土地探し編


2002年7月26日

「そろそろこのマンションも古くなってきたし、荷物もいっぱいで収集つかないから家でも建てない?」
と2人と猫が2匹だけなのに異常に荷物が多い夫婦で今まで何度と無く会話にあがっており、通りすがりの住宅展示場などへもぶらりと立ち寄ってみては、これはいいよねとかダメだねとか好き勝手に盛り上がっていた。
しかし、現実問題として家を建てる為には土地が必需品なのである。建築関係の本を片っ端から読んで、健康住宅だ自然素材だと騒いでみても、土地が無ければ家の設計も当然出来ない。
パソコンのCADでこのぐらいの間取りでと好き勝手に書いてみたもののそんな家作るのは、こんなでっかい土地が必要じゃん!となるのがオチである。
「とりあえず、土地探しをしよう!」
ということになり、近所の不動産屋へ飛び込んで探してくれるようにお願いしたり、住宅展示場で
「土地から探しています紹介して下さい」
とさんざん住所と名前を書きまくっていたある日、ふと通りがかりに、気になる看板が立っていた。

【地下付き輸入住宅が2100万円】

地下は建築費が高いので1F部分をスタジオにするということで、土地も無いのにほぼ決定しかかっていたのだが
「輸入住宅はともかくやっぱ・・・地下がいいよね、安いよね・・・。行ってみようか?」
と言うことになり、看板の案内(これがまた解りにくいのだが)に従って、その建設会社へ行ってみた。
その会社は工藤建設という会社で、ああそういえば東名走ってると見えるよね。という場所なのだが着いては見たものの、確かに入り口に

【地 下付き輸入住宅フローレンスガーデン相談会 開催中】

と立て看板は立っているが、平日の夕方なのに玄関の電気は消えているし受付に人影も無く、
「これは・・・・もう営業時間外?だよね・・・・5時過ぎてるもんね・・・・」
と思わせる雰囲気がプンプンと漂っていて、また後日ということですごすごと帰ってきたのである。

2002年8月17日

またまた住宅展示場巡りをしていたのだが、以前見た

【地下付き輸入住宅が2100万円】

がやっぱり気になって工藤建設へもう一回行ってみ ることにした。
しかし、今回は土曜日であり、やはり玄関ホールは電気が消えており人影もなく
「また休みかぁ?やる気あんの?」
と言う状態であったが、とりあえず車を降りて玄関に行くと自動ドアが開いた。
入ってもいいのか?と思いつつ受付のカウンターに行ってみる と、

【相談会会場 3F】

と書いてある。おそるおそるエレベータで3Fに上がってみると人の気配がする。
どうやら営業しているようだ・・・。
呼び鈴を押すと女性のスタッフが出てきて、奥の商談テーブルへと連れて行かれて、やがて出てきたのは営業のS氏であった。
いいかげん住宅展示場巡りに慣れてきた我々は、事前に用意しておいた希望する間取りプランの図面・予算的な事を伝え、看板の商品がどういう程度の物でどういう仕様か?と言う説明と、土地から探していることを伝え今まで何度も住宅展示場で行ってきた事を繰り返しただけであった。
「是非次回は建築現場を実際にお見せします。また何か良い物件あったらFAXします」
ということで、この日は「ふーん地下つうのはやっぱり有りなんだ・・・」と選択肢の一つが増えたという程度で工藤建設をあとにした。
今まで何十件とハウスメーカーに足を運んだが、
「土地も紹介出来ますよ!」
と何処でも言うが、実際に土地を紹介してきたメーカーは一軒も無かったので、来週までというS氏の言葉も右から左へと抜けて行った。
しかし、数日後S氏からFAXが入り、実際に物件を紹介してきたのだ。
こちらの希望する条件を満たしてはいなかったが、その物件でうちの希望する間取りプランを取り入れてどんな家が建って、予算はいくらぐらいかシミュレーションしてくれ、現在建築中でスタジオを作る予定の家もあるので、それを見せてくれるというので、来週はライブがあるのでその次の周に工藤建設を訪れて見る事にした。

2002年8月31日

再び工藤建設にてS氏と会う。

FAXで送ってきた物件は事前に実際に見に行ったがやはりうちの希望とはかけ離れていた物件であった。
今回はノートPCをS氏は持ってきており、それで仮にではあるがその物件でどんな家が建てられるのかを、CADでシミュレーションしてくれた。
その後、工藤建設の建設現場を4軒ほど案内して貰う。
その中には超有名なミュージシャンのプロデューサーの家もはいっており、そこがスタジオを地下に作る物件であった。
ただし、スタジオ部分はちゃんとした業者を入れて防音等をするということで、工藤建設では入れ物を作るだけらしいのだが、
やっぱ地下スタジオいいよなぁ・・・・金あったら絶対こうだなぁ、地下が出来るなら地下がいいよなぁ・・・・、と次第に思い始める。
ともかく土地だ。
引き続き、土地を探しをお願いする。

2002年9月5日

S氏から良い物件が見つかったとFAXとTELが入る。
駅から平坦徒歩7分で角地。ほぼ希望通りである。
面積が若干狭くて価格が予想より高いが以前住んでいたマンションの近所で土地勘もある。
早速物件案内を片手に夜中に現地を見に行った。現地は更地になっており月極駐車場になっていた。

悪くない・・・・。どうしよう?

追い打ちをかけるようにS氏から、
「良い物はすぐ無くなるので申し込みしちゃいましょう!急ぐ必要無いですよと言って無くなっちゃって苦い思い私も今までも何度もしましたから。」
とプレッシャーがかかる。何千万円もする買い物である、
今決めろ!
と言われてもそりゃ、無理だってば・・・・。
「早く買わないと無くなりますよ」
というセリフは真実ではあるのだが、嘘の営業トークでもよく使うセリフである。
夜中まで不動産のチラシの図面を元にCADで間取りのプランを検討する。
希望通りとまではいかないがなんとか8割方思っていた建物は出来そ うな感じである。
結婚もそうだが勢いというのは結構大事で、物事というのは進む時は一気に進ものだ。
現場を見て悪くないと思ったのだから、
決めてしまおう!
ということで翌日購入申し込みをする事にした。

2002年9月6日

工藤建設にてS氏と仲介してくれるA不動産のO氏に会う。
昨夜の物件の購入申し込みをする。
昨日の今日でいいんだろうか??????
と思いながら判子をつく。
「仲介なので、申し込みが何番目なのかが申し込んで見ないとわからないのでひょっとしたらダメかもしれません」
と釘を刺されたが、とりあえず歯車は周りはじめたのであった。


設計編へ続く