
2014年24号 第13話
【前回まで】
徳川寒子はスカイツリーに到着したが、どこから研究所に入るのか分からなかった。寒
子は光成に電話をかけた。
「光成ー! 研究所はどこだー!」
「それぐらいご自慢の霊能力で探せー!」
「じゃあ帰るけどいいかー!」
「いかーん!」
寒子の足元の床に穴が開いて、垂直に落ちた。落ちた先は研究所だった。
「それで武蔵はどこよ武蔵は。隠すとタメになんないわよ」
「ここじゃボケ。とっとと目覚めさせてとっとと帰れ。きた穴をよじ登って帰れ」
光成と寒子はメチャクチャ仲が悪かった。できれば同じ星の空気も吸いたくないが、武
蔵の覚醒とそのギャラで利害が一致した。
「さてやるか」
寒子は拳銃を構えて武蔵の眉間に狙いをつけた。
「人殺しー!」
光成は拳銃をはたき落したが、もちろん寒子は武蔵を殺す気などなかった。
「身の危険を察知すれば、武蔵ほどの達人なら目を覚ますだろ。いきなり霊を降ろしたら
本人のためにならん」
「いきなり降ろせよ。霊的な力を使わないならただのババアだから帰れ」
「宮本武蔵、お手並み拝見!」
寒子は光成の愛には答えず拳銃を撃った。弾は狙い通り武蔵の眉間にいった。
「甘いわー!」
危険を察知して武蔵が起きた。そして刀を抜いて弾を跳ね返したつもりがそれは自分の
チンコで、弾はチンコと眉間を貫通した。武蔵はまた寝た。
「それじゃ、そういう事で」
「親衛隊ー!」
帰ろうとする寒子の周りを、光成の命令で完全武装の兵士が取り囲んだ。
「今すぐ武蔵に霊を降ろして復活させろ。そうしたら勘弁してやる」
「チンコに穴が開いたから無理だねえ」
「撃てー!」
「きえーい!」
寒子に霊を抜かれて、兵士たちは卒倒した。抜かれた霊は武蔵に吸い込まれたが、チン
コの穴からすべて漏れた。
「メカ親衛隊ー!」
光成はメカの兵士を召喚した。メカだから霊を抜かれる心配もないよ!
「すべてのものに霊はあるんじゃい!」
メカ兵士も霊を抜かれて卒倒した。その霊も武蔵に吸い込まれたが、やはりチンコの穴
からすべて漏れた。チンコの穴さえなければ、武蔵は復活するかもしれないのであった。
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