四川省経済の苦戦

製造業のマイナス成長、不振

 すでに現在は2001年(今日現在1月)ですが、1999年は、ほとんど省が政府の定めた目標値であるGDP成長率7%を達成しましたが、1999年の四川省のGDP成長率は7%の成長率を維持することができませんでした。この原因はどこにあるかと言えば、綿陽市の家電メーカー「四川長江」にあります。90年代中国家電をリードし続け、年々高成長を遂げていた「四川長江」と綿陽市でしたが、ついに99年になり、生産過剰、デフレの影響を受けて、第2次産業の成長率では、四川省で唯一マイナス成長となり、全体のGDP成長率でも、わずかに1%の成長にとどまりました。
 業界内でも有名な「四川長江」の倪潤峰社長は2000年に辞任しました。最近の中国の発表によると、家電分野、テレビの製造に関して、2000年は初めてのマイナス成長となる見込みです。
 現在四川省の経済は、『「四川長虹」がくしゃみをすれば、四川省は風邪をひく』とも言えるでしょう。他にも要因はあると思いますが、四川省経済は綿陽の「四川長虹」が大きな役割を果たしています。今後の「四川長虹」は、DVD、ケーブルテレビ、各種IT製品などの次世代AV製品に活路を見出そうとしています。
 四川省は、綿陽依存型の経済構造から脱却し、早急な産業構造の改革が必要でしょう。

<補足>
 四川長虹のその戦略は、ブランド力と圧倒的資金力を用いた、ダンピング、企業買収にある。99年四川長江は資金力を利用して、ブラウン管の買占めに走った。結果的にこれが裏目に出てしまい、多くの在庫を抱える形となり、四川長虹は初の売上高がマイナスとなった。

<参考資料>
《中国統計摘要2000》 2000年 中国統計年鑑社
《四川統計年鑑2000》 2000年 中国統計年鑑社


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