直線上に配置

北面白山(1264m)きたおもしろやま

2004.5.9(日)の記録
※記録が古いので他の最新情報もご確認下さい
 概   要 標高は低いが、山形と宮城の県境に鎮座し、奥羽山脈の一翼を担っているだけあり、ボリュームのある奥山である。登山ルートは多く開かれており、電車と車と両方に都合の良いルートを選択できる。北面白山から長左衛門平までの稜線歩きが、ことにおすすめ。
 場   所
 交   通
車で仙台から関山峠を越え、48号線から天童高原山口線に入り、天童高原スキー場へ。スキー場の奥にあるキャンプ場には駐車場(無料)がある。帰路は、天童温泉ゆぴあに寄り、関山峠から仙台に帰着した。
 注   意
 事   項
5月のこの時期は、虫が多く虫よけスプレーは必携。残雪はあるが、登山道にはほとんど雪は無く、アイゼンも不要。行程が長いので、根性と体力は必要です。
※紅葉川渓谷コースの通行止めは、2004年は6月5日に解除の予定。(山形市観光案内センター:023-647-2266)
 コ ー ス
 タ イ ム
仙台南部→(車1時間30分)天童高原キャンプ場→(歩40分)長命水→(歩30分)三沢山展望台→(歩45分)北面白山→(歩30分)中面白山→(歩55分)長左ェ門平→(1時間35分)長命水 →(25分)天童高原キャンプ場→(車50分)天童温泉ゆぴあ→(車1時間30分) ※男性2名女性2名
 地   図
 ガ イ ド
地図:1/25000図「作並」「山寺」「天童」「関山峠」
ガイドブック:「宮城の山ガイド」深野稔生、「宮城の名山」柴崎徹(河北新報社)


※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します
※地図を見た後はプラウザの(戻る)で戻って下さい
今回はマラソン愛好家グループでの登山です。メンバーが健脚なのと、
久々の本格的登山なので、か弱い里山のぼら〜の私にとっては、
不安が・・・。
→面白山キャンプ場管理棟

 管理棟から、テントサイトや駐車場・トイレも近い。トイレは水洗でトイレットペーパーも有り。
 虫よけスプレーを忘れたのを悔やむ。駐車場から、ずっと虫に悩まされる。
→キャンプ場から

 尾根からやや沢沿いに外れた山腹を、登山道が走っている。西尾根コースと呼ばれている。おしゃべりしながらゆったりと歩く。
 ※Sさんは35リットルのザックを購入。今後はポーターとして期待されてしまいそう。
→長命水

 キャンプ場から、約40分で長命水に到着。長左ェ門平へ至る道が左に延びている。今回は山頂を経て、またここにもどってくるコースです。
→正面中央が北面白山

 北面白山の左の肩の高みが、三沢山展望台か。
 長命水からしばらくは、なだらかな広い尾根道を登っていく。
→三沢山直下の登り

 尾根道には、スミレ系の花や、イワウチワ、カタクリなどが見られた。
→三沢山

 長命水から、約30分で到着。曇り空ではあるが、暖かで風も無く良い日和です。但し、虫はず〜っと付いて来る。休憩時のコーヒーには必ず虫が飛び込んできた。
→北面白山

 なかなかかっこいい稜線です。北斜面には、まだ残雪がありますが、登山道には雪は無いです。
 ※ここの登りで、女子大生パーティとすれ違う。中高年ばかり行き交う山道で、珍しいものを見てしまった、という印象。新人哀歌の「♪メッチェン通れば頭右〜」を思い出す。
→尾根道

 よく踏まれており、迷うことも無いようなしっかりとした、道がついている。石もごろごろした所はなく、赤土です。ぬかるむと滑りやすいそうです。
→登ってきた尾根

 曇りなので景色の遠望は無理でしたが、今登ってきた尾根が眼下に見えます。とがった大畑山の左の谷にキャンプ場があるはず。
 けっこう登ってきました。かなりの急登に息切れしているのは、私だけ。
→あれが北面白山

 頂上が見えました。もう高い木々はなく、見晴らしの良い稜線です。三沢山から約45分で頂上に到着。
→山頂の道標
 
※ここで、昼食をとります。自家製稲荷寿司は好評でした。(美味しくないなんて、恐くて言えませんよねェ。そういう人はあとで兵糧攻めにされますから)Dさん、笹団子ご馳走様!
 
→頂上の面白山大権現

※この権現様に関しては、深野稔生さんの「山遊び山語り・蔵王二口編」に面白山の命名の由来とともに、詳細な記述がある。でも、結局のところ、はっきりわからない、というのが結論だったように拝読しました。(違ってたらご容赦!)
→頂上から北方向の眺め

 今登ってきた道です。上記の深野氏の本によると、昭和41年に、面白権現碑を担いで上げた頃は、山頂まで登山道がなかったそうです。
 頂上では、他に三組の登山者と会いました。

→頂上から東方向の眺め

 北斜面には、雪がバッチリついています。いやしい系としては、この雪が美味しそうに見えて仕方がないのです。
※カキ氷にして食べたい。
→頂上から南方向の眺め

 これから、我々がたどる稜線です。晴れていれば、左に大東岳、右に南面白山が見えるはず。
 ゆっくり昼食をとり、展望も楽しんだあと、長左ェ門平を目指して、北面白山を後にします。
→かもしか尾根コースへの分岐

 北面白山頂から、わずかに下るとすぐに分岐の道標がある。右手はかもしか尾根コースで、面白山高原駅に至ります。このコースは、1982年に新設されたそうです。
 
→中面白山へ

 左が我々の行く長左ェ門平への道です。
 道標は風雪で老朽化しているものの、処々の分岐には、実に的確に設置されている。
→稜線の残雪

 来てよかった!と思わせる雪です。登山靴も新調したので、キックステップの感触を試してみます。(アイゼンは不要です)
→登山道をふさぐ残雪

 雪の下に道が隠れているところもある。稜線に沿った登山道なので、大きくルートを外れることは無いが、ガスに巻かれたら慎重に。
→気持ちの良い稜線歩き

 気温はなんと20度。稜線を渡る風も穏やか。展望が良ければ、尚最高です。
→あそこが長左ェ門平

 あのコルですね。気もち良さそうな草原です。写真でははっきりしませんが、新緑がパステルカラーのじゅうたんのようで、お昼寝したい気分になります。
→長左衛門平に到着!

 右に行くと南面白山に至るそうです。長左衛門さんが雇用対策で道を開いたので、この名が残っているそうです。いつごろの時代の方なのか不明。
→ぜいたくな休息

 お昼も1時間、ティータイムも1時間の休憩時間をリーダーから許される。時間は押してしまったが、天候も場所も良いので、せっかく担いで頂いた食料を、お腹に収めて帰りたい。
→りっぱな道標

 午後3時近くになって、下山開始。長左ェ門のコルを出発してからすぐ左手に分岐がある。紅葉川沿いに下り、面白山高原駅に至るコースです。
 奥に延びるのが、長左ェ門道で、山腹を水平に走る登山道です。
→大東岳です!

 立派な山姿の大東岳。稜線に続く右の山は、南面白山です。
 曇天でしたが、1時間後には雨が降ってきましたので、本当にラッキーでした。
→長左ェ門道を行く

 途中、アブに一人だけ好かれて、手首を刺されまくったDさん。腫れた傷に、軟膏を塗り大判バンドエイドと包帯で包む。
→道が崩壊していて・・・

 長左ェ門道の、長命水の手前の沢で(紅葉川の源流)、登山道が崩壊しており、仕方なく沢に降りて、登り返している所です。
→かもしか尾根コース
  北面白山頂への分岐


 やっと、かもしか尾根コースの分岐に出ました。長左ェ門道は、平坦で楽な割りに距離が長いです。コルから長命水まで、1時間35分かかりました。
→かもしか尾根コース
  面白山高原駅への分岐

 この分岐を過ぎると、もう長命水は近い。長命水でまた喉を潤し、落ちてきた雨に急き立てられるように、早足でキャンプ場までもどりました。
 距離にして10数キロ、歩行時間5時間20分、けっこうなお山でございました。   ●登山報告終わり●
●出合った花や植物

→アカヤシオ

 「このきなんのき」という樹木を鑑定してくれるサイトでの鑑定です。
 写真が不鮮明なので、判別不能なのに、よくお答え頂きました。
→オオヤマザクラ? カスミザクラオクチョウジザクラ

 バラ科。サクラは難しいそうです。
 「このきなんのき」では、この写真では鑑定不能だが、カスミザクラ、オクチョウジザクラの可能性あり、と出ました。
→イワウチワ(岩団扇)

 イワカガミに似ているが、イワカガミは1家花茎に数個の花をつけるのに、イワウチワは1つだけ花をつけ、花はずっと大きい。(中略)名前は岩上に生えて、葉がうちわに似ていることによる。(「宮城の野草」より引用)
→キクザキイチゲ(菊咲一花)

 色は白とうす紫があった。群れて咲いている。キンポウゲ科・イチリンソウ属。
→アオキ(青木)

 ミズキ科。花は春咲き、秋に赤く熟した実が、翌年4月頃まで残るそうです。この実は5月まで残っていたのでしょうか。
→スミレサイシン(菫細辛)??

 葉が良く見えないので、疑問は残るが。サイシンはウスバサイシンの葉に似ていることからの命名だそうです。スミレ科。
→ニリンソウ(二輪草)

 長左ェ門道で、群生していた。キンポウゲ科。

 ※フキノトウも沢山ありました。
→カタクリ(片栗)

 三沢山への稜線や長左ェ門道にも見られた。比較的低山に雪解けとともに咲くようだ。ユリ科・カタクリ属。

参考文献:「宮城の高山植物」・「宮城の野草」河北新報社、「蔵王の花」村上孝夫、
「日本野生植物図鑑」前川文夫、「山遊び山語り・蔵王二口編」深野稔生

※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
ことに、花の名前は参考になさらない方が賢明です。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


                北面白山に関する補遺


●天童最上川温泉ゆぴあ

  <住所> 山形県天童市藤内新田1620−1
  <電話> 023−651−3333  
    ※ゆぴあ公式サイトにアクセスマップ有り。天童駅の西、最上川沿い。

  <ゆぴあの印象>
 入浴料200円と安い、設備がよい、露天風呂の温度が高めでよい、また部分的に屋根があり雨でも楽しめる、家族連れなどで利用者が多いがストレスになるほどではない。キャンプ場からゆぴあまでの所要時間は、25km〜30kmなのですんなり行くと40分位でしょう。(Dさん評

 
●天童高原キャンプ場

 <住  所>   天童市天童高原(青少年旅行村)
            tel (023)657−3628  ※天童駅から車で30分
 <利用期間>  5月〜11月
 <入村料金>  宿泊 大人 400円、小人 200円
            日帰り 大人 200円、小人 100円
 <サイト料>   410円  (150サイト有) 

※我々は日帰りなので、利用しませんでしたが、テントサイトには、3〜4張りのテントがありました。テントサイトは水はけもよく、森の中にあります。トイレも水洗で、駐車場も無料でした。シャワーはないそうです。


※あとがき 北面白山は実にいい山でした。でもかなり体力は消耗します。
私は走りこみ不足で、帰りはずっと車の後部座席でダウンしてました。

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