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岩木山・十二湖

2003.7.26〜27の記録ですので、ご注意下さい。
           岩木山登山      十二湖ハイキング
 概 要 岩木山の登山コースは主に5ルートある。今回は最もお手軽なスカイラインから山頂をめざすコースとなった。 白神山地の日本海側の十二湖から、白神岳に至る登山道のごくさわりの部分のハイキング。時間がなく、展望台までは至らなかった。
 場 所
 交 通
 仙台から東北自動車道で、大鰐弘前ICまで。弘前アップルロード、鯵ヶ沢街道から、津軽岩木スカイラインで、岩木山8合目着。(※途中岩木山神社参拝)岩木山登山の後、鯵ヶ沢から深浦町の宿、みちのく温泉へ。 青森県深浦町から、岩崎村の十二湖へ。散策のあと、秋田自動車道、能代南ICから、横手ICまで。鬼首を経て、東北道古川ICより、仙台に帰着。
 注意
 事項
鳳鳴ヒュッテから山頂までの人為による落石に注意。また濃霧の際は、頂上からの下山路は要確認のこと。※スカイラインのゲート開閉時刻は季節天候により変更有、要確認。0172-83-2314 特になし。防虫スプレーがあれば、尚快適。
 コース
 タイム
仙台→(車4時間45分)岩木山神社→(車30分)スカイライン8合目駐車場→(歩35分)リフト合流点→(45分)岩木山山頂→(歩60分)8合目駐車場→(車2時間15分)みちのく温泉<泊> みちのく温泉→(車45分)十二湖挑戦館駐車場→(散策1時間30分)挑戦館→(車7時間30分)仙台

※男女各7名、計14名、休憩含む
 ガイド
 ブック
「東北の山」アルパインガイド 「青森県の山」山と渓谷社
↑↓情報が古いので、最新情報をご確認の上お出かけ下さい。


↑岩木山周辺図


↑白神岳周辺図



↑岩木山から
南西方向展望図


↑十二湖周辺概念図
※カシミール3D使用  ※地図をクリックすると拡大します





今回も、いつもマラソンクラブでお世話になっている、リーダー(M神様)のお誘いで、岩木山登山が実現した。メンバー14名はさすがに神様から選ばれただけあって、20代から40代まで(笑)とてもいい雰囲気の皆さまです。
 土曜日の朝は仙台5時半集合。車二台で一路弘前へ。しかし、あいにくの雨。はたして登山はできるのでしょうか・・・。 
  ●岩木山登山


←岩木山リフト乗り場

 弘前に入ると幸運にも雨があがる。岩木山神社で安全祈願をしてから、津軽岩木スカイラインへ。(料金\1780、8:00〜17:00)69の曲り坂の終着が、岩木山の8合目です。
←8合目駐車場

 リフト乗り場の左脇から、登山道が始まる。風が強い。
 リフト組3名は、かなり揺れたそうです。
←眺望のきかない道

 さほど急登ではないが、見晴らしの良くない潅木帯を、じわじわ登っていく。
←リフト乗り場からの合流する道

 ワンレストを入れて、約35分で、リフトとの合流点に到着。リフト組と合流し、頂上をめざします。
←岩稜地帯

 上からに白装束の一団が下ってくるのが見えた。今も信仰の山なのだろうか。ちなみに岩木山登山のご利益は「五穀豊穣」だそうです。
←東北の山らしい景色

 風もおさまり、だんだん天気も良くなってきた。
←鳳鳴ヒュッテからの御倉石

 リフトからの道と、岩木山神社からの道の合流地点。
 写真を左手に下ると、岩木山神社。

※最初の計画では、岩木山神社コースだったのですが、メンバーDさんの綿密な計算により、時間や体力的に無理との判断がなされたようです。私は体力的に厳しそうだと思っていたので、楽なルートへの変更には、心から安堵しました。
←鳳鳴ヒュッテからの登り

 ヒュッテは、大館鳳鳴高校生の遭難後、避難小屋として建てられたそうです。
←浮石の多い急坂

 人気の山だけあって、登山者は多い。登りも下りも、落石にご注意。ちなみに、落石の際は、「ラ〜ク、ラクラク・・・!」等、叫んで下の登山者に知らせるのが、エチケットと聞いております。
←岩木山頂の「安全の鐘」

 1625Mの頂上に到着。神社のお社はこの奥。有人の社務所もあり、お札等を売っていた。
 その他、避難小屋やトイレもある。山頂付近には、滑落防止の為だろうか、トラロープが張られていた。
←頂上は360度の眺望

 岩木山は独立峰なので、眺めはすばらしい。ただ、まわりに目立った山がなく、広域地図も忘れた為、周囲の山の位置確認ができなかったのが残念・・・。
←海岸線の向こうは日本海

 頂上は思ったより人もおらず、広々としていた。天気が良かったので、問題なかったが、ガスに巻かれると、どちらに降りていいか迷いやすい場所のよう。
 ここ(山頂)で昼食をとる。
←リフト終点と駐車場

 正面下の山の窪みが、とりのうみ噴火口。積雲の向こうは、八幡平の方向。
 標高1625Mのわりには、寒冷地のためか、森林限界も低く、高山の様相を呈している。
←慎重に往路を引き返す

 天候がこれほど回復し、360度の展望を満喫できようとは、全く想像外でした。
 そして、皆さま無事に下山できたことが何よりホッといたしました。


  ●以上、岩木山登山報告終了●
 
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●岩木山で出合った花々

←ヤクシソウ

 薬師草、キク科。名前の由来は不明。

←ヤマハハコ

 山母子、ウスユキソウ科。
 葉に光沢があり過ぎるので?ハテナ

←ズダヤクシュ

 喘息薬種、ユキノシタ科。
 ズダは方言でぜんそくの意。それに効く薬だとか。
←トリアシショウマ

 鳥脚升麻の名は、若芽が赤く3本指の鳥に似ているところからの由来。
 ユキノシタ科。
←ミヤマホツツジ

 深山穂躑躅、ツツジ科。
 雌しべがくるっと上向き反っているのが特徴。愛らしいが、有毒らしい。
←ハリブキ

 針蕗、ウコギ科。
 全身トゲだらけの低木。秋になると、赤い実がなるそう。(7月末の山は、もう秋なのだろうか)
←シラネニンジン
 イブキゼリモドキ

 葉が見えないので、判別不能。
←イワオトギリ

 岩弟切、オトギリソウ科。
 葉や花に黒い油腺があって、太陽にすかしてみると、赤い斑点に見える。昔、鷹匠の兄が、妙薬の秘伝を他にもらした弟を切ったときの血しぶきだとされる。「花の山 八幡平の花」(高橋秀洋)より引用。悲しい伝説があったのね。
マルバシモツケ

 丸葉下野、バラ科。
 下野の国(栃木県)で発見されたことから、命名されたそうです。

←?


※ルートに沢沿いの草付帯がなかった為、目立った高山の花は、見られなかった。つつましい花が多く、判別にかなり時間を費やしたものの、不明なものが多い。

 ●以上、岩木山の花終了●

←みちのく温泉
※西津軽郡深浦町舮作字鍋石76-2
0173-75-2011 国道101号線・不老不死温泉から700m南。女将さんがお話上手で魅力的な方でした。

 大きな水車(右)と展望台がこの宿の目印。広い庭には、紫陽花がみごとでしたがオオマツヨイグサも味わいがありました。
←露天風呂

 専用通路から、脱衣所を経て入るのが正しい入り方。
 夜陰に紛れて、ストリーキング?をした果敢なご婦人もいらしたとか。


←露天風呂からの眺め

 紫陽花の下に五能線が走っている。
 昨晩、展望台から皆で眺めた、日本海に沈む夕日と、いさり火も、旅情豊かな正しい日本の風景でした。


●十二湖ハイキング


←白神山地の西端、大崩山(おおくずれやま)を正面に見ながら、散策コースに入る。
 挑戦館の脇に鶏頭場の池、右手方向に青池がある。

←神秘的な青池

 「まるで青インクをたらしたような」と形容されるそうです。写真より、ずっと青くて透明です。
 湖水にはブナの倒木や、魚影が手にとるように見え、あまり観光地化されてないたたずまいが、尚良し。(でも日曜だったので、人はかなり入っていました)
←透明度が高い青池

 水中写真家、中村征夫さんが、山奥の湖沼に潜って撮った神秘的な写真を思い出した。
 潜水は無理でも、カヌーを浮かべてみたかった。魚にはいい迷惑でしょうが・・・。
←世界遺産の白神山地に分け入る

 鶏頭場の池と青池の間に登山口が
ある。大崩山、崩山を経て、白神岳に至る登山道。
 植林でない原生林がうっそうとしており、昼尚暗い。ガイドブックには、「・・・よく踏まれており、しかもゴミもなく、・・・青森県内の山では、最高級といえるだろう。」と記載されている。このコースを選んだ、リーダーの見識の深さに改めて感動。
←山菜採りのプロ

 ひと仕事終えて下山してきたようです。これを見て、山菜名人の我が師匠は、俄然張り切ってしまうのでした。
 師匠から頂いた、「ミズ」はゆでて生姜醤油で賞味。歯ごたえとぬめりのある食感が特徴。ごちそうさま!
←タイムリミットの為引き返す

 リーダーの判断により、展望所までは時間的に無理、ということで、往路を引き返す。
 どこを歩いているのかわからず、ただついていくだけでしたが、どこか厳かな森だなあ、と思いながら歩いておりました。
←気持ちのよい原生林の森林浴

 左手前の木に赤い標が見える。世界遺産に登録されてから、入山者が増え、登山道も整備されつつあるという。クマも出るとか。
※厳密にみると、この辺りは世界遺産の指定区域からわずかに外れているけれど・・・。
←白神山地の湧水
 このルートで唯一の水場で、ここから1時間で、展望台に着けるそうです。

 時間がなくて、十二湖の展望所までは到達できませんでしたが、世界遺産の森のふところに、遊ばせてもらっただけでも、貴重な体験でした。

   ●十二湖報告終了●
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●十二湖で出合った花

←アカショウマ

 ユキノシタ科。
←ヤマアジサイ

 ユキノシタ科。実際はもう少し青みが強かったように記憶しています。

わかりませんでした。イラクサ科か?

※初夏には、シラネアオイやエンレイソウ等が見られる森だそうですが、ちょうど花の少ない時期だったのかもしれません。
←オオウバユリ

 大姥百合、ユリ科。開花期に根元の葉が枯れてなくなることが、その名の由来だそうです。亜高山帯の林内に多いそうです。

参考文献「高山植物入門」、「山の植物誌」、「蔵王の花」村上孝夫、
「宮城の野草」河北新報社、「山野草ガイド」新星出版社

※ 花の名称及び、記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、
ご了承下さい。また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


         <岩木山・十二湖に関する補遺及び私の発見>


●シーハイルの歌

     岩木のおろしが吹くなら吹けよ
     山から山へと我らは走る
     きのうはボンジュネ、今日またアジャラ
     煙たてつつ おおシーハイル
 
 山の歌で、何気なく口ずさんでいた「シーハイル」。ところで一番の歌詞に出てくる、ボンジュネとアジャラは何者??私はてっきり、アチャラ語だと思っていたのです。ところが、岩木山に関するHPを見ていたら、何と古式ゆかしい日本語なのでした。
 アジャラは阿闍羅と書き、東北道のPAにもなっている地名で、スキー場が有名。ボンジュネは梵珠嶺で山(梵珠山)の名だそう。どちらも、山渓の「青森の山」にハイキングコースとして、紹介されている。
 そもそも、この歌は五所川原農林高校スキー部の部歌で、昭和2年につくられたとか。地元東奥日報の記者の作詞だそう。地方のこの時代ながら、なんと粋でインテリジェンスあふれる歌詞だろう。※シーハイルはドイツ語で、スキー万歳という意味だそうです。※曲は元歌があり、替え歌らしい。
          
●大館鳳鳴高校生の遭難

 やはり、岩木山の遭難関連のHPを見ていたら、角川文庫、田澤拓也著「空と山のあいだ」が紹介されていたので、早速購入した。
 テレビでもこの本をもとにした、「遭難」という番組があって、それもたまたま見ていたので、大変興味深く読んだ。事実を淡々と追いながら、遭難した高校生一人一人に注がれる、筆者のまなざしの暖かさがことに印象的だった。1964年1月に亡くなった4人の高校生は長じていれば、今50代半ばになっていたはずだ。
 岩木山神社の登山口に行ってみる。ああ、ここから交替でラッセルして登ったんだろうなあと、思いをはせる。頂上に着けば、猛吹雪なら下山路を間違えるのも無理ないなあ、などと思いながら追体験した気分にひたる。
 山の楽しみ方も、若い頃よりは、だいぶ変化しつつあるように思います。

●神様は生まれつきカミ様だった!

 ある日、新聞を見ていたら、「越前の守」(えちぜんのかみ)という言葉が目に飛び込んできた。え??「守」は「カミ」とも読む・・・。w(゜o゜)w おお-!なんと、我々のリーダーは生まれた時から、カミ様だったのね!カミは国司の長官という意味だそうですが、有り難いお立場であることには、間違いない。
 神様のご加護や、師匠のお導きがないと、遠くの山は無理な私。思うように山にも行けない状況ですが、どうか今後とも宜しくお願い致しま〜す。

 ところで、神様(+神様に近い人々)は、宿の朝食前にかなりのランニングをして来られたとか。普通のおばさんの私には、想像のつかない異次元の世界におられるようです。
 また、今回参加の女性軍は、マラソンと登山の愛好家の方々。皆さま、よく笑い、愛らしくたおやかで、とても楽しい2日間でした。

 末筆になりましたが、今回往復800キロの運転を引き受けて下さった、リーダーとSさん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

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