「改革」は四川の地より始まる

なぜ四川なのか?

 「改革」は四川の地より始まっている。これは決して誇張表現ではない。文化大革命の大混乱の後、中国は近代化(脱共産主義?)を目指す。そのなかで、土地請負制が積極的に行われるようになってくる。その中で、四川省広漢市(徳陽市)において、まず土地請負制が試みられ、それが全国に普及していく。
 国有企業改革、モデルケースの例は綿陽市の四川長虹集団より始まる。そもそも、企業モデルというのは、初めから国の政策にあったわけではない。企業が国と対立し、業績を上げることによって、国からの評価を勝ち取り、それが全国的に工場長責任制などの企業改革として、全国的に普及していったのである。
 私営企業の大発展、なぜ四川省なのかこれは未だに謎である。(四川人の勉強不足、すみません)四川省には大型の私営企業が育っている。新希望集団(飼料)、通威集団(製薬)などは中国を代表する私営企業である。周知のとおり、四川省というのは、国有企業の比率の高い地域である。その中で、どうして私営企業が躍進することができたのだろうか?
 内向型外資の発展、これまでの外資、特に日本などの国にとって、中国の安い労働力は魅力的であった。そのため多くの企業が生産拠点を中国に移し、輸入し、製品を販売している。外向型の外資が大発展しているのは言うまでもないだろう。しかし、日系最大の合弁企業は、重慶に本拠をかまえる慶鈴自動車である。慶鈴自動車は、輸出額ゼロの完全な内向型の企業である。今後、WTO加盟後は、多くの内向型企業が中国市場に参入するだろう。内向型外資の成功は重慶から始まっている。
 なぜ、どうしてこれらのことは四川から始まったのだろうか?  

 

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