1日目


 出発は金曜日。
 普段仕事に出かけるのと同じ時間に起き,準備をして,8時前に出発。
 夏休みに入っているし,名古屋周辺での愛知万博による渋滞を心配していましたが,多治見IC周辺で少しの渋滞があっただけでわりとスムーズに進み,11時半には駒ヶ根に着きました。HIYOは途中休憩したICで「はたらくくるま」のシールを買ってあげたら,高速ですれ違うトラックやカーキャリアなどがあり大喜び。朝のうちに出発したこともあり,駒ヶ根に着く30分前くらいまでシールで起きて遊んでいました。
 週末のお天気は下り坂で,駒ヶ根市内も晴れ間はあるものの曇がちで駒ケ岳の山頂が見えません。
 まずは観光案内所に行き,お天気の様子を確認。するとやっぱり今日も明日も曇。明日は時々時雨れるかも...。
 案内所のおじさんに今日昼から登るのと,明日の朝イチで登るのとどちらがいいか相談したけれど,「何とも言えんなあ。山の天気は分からないからなあ。」とのお返事。まあ駒ケ岳に登っても,遠くの山を眺望するわけでもなく,お花畑を散策するのみなら,晴れなくても楽しめるのだけど。
 どうしようか判断がつかず,とりあえず観光案内所の入っている駒ヶ根ファームス2階の「あじわい工房」でお昼ご飯を食べながらどうするか考えることにしました。
 テラス席で食べることにしたので,注文して待っている間,下を見下ろしてみるとパン屋さんを発見。パンを買って駒ケ岳に登ってから食べたいなあと思って,さっき1階のお土産やさんでパンを探したのに見つからなかったのに,外に独立したパン屋さんがあったのか〜。ちなみにそのお土産やさんでは,瓶の牛乳を買ってHIYOがゴクゴク飲んでいたのでした。
 駒ヶ根と言えばソースカツ丼らしく,私達も頼んだのですが,大きな丼いっぱいのご飯の上にキャベツ,そして大きなカツが載っていてボリューム満点。おいしかったけど,お昼から食べる物じゃないなあ...。


駒ヶ根名物・ソースカツ丼 山の天気が気になる・・・ こんな感じの曇り空


 ソースカツ丼を食べながら,雲のかかった山頂を眺め,どうするどうする?とEIKIと二人して考えていましたが,どうせ天気が悪くなるんだったら,今でも変わらないから行ってしまおうと言うことになりました。
 そこで車に戻り,サンダルからスニーカーに履き替え,長袖の上着を持ってバス乗り場へ向かいました。バス乗り場ではちょうどバスが止まっていて,出発時間は12:42。あれ?もう過ぎてるけど...。席が数席しか残ってなくて,6人くらいのグループが乗るか乗らないかで迷っていたため待っていたようです。結局その人達は次のバスを待つことにしたため,私達が乗り込みました。
 駒ケ岳へは黒川平から先,一般車の乗り入れが禁止されているので,バスを使っていくことになります。駒ヶ根駅からバスは出ていますが,周辺に宿が多く大きな駐車場のある菅の台バスセンターから乗る人が多いようです。それにしてもバスが片道800円(駅からだと1000円),ロープウェイが往復2200円で,往復すると全部で3800円!高いなあ〜。
 駒ケ岳ロープウェイのHPでクーポン券を見つけたのでプリントアウトして持っていくと,3420円と1割引になりました。
 バスに乗るまでは,「バス,バス,おおがたバスのる〜」と乗る気満々だったHIYOなのに,バスが出発するとなぜか「いらん,いらん,バスきらい」と絶叫。隣は大きなリュックを抱えたおじさんで,暴れられても困るのだけど。一体何が気に入らなかったのか...。
 狭くて急なカーブの続く山道で,ぐずるHIYOをずっと抱っこしているのは辛く,途中でEIKIにバトンタッチ。約30分の行程のうち半分くらいぐずっていましたが,途中でふと何やら我に返ったように「バスだいじょうぶ」と言って一人でうなづいていました。その様子に隣にいたおばさんも苦笑。
 それにしても,この狭い山道をギリギリの車幅の大型バス運転する運転手さん,すごいわあ。トンネルもギリギリいっぱいな感じだし,途中道崩れてる所とかあるし,かなり危険です。そして一番見事なのが,反対から来るバスと対向する時。なぜかうまいタイミングで対向できるちょっと広い場所で出会い,待つ方のバスが反対車線側に入って待っていたり。何か無線で交信してるのかなあ。
 しらび平でバスを降りたら,ロープウェイ乗り場へ。ちょうどロープウェイがすぐにやってきて乗り込むことが出来ました。
 またHIYOがぐずるかなと思ったけれど,今度は「これ,ロープウェー」とご機嫌で外を眺めていました。途中滝など見下ろしながら,高速のロープウェイは1,662mのしらび平から7,8分で2,612mの千畳敷カールに到着。
 降り立ってみるとやはり山頂はひんやりしていたので,早速上着を着ました。宝剣岳山頂は少し雲がかかっていますが,お花畑の中散策開始。
 ホテル千畳敷から左手に行くと駒ケ岳神社があり,遊歩道の始まりです。まずは白いコバイケイソウの群落が現われました。その先には剣ヶ池が見えます。
 HIYOは岩がごつごつして歩きにくい遊歩道を,珍しく「あるこう,あるこう」と私の手を握って歩いていきます。美しい高山植物をゆっくり鑑賞し,カメラに収めたかったのですが,立ち止まると「ママあるく〜」と手を引っ張って絶叫するのであまり写真が撮れませんでした(泣)。まあ抱っこ攻撃に遭っても写真を撮れないから,どうせなら歩いてくれるほうが楽なんだけど。
 とは言っても亀のようにトロいHIYOのこと。後ろから来る人達に道を譲り,時には段差を登り終えるまで待ってもらって進みました。けれど,小さい子どもが一生懸命歩いているのを見て,ハイカー達は年配の方が多いのでみんな「頑張ってるねえ」と声をかけてくださいました。中には,「こんなに小さい時から山登りしてたら,山おんなになってしまうよ」なんて声もありましたが(笑)


しらび平へのバスの中 駒ケ岳神社 さあ,歩きましょう〜
千畳敷カール遊歩道 コバイケイソウの群落 目指す剣ヶ池


 コバイケイソウの群落が終わると,今度は黄色いシナノキンバイミヤマキンポウゲの群落に変わりました。山頂を見上げると空が晴れてきて山頂の雲もなくなってきました。いい天気になったし,今日来てよかった〜。
 HIYOは遊歩道の約半分の行程,乗越浄土に向かう登り道と分かれる所まで,なだらかに登ったり下ったりする道を一生懸命歩きました。
 そこからはちょっと下り道で段差も大きくなっていたので,EIKIが抱っこ。この辺りでたくさんのおサルの群れに遭遇しました。さっきから「キー」と人の悲鳴にしては変な声が聞こえるなあと思っていたら,サルがいたのです。小猿などもいて10匹ほどの群れ。人馴れしているのか,結構そばにまでやってきて草をむしってモグモグ。遊歩道を跨いで遊歩道で囲まれたエリアへも侵入していました。しばらく立ち止まって「お猿さんいるね〜」とHIYOと観察をしていたのですが,歩き始めるともう少し見ていたかったのか「おさるさん〜」と名残惜しそうにしていたHIYOでした。
 再びなだらかな所に出たのでHIYOも歩き,剣ヶ池に到着。思ったより小さな池でしたが,山頂が晴れて景色は最高でした。
 剣ヶ池からホテル千畳敷までは短いけれど急な登り道。
 HIYOがいたけれど,1時間ちょっとで1周できました。HIYOがいなかったら,きっと乗越浄土から宝剣岳を目指していただろうなあ...。
 ロープウェイ乗り場は30〜40分待ちの列が出来ていたのですが,係員の人が「今がピークですから,もう少ししたら空くと思います」と言うので,ロープウェイ横の喫茶店でケーキセットを注文して,千畳敷カールを眺めながら一服。ここのチーズケーキがおいしかったです。なによりもこの景色が贅沢だよね〜。
 ところで目の前のロープウェイ待ちの列は全然短くならず,私達も諦めて並ぶことにしました。
 散策中,剣ヶ池でみかけたお父さんが外国人のファミリーが私達の後ろに並びました。剣ヶ池から同じくらいに戻ったはずだけど,どこかで遊んでいたのかな?二人のお子さんのうち,下の子がお母さんに抱っこされながらじっとHIYOのことを見ていて,私達母親同士どちらからともなく話し始めました。
 偶然にもその子はHIYOと同じ2歳になったばかり。同じ7月生まれで誕生日が5日違いでした。けれど,お父さんに似たのかとってもビッグ。でも,散策中は寝てしまっていて,お父さんがずっと背中のキャリアーに乗せて歩いていたそうです。
 ロープウェイを待つ間にその子は覚醒して元気になってきたのですが,反対に自分で歩き,睡眠も駒ヶ根到着前30分ほどしかしなかったHIYOは眠くなってきたのかぐずりだしました。
 40分ほど待ってやっとロープウェイに乗れました。しらび平に着くとバスが止まっていたのですぐに乗り込みましたが,お兄ちゃんをトイレに連れて行っていたそのご家族はバスに間に合いませんでした。HIYOはバスの中で抱っこされたまま眠ってしまいました。


ふう,ちょっと休憩休憩おしまい,パパ行くよ〜 空が晴れてきました
ロープを手すり代わりに手を繋いで歩こう 剣ヶ池からの絶景駒ケ岳ロープウェイ
お猿さんに遭遇雪渓が残っています ホテル千畳敷


★★★千畳敷カールのお花達★★★
こんなにたくさんのお花が咲いていました。
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 バスを降りたら,菅の台バスセンターから程近い今回の宿,ウッド・イーンへ。
 ログハウスの建物で,宿泊は5組まで。1階が食堂や共同のバス・トイレになっていて,2階が客室です。
 ちょうどもう一組到着したばかりのご家族がいて,一緒にオーナー夫人から宿の説明を受けました。出していただいた信州土産の黒ごまのソースがたっぷりのごま団子がおいしくて,HIYOは私達の分までパクパク食べていました。ヤクルトももらってご機嫌。  部屋は三角屋根の片側といった感じで,部屋の半分は天井が低かったです。涼しい信州のためクーラーはなし。隣り合った部屋とは壁一枚で防音は全くないので話し声は筒抜けでした。
 ご飯までの間,近くの早太郎温泉「こまくさの湯」へ。最近家では水に近いぬる〜いお風呂に入っているHIYOなので,温泉は熱いと言って嫌がるかと思ったけれど,石段に腰掛けて持ってきたじょうろで機嫌よく遊びながら入っていました。アルカリ性単純泉で癖もなく,温度もぬるめだったのがよかったのかな。
 露天風呂に入った後,内湯の大浴場やハーブの湯にも入りました。HIYOがいるとゆっくり温泉に浸かれないだろうと思っていたけれど,最後はこちらからもう出ようかと言うくらいかなりのんびり入ることができました。おまけに人も意外に少なくて,露天風呂にHIYOと二人きりの貸切では入れるくらいでした。
 EIKIは私達がすぐに出てくるだろうと思い,さっさと出たらしく,かなり待っていたようでした。
 宿に戻ったらちょうど食事の準備が出来ていたので,そのままテーブルに就きました。ウッド・イーンでは隣のログハウスで喫茶もやっていて,ピザとタイカレーとコーヒーが売り。晩ご飯でもピザとタイカレーが出てきました。おいしかった〜♪
 夜は電気が豆球などないので,HIYOを寝させる時間には真っ暗にして私達も眠ることにしました。とはいえ,肝心のHIYOはなかなか寝付かずにベッドを降りたり登ったりして遊んでいて,EIKIの方が先に寝ていました。
 窓を開けていましたが,ちょっと暑かったです。でもやはり明け方には涼しくなって窓を閉めました。


ログハウスのウッド・イーン ベッドが4つもありました
おしゃれな外観のこまくさの湯ウッド・イーンの夕食 おいしかった〜♪


  
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