
2018年49号 第--話
【前回まで】
光成の部屋で、光成と刃牙が宿禰の対戦相手を決めている。武蔵の時も、対戦のマッチングはすべて二人で
決めた。
「筋肉勝負ができるのって、オリバとピクルと花山と紅葉ぐらい? 他に筋肉バカっておらんかったっけ?」
「意外といないねえ。ただのバカなら山ほどいるんだけどねえ」
「お前とかな」
「そーねー」
刃牙は両足をテーブルに乗せて、大あくびをしながらズボンに両手を入れて股間を掻いている。そしてその
手を引き抜いた。
「お、大漁」
刃牙の両手には凄まじい量の陰毛が握られていた。刃牙がその陰毛を上に放り投げると、降り注ぐ陰毛のシャ
ワーの向こうに1人の男の顔が浮かび上がった。
「独歩さんは?」
「独歩お?」
光成はこの世のすべてのしかめっ面を集めたような顔になった。刃牙はまた股間を掻いている。
「あのハゲに貴重な出番をやって、何もできずにぼろ負けして脱糞号泣以外の未来が見えるか?」
「と、このハゲが申しておりますが」
刃牙は光成の頭を足の裏でぺちぺち叩いた。そしてズボンから両手を引き抜いた。
「お、また大漁」
刃牙は凄まじい量の陰毛を上に放り投げた。降り注ぐ陰毛のシャワーの向こうで光成が朗らかに笑っていた。
「人の部屋にチン毛撒くな殺すぞ」
「そんな事よりじっちゃん、独歩さんは相撲は強いぞ。俺負けたもん」
「マジで? ひょっとして独歩が宿禰に勝っちゃう?」
「勝っちゃう勝っちゃう」
「勝っちゃうかー!」
光成はベルを鳴らして宿禰を呼んだ。宿禰のみに聞こえる特殊な周波数のベルだった。
「独歩が勝てる訳ないので、面倒だから戦いたい奴を自分で選べ」
光成はこれまでの目ぼしいキャラをすべて書いた巻物を広げて宿禰に見せた。宿禰は巻物をじっと見つめて
言った。
「私、この人たち全員と戦った事があります」
「ん?」
「すべて負けました」
「宿禰編しゅーりょー!」
大津波がやってきて、光成の部屋も人もすべて流し去った。どんまいどんまい。
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