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王牌ダイアリー

 大相撲の勝敗予想に凝っている。といっても一人で勝手に星取表をつけて喜んでいる訳ではない。参加費をとって全国規模で勝敗予想をやっている団体があって、自分はそこの会員なんである。相撲協会に許可をもらっているかどうかは知らない。一等賞品の世界旅行には届かないが、何回か上位入賞を果たしてダサいトートバッグやクソみたいなアクセサリーをもらったことがある。とても嬉しかったが速攻で捨てた。
 行きつけの呑み屋にはこのゲームの会員が四人いて、公式順位とは別に内輪で点数を争っている。店長も会員なのだが、外国人力士には絶対に賭けないのでメチャクチャ弱い。場所前には期待で目をキラキラ輝かせているのが、五日目あたりで死んだ魚のような目に変わる。千秋楽には瞳孔が開いて、勝者にタダ酒をふるまって力尽きる。年間を通して、このローテーションが崩れることは殆どない。
 そんな店長が大好きで、暇さえあればお店に寄って店長と相撲の話で盛り上がっている。店長のキラキラ目を肴に呑むビールはことのほかウマい。
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