第4回 環境フォーラムinキュポ・ラ
エコライフDAY2007報告・発表会 「私のエコライフ」
前のページへ戻る 次のページへ進む
    5.「食卓から見直す地球環境」   仲町中学校 3年 小樋山清蓮

中学生議員の取材を受けて みなさんはいつも食事や料理をするときにどんなことを気にしていますか。
・ 栄養
・ カロリー
・ 食品の安全性
・ 調理の手軽さ(インスタント・惣菜)などが主にあげられると思います。

では、みなさんは食事をするとき地球環境を考えたことがありますか? ほとんどの人がそんな事は少しも気にしていないと思います。なぜなら私たちが気にするのは、自分の健康や安全、そして自分で作らなくてもいいなどの利便性だからです。食事に直接、鉛や危険な薬品が入っていれば、食べた人は病気になりますが、私たちが日本に住んでいる限り、自分で食べた野菜と育てた農場から出た温暖化ガスで、直接被害を被ることはないでしょう。つまり、自分から事柄が離れていけばいくほど、それを気にすることがなくなるということです。
 しかし、今、世界で騒がれているのは深刻な環境破壊です。そして、もしこれが、私たちが食事をしたりすることでより悪化しているとしたらどうでしょう。せっかくの食卓も楽しいものでなくなってしまいますね。人間にとって、食べることは生きることであり欠かせないことです。だからこそ、食べることで起こる環境破壊を少しでも防ぎたいと思いのです。 今日は、食事を「食事から出る廃棄物(ごみ)」と「食事で消費されるエネルギー」の二つの観点で見つめ直したいと思います。

まずは食事の際に出るごみから。 (資料)
これをみてください。私の家で出た食品関係のごみです。何があるでしょう。私の母は働いていて、たまにお弁当を買ってくるので、その容器があったり、健康に気をつかって飲む野菜ジュースの紙パック、缶、ペットボトル、ラップ、ビニール袋、スチロールトレイ、色つきスチロールトレイ、カップめんの容器、等々・・・。
さて、これらをまず分別してみましょう。全部で12個です。この中でまずリサイクル回収されているのは、アルミ缶、ペットボトル(ラベル、キャップぬき)、紙パック、スチロールトレイです。協力している方も多いと思います。これで3つ減りました。このとき、色つきのトレイとカップめんの容器は、回収されません。なぜかというと、これらには薄いビニールの膜があるからです。トレイの方ははがせるものもありますが、大体はがれません。
次に、シチューの箱は、自治体によってですが、新聞やダンボールとは別の紙のグループで回収されることがあります。また、ミミズコンポスター等で土にかえすことができます。ティーバックやお菓子の箱も処理すれば土になります。生ごみもそうです。これで二つ減りました。 しかし、プラスチック、ビニール系のごみは見事に残りました。彼らはかわいそうですが、不燃ごみです。
プラごみには、3つ進路があります。一番最初は、ペットボトルのような再資源化(材料リサイクル)、ペレットなどにして燃料化するケミカルリサイクルです。次に、それができない汚れたものや書類の異なる物は、清掃工場で燃やして、その熱エネルギーのみを回収します。そして最後が埋め立てによる最終処分です。
最近、東京都が実験的に実施していたのが、二番目のエネルギー回収を目的にした不燃ごみを可燃ごみで回収する方法です。最近では、コストを減らしたりするためにこの方法が有力で、排ガスなどの処理機能アップや、焼却炉の高性能化を理由に多くの自治体で行なわれています。
でもこれでごみを分別しなくていいわけではありません。再資源やエネルギー回収が絶対なエコであるとは言っていません。法律の制定もあり、資源ルートにのるようになったプラごみは多くなりましたが、プラスチックというのはもともと再生されにくい材料です。お金がかかるのはもちろん、再生ルートの運搬によって排出されるCO2の問題があります。

ですから、私たちは、まずごみを減らさなければなりません。
ごみゼロの原則は3R、リデュース(減らそう)、リユース、(もう一度使おう)、リサイクル(再利用)です。食品の場合、買いものから減らすのが一番です。

では、ここから環境に配慮した上手な買いものの仕方を考えたいと思います。
みなさんは食品にかかる環境負荷を知っていますか。
たとえば、私がケーキを作ろうと思って小麦粉を買うとします。このとき、北海道産を選ぶとその輸送距離は831kmですが、アメリカの中央あたりからだと1万327kmにもなります。輸送には車、飛行機、船などを使いますが、このとき消費する石油や放出されるCO2などがこの小麦の持つ環境負荷です。日本は、ほかの先進国に比べて圧倒的にこれが多いです。(ちなみにフードマイレージといいます。)なぜなら、日本は島国であり、そして食糧自給率が低いからです。
次に、上にのせるイチゴが欲しくなって、11月で少し高めですが、イチゴを買ったとします。もちろん冬はイチゴの季節ではないので、これはハウス育ちです。ほかにも農耕地拡大による森林伐採や化学肥料の過剰な使用による土壌体質の悪化なども環境負荷に入りますが、今回は、エネルギーについてのみ考えることにします。またごみを減らすことについて考えます。

《上手な買いものの例》
*行くとき
  その1・徒歩か自転車で行く・・・・・まあ基本です。
*買うとき
  その2・その日の献立で使うもの以外買わない。(特にお菓子、インスタント食品類はごみが多くでる。)
    ・産地を確認し、フードマイレージを考える。(加工品は産地に関わらずフードマイレージが高いと思われる。)
    ・お惣菜を買わない。(絶対ごみが出るから)
    ・商品がいくつの包装で包まれているか確認する。
      (たとえば、包装のないトマトとプラ容器に入って上からラップをかけたトマト)
    ・なるべく少ないものを買う。
    ・旬のものを買う(ハウス栽培は極力やめる)
    ・リサイクルできるものをなるべく選ぶ。
 その3・エコバックやかごを使ってレジ袋をもらわない。
 その4・小さい袋をもらっていかない。

どうでしょうか。特に、包装の枚数のチェックは大切な項目です。実は包装はお店にとっても負担なので、お客さんが包装のないものを選べばお店側もやめると思うからです。日本の野菜はキレイなのに、過剰包装の風潮があります。自分で1回、買いもので出る食品のごみを数えれば抑えようとする気が起こるはずです。
  しかし、このような買い物には少し時間がかかりますから、仕事帰りやいそがしい日には難しいことだと思います。そこで、私は、「環境食卓デー」を設けるという提案をします。自分の都合の良い曜日にこれを設定してさっきのことを実行します。小さい子がいる家庭なら、いっしょに買い物に行ったり、小学生の中から高学年の子なら自分で計画を立てて実行してみると良いでしょう。
買い物だけでなく、調理、実食、片づけの各場面でも配慮は忘れないようにしましょう。
最近私の学校でも、給食の残りが多いです。みなさんの中でも、会社から配給されるお弁当を残したりする人がいると思いますが、食べものを残すと残飯処理にお金がかかって食材のレベルを下げざるをえなくなったり値段が上がったりして、結局自分にかえってきます。それにもったいないですよね。

[まとめ]
食卓で環境について考える時大切なのは、(自分の周りで思考をやめないようにするために)
 ・食材がどこから来て、ごみなども含めてどこにいくのかを考えること。
 ・食材がどのような環境負荷を持っているか考えること。
 ・食事を環境にやさしいものにするには、食べる自分の努力が必要で、しかしそれは難しいことではないこと。
[感想]
今回は中学で習った知識も活かしながらまとめることができたので良かったです。特にフードマイレージについて考えた時には、日本の食材自給率についても関連したりしていて環境問題が様々な事柄とつながっていることを改めて認識させられました。 環境改善というと「CO2を減らす」にすぐ直結する人が多いですが、環境とは、私たちを取り巻く世界のことですから、私はエコライフから環境問題や日本の社会の問題や諸外国の問題までを幅広く見つめて、それらの関係が上手く取り持てるようにするにはどうしたらいいのかということをこれからも考えていきたいと思っています。
このページのトップへ


お問い合わせ  著作権について  リンクについて  サイトマップ
Copyright The Kawaguchi Citizens Environmental