3日目A


 当初の予定では,今日は一日富士五湖周辺をゆっくり散策し,翌日に朝霧高原,白糸の滝へ行って,そのまま南下して富士ICから帰るつもりでした。
 けれど宿は忍野で連泊になっているのでいったん戻って,また明日こちらに来なければならないし,明日のお天気も分からない。雲が出てきて富士山は見えなくなってしまったけれど,晴れている今日に行ける所は行っておいた方がいいだろうということで,このまま朝霧高原へ向かうことにしました。
 朝霧高原ではひろーい牧場に牛がいて富士山があるというイメージで,牧場見学でもするのかなと思っていたら,ガイドブックを見ていたEIKIが「うん,ここに行こう」とやって来たのはまかいの牧場。私のイメージとは違い,丘陵地にあっていろんな動物と触れ合ったり,体験工房があったりというレジャースポットでした。
 なのでのんびり広々〜という感じではなく,大きな駐車場は車がぎっしりで,入場ゲートの外にあるレストランや売店は人でごった返していました。ちょうどお昼時だったので,ここでお昼を食べるかと思い,EIKIとHIYOを待たせて人ごみを掻き分け昼食用にまかいの牧場で作られたパン,プリン,ヨーグルトなどを購入し,牧場内に入りました。入場料は700円ですが,入場券は1ヶ月間使えるそうです。
 まずは空いているテーブルと椅子を見つけたのでランチタイム。プリン,ヨーグルトなど大好きな物ばかりでうれしそうにパクパク食べるHIYO。なかでもパフケーキが気に入ったようでもっともっとと言うので,プリンより好きだなんて珍しいと思ったら,中が普通のクリームじゃなくてアイスだったのでした。気付かずに買ってた(^^;
 園内には牛,馬,羊,鳥,うさぎなどいろいろな動物がいて,HIYOももう少し大きくなったら楽しめるかなという感じでした。それでも,大きな馬を見て,いつも動物を見た時に言う「クーン」という声を出し,顔にそーっと手を伸ばして嬉しそうな顔をしていました。うさぎだったら小さいので抱っこしたり触ったり出来るかもと,うさぎ小屋に連れていったのですが,足元にうずくまるうさぎを前に固まってるHIYO。ちょっとくらいなでなでしてみたらいいのに(笑)
 園内をお散歩して,ふと顔を上げると,雲の中にほとんど姿を消していた富士山が再び現れ,頂上がはっきり見えているではありませんか!少し下の方には雲がありますが,これは富士山のよく見える所に行かなければと,少し丘を登ってコスモスの咲くお花畑に出ました。コスモス畑の下方には羊小屋があり,アルプスを思わせるような眺めでした。もう少し丘を登って羊の放牧場からの眺めが良さそうだったのだけど,ベビーカーを押して丘を上がるのは結構きつかったので,このコスモス畑でしばらくぼーっと富士山を眺めていました。



牧場のヨーグルト,プリン,パンで昼食 うさぎに腰が引けてるHIYO 座りこんで葉っぱを拾うHIYO
アルプスを思わせる眺め コスモスと富士山 コスモスに囲まれて


 まかいの牧場の牛乳を飲んだら,次は白糸の滝に向け出発。駐車場に車を止めて滝の方に歩いて行くと,結構お土産物やさんが並んでいて観光地化されています。
 まず先に目に入るのは音止の滝。ものすごい水量で轟々と流れ落ちていて,何故こんなにうるさいのに音止めなの?と思ったら,敵討ちのお話で有名な曽我兄弟が話し合いをしていたところ,滝の轟音に声がかき消されるので神に念じたら,話し合いの間だけ轟音が止んだという伝説があるそうです。滝の音があったほうが,密談が洩れずなくていいような気もするけど(笑)
 白糸の滝へは階段を下って行きます。階段横にはお店があり鮎やラムねなどが売っていて,ちょっと箕面の滝にも似た雰囲気があります。そして見えてきた白糸の滝を見て私は立ち止まり「???」となりました。昔母達と来たことがあるのに,音止の滝の記憶も全くなかった私の記憶など当てにならないのだけど,私のイメージでは白糸の滝はもっと落差が小さく,それこそ細い白糸のように何本も流れているはずだったのです。
 それが思ったより落差があり,左端に見える滝は結構太い滝です。どこかの滝と間違えているのかなとよく考えてみると,それは軽井沢の「白糸の滝」だったのでした(^^; 行ったのは大学時代だから,そりゃまだ記憶が鮮明なわけだわ。結局昔に来たはずのこの白糸の滝は,私の記憶には姿を留めてなかったという訳です(;^_^A



音止の滝 白糸の滝 細い滝は崖から湧出する雪解け水


 白糸の滝から忍野の方へ戻るのに,まずは田貫湖に寄り道。とは言ってもまかいの牧場の1kmほど西にあるだけです。田貫湖からも美しい富士山が見えるらしいのですが,また富士山は見えなくなっていました。北側を走る湖岸道路の終点は,ヘラブナ釣りの人やキャンプをする人達で結構賑わっていました。
 何故他の富士五湖と同じような所にありながら,田貫湖は加えられていないのだろうと思っていたのですが,富士五湖が溶岩に堰き止められてできたのに対し,田貫湖は人工的な堤防で堰き止められた湖なのだそうです。

 田貫湖からは元来た国道139号線を走っても面白くないので,県道71号線で富士山の裾野,青木ヶ原樹海の道を行くことにしました。これがいろいろな意味で大正解。
 まずは樹海の中だったら木々で視界が遮られてしまうかと思ったのだけど,樹海の手前は本栖高原の開けた大地で,とても近くに富士山を見ることができました。
 そしてタイミングよく,とうとう雲一つない富士山を拝むことができたのです!これには思わず草むらに車を止めて,うっとりと富士山を眺めてしまいました。この時,HIYOはチャイルドシートでぐっすりだったので,車に乗せたままだったのですが,10分ほどして車に戻ってみると,いつ目が覚めたのか誰もいないのに気付き大泣きでした(^^;
 雲のなかった富士山にもみるみる雲がかかってきて,それを横目に樹海の中に入って行きました。樹海と言うとどれだけ鬱蒼としているのだろうと思ったけれど,それほど密に木が生い茂っている感じでもなくまた不気味な雰囲気もありませんでした(笑)。けれどこのルートは朝夕には濃い霧が発生し,数メートル先も見えなくなると言うから,そう言う時に走ればまた印象が違ったかもしれません。
 そして71号線を通ってよかったと思ったのは,西湖の南で139号線と合流した時でした。河口湖方面に向かって139号線は大渋滞。後で聞くと,まかいの牧場辺りからずっと車が繋がっていたのだそうです。私達も河口湖側に走っていかなければならないのですが,まともにこの道を走っていていられないと思い,西湖・河口湖の北岸を走ることにしました。案の定道は全然混んでおらず,朝立ち寄った河口湖畔の大石公園まであっという間に辿り着きました。
 朝,頭に傘を被っていた富士山は,傘は脱いだけれど足元に袴を着ている状態で,朝と今の富士山を合成すれば雲のない富士山ができるなあと思いました。
 5時を回り日が随分沈み出して,このまま富士山の夕焼けを見ようと大石公園に留まることにしました。公園には夕焼けの富士山を撮ろうとカメラを構える人達も増えてきました。そしてなぜかそれと同じくらいの数のHIYOぐらいのヨチヨチ歩きの子供達も。ちょうどお散歩時なのでしょうか。HIYOは朝と同じく,公園をいっぱい歩いていました。
 やがて日は山に沈んで行きましたが,方角があまりよくなく富士山は赤くはなりませんでした。後で思えば,山中湖の西岸などが赤富士で有名なので,時間があったので足を伸ばせばよかったなと思いました。けれど,辺りが暗くなってくると,富士山のシルエットが段々濃くなってくるのがきれいでした。
 忍野への帰り道は,やはり河口湖大橋で渋滞していたのですが,その後は抜け道を通ってなんとか6時半頃には忍野の宿に着きました。けれど,大広間に行った時には,すでに大方のお客さんは食事を済ましていて,おかみさんに「道が渋滞してたの?」と聞かれました。まあ,そんな所かな。ギリギリまで富士山を眺めていたからだけど(^^;



田貫湖 県道71号線から見る富士山 雲のない富士山に感動
段々暮れていく河口湖


  
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