんで、奥深いですね。のん気に下って、約1時間40分余りで、林道の出合に着きました。 |
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→林道に出る 神嶺林道というらしい。地図でみると、白石スキー場から、南蔵王の山麓を横切り、えぼしスキー場近くまで続いている。 ジャンボリーコース登山口の道標もある。山中で会った23名ご一行様のバスも見える。 |
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→コガ沢下流 渡渉したコガ沢を渡る。下流なのでちゃんと、橋(コガ沢橋)があります。 花の写真などを撮りながら、白石スキー場まで、約40分林道を歩きます。(早足なら25分です) |
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→林道にて 水引入道方面を振り返ってみるが、山は雲の中。下界はこんなに晴れて蒸し暑いのに、稜線の暴風は全く予想もつきませんでした。 帰りも白石スキー場から、遠刈田温泉に出て、温泉に入って帰宅しました。 ●登山報告終了● |
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●出合った花々 →マルバダケブキ 丸葉岳蕗、キク科。コガ沢の渡渉から、大日向までの急坂の途中で撮影。 他にギボウシ、クルマユリ、ウスユキソウの類も咲いていた。 ※写真提供M井さん |
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→ミヤマシャジン? ヒメシャジン? 見分けが難しいそうです。シャジンは沙参と書き、朝鮮人参のことで、根が似ていることからの命名だそうです。キキョウ科。 |
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→オカトラノオ 岡虎の尾と書く。サクラソウ科。神嶺林道にて撮影。他に、ミヤマウツボグサもあった。 ※写真提供M井さん |
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→ヤマアジサイ ユキノシタ科。神嶺林道にて。 ※比較的に花が多い山でしが、カメラのレンズの曇りで、いい写真が撮れず残念でした。カメラを雨具のポケットに入れていたのが失敗でした。 |
水引入道に関する補遺 ●水引入道の名前の由来 5月頃のコガ沢付近の残雪が、頭巾をかぶった僧侶の姿に似ていることから、この雪形を「水引き入道」、別名「種まき坊主」と呼んで、白石の人々は農作業の目安にしてきたそうだ。 ●寿の湯(遠刈田温泉) 料金250円。駐車スペースが10台弱と少ない。連休の中日だったので、混んでおり、少し待ってやっと駐車する。年中無休。5:30〜7:30、9:00〜22:30。 入浴のみ、シャンプー・せっけんなし。内湯のみ。トイレあり。 《オマケのおすすめ》 風呂上りに、「寿の湯」左隣の木村商店のアイスキャンデーがおすすめ。トトロ似の店主厳選のこだわりの地酒も置いている(酒屋さんです)。涼やかな笑顔の若奥さんに会えれば、ラッキー。 遠刈田の面白い所を聞けば、快く教えてもらえる。毎年6月に遠刈田商店街開催のお祭り「蔵王まるごとフェスティバル&大道芸」の推進役のご夫妻です。 |