2003年52号 第192話

【前回まで】
100年に1度開催される中国最大の武術大会・大擂台賽。前回優勝者・郭 海皇は勇次郎を「弱い」と言い放ち、圧倒的な“武”でサムワン海王を倒す。“武”とは何か…!?

先々週までのあらすじ

 前大擂台賽の覇者・郭海皇は、無実の罪で国家権力に身柄を拘束された。七
度の脱走を企てて七度捕まり、とうとう蜀に忠誠を誓ったのだが時すでに遅し、
あえなく死刑が確定した。
 郭の窮地を救ったのがサムワンだった。公安省に灯油缶とバットを持って殴
りこみ、得意のムエタイで灯油に火をつけて全てを燃やし尽くした。その時の
火事に巻き込まれて、郭の両親は死んだ。復讐を誓う郭であったが、さて一体
誰の仕業なのか、皆目見当がつかない。郭はサムワンの顔を知らない。現場に
残されたトランクスを頼りに世界各地を探し回ったが、憎き犯人の行方は杳と
して知れない。
 奮闘むなしく新橋の安酒場で力尽きた郭に、救いの手を差し伸べる者があっ
た。愚地独歩である。
 この男は、将来きっと大物になる。俺がみっちり鍛えてやる! 待望久しい
跡継ぎ候補に巡り合った独歩であるが、養育費だって馬鹿にはならない。酒も
女もギャンブルも空手も絶ち、郭のエリート教育のためにせっせと小銭を貯め
始めた。
 思った以上に金が貯まったので、エリート教育は後回しにして神心会のビル
を建てた。その後の神心会の隆盛は皆さんご存知の通りである。そういえば克
巳とかいう養子もいたような記憶があったので、その克巳を道場の跡継ぎに据
えてやった。郭の事は全身全霊をもって忘れた。
 再び孤独の身となった郭の、一人ぼっちの闘いが始まった。草の根を噛み泥
水をすすり、思い出のトランクスを身に着けて修行の日々に明け暮れた。俺は
きっと強くなる。強くなって、いつの日か少年チャンピオンの表紙を飾ってや
る!


 老人はいつしか大人となる。一人前の格闘家に成長した郭は、中国全土にそ
の名を轟かす程の武術大会荒らしとなっていた。同じくトーナメント荒らしを
生業としていたサムワンとは、30回対戦して30勝、うち25回は集中治療室送り
という圧倒的な戦績を収めていたのだが、郭はサムワンの顔を知らない。すで
に嫌味なくらいに敵討ちを果たしていることなど、露ほども気がつかない。
 ボロ負け続きのサムワンは、格闘技をあきらめた。流しのレフェリーとして
余生を過ごす道を選んだサムワンは、今日も決勝戦のリングに立った。優勝を
かけた大一番のリングサイドの一方には、郭がいた。
 郭の目の色が変わった。選手のサムワンなど記憶にもないが、レフェリーの
サムワンに対しては第六感が鋭く反応した。この男が、俺の両親を殺した!
本来の対戦相手には目もくれず、怒りの火の玉と化した郭がサムワン目がけて
襲い掛かった!
 サムワンvs郭。因縁の対決の幕が、今切って落とされた!

先週のあらすじ

 郭、サムワンのチンコをピン。郭の勝ち。

今週のあらすじ

 郭、サムワン、チンコ、烈、勇次郎、チンコ、郭、チンコ、サムワン、刃牙、
チンコ、ドリアン、サムワン、ケンシロウ、郭、サムワン、勇次郎のチンコ。
 みんな勝った。みんな友だち。


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