
2003年16号 第161話
【前回まで】
デイブにボコボコにされたミスターが半ベソかきながら歩いている。左手に
握った人形にはマジックで『バカ』の文字。
パンチいたい。ニポンこわい。もう国に帰って見合いでもしよう。
荒川河川敷にやって来た。あとはイカダに乗って帰るだけなのだが、そこに
何やら人だかりができている。
「バキくん、退院おめでとー!」
「脅威の回復力だよ、バキくん!」
刃牙のなんちゃって快気祝いである。極太のつっかえ棒に支えられた刃牙に
花山や烈のおめでとうビンタが炸裂する。殴られて脳波計が反応を示すたびに
周りが爆笑の渦に包まれる。
梢江が上から降りてきた。橋から垂らされたゴムひもの一端を、刃牙の腰に
くくりつける。逆バンジーの準備も万端だ。
「嬉しいか、バキ。嬉しかったらふしゅると言ってみろ」
「ふしゅる」
一同、どっと沸きあがる。シコル祭りの始まりだ。バケツをかぶって股間に
手をあて、刃牙を囲んで輪になった仲間たちが踊り狂う。
30分後。
「なんつったって救命阿だよな、そうだろバキくん!」
「じゅーみんあ」
熱狂はさらにヒートアップ。そのまま烈祭りになだれ込む。感極まった烈本
人が、全裸で川面を走り回る。
ミスターの目を釘付けにしたのはしかし、刃牙のつっかえ棒であった。あれ
は……。
「わたしのっっイカダっっっ!!」
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