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[332] 「ライフ」 投稿者:SMAP/V(管理人) 投稿日:2007/07/25(Wed) 04:15  

演出の谷村政樹さんは、かつてABC制作の「J家の反乱」「女と男の物語」「17歳 夏。」
といった深夜ドラマを手がけていた人です。
「J家」のときは、ボクも日誌で絶賛した記憶があります。

ウィキペディアなどで調べてみると、「部長刑事」なども手がけているようですが、
関西ローカルの番組だったので、ボクは見たことがありません。
この1〜2年、フジのドラマで見かけることが多かったのですが、転職されたようです。
日本映画監督協会のサイトに以下のプロフィールがあります。

| 大阪府 神戸大学卒。朝日放送入社。98深夜ドラマで監督デビュー。以降多数のドラマを演出。
| 05朝日放送退社。06フジテレビ入社。(T)98「家族団乱」99「部長刑事」「J家の反乱」
| 01「シンマイ」03「男と女と物語」04「人が殺意を抱く時」06「小早川伸木の恋」

いずれにしても、ボクにとって、谷村政樹さんは、重要な演出家です。(^^;;

「J家」は、錦戸亮がイジメられてるというエピソードが強烈だったのですが、
今回の「ライフ」も、偶然なのかイジメの話です。
谷村さんは、オフィスクレッシェンドみたいなスタイリッシュな映像を撮る人ですが、
特に非凡なのは、役者の表情をシャープに切り取るセンスのよさです。
「J家」のときも、錦戸亮のシャープで生々しい表情アップに、圧倒されたものですが、
「ライフ」でも、北乃きい、福田沙紀、細田よしひこ、星井七瀬らの表情を捕らえたカットに
強烈なインパクトがあります。
このドラマを見ていると、出演者の演技が、みな上手く見えてしまいますが、
これこそが、谷村マジックだというのが、ボクの解釈です。

効果音を含めて、ややメリハリが効きすぎている感もあるのですが、
ストーリーもかなり極端な展開なので、これはこれでバランスは取れているのでしょう。

谷村さんといえば、「17歳、夏。」で、相武紗季が主演した回を撮っていましたが、
あれも相武紗季の隠れた代表作ですね。(^^;;

蛇足ですが、谷村さんを引き抜いたフジテレビもセンスが良いですね。
誰の推薦・判断だったのか気になります。(^^;;
最終的には大多亮さんと山田良明さん?



[331] 法政大学でのドラマ演出講義 投稿者:SMAP/V(管理人) 投稿日:2007/07/25(Wed) 04:12  

すっかり遅くなってしまいましたが、備忘録をかねて、
6月14日にやった法政大学での講義のレジュメをアップしておきます。
今年は、稲増先生から、現在放映中のドラマを中心にコメントしてほしい
というリクエストがあったので、プログラムの内容を大きく変えてみました。
例年よりも、より突っ込んだ内容になっています。


2007年6月14日
「映像制作実習A」のレジュメ

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 カット割り……映像の基本構成要素はカット
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多くの人は、映画やドラマをひとつながりの物語として見ています。しかし実際は、
バラバラに撮影されたカットがパズルのように並べられているだけであり、それが、
つながっているように見えているにすぎません。本日は、カット編集という観点を
中心にしてドラマ演出を分析してみようと思います。

●堤幸彦『愛なんていらねえよ、夏』第2話ラストシーン(3分半)
 駅のホーム。スタイリッシュでカッコいいモンタージュの代表例です。

●川村泰祐『ランチの女王』第8話オープニング(2分半)
 森田剛の乱闘シーン(1カメ撮影)。全5分間のシーンで約170カット。1カットあたり、平均1.76秒。

●福澤克雄『3年B組金八先生』第6シリーズ第18話ラスト(2分半)
 上戸彩の乱闘シーン(ほぼマルチ撮影)。全3分間で約95カット。1カットあたり、平均1.89秒。
 お芝居重視の演出をすると手の込んだカメラワークはできない。
 1カメ撮影――カメラワーク重視 芝居が断片化される。2カメの場合もある。
 マルチ撮影――芝居のライブ感を重視 カメラワーク(アングル)が制約される。

●羽住英一郎『伝説の教師』第7話ラスト近く(2分半)
 ここからは、脚本の内容とカット割りの関係に着目して話を進めます。
 カット割りは、野球におけるピッチャーの配球に似ています。
 演出家は、決めのカット(決め球)が強烈に見えるように、各カットを配列します。
 このシーンの決めのカットは米花剛史のアップ。

●森嶋正也『弁護士のくず』第9話(6分)
 カット割りの構造は上と同じ。どんな「決めのカット」がでてくるのか予想してみて!
 喫茶店で、岡本麗が離婚届に印を押そうとすると、映画『追憶』の主題歌が店内に流れる。
 トヨエツ弁護士が『追憶』の有名なセリフを口にするところで「決めのカット」。(決めのカットは望遠レンズ)

 終盤に登場する、上記のシーンをネタにしたギャグシーン。(こちらの決めのカットは広角レンズ)

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 カメラワークの基礎の基礎
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◎望遠レンズ(狭角レンズ)
 意味=ズームインの状態。画角が狭い。
 特徴=被写界深度が浅い(背景や前景がボケやすい)。手振れが目立つ
 用途=シリアスなシーン。内面描写

◎広角レンズ
 意味=ズームアウトの状態。画角が広い。魚眼レンズ
 特徴=被写界深度が深い(背景や前景がボケにくい)手振れが目立ちにくい。手持ち撮影に便利
 用途=コミカルなシーン。臨場感や空間の広さ(狭さ)を強調したいとき

◎アップ
 特徴=ホット。緊張感。張りつめた感じ。
 用途=ゆっくりズームインしていくカットは、じわじわと緊張感が高まっていく効果
    があり、恋愛ドラマの告白シーンなどで多用される。

◎引き(ロング)
 特徴=クール。緊張が緩和した感じ。
 用途=寒いギャグのシーン。緊張感のある会話(アップのカット)が続いた後に、
    いったんブレイクさせるときに使用される

●初山恭洋『プロポーズ大作戦』第9話(6分)
 藤木直人のプロポーズシーン。濱田岳の告白シーン。山下智久が長澤まさみの結婚に反対するシーン。
 三つの告白シーンを、アップと引きの使い分けに注目して、見てみてください。

●久保田哲史『医龍 Team Medical Dragon』第6話(15秒)
 オペ室での意見の対立=アップ。稲森いずみの一声で静まる=引き(ロング)。

●大木綾子『ライアーゲーム』第4話(1分半)
 「SとMって何ですか?」の名シーンで、引きのカット。
 その直後の、松田翔太がひらめくところは望遠レンズのアップ

△河毛俊作『わたしたちの教科書』第1話(30秒)
 菅野・伊藤・志田の食堂のシーン。志田がキレた後に引きのカット。

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 今期のドラマから、気になるシーンの分析
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●大谷太郎・佐久間紀佳『バンビーノ』(8分)
 第1話 初仕事でのパニックシーン。厨房のシーンとフロアのシーンのカメラワークの対比。
 第2話 パニックシーンから、松潤がナイフで指を切るまでの展開。
 第6話 ホールで転倒し、皿を割るシーン。厨房のパニック演出との違い。
 第8話 ほっしゃん。の自宅前で待っている松潤のカットが2回。3回目は松潤不在のカット。

 △ 第1話 松潤がはじめてパッカナーレに足を踏み入れるシーン(3分)

●河毛俊作・葉山浩樹・西坂瑞城『わたしたちの教科書』(6分)
 第1話 電車の中で、志田未来が伊藤淳史に心を開くシーン
 第4話 山本學が菅野美穂に「お願いします」と頭を下げるシーン(上と同じようなカット割り)

 △ 第9話 ゴスロリ少女(鈴木かすみ)がイジメ被害を告白するシーンから。緊張感のあるシーンなのに、
     カメラはゆっくりズームアウトしていくという、上記のセオリーとは逆のケース。

●常廣丈太『生徒諸君!』第8話(7分半)
 堀北真希・本郷奏多の夜のデート。前後のストーリーを無視して、やたらと気合いの入った演出。
 本郷奏多の恋心・性欲を、さりげなく映像化している。

 △ 本郷奏多のセリフのシーンで、なぜだか顔ではなく後頭部をアップ。
 △ 松尾敏伸と本郷・岡田の狭い部屋での乱闘シーン。カメラワークが秀逸。
 △ 海辺で別れる堀北・本郷のシーン。不可思議なニュアンス〜余韻を残すカット構成
 △ その他、手の込んだ色照明など……

△佐藤祐市『花嫁とパパ』第2話(2分半)
 狭いトイレ内での、時任三郎&田口淳之介のギャグ芝居。カット数が異常に少ない。

△成田岳・加藤裕将・初山恭洋『プロポーズ大作戦』(5分)
 第6〜9話 タイムトリップ後、山下智久のアップで始まってアップで終わるオープニング
 第8話 山下の表情演技
 第6話 長澤まさみが、コンペ出品を決めるシーン。山下のアップが異常なくらい多い。
    このドラマの演出プラン〜方向性を象徴しているシーン。

●植田尚・池添博『鬼嫁日記 いい湯だな』第8・9話(3分)
 このドラマは、全編が、70年代の有名ドラマ『時間ですよ』のパロディ〜オマージュ。
 近年ではめずらしいオールセットのドラマ。大規模セットとエキストラの多さをチェック

●木下高男・北川学『ホテリアー』第7・8話(3分)
 大ホテルなのに、こじんまりとした印象。
 『鬼嫁日記』と比較して、チープなセットとエキストラの少なさをチェック

△細野英延『愛犬ロシナンテの災難』第5話クライマックス(4分半)
 猿が殺された後の泣きのシーン。放送終了後に、ネットに「堂本剛の演技力に感動した」という声が多数。
 しかし、ここでは演技力ではなく演出に注目します。
  (1) 猿が死んだ後、無言の沈黙が続く。
  (2) 堂本剛の長台詞とともに静かに音楽(ピアノ)が流れる。
  (3) 決め台詞の直後に音楽がピークに(バイオリンの音が加わる)。
  (4) 台詞の終了(サブ決め台詞)とともに音楽が終了。
  (5) 無言の沈黙でシーン終了。余韻を残す。
台本を読んで、どこが決め台詞かを決めるのも演出家の仕事。(台本解釈)

 (△印は、講義では使わなかった映像です)

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分量を欲張りすぎてしまったため、時間が足りなくなってしまい、
講義で使えなかった映像が多くなってしまったのが残念です。
来年は、カメラワークの話をもっとシンプルにするなど、
もう少し工夫しようと思ってます。




[330] Re:[329] SMAPPIEが 投稿者:SMAP/V(管理人) 投稿日:2007/07/18(Wed) 08:59  

レスできなくてすみません。
ちゃんと見てますよ。第2話までは。(笑)

「ライフ」は、「J家の反乱」や「17歳 夏。」の谷村政樹さんが
演出しているドラマなので、そのうち、ちゃんとレスします。




[329] SMAPPIEが 投稿者:Gershwin Melody 投稿日:2007/07/17(Tue) 22:41  

 「ライフ」を見ないから第3話の視聴率が悪かった件について。


[328] 楽しみだなあ 投稿者:Gershwin Melody 投稿日:2007/06/25(Mon) 23:45  

 土曜からの「ライフ」見てね。稲増教授も大推薦よ。


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