
2014年27号 第16話
【前回まで】
どうしろと? と言われても、花山が勇次郎と喧嘩をしたいというのは光成から伝えて
いるはずなので、そうしろとしか答えようがない。
「御老公から伝えた通りですが」
「そうか」
勇次郎はうなづいて、握り潰したサングラスを花山にあげた。そして言った。
「それで、この俺にどうしろと?」
花山は様子をうかがっていた光成のところに行って、グシャグシャのサングラスを光成
にかけて両耳をちぎれるほど引っ張った。
「ちゃんと伝えた?」
「耳が痛い痛い痛い痛い!」
板井の八百長の話など聞きたくないので、花山は光成の耳を引っ張ったまま勇次郎のと
ころへ連れていって、光成からもう一度勇次郎に説明してもらった。
「花山がお前と喧嘩したいと言っとる! だから今ここで花山と喧嘩せい!」
勇次郎は穴の開くほど花山と光成の顔を見て、ゆっくりと自分の顔を指さした。
「俺が」
合っている。光成と花山は固唾を呑んで次の勇次郎の言葉を待った。
「花山と」
勇次郎は花山を指さした。光成と花山はがっちりと握手を交わした。
「闘う!」
勇次郎は光成をビッと指さした。これは間違いなので、光成は指を花山の方向に直した。
「そうじゃ! どちらが死んでも不慮の事故で処理するから、心ゆくまで喧嘩せい!」
「喧嘩するぜー!」
勇次郎はサングラスを指で弾いて花山に突進した。というつもりだったが弾いた指が空
振りした。念のため何度か指で弾いたが、全部空振りした。
「俺のサングラスがない!」
勇次郎は血眼になってサングラスを探して、光成のかけているサングラスに気が付いた。
「これは俺のサングラスかー!」
「そうですこれは勇次郎さんのサングラスです」
光成があっさり認めたので、勇次郎は光成のサングラスを奪って自分でかけた。その瞬
間、勇次郎はすべての記憶を取り戻した。
「おお、これが俺の栄光の軌跡……」
勇次郎は世界中に種をばら撒いた。勇次郎は刃牙を認知したが最近生意気なのでムカつ
いている。ジャックはギリで認知したが割と実力不足で後悔している。範海王は認知しな
くて心からよかった。そして勇次郎はサングラスを指で弾いた。
「という事は!」
勇次郎は上空から降ってきた物体をがっちりと受け止めた。それは刃牙とジャックと範
海王の生首だった。勇次郎はサングラスを外して、三人の首と一緒に花山と光成に全力で
投げつけた。
「まずはこいつらに勝ってみろー!」
サングラスと刃牙とジャックと範海王が牙を剥いて襲い掛かった。危うし花山と光成!
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