2018年46号 第6話

【前回まで】

 宿禰という新たな強敵が出現したので、光成は軍団のメンバーを全員呼んだ。宿禰にボロクソにやられる奴、
善戦するけど結局負ける奴、最後にかっこよく勝つ奴、死ぬ奴を決めるためだ。
「まず、ボロクソにやられる奴!」
 光成が叫ぶと、全員が手を挙げた。
「善戦するけど結局負ける奴!」
 光成が叫ぶと、全員が手を挙げた。
「最後にかっこよく勝つ奴!」
 光成が叫ぶと、全員が手を挙げた。
「死ぬ奴!」
 光成が叫ぶと、全員が手を挙げた。
「そこのお前!」
 光成は一番手前にいる刃牙の頭を小突いた。刃牙の横には各メンバーの人形が並んでおり、刃牙を含めたそれ
ぞれの手が長い棒でつながれていた。そのため刃牙が手を挙げると全員手を挙げる。
「なんだよじっちゃん痛てーなー」
 刃牙は光成に小突かれた辺りを手で撫でた。他のメンバーも全員撫でた。
「お前は全部に手を挙げるんじゃないっていうか他の奴らも刃牙の真似すんなっていうか、他の奴らはなんでき
とらんのじゃい!」
「みんな尿管結石だって」
「なんじゃそのシンクロニシティ!」
 光成は怒りを爆発させて、人形を片っ端からぶん殴っていった。
「お前こい! お前もこい! お前もこい! お前もこい! お前は死んどるやないか!」
 光成は烈の人形をぶん殴った後に棒からはがしてゴミ箱に捨てた。刃牙は驚いて光成に聞いた。
「じっちゃん、烈さんて死んだのか?」
「こないだ刀で斬られて内臓ぶちまけて死んだじゃろがい!」
「えーうそ誰に誰に誰に誰に?」
「行くぞー!」
 誰かまでは覚えていないので、光成は宿禰と刃牙を会わせてどちらか殺す事にした。宿禰は人が1人ギリギリ
で通れる細い路地の奥にいた。
「刃牙よ、あれが宿禰じゃ。どちらが死ぬかは二人で決めろ」
「へーい」
 刃牙は路地に入ろうとしたが、人形が邪魔で入れなかった。
「縦に入れ縦に」
「へーい」
 刃牙は人形を後ろにして自分から路地に入ろうとしたが、光成は刃牙を止めた。
「それだとお前が死んだら人形も全部死ぬから、先に人形から入れ」
「へーい」
 刃牙は人形から路地に入ろうとしたが、棒の先がプルプルしてなかなか入れなかった。
「お前は非力か」
 見かねた光成は棒の先を持って路地に入って、宿禰の前に到着した。先頭はもちろん光成だった。
「最初に死ぬ奴!」
「はい!」
 宿禰に言われて、光成は反射的に手を挙げた。光成の魂は三千世界を駆け巡った。


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