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薬来山 (加美町小野田・553m)

2003.05.11の記録
  概  要 時間的には手軽に登れるが、か弱い女性には、急坂の単調な登りはちょっと汗をかかされるし、下りは膝が笑いそうになる山。標高553mだが独立峰ゆえ、やや根性を要する。ただし、南峰から北峰までの、コース上で唯一平坦な尾根道は、無料望遠鏡もあり楽しい。
  場  所
  交  通
仙台方面から、国道457の色麻を経て、小野田に入る。「やくらい薬師の湯」の看板が国道347の道筋にあるので、それを目標に進む。薬師の湯をさらに上り、正面に見える薬来山を見ながら、やくらいガーデンの看板を右折すると、登山口の鳥居と駐車場がある。
  注意事項 やくらいガーデンのレストランのパーキングに駐車するが、このレストランが、10時オープンなので、10時前に行くと、トイレが借りられない。薬師の湯まで引き返して、トイレをお借りした。
  コース
  タイム
登山口鳥居→(55分)薬来山南峰→(5分)北峰→(50分)林道出合→(60分※ワラビ採り時間含む)登山口鳥居 ※男女3人で山菜採りや探察をしながらの時間です。
  地  図 1:25000図「薬莱山」
※情報が古いので最新情報をご確認下さい
↑広域図(カシミール3D) ↑やくらいガーデンパンフより ↑現地案内板より
※地図をクリックすると、拡大します
※地図を見た後はプラウザの(戻る)で戻って下さい
←薬莱山が正面に

 天気は高曇り、無風、気温17度。良い登山日よりとなった。
 やくらいガーデンの無料駐車場より、いざ出発。
←登山口の鳥居

 駐車場からまっすぐに伸びる舗装された道を、登りはじめる。

 ※今回同行お願いしたのは、マタギの拓さんと、A子さん。拓さんには、アッシー君もして頂く。A子さんは頼れるナビ役。
←スキー場のスロープ

 登山道の右手には、スキー場があり、リフト塔が見える。袋を持った女性が何やら採集している。
←第二の鳥居

 ここで、舗装はおしまいで、本格的な登山道になる。
←出ました階段!

 整備された登りの丸木の階段は、どのガイドブックににも歩きにくいと不評だったが、その通りだった。でも、しばらくすると慣れる。本には715段と記されていたが、看板は706段となっている。
←マタギの拓さん山菜教室

 通称「マタギの拓さん」には、樹木と山菜の出張教授を受けながら登る。
 筆者は、かってスポーツ登山系で、頂上のみめざして登っていたので、山の植生は未知の世界。
←つづら折の登りだけのコース

 野草観察しながらなので、いくらか気は紛れるが、ちょっと登るとすぐ息があがってしまう。少年は老い易く、昔の光も今いずこ。酸欠でくらくら〜となる。 
←ああ、やっとゴール!

 でも、この表示のおかげで、元気つけられてたどり着けました。
 この先は山頂まで、平坦だ。
←頂上直下、すぐそこです。

 ただし、拓さんは頂上には全く興味ないらしく、あらぬ方向にマタギの視線を向けている。
←ここが南峰のお社

 2畳位のスペースがある。冬山の緊急避難小屋にもなりそう、だが・・・。
 北峰にも、同じお社があり、やくらいガーデンの登山証明申請書(北峰のみ)が置いてあった。
←薬莱山頂上付近

 芝草に木のベンチなどもあり、幸い無風だったのでお昼の休憩には気持ちの良い場所となった。
 お昼寝している人も含め、4パーティ余の人々が居た。
←南峰から、北峰を望む

 南峰から50歩位下った平坦地に、姥神さまの石像がある。
←恐ろしい形相の姥神さま

 立ち膝に手を載せ、大きく口を開けて何やら叫んでいるようす。願い事はなんでも叶えてくれるそうなので、しっかり祈願をする。はさみが供えられていた。
←無料の望遠鏡

 南峰と北峰の鞍部にちょっと、樹木が開けて展望が良い場所がある。そこに、よく観光地で見かける望遠鏡があった。
 100円入れなくても、下の駐車場の白線までくっきり、しっかり見えた。
 
←眺望はこんな感じ

 春霞で遠望は無理だったが、眼下のやくらい高原は見渡せる。
←北峰の広場

 同じくお社が左手奥にある。晴れていれば、船形山などもみえるらしい。
 ここからは、下り一方となる。
←階段無しの下り

 さほど急ではないが、こちらは階段が無い。
 単調な下りだが、拓さんがすぐ道からはずれて、山菜探索を始めるので、いろいろな野草を見ることができた。
 
←赤松林もある

 もっと下ると、ケヤキの大木もある。これらも教えられなければ、わからない。
←舗装道路との出合地点

 薬莱山をぐるっと一周している舗装道路に出た。ここを歩いて下って行くと、レストランの駐車場に着く。
 これで、登山はおしまいとなる。
←ゲレンデでワラビ採り

 最後に、ワラビを採りたいと筆者が言い出す。まっすぐ駐車場に戻らず、舗装道から、ゲレンデにわざわさ登り返して、ワラビをさがす。
 まだ時期が早いのか、スリムで小さなものしか生えていなかった。

 ●山菜教室のはじまり〜●

←コシアブラの新芽
 コシアブラの名は、この木から油状液を濾過して、塗料にしたことに由来。天ぷらにすると、美味らしい。タラノキと似ているが、トゲがない。
←コシアブラ採集中の拓さん

 このように、薮こぎ大好き人間、というよりほとんど森の熊さん状態。
 コシアブラは、登り途中によく見かけたが、新芽はもう採られた跡があった。
←採集したコシアブラ(左)と?

 右の細長いの、野生のアスパラだったっけ??
←イヌドウナ(ボンナ)

 これは、ゆででおひたしにする。シドケより苦味があって、野趣あふれるお味でございました。北峰直下の薮にあった。
←ゼンマイの雌と雄

 ゼンマイは採っても、ゆでて干す手間があるので、採らないで見るだけ。
 右の胞子葉はオトコゼンマイといって、食用にしないそうだ。
 ●出逢った草花●

←マムシグサ

 茎の模様が似ているのが、名前の由来だそうだ。毒草。
←チゴユリ

 この時期には、メジャーな花なのかも。稚児百合と書く。
←タチツボスミレ

 薬莱山全体(登山口から山頂、下山路全て)で、よく見られた花。もっと濃い赤紫のスミレも舗装道脇で見かけた。
←シラネアオイ

 南峰付近から北峰の下山路に多く見られた。これは、拓さんに導かれて、かなりディープに薮こぎをして、めぐり合ったシラネアオイだ。感動。(白根葵)
←アケビの花

 実は顔色悪いが、花はこんなに愛らしいのね。南峰にて。
←オオカメノキ

 に似ているが、調査中。望遠鏡の付近。
←カタクリ

 カタクリも拓さんのおかげで、群落を見る事が出来たし、結実したカタクリというのも発見。北峰山頂付近。
←調査中。北峰上部下山途中。
キクザキイチリンソウか。

 ●以上報告終わり●
※山菜の誤食には気をつけましょう!上記記載内容に関しては、責任負いませんので、ご了承ください。
※薮に入る時は、植物を踏まないようにしましょう。山菜も取り過ぎに注意。

参考文献・・・・河北新報「宮城の山菜」「宮城の樹木」「宮城の野草」
北隆館「春の野草」

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