2003年42号 第184話
【前回まで】
100年に1度開催される中国最大の武術大会・大擂台賽。圧倒的な強さでマホメドJr.は、除 海王を退けた!! そして、毒に侵されたバキは毒手の使い手と対戦することに………!!
ジジイの海王が勇次郎にツブされ、ノッポの海王もミスターにボコられた。
自分以外の海王など名前を覚える気にもならない海王達だが、事ここに至って
は一致団結するより他にない。大擂台賽の主役の座を取り戻すべくさまざまな
議論が交わされ、最終的に以下の四案から決を採ることになった。
【1】海王軍団vs招待選手軍団のバトルロイヤルに変更する
【2】土下座でも何でもして招待選手に帰ってもらい、一からやりなおす
【3】招待選手に海王の称号を与えて、海王の海王による大会とする。
同時に、年会費を徴収して懐を暖める
【4】寝る
第一案は即座に却下された。海王が束になったところで勇次郎一人にすら危
ないのに、刃馬とミスター、おまけにオリバが加わったら勝ち目なんかある訳
はない。海王の誇りにかけて、負けると分かっている勝負は絶対にできない。
第二案については、すでに土下座を敢行した海王がいる。李海王だ。勇次郎
の控え室に押しかけ、頼むから帰ってくれと言って床に額をこすりつけたのだ
が、どす黒い右手が勇次郎のお気に召さなかったらしい。そんな汚い手で土下
座をされても誠意は伝わらん、と諭されて、すぐさま室内の水道で手を洗い出
したのだが、洗っても洗っても汚れは落ちない。
李の両目に涙が溢れた。どうして俺の手はこんなに汚いのか。どうして綺麗
な体でいられなかったのか。俺の貞操を返せ! おおゴッド!
手洗い開始から三時間。さすがに諦めて悄然と控え室を後にしたが、勇次郎
の「またおいで」の一言がちょっぴり嬉しい李であった。
常識的にはさっさと寝るのが一番手っ取り早いのだが、いかんせんまだ昼過
ぎである。こんな時間に寝てしまっては、夜に目が冴えてしまって困ることに
なる。結局、満場一致で第三案の海王バラまき作戦が採用された。年会費は日
本円で5,000円に設定された。
書き直しだらけの認可状とダンボール製の会員カードを、招待選手は存外喜
んで受け取ってくれた。熱いリクエストに応えて、レフェリーや観客にも海王
の称号を与えることになった。郭海皇も晴れて海王となった。人数調整のため
サムワン海王が資格を剥奪され、ただのサムワンになった。
どいつもこいつも海王だ! ヤッタネ!
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