AZ−CON2漫遊記 戻る

第一章.AZ−CON前夜

 あずきちゃんファンイベント、AZ−CON2の開催は、5月22日からなのだが、我々九州勢にとってはその前夜からすでに、AZ−CONが始まっていた。「AZ−CONトレイン」が、それだ。九州勢が各地から寝台特急「なは」に乗り込み、一路京都へと向かう企画だ。私が乗車駅である小倉駅についた時には、すでに12時を回っており、暗くなったホームの中で、私のいるホームのみ、蛍光灯の冷たい光に照らされていた。最終のホームライナーが、発車した後は、私以外誰もいなくなり、「なは」が到着するまでのしばらくの間、静寂を友に時を過ごした。指定された車両は、11号車。ホームに流れる案内を聞くと「なは」は10両編成だという。おや?勘定が合わんぞ!
 やがて、時満ちて、ホームにベルが鳴り響く。重々しい音を響かせ、寝台特急「なは」が、滑り込んできた。車両番号をみると、先頭の車両が11号車だ。過ぎ行く車両を見ていると、車両番号が飛んでいるものがある。なるほど、合点が行った。通り過ぎた先頭車両を見ると、浴衣姿の御仁が、温泉地の客引きよろしく、おいでおいでをしている。事務局長の篠原氏だ。彼に誘われるまま、車両へと足を踏み入れる。車内は暗く、静まり返っている。指定の寝台にたどり着くと、出張中のおやじのような、缶ビール片手に赤ら顔の浴衣姿の一団がいた。今回同行する、ごう氏、魅衣呼氏、~あずあず氏だ。私と篠原氏を含めた5人(および別室の魅衣呼婦人とご令嬢)を乗せ、列車は一路、関門トンネルへと走り出した。
AZ-CONトレイン 寝台特急「なは」
窓に妖しい人影が!
 寝台特急とは、深夜寝ながら旅行ができる車両だと思っていたら、どうやら違っていたらしい。目的地までの間、モバイル通信をしたり、同人誌の作成作業をしたり、マニアな内容の話をしたりするためというのが本来の目的のようだ。しかも、何処から出たのか、空缶がどんどん増えて行く。明日、いやもう今日だが、夜通し続くイベントがあるというのに、元気な連中だ。篠原氏が、昨日が仏滅だったことを、やたらと気にしている。~あずあず氏は、さっそく、掲示板に書き込みをしている。魅衣呼氏やごう氏としばし、昔のアニメの話に興じる。やがて、篠原氏は、寝台へもぐりこみ、 ~あずあず氏は、インドの山奥で修行したヒーローよろしく、座ったまま、無の境地へと入り込む。そういえば、世間では深夜と呼ばれる時間帯だ。ここ数日、同様な時間まで作業に明け暮れていたため、感覚が麻痺していたのかもしれない。そうこうしているうちに、空が白んできた。夜明けが近い。~あずあず氏が、復帰を遂げた後、私はしばし休息を取る事にした。列車の到着は、9時すぎである。まだ3時間以上も休める。なんて贅沢なんだと思いつつ、暗転。気が付くと、~あずあず氏とごう氏が、額を突き合わせ、何事かに悩んでいた。聞けば、同人誌を綴じる作業をしていたのだが、綴じ穴がばらばらでうまく綴じられないとの事だ。いくら知恵を絞っても、列車の中では、どうしようもない。まもなく、下車地「新大阪」である。本番は、これからなのだ。
第二章につづく

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