2017年03+04号 第138話

【前回まで】

 勇次郎との会談を終えたヒナリーは、その衝撃をまずトラムプに伝えた。
「トラムプー! 勇次郎のチンコはあなたの5倍よー!」
「なに勝手に入ってきてんの?」
 そこは大統領の執務室だった。ヒナリーは大統領選に負けたので執務室に立ち入る資格
はなく、隣の便所だったらギリギリセーフだった。しかしヒナリーはそれでもよかった。
「わたしは勇次郎の便器になるのー!」
「じゃあ今すぐ便所行け。ここは大統領しか入れない執務室なのだよ」
「こんなものはこうして代わりにこうするのー!」
 ヒナリーはトラムプの額を壁から外して破り捨てて、勇次郎のチンコの額を飾った。
「よくそんなもん撮らせてくれたな。ていうか早く出て行かないと怒るぞ」
「トラムプ君も出て行きたまえ」
 部屋の奥の黒チンコが喋った。と思ったら現大統領のオズマだった。
「お前は次期大統領ってだけで、今はまだ俺が大統領だからね。お前ただの人だからね」
「ははは、頭の固いオズマ君は、きっとそう言うと思ったよ」
「勇次郎の尿道はこんなんだったのー!」
 ヒナリーはオズマの頭頂部を日本刀で十字に斬った。そしてトラムプは壁のレバーを引
いた。部屋が超高速で回転しているような気がした。
「こんな事もあろうかと、部屋を光速回転させて時間を行き来する仕組みを作ったのだ」
「なんだそのクソみたいな理論は」
「クソ理論によって、オズマ君の任期は過ぎた。これからは私の時代だ!」
 トラムプが窓のカーテンを開けるとそこは世紀末で、ケンシロウとラオウが闘っていた。
「一瞬未来だと思うけど、これ過去だよな?」
「そうだな。回転の向きを間違えたようだ」
「こういう感じで犯してほしいのー!」
 ヒナリーはオズマの口をこじ開けて、花瓶をバラごと突っ込んだ。オズマはしばらくモ
ガモガ言っていたが、やがて花瓶を噛み砕いてトラムプとヒナリーの顔にぶちまけた。
「お前らそろそろ本気で出て行こうか。大統領を怒らせると自宅にバキュームカーが突っ
込む程度じゃすまんぞ」
「オズマ君、我々の負けだ」
 オズマの奥の白チンコ2本が喋った。と思ったら前大統領のボッシュと前々大統領のク
リントンもどきだった。
「これからは、トラムプ君が新しいアメリカを作ってくれる。我々過去の人間こそ、この
執務室から去ろうじゃないか」
「だから俺は現職なんだっつーの」
「あんたのチンコは勇次郎の100分の1なのー!」
 ヒナリーはクリントンもどきの股をヒザ蹴りで陥没させた。100分の1が0になった。
「こいつらを全員つまみ出せー!」
 オズマが叫ぶと鎮圧部隊がやってきて、オズマも含めて全員窓から投げ捨てた。
「勇次郎のチンコにゴッドブレスユー!」
 ヒナリーの断末魔が、彼らの最後の言葉だった。アメリカよ永遠なれ。


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