"ドラマ演出"日誌(2001年1-3月期)


01/01/01  ズッコケ三人組VS双子探偵

 「光の世界へ翔べ」

脚本:伴一彦
演出:笠浦友愛
制作統括:小松隆一、一井久司
出演:三倉茉奈、三倉佳奈、石坂晴樹、斎藤慧、内村智章、藤間宇宙、手塚さとるetc
共同制作:NHKエンタープライズ21
関東放送枠:NHK教育・18:00〜19:15

21世紀になって、最初に見たドラマはこれでしたが、真実を知るよりも夢のある嘘の方がいい――という結末には疑問・違和感を感じました。ドラマ内で真実を知っているのは3人だけで、その他大勢の人たちは知らないわけです。あなたならどちらになりたいかと聞かれたら、多くの人は「真実を知っている3人の方」と答えるのではないでしょうか。知らない方がいい真実もある――という価値観は、必ずと言っていいほど「自分」を例外化します。癌告知の問題もその一つです。……おかげで元旦からイライラさせられてしまいました。(^^ゞ

ドラマの作りは、スタッフもロケーションも「双子探偵」だったので、「双子探偵SP」に「ズッコケ」の3人がゲスト参加したという感じでした。演出の笠浦友愛さんは、変則アングル〜変則カメラワークを多用してカットを組み立てるのを好む人ですが、今回は特にその傾向が強くて、ほとんどのシーンで、手持ち撮影かクレーンを使っていたようです。ここまで徹底的にやられると、ちょっとしつこい感じもしました。(^^ゞ

……などと、文句ばっかりになってしまいましたが、「ズッコケ」「双子」の出演者の、その後が見れたので、同窓会的な気分で楽しめました。(^^)


01/01/01  世にも奇妙な物語・SMAPの特別編

「エキストラ」(香取)
 演出:星護
「十三番目の客」(草なぎ)
 演出:落合正幸
「BLACK ROOM」(木村)
 演出:石井克人
「僕は旅をする」(稲垣)
 演出:佐藤嗣麻子
「オトナ受験」(中居)
 演出:河毛俊作

昨年秋のSPがコメディ路線だったせいなのか、21世紀最初のドラマということで力が入ったのか、理由はわかりませんが、息が詰まるような重たいトーンの作品が並びました。単にボクが疲れていただけかもしれませんが、「疲れた」というのが一番の感想です。最後の「オトナ受験」で、思わずホッとしました。(^^ゞ

最初の2本は「自由」をテーマにした作品でしたが、両者の問題意識が正反対だったところが印象深かったです。「エキストラ」の方は、自分たちは本当に自由なのか――というテーマなのに対して、「十三番目」の方は、自由であることは幸せなのか――ということがテーマになっていました。星さんと落合さんは、昨秋に出た「世にも奇妙な本」で対談していただけに興味深かったです。

「BLACK ROOM」はロングショット(長回し)が多かったような気がします。また、居間(?)のセットが異常に広いのが気になっていたのですが、最後のオチを見て納得しました。(^^) 佐藤嗣麻子さんの演出は、やっぱりボクにはよくわかりません。m(__)m

新世紀早々、手抜きの日誌になってますね。すみません。(~_~;)


01/01/02  夢駆ける大地〜私、牛を飼います

脚本:金子成人
演出:大森青児
制作統括:一井久司
出演:山本未来、渡辺徹、田中邦衛、東貴博、菊地麻衣子、大竹まこと、蟹江敬三、山本陽子、西川峰子
共同制作:NHKエンタープライズ
関東放送枠:NHK総合・21:00〜22:30

予約録画の際に放送時間を間違えてしまったので、ラストの15分だけ見れませんでした。だから結末は分からないので、断定はできませんが、物語的にはさほど面白いとは思いませんでした。しかし、山本未来を主役にしたアイドルドラマとしては、ちょっとした力作だと思いました。(^^) 演出の大森青児さんは、2年前の正月に「いちご同盟」の演出をしていた人ですが、このドラマでもアイドルドラマ的なセンスの良さを発揮していました。

物語的には、わざわざ自転車で岩手に行く必要はないのですが、アイドルドラマ的には、意味のある映像に仕上がっていました。ドラム缶入浴のシーンは、それだけで充分アイドルドラマ的なんですが、このシーンの最後に、山本未来が自分の顔にお湯をかけるカットがありました。こういうところにセンスの良さを感じます。これ以外でも、絶叫したり、気絶したり、泣いたり、酔っ払ったり――と、山本未来の表情百科事典みたいな演出になっていました。

もうひとつ、印象に残ったのは、山本未来の身体の線のカッコ良さで、衣装なども彼女のスラッとした感じを意識してコーディネートされていたようです。――誤解のないように言っておくと、アイドルドラマはアイドルビデオとは違うわけで、このドラマの場合でも、山本未来の魅力がこのドラマの主人公の魅力にちゃんと結びついていたと思います。

TV誌に載っていた山本未来のインタビューによれば、撮影に際しては、岩手の牧場で1カ月近いロケが行われたとのことです。また、自分は牛肉が食べられなくなってしまったが、渡辺徹はバンバン焼き肉を食べていたそうです。(^^)

……しかし、このドラマを見た後で、「2001年のおとこ運」を見ちゃうと、ちょっとガッカリしちゃいますね。(^^ゞ


01/01/04  17年目のパパへ

脚本:源孝志、相沢友子
演出:源孝志
プロデュース:鈴木基之、梶野祐司、関本浩文
出演:豊川悦司、深田恭子、森下愛子、東幹久、高橋克典、野際陽子、周防玲子
制作:ホリプロ、TBS
関東放送枠:TBS・21:00〜23:24

これも地方ロケ〜ロードムービー風のドラマでした。

オープニングは岩井俊二風の青春ドラマテイストで、銀行強盗のシーンで、いきなりアクション映画風の演出に切り替わって、その後は共テレ風のコメディになるという序盤の展開が斬新でした。その後はコメディ風の演出が多かったのですが、もともと現実ばなれした物語設定だから、コメディ風で正解だったと思います。一番笑えたのは、トヨエツの刺青を写真に取ろうとするシーンでした。

いちいち具体的に指摘するのは大変なので止めますが、この他にも、上手いなぁと思わせる演出がたくさんありました。深田恭子の嘘臭いキャラクターも、特に違和感なく見れました。

東幹久のエピソードは、なくても良いような気がしました。警察より先に2人を発見するなんてことはありえないと思うのですが、そういうことも含めて、余興みたいなものだと考えれば良いのでしょうか。


01/01/05  バブル(1)

脚本:鎌田敏夫
演出:望月良雄(1)(2)、田村文孝(3)、吉田雅夫(4)、宮崎純(5)
制作統括:木田幸紀
出演:高嶋政伸、辺見えみり、渡瀬恒彦、西城秀樹、麻生裕未、藤岡琢也
制作:NHK大阪
関東放送枠:NHK総合・21:15〜22:00

「女性捜査班・アイキャッチャー」(99年)を見て以来、木田幸紀さんは、ボクにとって気になる名前の一つになっています。最近では「ネットバイオレンス」という単発ドラマが印象深いですが、浪花の社会派プロデューサーという感じでしょうか。(^^)

バブルをテーマにしたこのドラマも、非常に木田さんらしい企画だと思うのですが、第1話の印象はイマイチでした。とにかく、ストーリーや設定が分かりづらいです。ドラマの展開にもメリハリが感じられなくて、気持ちをドラマに集中するのが難しかったです。これは演出上の問題でもあるんだと思います。演出の望月さんの名前には見覚えがありますが、何のドラマだったのかは思い出せません。セットとか花火など、けっこうお金がかかっている演出だとは思うのですが……。

蛇足ですが、裕木奈江が登場したのに、ちょっとビックリしました。ものすごく久しぶりに見たような気がします。(^^)


01/01/06  幻のペンフレンド2001(1)

原作:眉村卓
脚本:山永明子
演出:小松隆(1)、田中健二、今井洋一、中島由貴
制作統括:大加章雅
関東放送枠:NHK教育・土曜PM6時

予告では「六番目の小夜子」っぽい雰囲気だったので、期待していたのですが、いまひとつ物足りない第1話でした。セットとかロケーションのクオリティは高いと思うのですが、映像とか音楽のインパクトが弱かったです。出演者でインパクトがあったのも、谷口紗耶香だけでした。


01/01/07  未来戦隊タイムレンジャー

CASE FILE 46「未来との断絶」
 演出:松井昇

このドラマは、「クウガ」のついでに、たまに見ているくらいですが、最終回が近いせいなのか、最近は脚本が面白かったりします。「歴史を変えることは許されない」という理由で命令してくる未来人が出てくるのですが、未来を知るということは、人間から自由を奪うことになる――ということを示していて、なかなか考えさせられました。

で、この回ですが、人間ドラマの部分に重点をおいた脚本〜演出になっていて、新年早々新鮮な印象でした。永井マサルと勝村美香のシーンもインスタントなメロドラマ風で可笑しかったのですが、倉貫匡弘(とロボット)の一人芝居のシーンも、力の入った演出になっていて、面白かったです。


01/01/07  仮面ライダークウガ

EPISODE 47「決意」
 演出:石田秀範

毎週見ていたわけじゃないのですが、最終回が近いので、ここ1カ月くらいはマメに見ています。で、この回は最後の決戦の前を描いていたのですが、戦闘シーンが出てこないというなかなかユニークな脚本でした。

この回のポイントは、なんといっても“豪雨”です。屋外シーンも屋内シーンも、すべてのシーンが豪雨(雨音)を意識した演出になっていました。乱反射風の光をあてているシーンもあれば、わざとカメラに水滴をつけていたシーンもありました。屋外シーンでは、若干、陽射しが見えたりしてましたが、それはこの際どうでも良いです。それよりも、暗い照明でドンヨリしているポレポレ(喫茶店)のシーンなどは、今まで見慣れているセットだけに、その重々しさにインパクトを感じました。

豪雨というのは、トレンディドラマや刑事ドラマでは、よくあるシチュエーションなんですが、この手の戦闘モノではめずらしいのかもしれません。少なくてもボクは新鮮な印象を受けました。いずれにしても、30分全部が豪雨で、暗いトーンで一貫していたのには参りました。(^^)

ちなみに、次週のサブタイトルは「空我」だそうです。クウガってそういう意味だったんだ。ひょっとして、このサブタイトルのために、ずっと二字熟語のサブタイトルにしていたんでしょうか。(~_~;)


01/01/07  中学生日記

「5日間の贈り物」[再]
 演出:佐々木?

「クウガ」の後に、何気なく見ていたのですが、妙に絵心を感じさせる映像作品になっていました。何気ない構図とか照明のセンスがよかったです。この日は再放送だったみたいですが、とりあえず日誌に書いておきます。演出家の下の名前は忘れてしまいました。(^^)

ちなみに、この日は朝から力作ぞろいだったので、「史上最悪のデート」(渋谷すばる)も期待して見たのですが、ダメでした。(^^)


01/01/08  慎吾ママドラマスペシャル

脚本:鈴木おさむ
演出:片岡K
演出補:西浦匡規、久保田哲史
音楽:小西康陽
プロデュース:栗原美和子
制作:フジテレビ
関東放送枠:フジ・19:00〜20:54

オムニバスものを除けば、片岡Kさんが、ゴールデン枠でドラマの演出をするのは、これが初めてなんじゃないでしょうか。片岡さんといえば、深夜枠でディレッタントな“笑い”を追求していた人――というイメージが強くて、ボクは苦手だったんですが、今回は、凡人にも理解できるような分かりやすい“笑い”がメインになっていたので好感が持てました。

“笑い”だけでなく、“泣き”のシーンもいくつかありましたが、片岡さんとしては新境地を開拓するという意味合いがあるんでしょうか。ただし、“泣き”に限って言えば、新味は感じませんでした。オーソドックスな演出だと思います。堤幸彦さんが昨秋演出した「ブラックジャック2」でも、“泣き”のシーンだけ妙にオーソドックスで、物足りなく感じたのを思い出しました。(^^)

演出的には、70年代の「コメットさん」とか、80年代の「月曜ドラマランド」あたりを下敷きにしていたようです。特に自宅内のセットにそれが顕著でした。この手の演出って、最近ではありそうでなかったタイプだから、その意味でもかなり新鮮に感じました。主人公一家の自宅建物の全景をアニメで処理しているところなんて、ガツ〜ンと来る衝撃がありました。昔の子供向け番組にあった手法なのかもしれませんが……。(^^)


01/01/08  HERO(1)

脚本:大竹研(1)(3)、福田靖(2)
演出:鈴木雅之(1)(2)、平野眞(3)、澤田鎌作
プロデュース:石原隆、和田行
協力P:東海林秀文
企画協力:樹林伸
AD:加門幾生
スケジュール:梅沢利之
AP:榊原妙子、牧野正
音楽:服部隆之
制作:フジテレビ
関東放送枠:フジ・月曜9時

何回か書いていると思いますが、鈴木雅之さんはコミカルな表情を撮るのが上手いです。厳密に言うと、コミカルな表情を“見つける”のが上手いと言うべきなのかもしれません。松たか子のメガネ顔もそうですが、木村拓哉の表情も面白かったです。キムタク嫌いのボクですら、そう感じたのですから大したものです。

検察庁内のセットは「総理と呼ばないで」での総理官邸内のセットを連想しましたが、今回は、いつも以上に広角レンズを多用しているのが印象に残りました。また、180度逆のアングルに切り替わるカット割りも多かったです。その結果、堤幸彦さんのスタイルに接近しているような印象も生んでいます。


01/01/08  別れさせ屋(1)

脚本:森下直
演出:花堂純次(1)(3)、藤井裕也(2)、竹網裕博、他
プロデュース:今村紀彦、佐藤丈、戸田直秀
チーフP:階堂昌和
AD:白川士
制作協力:ノアズ
制作:よみうりテレビ
関東放送枠:日テレ・月曜10時

ちゃんと見ていなかったからなのかもしれませんが、印象に残るものがあまりありません。カメラワークなど、それなりに今っぽい手法を取りいれた演出になっていると思うのですが、それがかえって、没個性的に感じられたりします。すみません。m(__)m


01/01/09  女子アナ。(1)

脚本:前川洋一(1)(2)、金子ありさ(3)
演出:西谷弘(1)(2)、土方政人(3)
プロデュース:関口静夫、保原賢一郎(フジ)
音楽:本間勇輔
演出補:北川学
プロデューサー補:柳沢典子
スケジュール担当:桐ヶ谷嘉久
編成:金井卓也(フジ)、中村百合子(フジ)
制作:共同テレビ、フジテレビ
関東放送枠:フジ・火曜9時

西谷弘土方政人コンビといえば、1年半前の「ナオミ」がありましたが、このドラマもその延長線上の作品みたいです。佐藤藍子は「ナオミ」にも出ていました。水野美紀は「チーム」で西谷さんと仕事をしています。

演出家と俳優の関係性というのは、一朝一夕では生まれないハズなので、過去の仕事歴をチェックするのは意味のあることだと思います。この第1話で、水野美紀や佐藤藍子のニュアンスに味があったと感じられたとしたら、その理由はその辺にあるじゃないでしょうか。その他では、脇役のリアクションをていねいに撮っている演出(カット割り)だったように思いました。

前川洋一さんの脚本は、世間一般が女子アナに対して持っているイメージと現実のギャップに重点をおいているみたいです。特に「テレビに出ている人の愚痴は、一般人から見ると自慢話に聞こえる」というのは、なかなかスルドイと思いました。ところで、女子アナが“生体間”を“性感帯”と読み間違えるNGは、以前どこかのNG番組で見たような記憶があります。(^^)

このドラマは、シリアス/コミカル、ストーリー/キャラクターなど、全体のバランスがとてもいいので、ボクが考える理想の視聴率=15〜17%を目指して欲しいです。(^^)


01/01/09  2001年のおとこ運(1)

脚本:野依美幸
演出:中島悟(1)(2)、飯島真一、三宅喜重
プロデュース:安藤和久、松井洋子
制作:AVEC、関西テレビ
関東放送枠:フジ・火曜10時

このドラマには、中島悟さんに縁のある俳優が揃っています。菅野美穂と田辺誠一は「恋の奇跡」、片瀬那奈は「FLY」、押尾学は「20歳の結婚」といった感じです。内容的には「20歳…」に近いコメディですが、今回はお互いの気心が知れているので、演技やキャラ設定のクオリティが高いです。このことは、押尾学を見比べれば歴然としています。「20歳…」の第1話とはニュアンスの作り方が段違いです。

とはいっても、いまひとつ、笑いをツボをつかみ切れていないようなところもあります。菅野美穂の演技にしても、空回りしているように感じる場面がありました。田辺誠一や吹越満に至っては、まだ本当の出番が来ていないという感じです。こうした問題は撮影が進むにしたがって改善されていくと思われるので、中盤以降に期待したいと思います。第7話あたり。(笑)

押尾学の自宅のセットは「20歳…」のセットに酷似していますが、中島さんはこういう日本的な家屋が好きなのかもしれません。ただし、脚本は、過去のトレンディドラマのエピソードを寄せ集めたみたいで、どこか散漫な感じがします。個人的には、貧乏臭い人情コメディに徹して欲しいですね。コタツを挟んで焼きイモを食べるとか……。(^^ゞ


01/01/10  ロケット・ボーイ(1)

脚本:宮藤官九郎
演出:河毛俊作(1)(2)、田島大輔
プロデュース:高井一郎
協力プロデュース:石原隆
音楽:住友紀人
制作:フジテレビ
関東放送枠:フジ・水曜9時

見る前は、どんなモノが出てくるのかまったく見当がつかなかったのですが……。(^^)

物語の設定・展開、演出方法など、基本的なスタイルは、河毛俊作さんが80年代末に手がけた元祖トレンディドラマのそれをそのまま踏襲しています。作品名を挙げると「君の瞳をタイホする!」(88年1月・脚本:橋本以蔵)、「抱きしめたい!」(88年・脚本:松原敏春)、「君の瞳に恋してる!」(89年1月・脚本:伴一彦)あたりでしょうか。ただし、ボクはこれらのドラマをほとんど見ていないので、きちんとした比較はできません。

新しい要素としては、宮藤官九郎の会話劇の部分がありますが、これにしたって「抱きしめたい!」に出てきたW浅野のトークバトルを彷彿させます。また、このドラマを見て、牛乳酎をマネしてみた人がたくさんいると思いますが、そういうところもトレンディドラマっぽいです。一言でまとめるなら、「抱きしめたい!」のリストラ時代版という感じでしょうか。(^^)

演出面で気になったことが2つありました。ひとつはBGMの使い方がストイックなところ。安易にBGMを流さないで、流すときも音量をなるべく抑えて――という感じがしました。もう1点は、少年っぽさを意識した織田裕二のキャラ作り。ときどきオカマっぽくなったりするんですが、自信なさそうな仕種や表情を、かなりていねいに撮っていました。ナレーションの語りなども少年っぽくて、新境地開拓ですね。

印象に残ったカットは、自宅近くのファミレス(?)で、京野ことみからキツイことを言われたときのアップ。「この辺でアップが来るぞ!」と思っていたところに入った、ローアングルからのアップですが、顔の半分がフレームからハミ出していました。(^^)

織田裕二が、椎間板ヘルニアで入院したため、第3話の放送が延期になり、その後の予定も未定だそうです。ボクとしては、穴が空いた枠に何を放送するのかが気になります。関係者は大変だと思いますが、視聴者の方はこうしたトラブルさえも娯楽として消費してしまうものです。どうせだったら、残った出演者で特番を作れば、臨場感が出て、面白いと思うのですが……。


01/01/10  FACE・見知らぬ恋人(1)

原作:もりたゆうこ「愛してる」
脚本:若尾恵美子
演出:猪俣隆一(1)(2)、長沼誠
プロデュース:西憲彦、北島和久、大塚泰之
チーフP:佐藤敦
制作:日本テレビ
関東放送枠:日テレ・水曜10時

「ロケット・ボーイ」の後に続けて見たら、高橋克典も少年っぽい演技をしていました。もちろん、人格交替したら「サラリーマン金太郎」みたいになっちゃいましたが……。(^^) ただし、一番インパクトがあったキャラは、仲間由紀恵の不倫相手役の山口祐一郎です。メール騒動のシーンのとき、仲間由紀恵をにらみつける表情が怖かったです。(^^)

「ロケット・ボーイ」の後だから、なおさらそう思ったのかもしれませんが、BGMがしつこいというか、わざとらしく感じられました。……というワケで、いまひとつ興味のわかないドラマでした。(^^ゞ


01/01/11  お前の諭吉が泣いている(1)

プロデュース:遊川和彦
脚本:森下佳子
演出:今井和久(1)(2)(3)
プロデューサー:梅沢道彦(テレ朝)、佐々木基(テレ朝)、遠谷信幸(電通)
企画:小滝祥平
アソシエイトプロデューサー:千野毅彦(電通)、加地克也
AD:森谷晁育
AP:常廣丈太
制作協力:デスティニー、トスプランニング
制作:テレビ朝日、電通
関東放送枠:テレ朝・木曜9時

企画やキャスティングは悪くないと思うのですが、ギャグやキャラクターの作り込みがイマイチです。国分太一は「お仕事です!」のときは、良い味を出していたのですが、このドラマでのキャラはヒネリが足りないように思います。矢沢心も、「オヤジぃ。」や「平成夫婦茶碗」と比べると、安易な使われ方をされているような気がします。

これだったら、もっとシリアスに描いた方が面白いんじゃないかとも思います。これも「2001年のおとこ運」と同じで、撮影が進むに連れて改善されていくだろうとは思いますが……。せめて、矢沢心だけでも、何とかして欲しいです。(^_-)

生徒役に見覚えのある顔が多かったので、「どこで見たんだろう?」などと悩んでしまいましたが、エンドロールを見たら、男子の方は全部ジャニーズでした。まあ、赤西仁と森雄介はすぐにわかりましたが、内容的には物足りないです。内藤陽子も出ていましたが、この先もっと出番はあるのでしょうか?


01/01/11  カバチタレ!(1)

原作監修:青木雄二
原作:田島隆、東風孝広
脚本:大森美香
演出:武内英樹(1)(2)、水田成英
プロデュース:山口雅俊
関東放送枠:フジ・木曜10時

原作監修が『ナニワ金融道』の青木雄二だから、お金と法律のドラマになることは予想してました。新味があったのは、常盤貴子と深津絵里の人生観を対比させて描いていたところです。この辺は脚本の大森美香さんの功績でしょうか。ただ、2人とも考え方が極端すぎます。大半の人たちは常盤貴子と深津絵里の中間くらいの価値観で生きていると思うのですが……。戯画的に極端に描くのが良いのか、もうちょっとリアルな描き方をした方が良いのか、第1話を見た段階ではなんとも言えません。これは、個々のエピソードや演出についても言えることです。

BGMは「ナニワ」みたいなロックンロール系と、「きらきらひかる」みたいなストリングス系が半々くらいのバランスで、過去の山口ドラマで言うと「タブロイド」あたりに一番近いかもしれません。出演者も演出家も山口P系の人が多いので、過去の山口ドラマと比較して、大きく違っている部分はありませんでした。

個人的に印象に残ったのは、山下智久が自転車で東京に向かうシーンのロケーションです。まっすぐに続く並木道を俯瞰で撮ったカットが、やけにカッコよかったです。あれはどこだったんでしょうか? 山下智久といえば、しっかり者というキャラ設定のわりには、台詞回しが頼りなくて、ちょっと気になりました。(^^ゞ


01/01/12  ビッグウイング(1)

原作:矢島正雄、引野真二
脚本:矢島正雄(1)(2)、武田百合子(3)
演出:森田光則(1)、倉貫健二郎(2)、富田勝典(3)、高野英治
プロデュース:森田光則
制作:木下プロダクション、TBS
関東放送枠:TBS・金曜9時

う〜ん……。これは、めったにないくらいに、見ていて痛いドラマですねぇ……。(~_~;) セットはチープだし、衣装もチープだし、登場人物のキャラ設定も、個々の事件も、BGMも、ギャグも、セットの窓枠にハメ込んだ飛行場の映像も……、何から何までみんなチープな印象でした。近藤照男プロダクションの「HOTEL」シリーズみたいな雰囲気もありましたが、それらと比較してもチープな印象が否めません。

内田有紀の主演ドラマといえば、96年の「翼をください」(月9)以来で、もう2度とないだろうと思っていました。それだけに、このドラマの情報が入ってきたときには、嬉しかったりしたんですが、その際の一抹の不安が“木下プロ制作”だったんです。その不安が的中(適中?)してしまったようです。(~_~;) カッシーとか、黒谷友香とか、出演者には好きな人が多いんですけど……。

時間的に余裕がある方は、このドラマと同じスタッフが作った「ベストフレンド」の日誌(99年10〜12月)も読んでみてください。今回と同じこと書いてます。(~_~;)

【追記】
誤解のないように付け加えますが、「HOTEL」には明確な方法論があるので、「上手いな〜」と思わされることが少なからずあります。たとえば、視聴者に適度なフラストレーションを与えることによって、視聴者の関心をラストまで引っ張る――というのは、「HOTEL」の脚本の定番手法ですが、「ビッグウイング」からはそうした工夫は感じられませんでした。

ところで、木下プロ制作のアイドルドラマといえば、96年秋に「イタズラなKiss」(テレ朝・主演:佐藤藍子・演出:森田光則)というのがありましたが、これの第1話というのが力作でした。特に、佐藤藍子の歯茎から血が流れるというカットがあって、衝撃的(?)的でした。あれから5年、木下プロはどうなってしまったんでしょうか?


01/01/12  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(1)

脚本:野島伸司
演出:土井裕泰(1)(2)(3)、松原浩
プロデュース:伊藤一尋
音楽:千住明
関東放送枠:TBS・金曜10時

 浮世離れ=普遍性?

今期のドラマのラインナップを見たときに、一番気になったのはこのドラマでした。なぜかといえば、これが一番“浮世離れ”していたからです。(~_~;) その後、TV誌などを読んでみたところ、テーマは“永遠の片思い”で、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』がモチーフになっているそうです。

そもそも、ゲーテとかドストエフスキーといった古典文学が、若者によく読まれたのは1970年以前あって、70年以降の若者の興味はコミックとか音楽などのサブカルチャーに移行しています。野島さんも70年以降の若者のはずなんですが、なぜか古典文学が好きみたいです。(^^) 現在、ドラマ制作に携わっている人たちの大半も、70年以降の若者のはずだから、ゲーテなんて読んだことない人の方が多いような気がします。ボクも読んだことがありません。逆にいえば、そういうところに野島さんの強みがあるといえるワケです。

現在ドラマを作っている人たちの大半は“今”を描こうとしているように見えます。「深く潜れ」や「ロケット・ボーイ」は、そのいい例です。しかし、野島さんだけは普遍的な世界を描こうとしているように思えます。現実的な(一過的な)リアリティよりも普遍的な虚構を追求した結果が、いわゆる野島ワールドと呼ばれる世界なんでしょう。ボクはその徹底した浮世離れぶりに軽いショックを感じたわけです。ちなみに、三田佳子の次男の愛読書も『ウェルテル』なんだそうですが、このドラマと関係あるんでしょうか。(^^)

 現実感の排除

個人的には、ABBAの主題歌・挿入歌にゾクゾクする新鮮さを感じます。野島ドラマには70年代の洋楽が使われることが多いですが、選曲上のポイントは“今っぽくないこと=違和感”なんじゃないでしょうか。つまり、同時代感覚から適度にずれているところが野島ワールドの要なんだと思います。演出上のポイントも、現実感の排除だったと思います。冒頭の橋の上のシーンにしても、空の色が変な色になっていて、この世の世界とは思えないような雰囲気を醸し出していました。非現実的な世界を淡々と描く――というのが、今回の演出の特徴だといえそうです。

ちなみに、橋とか屋上というのは、生活世界から隔離された特殊な空間というイメージがあります。しかも、空とか川は、異界との接点という意味合いもあるので、ますます神秘的な印象が強まります。

深田恭子のキャラクターは、シェイクスピア劇に出てくる妖精パックみたいな感じがしました。窪塚洋介のキャラも「池袋ウエストゲートパーク」のときにソックリなのですが、非現実的な野島ワールドにちゃんとなじんでいます。シェイクスピア劇で言えば道化みたいな役どころかもしれません。シャイクスピアとの比較を続けるなら、滝沢秀明と内山理名が窓越しに電話で話すシーンは「ロミオとジュリエット」みたいな感じもします。

 出演者など

ところで、このドラマのスタッフやキャストは、過去のドラマで共演している人たちが多いようです。演出の土井裕泰さんは、「美しい人」で野島さんや内山理名と仕事をしていて、「魔女の条件」で滝沢秀明を演出しています。深田恭子は「to heart」で伊藤一尋Pや松原浩Dと仕事をしていて、「フードファイト」で野島ドラマを経験しています。さらに「ニュースの女」では滝沢秀明と共演したこともあります。窪塚洋介は「リップスティック」で野島ドラマの経験があり、「天国に一番近い男SP」や「そして友だち」(山田太一ドラマ)では、深田恭子と共演していました。さらに、ヨースケ時代には伊藤Pの「若葉のころ」にも出ていた――と。パッと思いつくだけでもこれだけあります。(^^) つまり、お互いに気心の知れたメンツが集まっているという意味でも、豪華キャスティングと言えるわけです。

「魔女の条件」を見たときにも思ったことですが、土井さんは滝沢秀明と相性が良いみたいです。このドラマでも“作りすぎない”演技を要求しているみたいで、それが独特の味になっていると思います。むっつりスケベ的なコミカルな部分と、自意識過剰で屈折している部分と、意外に素直そうな部分が、無理なく併存していたように感じられました。

滝沢秀明は「太陽は沈まない」に続いて、またナレーションをやっていますが、ほとんど21世紀の吉岡秀隆状態です。そういえば、「TVライフ」の新年号で面白いことを言ってました。「太陽…」で、中江功さんの厳しい演出を経験して演技に開眼した。一生中江さんについていく――そうです。新ドラマをスタートするにあたって、半年前に終わったドラマのことを反省的に振り返っている滝沢秀明って、意外に侮れない人物かもしれないです。(^^)

最後は脚本の話に戻りますが、滝沢秀明と深田恭子による会話劇の部分もクオリティが高かったようの思います。「リップスティック」(三上博史・広末涼子)以降、野島さんはダイアローグ(対話)を組み立てる技術に磨きがかかっているようです。


01/01/12  愛は正義(1)

脚本:橋本以蔵(1)、石原武龍(2)、成田はじめ(3)
演出:伊藤寿浩(1)(2)、佐藤健光(3)
プロデュース:西河喜美子、森川真行
制作:テレビ朝日、FINE
関東放送枠:テレ朝・金曜11時

う〜ん。金曜日は「ストロベリー…」だけ見れば良いという、神様の配慮なんでしょうか。(笑)

柴田理恵は笑えましたが、1時間も見ていると、さすがに飽きます。「スマスマ」のコントを1時間に引き伸ばしたという感じで、水増しっぽい印象がぬぐえません。ネタとかキャラ設定に、もう少しヒネリが欲しいです。

もちろん、「ビッグウイング」に比べたら、セットとか衣装にお金がかかっている感じはしましたが……。ただし、脚本家や演出家が毎回替わるみたいなので、特に第3話あたりに注意しておきたい気もします。


01/01/13  幻のペンフレンド2001(2)

演出:小松隆(1)(2)、田中賢二、今井洋一、中島由貴

カメラワークにしても、子役の活かし方にしても、前回同様いまひとつ物足りないものを感じます。音楽の入れ方もわざとらしいです。(^^ゞ

ところで、このドラマの美術は、“レトロ+近未来”というコンセプトになっているみたいです。学校とか自宅(日本家屋)の内装はレトロというか貧乏臭い感じになっているのですが、パソコン周りだけは近未来っぽいです。ただ、それが魅力的かといえば、そうでもなくて、微妙にハズしているように思います。そういえば、「2001年のおとこ運」の方は、もっとストレートに貧乏臭いですね。


01/01/13 向井荒太の動物日記 愛犬ロシナンテの災難(1)

脚本:吉田智子(1)、福田卓郎(2)、福田千津子(3)
演出:大谷太郎(1)(3)、細野英延(2)
プロデュース:池田健司、中沢晋
企画スタッフ:海老克哉、福田卓郎、福田千津子、西本洋子、武田菜穂
音楽:KYON
スケジュール:北川敬一
AD:田部井稔
AP:村瀬健、六沼睦美、小林美穂
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:日本テレビ
関東放送枠:日テレ・土曜9時

 「バカヤロー!2000」

このドラマの演出が大谷太郎さんだと知って、「バカヤロー!」と思った人がいたら、その人は正真正銘筋金入りの大谷マニアだと思います。……といっても、去年の春の改変期に放送されたオムニバスドラマ「バカヤロー!2000」のことですけど……。その中の一編「俺様は犬?」(出演:ビビアン・スー、河相我聞)の演出が大谷さんだったのですが、主人公の犬のナレーションを細川俊之が務めていて、ちょっとした傑作でした。(このドラマに関しては、00/05/13の日誌の末尾でも、ふれています。00/12/17に再放送されています)

つまり、「ロシナンテ」の企画・演出のベースにあるのは「俺様は犬?」なんです。ナレーションが同じ細川俊之であることから見ても、このことは間違いないでしょう。ひょっとしたら、出演している犬も「俺様…」の時と同じ犬かもしれません。ただし、正味10分の「俺様…」と違って「ロシナンテ」は連ドラなので、「俺様…」のように一つのネタだけで一気に見せるワケにはいかないので、そこが難しいところです。

「俺様…」では、細川俊之のナレーションと犬の表情、人間の表情を細かく組み合わせることによって独特のユーモアを生み出していましたが、そうした精緻なカット割りを、連ドラ全体に施すのは不可能でしょう。この第1話を見た感じでも、「俺様…」的なユーモアはあまり感じませんでした。第2話以降に期待したいです。(^^)

 堂本剛 vs 大谷太郎

人間の方に目を向けると、堂本剛のキャラ設定・演技に注目させられます。堂本剛という人は、コメディ風の演技をするとニュアンス過剰になる傾向があって、この日誌でも何回か書いた記憶があります。「Summer Snow」第1話を見たときも「キャラ設定〜役作りが雑だな〜」という印象がありました。しかし、今回はかなり抑制の効いた演技をしているようです。堂本剛の安っぽいニュアンスに対して逐一ダメ出ししている大谷Dの姿が目に浮かびそうです。実際はどうだか知らないですけどね。(^^ゞ

過剰なニュアンスがなくなった分、分かりづらくなってしまった面もあって、注意して見ていないと、単なるウスノロ〜かったるい演技に見えてしまうかもしれません。でも、よ〜く見ると味のある演技にトライしているのがわかります。ボクは演技の専門家でもなんでもありませんが、今回の堂本剛は“通受け”する演技にトライしているような気がします。たとえば、音楽でも“通受け”とか“マニア受け”という世界がありますが、それに近い印象があります。派手なギターソロを入れた方が一般客の受けは良いんだけれど、あえてそれをやらないで、リフだけをガッガッガッと弾いている――という感じ。(^^) ただ、秋山純らが堂本剛に仕事を押し付けて、合コンに行っちゃうシーンなどは、堂本剛が精神障害者に見えちゃいますね。こういうところは、まだまだ“やりすぎ”なんでしょう。(^^ゞ

一番印象に残ったのは、保健所に連れていかれるロシナンテを見つめる堂本剛の表情。……すごかったです。こんな表情を見せるのは「君といた未来のために」以来じゃないでしょうか。特に感心したのは、コメディシーンのときの表情と連続性が感じられることです。シリアスなシーンでガラッと表情が変わる――というのは過去にもあったし、それが堂本剛の持ち味だったワケですが、連続性を感じさせるというのは初めてだったような気がします。――このシーンは、かなり間の長いシーンだったのですが、分からない人にとっては、かったるいシーンだったと思います。

それにしても大谷太郎さんはヘビーな表情を撮るのが、本当に上手いですね。「伝説の教師」での椎名法子とか、「世紀末の詩」での木村佳乃とか、「蘇える金狼」でのいかりや長介(上原多香子の死を知るシーン)とか、いろいろ思い出しちゃいました。(^o^) このドラマも、生死の問題を扱うシリアスな展開になりそうなんで、今後も注目していきたいです。福田千津子さんが脚本の第3話も気になります。

 その他

難点をいうと、堂本剛と犬の演出にエネルギーを使いすぎてしまったのか、脇役のキャラ設定が不明瞭でした。秋山純、山田麻衣子、水野真紀、石塚善之など、単にドタバタしているだけのように見えます。秋山純は上手く使えば、マイケル富岡みたいなキャラになりそうな気がするのですが。顔も似てるし……。(^^ゞ

それ以外では、濃いオレンジ系のフィルターを多用しているのが、印象に残りました。これについては、良いのか悪いのかよくわかりません。(^^ゞ 二両編成の電車もインパクトがありましたが、あれはどこで撮影したんでしょうか。エンドロールでチェックするのを忘れました。(^^ゞ


01/01/13  ココだけの話(1)

プロデュース:桑田潔、小椋久雄、梨本みゆき
音楽:配島邦明(本当は「配」の上に草カンムリが付きます)
制作:テレビ朝日、共同テレビ
関東放送枠:テレ朝・土曜11時

「バルブ」
 脚本:大野敏哉 演出:河野圭太
「ビビンパ」(原作:清水義範)
 脚本:高山直也 演出:小野原和宏
「私の中の別人」(原作:清水義範)
 脚本:遠藤彩見 演出:西谷弘

一言で言うと、「世にも奇妙な物語」の低予算版という感じでしょうか。「SMAPの特別編」みたいな、手の込んだセットとか、特撮とか、地方ロケなどはなくて、わりかし手近なところでのロケ収録を中心にした小品集という趣です。「ビビンパ」なんて焼き肉屋のシーンだけで成立している舞台風の作品でした。「バルブ」や「ビビンパ」のように、脚本と演技で見せるユーモア系のドラマが中心になりそうです。

ただ、公式サイトで今後の作品のラインナップを見てみると、ほとんどの作品が小野原和宏さんか河野圭太さんの演出になっているので、「世にも…」のように、色々な演出家が腕を競う――というスタイルにはならないみたいです。それだけがちょっと残念。――蛇足ですが、公式サイトは、無意味に重いだけで、ラインナップ以外に見るものがない、ひどいサイトです。疲れました。(^^ゞ

この日の午前中に放送されてた予告編も見たのですが、「アダルトビデオ」という作品に出てくるAVの作品名が傑作でした。「南くんの変人」とか、「行く!穴の娘」とか。(^^ゞ


01/01/14  史上最悪のデート(6)

脚本:田中一彦
演出:松田秀知
出演:風間俊介、大村彩子、桜庭あつ子

率直に感想だけを言わせていただけば、あんまり面白くなかったです。(^^ゞ 風間俊介と大村彩子の“技術”のみが印象に残りました。演出的には、2人の演技に寄りかかっているだけという印象が強くて、才能の無駄使いをしているように見えてしまいます。もちろん、実際問題としては、風間俊介にとっても、大村彩子にとっても、無駄にはなっていないと思いますが……。

「金八」のときは、俳優と演出家がガップリと組み合っている――という感じがしたのですが、この枠の風間俊介を見ていると、演出家が負けているような気がします。

このドラマに関しては、風間俊介よりも大村彩子の方が収穫でしょうか。久々に見たのですが、元気そうだったので安心しました。(^^) そういえば、桜庭あつ子って、「ただいま満室」にも出ていましたが、意外に(?)演技ができる人なのかもしれません。


01/01/14  白い影(1)

原作:渡辺淳一「無影燈」
脚本:龍居由佳里
演出:吉田健(1)(2)、福澤克雄、平野俊一
プロデュース:三城真一
関東放送枠:TBS・日曜9時

全体的に、昔のTBSドラマっぽい演出になっていたように思います。特にBGMが昔っぽいです。竹内結子の行動(生活ぶり)をBGMと映像で淡々と追っていくシーンが多かったのも、そう感じてしまう一因かもしれません。この辺の感覚は、吉田健さんがチーフで演出した「君が教えてくれたこと」に通じるものがありますが、「君が…」の方は特に古っぽいとは感じませんでした。この違いは、美術〜セット〜ロケーションあたりに起因するのかもしれません。なお、田宮二郎版の「白い影」は見たことがないので、それとの比較はできません。

余談ですが、「白い巨塔」の方は、大昔に見た記憶があります。しかし、現在のように演出などを意識して見ていたわけではないので、何の役にも立ちません。そういう意味では、昔のドラマを再放送で見ると、当時とはまったく違う見方ができるので、勉強になったりします。

近年のドラマは、程度の差はあっても、共テレや土9の影響を感じさせる演出が多いのですが、今期のTBSは4本とも(「渡る世間」を含む)、時代の流れに距離を置いた演出になっているようです。「白い影」は特にその傾向が強いのですが、それが結果的に視聴者に安心感を与えているような気がします。

――すみません。見てから、4日も過ぎているからなのか、細かいことは忘れちゃいました。(^^ゞ 一番印象に残っているのは、泥酔&流血していた吉沢悠です。今期は2本掛け持ちみたいで、すっかり人気者になっています。トイレに押し込められているシーンで、上から撮ったカットには笑いました。そのシーンだけちょっぴりフジテレビっぽく見えました。……笑ったと言えば、「テレビドラマデータベース」の「新作掲示板1」にあった書き込みも面白かったです。「ロケット・ボーイ」は、最悪の場合、吉沢悠を影武者にして撮影すればいい――と、書いてありました。(^^ゞ


01/01/15  HERO(2)

脚本:大竹研(1)(3)、福田靖(2)
演出:鈴木雅之(1)(2)、平野眞(3)、澤田鎌作

前回書いたことに追加すると、派手なズームアップを連続させるカット割りも、かなり多用しているようです。広角レンズの多用や、引きのカットの多用とあわせて、セットの大きさ〜空間感覚を強調するという意図があるのかもしれません。

この第2話で気になったのは、角野卓造さんがかっこいいセリフを吐くシーン。「踊る大捜査線」で小野武彦さんが、電話をかけてきた柳葉敏郎に怒鳴り返すシーンを連想しました。ただ、それに比べると、かなり舞台がかった演出〜台詞回しだったような気がします。ボクの好みでいえば、あそこはあんなにおおげさな演出じゃなくて、もっとナチュラルな演出にしてほしかったです。あれはあれで、鈴木さんらしいのですが……。

で、この角野卓造さんの大芝居の直後に、カメラがパンして(横に動いて)、木村拓哉のアップになるカットがあったのですが、ボクは生まれて初めてキムタクがカッコイイと思いました。(笑) このカットは鈴木さんもお気に入りだったのか、ラストの主題歌のバックで再登場してました。

余談になりますが、宇多田ヒカルの主題歌は、タイトルといい、歌詞といい、スゴイですね。信じたいけど、信じられない、あなたは秘密を守れますか――みたいなことを歌ってます。プライベート写真を写真週刊誌に暴露されちゃったりすると、こういう歌詞を書くようになっちゃうんですね。健気な子だ。(^^ゞ

来週は、平野眞さんが演出。予告を見た感じでは、これまで以上に、コミカルな演出になっていそうです。月9の伝統が崩れていく……。(^_-)


01/01/16  女子アナ。(2)

脚本:前川洋一(1)(2)、金子ありさ(3)
演出:西谷弘(1)(2)、土方政人(3)

このドラマを見ていると、ドラマの神様が微笑んでいるように思います。1+1が3になっているような、関係者の努力を超えたところで見えない力が働いているような、そんな充実感を感じます。(これって、褒めたことになってない?)

佐藤藍子がコケる練習をしているシーンなんて、ムチャクチャ笑えるんですが、「こういうことって、実際にあるかもしれない……」と思えるところがスゴイです。前川洋一さんの脚本を含めて、現実性と虚構性の絶妙なバランスがすばらしいです。

表情のリアクションを、絶妙のタイミングで挿入する西谷弘さんの演出は、あいかわらず冴えまくっていますが、大友康平や大杉漣など、脇役のキャラもしっかり立っていて、隙のないドラマに仕上がっていると思います。本間勇輔さんの音楽も、これまでとは違ったテイストがあります。

初回視聴率は17%だったそうなので、ボクの考える理想の視聴率をキープできそうな雰囲気です。この点でも、ドラマの神様が微笑んでいるような気がします。視聴率的な話題は「HERO」におまかせして、「女子アナ。」はノビノビとドラマ作りに取り組んでいただきたいと願います。


01/01/17  ロケット・ボーイ(2)

脚本:宮藤官九郎
演出:河毛俊作(1)(2)、田島大輔

第1話に比べると、手の込んだカメラワークが増えているように感じました。また、これは第1話からの傾向ですが、織田裕二の目線を模したカットが、要所要所で良い効果を生んでいると思います。

気になるのは織田裕二のキャラでしょうか。キャラ自体は魅力的なのですが、ドラマの設定と微妙にずれているような感じがします。端的に言ってしまうと、ドラマの内容に反して、織田裕二がカッコよく見えてしまいます。見ていて、違和感を感じてしまうのは、ボクだけでしょうか?

それしても、気を持たせるところで休止になってしまいました。再開前に総集編とかをオンエアする予定でもあるのでしょうか。宮藤官九郎さんは、脚本の書き換えなどで頭を痛めていると思われますが、どういう展開になるのか、興味深いところではあります。いっそのこと、ドラマ内でも椎間板ヘルニアにしちゃうっていうのはどうでしょう。(^_-)


01/01/18  お前の諭吉が泣いている(2)

演出:今井和久(1)(2)(3)
プロデュース:遊川和彦
プロデューサー:梅沢道彦(テレ朝)、佐々木基(テレ朝)、遠谷信幸(電通)

第1話の日誌にあるスタッフのデータはTV誌を見て書いたのですが、エンドロールと違っていたので、直しておきました。興味がある人は先週分の日誌を見てください。そうでない方は、上記のデータを見て、「プロデュースとプロデューサーって、どこが違うの?」と悩んでください。答えはボクにも分かりません。専業農家と兼業農家の違いみたいなものなんでしょうか。年収の半分以上がプロデュース収入じゃない人は、プロデューサーとは呼ばない――みたいな。(笑)

このドラマの設定が「王様のレストラン」(95年)と同じだ――という指摘をネット上で何回か見かけました。言われてみれば確かにそのとおりで、脇役の細かな設定までそっくりです。意識的に翻案したのだと思われます。5年以上過ぎたこの時期に翻案するという発想は悪くないと思いますが、面白いかどうかは別問題です。まして、「王様…」と比較しながら見ると、いろいろと不満点が出てきます。

最大の問題点は国分太一じゃないでしょうか。「王様…」の場合は、筒井道隆のマジメさがドラマの縦糸になっていたと思うのですが、このドラマの国分は単なるバカに見えます。これは演技の問題ではなくて、脚本〜キャラ設定の問題です。

この第2話は、内藤陽子の手を離れた1万円札が、一回りして内藤の元に返ってくるという、寓話性の高いストーリーでしたが、こういうところも「王様…」っぽいです。内藤陽子と長塚京三が校庭のベンチに座っているシーンには情感があって良かったです。後に長塚のセリフに出てくる内藤陽子の笑顔もインパクトがありました。しかし、内藤陽子の生活や境遇はセリフで語られるだけで、具体的に映像化されているわけではないので、全体としては物足りない印象が残りました。第1話の赤西仁もそうですが、個々のエピソードの描き方がインスタントなのが残念です。

演出的には、東山紀之の表情を逆光系の照明で撮ったカットが印象的に使われていました。重要なセリフの場面で、逆光系アップが効果的に使われていました。無表情でクールなキキャラクターを活かすための演出だと思われます。この第2話では長塚京三も、ドラマチックな場面で逆光系アップが使われていました。内藤陽子を見送るシーンとか、その内藤が妹の入学願書を持ってくるシーンとか。


01/01/18  カバチタレ!(2)

演出:武内英樹(1)(2)、水田成英

物語的にも、演出的にも、第2話の方がよくできていたと思います。競売の家に住んでいる親子にもドラマがあることを描いているところが圧巻でした。前後のストーリーの流れからいったら単なる後日談なのに、そこに(しかも端役に)ドラマのクライマックスを持ってくる脚本・演出の意外性に「ビビビッ」ときてしまいました。(^_-)

ドライな現実を突きつけておいて、最後にヒューマニズムでウェットなオチをつける――というのは、定番スタイルの一つです。たいていの場合は、ヒューマニズムの部分が甘ったるすぎるのですが、今回は甘辛のバランスが絶妙でした。

原作がどうなっているのかは分かりません。ただ、常盤−深津による会話劇の部分は、大森美香さんの功績でしょう。井上由美子さんの「きらきらひかる」を連想させられます。

演出に関しては、カメラワークなどを含めて、細かいアイデアや工夫がたくさんありましたが、いちいち挙げていくのは大変なので省略します。全体の傾向としては、「ギフト」「ナニワ金融道」「アフリカの夜」など、山口雅俊P−河毛俊作Dコンビによる一連の作品の作風を踏襲しているようです。

たとえば、常盤貴子が住むアパートのセットは、貧乏臭いけれどオシャレな雰囲気になっていましたが、これは「ナニワ…」や「アフリカ…」に通じるテイストです。同じ貧乏風でも、「…おとこ運」や「幻のペンフレンド2001」とは違います。(^^) 軽いローアングルから手持ち撮影風に表情を切り取っていく手法は、最近の流行りといえなくもないのですが、そのルーツの一つは間違いなく河毛さんでしょう。(^^)

前回の日誌で、山下智久に対する不満をちょっと書いたのですが、その後、同様の意見を10回くらい目にしたので、ちょっとかわいそうになりました。だからというワケでもないのですが、第2話のエピソードを見ているうちに、ちょっと見方が変わりました。こういうマンガっぽいキャラを実写で演じるのは、誰にとっても難しいように思います。ただし、全裸のシーンだけは演出意図がさっぱり分かりませんでした。前回ラストの大杉漣みたいな、遊びの一種なんでしょうか。(^^ゞ

で、学校で山下智久をイジメていたのが牧野紘二で、「太陽は沈まない」で滝沢秀明の友達をやっていた人です。アパートの隣室に住む奥さんは、もたいまさこでしたが、この人も山口ドラマではおなじみの人です。山口Pは同じ俳優と何回も仕事をする傾向が強いプロデューサーみたいです。ダンサー志望の娘をやっていた山田優は今回初めて見る人だと思いますが(手元の名鑑にも載ってない)、また山口ドラマで見てみたい気がします。

≪追記≫
山田優については掲示板に情報提供がありました。沖縄アクターズスクール出身モデルで、y'z factory のメンバーだそうです。


01/01/27  愛犬ロシナンテの災難(3)

脚本:吉田智子(1)、福田卓郎(2)、福田千津子(3)、西本洋子(4)、武田菜穂(4)
演出:大谷太郎(1)(3)(4)、細野英延(2)(5)

このドラマの脚本にはあまり感心しません。たとえば、第2話のペットロスは、ボクの経験から見るかぎりでは的外れな感じがします。ペットや家族の死が遺族に重くのしかかるのは、生活のいたるところに死者の痕跡(意思)が残っているからだと思うのですが、そういう具体的なことを一切描かないで、登場人物に「悲しい、悲しい」と言わせているだけの脚本には失望しました。(このことを、きちんと描いていたのは「太陽は沈まない」の水橋文美江さんです。)

第4話の山田麻衣子のエピソードにしても、物語の発想は間違っていないと思うのですが、エピソードに具体性というかリアリティが欠けるように思います。山田麻衣子の言動も、彼氏役の坂口憲二の言動も、子供っぽいように思いました。その点、第3話の“生体解剖”は比較的良い印象なんですが、それでもちょっと消化不良な感じは否めません。最後の10分くらいに、とってつけたようなエピソードでした。だいたい、獣医学に生体解剖が不可欠なら、人間の医学はどうなるんだ――などと突っ込みたくもなります。

しかし、このシーンの演出には、この日誌に記録する必要性を感じます。堂本剛の表情演技自体は、第1話のときとほぼ同じでしたが、カット割りが大胆だったからです。生体解剖に涙声で抗議する山田麻衣子や秋山純を一切映さないで、堂本剛・根津甚八・牛の3者のカットと全体を映した引きのカットだけでシーンを組み立てていました。堂本剛のセリフは多くないし、当然、牛にもセリフはないから、この3者に絞ってカットを組み立てるというのが、いかに大胆であるかが分かってもらえると思います。

大谷太郎さんは、「世紀末の詩」でも、このような話者を無視した(ような!)カット割りをしていたのを思い出しました。(98/11/04の日誌参照)――めずらしく熱演していた秋山純には、ちょっとかわいそうなシーンでしたが。(^^ゞ


01/01/28  ココだけの話(3)

「鎌男」演出:河野圭太
「ロト」
「アダルトビデオ」演出:三木茂

「アダルトビデオ」が面白かったです。三木茂さんは通常は、このドラマの演出補としてクレジットされている人ですが、何本か演出をしているみたいです。このドラマ以外では、テレビ東京で夕方にやっていたモーニング娘の5分ドラマとか、現在NHK総合で放映中の「もう一度、キス」第7話などで演出をしています。

このシリーズは、脚本中心のドラマが多いので、演出的な面白味はさほど大きくないのですが、「アダルトビデオ」は、ネタ(脚本)・キャラ(演技)・カメラワークなどを細かく組み合わせて笑いを取るコメディになっていました。(^^)


01/02/02  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(4)

演出:土井裕泰(1)(2)(3)、松原浩(4)(5)

演出が、土井裕泰さんから松原浩さんに変わりましたが、特に違いは感じませんでした。テレビドラマデータベースの掲示板では、演技〜キャラのニュアンスの違いを指摘する発言もありましたが、その辺のことはよく分かりません。若干、ユーモアのニュアンスが違っているかもしれませんが……。

 色彩感の対比

ボクの場合、この第4話を見ながら、色の演出が気になっていました。赤(深田恭子)と青(内山理名)の対比は、分かりやすいところなんですが、ボクが気になったのは、ドラマ全体の色彩感です。オープニングのタイトル画像(廊下にイチゴ)がそうなんですが、青を基調にして赤を際立たせる――というのが、基本コンセプトみたいです。気になった点をいくつか上げてみます。

(1) 白いワイシャツに、軽く青みがかかっているなど、青を基調にした(青春=青?)映像が多い。
(2) とはいっても、決して青を強調しているわけではなく、むしろ色彩感を抑えることに重点をおいている。
(3) 自宅のセットや小物を含めて、鮮やかな色を避けている。
(4) 教室とか自宅とか、無意味に暗いシーンも多い。(電気つけろよ!^^;)
(5) 重要なシーンで、ここぞとばかりに色彩感を強調する。

ラストシーンのストーブのオレンジ色は、まさに(4)と(5)の典型例です。オレンジ色に染まった滝沢秀明のアップを見て、このカットのためにオレンジ色を避けた画面構成にしていたんじゃないかと思いました。(しかし、それを確認するために、ビデオを見直す余裕はありません。) なお、ストーブの火を消すと、ストーブのキャビネットが青っぽくなってました。(^^)

――このシーンは、最後のカットも良かったです。深田恭子を映したカメラが横に移動して、部屋を出て行く滝沢秀明の後ろ姿がフレームインしたところでエンド→タイトルバックでした。2人の気持ちのすれ違いを巧みに映像化していたと思います。

ところで、色彩感の対比と同じことが、出演者の演技にもいえます。深田恭子だけが弾けた演技をしていて、他の出演者はみなダウナー系の演技になっています。窪塚洋介の演技も第1話の頃と比較するとダウナー度が高まっているように感じますが、気のせいでしょうか。

ストーブのシーンの前に、内山&滝沢の噴水のシーンがあったのですが、こっちはちょっと野暮ったい感じがしました。特に、あの長い無音シーンは、演出意図はよく分かるんですが、サスペンスドラマみたいな感じがして、ちょっと違和感がありました。その後、滝沢秀明が噴水の中に入っていくところも、踏み込むところを正面から映したカットはなくても良かったような気がします。そのカットだけ緊張感が途切れているように感じました。むしろ、滝沢秀明の目線から映したカットでも良かったんじゃないでしょうか。――このシーン自体は悪くなかったです。(^^)

 滝沢秀明&深田恭子

第1話にあった浮き世離れした雰囲気が、第2話以降薄れてきて、普通の青春ドラマみたいなニュアンス劇の要素が強くなってきました。先の展開が分からないので、ハッキリしたことはいえないのですが、ちょっとドラマ全体のバランスが崩れているような気もします。

にもかかわらず、それなりに見れてしまうのは、ニュアンス劇の部分の出来が良いからで、滝沢&深田というのは、息の合った良いコンビだと思います。押しのユーモア(深田)と引きのユーモア(滝沢)という感じでしょうか。最後に出てきたプレゼントの告知なんかも仲良さそうでしょ? TV誌に載ってた対談も、仲良さそうな雰囲気でした。(^^ゞ


01/02/03  ココだけの話(4)

「バスが来ない」演出:星田良子
「シンドローム離婚」演出:小野原和宏
「面接」演出:小野原和宏

最近の星田良子さんは、すっかり映像派の演出家になってしまいました。(^^) 時代劇などの演出を経験したことが大きかったのでしょうか? 「バスが来ない」では、映像の質感が違うカットをアクセント的に挿入することによって、瞬発的な緊張感を生み出していました。


01/02/04  白い影(4)

演出:吉田健(1)(2)、平野俊一(3)、福澤克雄(4)

3〜4話で演出のテイストがかなり変わってしまいました。平野俊一さんが演出した第3話は、音声面では1〜2話の雰囲気を維持しつつ、映像面で派手なカット割りなどをバンバン導入していました。吉本多香美が運び込まれるシーンなんて、「踊る大捜査線」〜「救命病棟24時」みたいな派手なカメラワークもありました。夕陽の映像をシーンの切れ目に挿入するところは、第4話の福澤克雄さんがかつて演出した「スウィート・シーズン」みたいでした。(^^ゞ

で、その福澤さんが演出した第4話は、音声面でもBGMの使い方や台詞回しが派手になったような気がします。ステディカムの使用は福澤さんの十八番なので、いまさら驚きませんが、中居正広の表情を撮ったカットが、1〜3話よりもシャープな感じになっていたのが印象に残りました。特に、オープニングのタイトル表示の前に挿入された中居のカットはハードボイルドっぽかったです。――というか、ドラマ全体の表現(演出)の起伏が激しくなってるというべきなのかもしれませんが。(^^ゞ

吉沢悠を映したカットに気合いが入ったカットが多い――と思いながら見ていたら、唐突に自殺騒動〜退院・帰郷になっちゃいました。彼はこれで御役御免なんでしょうか。だとしたら、ちょっと惜しいですね。屋上のシーンなんて「スクールウォーズ」みたいで、上川隆也&吉沢悠が、山下真司&宮田恭男に見えちゃいました。物語的には違和感もあるのですが、大映ドラマっぽい演出が違和感なくハマっているシーンだったと思います。

このシーンの前に、吉沢悠が上川隆也に怒鳴られているシーンがありましたが、このときの吉沢悠のひきつった表情も印象的でした。よく考えてみたら、この2人は「青の時代」で共演済みなんですね。ボクは「青の時代」のことを“ネオ大映ドラマ”と考えているので、この2人が大映っぽいことには、歴史的な必然性があるわけです。(^^ゞ ――それにしても吉沢悠・加藤晴彦・小橋賢児・山崎裕太で“軟弱〜小心者系バカ男”の四天王という感じがします。

ラストの中居正広の涙も、けっこう強引な展開なんですけど、こういうのが大映ドラマの醍醐味なのかもしれません。ボクは「白い影」の大映化を、とりあえず支持したいと思います。竹内結子の演技にも、もっと大映化する余地があるような気がします。(^^ゞ ――演出に限っていえば、1〜2話の頃とは別のドラマみたいになっちゃいましたが、吉田健さんは怒ってないんでしょうか?(笑)


01/02/06  女子アナ。(5)

演出:西谷弘(1)(2)(4)、土方政人(3)(5)

このドラマは、一人ひとりのキャラクターを大切にしている感じがするのが良いですね。大友康平〜大杉漣から周防玲子〜深浦加奈子に至るまで、キャラ設定やカット割りに愛を感じます。(^^ゞ

ストーリー的には出来不出来があるし、佐藤藍子のギャグなどもネタ切れっぽい感じがしなくもありませんが、そんなことはどうでもいい――という気持ちになれるのは、演出に愛があるから……?

西谷弘さんが演出した回はコメディの要素が強いのに対して、土方政人さんの回では湿っぽい泣きの要素が強いような気がします。


01/02/07  shin-D Ryo〜恋の季節(1)

脚本:遠藤彩見
演出:大野哲哉
プロデュース:赤羽根敏男、大野哲哉
演出補:清水卓
出演:椎名法子、神谷涼、宮崎将etc
制作:日本テレビ
関東放送枠:日テレ・水曜深夜(1:55〜2:25)

最近は、深夜ドラマをあまりチェックしていなかったのですが、椎名法子の名前に引かれて見てみたら、予想を遥かに上回る出来でした。「Shin-D」の歴史に残る名作になる可能性があります。出だしのナレーションは去年同枠でやった「夏のつぼみ」みたいだったのですが、演出のクオリティはそれを遥かに上回るクオリティです。個人的には「青空麻雀」以来の衝撃です。(^^ゞ

 ていねいで統一感のある演出

最初に目につくのは派手な映像処理です。オフィスクレッシェンドの二階健さんとかを意識したような青っぽい画面で、最初は「嫌だな〜」と思ったのですが、見ていくうちに考えが変わりました。派手な映像処理によりかからないで、お芝居、キャラ設定、カット割りなど、基本的な部分をていねいに押さえているところに好感を持ちました。要所要所で、表情のニュアンスをきっちりと撮っているから、映像の垂れ流しみたいにならないわけです。特に、椎名法子のボーイッシュなキャラ〜演技〜表情は、彼女の代表作だといっても良いくらい良かったです。

「shin-D」というのは、画面が安っぽく感じられることが多いのですが、このドラマに関してはそういう印象は一切ありません。セットのデザインとか逆光系の照明も含めて、緻密に物語の舞台を作り上げているように感じました。派手な色彩処理が、その他の要素と有機的に噛み合っている感じがします。また、ドラマのオープニングとエンディングに出てくるモノクロの集合写真も、程好い余韻が残る感じで良いです。

ようするに、このドラマって、めちゃくちゃ統一感があるんです。個々のアイデアは、他のドラマで見られるものだし、突出した才気を感じるというワケでもないのですが、キャスティングを含めて、個々の要素が気持ち良くハマっているところに感動を覚えます。脚本は「ボクたちのドラマシリーズ」とか、大林宣彦あたりの世界を意識しているみたいですが、あんまし安直な展開にならないことを期待したいです。演出・プロデュースの大野哲哉さんは、初めて見る名前だと思います。どういう人なんでしょうか? 気になります。

 神谷涼、宮崎将など

ライバル女役の神谷涼(かみや・さやか)は、昨年末に「ただいま満室」にゲスト出演していた人ですが、気になったのでネットで検索してみたところ、「チェンジ!」「恋の神様」「伝説の教師」などにも出ていたようです。あんまり覚えていません。ただ、公式サイトと思われるところの掲示板を見てみたら、“Tちゃん”とかいう見覚えのある名前を発見してしまいました。(^_-)

男の子役の宮崎将(みやざき・まさる)も、どこかで見覚えのある名前だったので、検索してみたところ。去年の4〜6月にテレビ東京で放送された「それぞれの断崖」に出ていたことが分かりました。犯人役だったのですが、すっかり忘れていました。それ以上にびっくりしたのは、彼が宮崎あおいのお兄さんだということ。宮崎あおいもちょっと前に「shin-D・GIRL」に出ていたから、兄弟そろって「shin-D」出演というわけです。(^^ゞ 宮崎あおいは最近の要注目キャラの一人ですが、お兄さんの方もちょっと気にしてみます。

――というワケで、このドラマ、来週以降も心して見ていこうと思います。(^^ゞ


01/02/09  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(5)

演出:土井裕泰(1)(2)(3)、松原浩(4)(5)

海辺の夕陽のシーン、ラストの自宅のシーンなど、重要なシーンでオレンジ色(今回は夕陽の色)を強調するのは、前回と同じでした。前回の日誌で、色調のことを書きましたが、そこで指摘したこのドラマの「青さ」というのは、蛍光燈的な青さだと解釈してもらえると、分かりやすいかもしれません。

個人的に一番インパクトを感じたのは、滝沢秀明が「ちくしょー!」と言うところ。深田&窪塚のことを知った直後に言うのではなくて、別の話題(滝沢&内山の展開が遅い)に移ってから、思い出したように「ちくしょー!」と言うところが良いですね〜。

この回の演出で目立っていたのは、BGMの使い方でしょうか。一つ目は、受験会場の滝沢と抱き合っている深田&窪塚が交互に出てくるシーンのBGM。ABBAの曲だと思いますが、曲名は知りません。あのシーンで激しい曲調の曲を使いたかったという気持ちは理解できます。しかし、この点に関しては賛否が分かれるところだと思います。ボクの感想としては、許容範囲内だけど特に良かったわけでもない――という感じでしょうか。

ボクが違和感を感じたのはBGMじゃなくて、深田恭子の涙の方です。単純に安っぽい絵だな〜と感じました。(^^ゞ このシーンでは、深田恭子の“残酷さ”を描きたいという意図があったのかもしれません。2人がタバコを吸っているカットがありましたが、これも滝沢の悲劇性を高めるための演出なんでしょう。だったら、なおさら、あの涙は必要ないような気がします。

ちなみに、受験とセックスを対比させるというのは、いかにも野島さんらしい発想だし、恋愛の残酷さを描くのがこのドラマにおける野島さんのコンセプトなのかな、と思ったりします。――だとするなら、1〜3話における土井裕泰さんの台本解釈は爽やかすぎるということになります。深田恭子の解釈をめぐって、野島さんと土井さんの間で微妙なズレがあるようにも思えるのですが……、先の展開が分からないので、現時点ではなんとも言えません。ボクの思い違いかもしれません。(^^ゞ

話をBGMに戻します。海辺のシーンのBGMは「ダンシング・クイーン」でしたが、この曲が始まるタイミングというのが、ちょっと変わっていました。海辺のシーンの前のドライブインのシーンで、深田恭子と内山理名が「展開が早い?」などと会話をしていましたが、この会話の途中から始まっているんです。

松原浩さんは、これと同じような演出を「Summer Snow」最終回のラストでもやっていました。広末涼子が電車の中で泣いているところで、主題歌「夏の王様」が始まってしまう――というもの。これに関しては、当時も「変だ」という声がいくつかありましたが、今回もそれと同じなんですね。ボクの感想としては、許容範囲内だけど特に良かったわけでもない――さっきと同じこと書いていますね。(^^ゞ


01/02/10  愛犬ロシナンテの災難(5)

脚本:吉田智子(1)(5)、福田卓郎(2)、福田千津子(3)、西本洋子(4)、武田菜穂(4)
演出:大谷太郎(1)(3)(4)、細野英延(2)(5)

物語はあいかわらずいまひとつで、子供向けのドラマなのかな〜なんて思ってしまいます。しかし、小猿が死んでしまうクライマックスシーンは悪くなかったので、このシーンの演出の流れをまとめてみます。

(1) 小猿が息をひきとるところは、セリフなし、BGMなしで、無言の時間が流れる。
(2) 堂本剛の語りと同時に、BGMが静かに始まる。
(3) 「もし、しゃべることができたなら……」というセリフのところで、台詞回しやBGMのトーンが一気に強くなる。
(4) 「帰ろう、僕らは僕らのところへ」のところで、BGMが終わる。
(5) 再び、セリフなし、BGMなしが続いて、余韻を残す。

どうです。なかなかスタイリッシュな演出でしょう。ポイントは(1)と(3)です。(1)は、猿の表情が良かったので、派手なことをしないで無言で押していくというのが、功を奏したようです。あくまでも無言であって、無音ではないことも重要です。「SOS」第4話の噴水のシーンみたいに、すべての音声をミュートして無音にしてしまうと、わざとらしく感じたかもしれません。

(3)は、台本解釈の問題です。つまり、台本を読んだ時点で、このセリフに注目した細野英延さんの解釈が光る演出だったといえるでしょう。人間というのは概して、死ぬ前に言葉を残したいという欲望を持っていますが、だからこそ、黙って死んでいく動物が不憫に思えるわけです。今回の演出は、そのことを見抜いていた好演出だといえるでしょう。

ただし、(4)のところで、BGMの終了と同時に、ライフル銃を折りたたむ音が挿入されていました。好みの問題ですが、ボクは必要なかったと思います。あの部分だけ、トゥーマッチな印象を受けました。(^^ゞ

こういうシーンって「堂本剛の演技がすばらしい」で、片づけられちゃうことが多いのですが、ボクとしては、こういうシーンこそ、演出が重要なんだと思います。ただし、演出の上手さなんてものは一般視聴者に気付かれない方が良い、とも言えます。特撮〜CG系のスタッフが「特撮だとバレないときが一番嬉しい」などと言うのと同じです。――そういえば、テレビドラマデータベースの掲示板1に、「脚本や演出はこの際どうでもいいと思えるくらい、堂本剛の演技に圧倒された」と書かれている方がいました。(^_^;)

――ちなみに、ボクは(3)のところで、ちょっともらい泣きしてしまいましたが、それでも頭の片隅では「BGMが強くなってる……」などと思ってたりするわけです。ボクも、一般視聴者なんですけどね〜。(^_^;)

つまらないツッコミを一つ。第1話で「動物を飼うと旅行にも行けなくなる」というセリフがあったと思うのですが、今回は全員で旅行していました。ちょっと抵抗感があります。特に、安部なつみが飼っている犬に関して、何かエクスキューズはあったのでしょうか? まあ、エクスキューズかあればOKっていう問題じゃないんですが。(^^ゞ


01/02/11  白い影(5)

脚本:龍居由佳里
演出:吉田健(1)(2)(5)、平野俊一(3)、福澤克雄(4)

先週とは打って変わって、1〜2話から感じられた落ち着いた演出に戻っていました。(笑) 大映テイスト(?)の福澤演出も好きですが、こういう演出も悪くないです。――傾向が異なる演出が共存していて、双方がそれなりに説得力を持っている、というのがこのドラマの楽しみ方かも。連ドラにおける演出家の違いを楽しむ、という意味では良いテキストになりそうなドラマでしょう。(^_^;)

いかりや長介がハーモニカを吹いているシーンは、吉田健さんのが良く出ているシーンです。“学校音楽ノスタルジー”とでも呼んだら良いのでしょうか。川岸、水辺、土手といったロケーション選びのセンスも、これと連動している吉田健カラーといえるでしょう。去年の「君が教えてくれたこと」などもそうですが、古くは94年の「人間・失格」などにも通じるテイストです。それ以前の作品だと、……ボクの守備範囲外です。(^^ゞ


01/02/13  女子アナ。(6)

脚本:前川洋一(1)(2)(6)、金子ありさ(3)(6)
演出:西谷弘(1)(2)(4)(6)、土方政人(3)(5)

第2話の日誌にもちょっと書いたのですが、本間勇輔さんの音楽が、新境地開拓っぽくて要注目です。ボクが特に好きなのが、シリアスシーンで流れている、シンセ+ピアノによるアンビエント風の曲です。この第6話は、全体的にシリアス重視の脚本だったので、この曲がガンガン流れていていました。――サントラ盤が買いたくなりました。(^^ゞ

ともさかりえの冷え切ったギャグなど、見どころはたくさんあったのですが、他の人が言わなそうなことを一つだけ指摘しておくと、西谷弘さんは吉沢悠の演出に愛情(?)を注いでいるようです。第4話のときもそう思ったのですが、吉沢悠関連のカット割りに手間ヒマをかけているように感じます。冒頭のカレーのシーン(「旨いじゃん!」)なども、脚本に書いてあったとは思えません。撮影現場で付け加えたアイデアなのではないでしょうか。

それ以外のシーンでも、吉沢悠のために1カット余計に撮っている――という印象が強いです(あくまでも印象なので厳密な話ではありません!)。たとえば、吉沢悠と伊藤英明が廊下で争そうシーンなども、物語の展開上必要なカットに“プラスアルファ”があったと思います。もちろん、今期の吉沢悠は注目に値する仕事をしていると思うので、西谷さんの判断は間違っていないと思います。(^^)


01/02/13  2001年のおとこ運(6)

演出:中島悟(1)(2)(5)、飯島真一(3)(4)、三宅喜重(6)

三宅喜重さんは、関テレ枠以外で見たことがないので(多分)、関テレ所属の人なのだと思われます。カット割りやカメラワークなど、比較的ていねいに演出されているようです。今回、気になったのは山本未来です。他の回よりも表情とか演技がヴィヴィッドになっているような気がしました。(^^ゞ


01/02/14  shin-D Ryo〜恋の季節(2)

演出:大野哲哉(1)、相沢淳(2)

「第1話と同じ人が演出してるとは思えない」と思いながら、エンドロールをドキドキしながら見つめていたら、やはり別の人でした。(^^ゞ 第1話とは違って、お芝居のニュアンスがイマイチでした。カット割りなど、全体的に演出が雑になったような気がします。まあ、第2話以降で演出のクオリティが下がるのは、連ドラではあたりまえのことなんですけど……。

第1話は、表情アップを効果的に挿入して、お芝居に微妙なニュアンスを付け加えていたんですが、第2話ではその辺がイマイチ。これは、上手い下手というよりはセンスの問題でしょうか。特に、宮崎将の使い方が雑になったように思います。椎名法子の芝居は特に変わっていないと思いますが、決めの表情アップにかぎって言えば、第1話の方が良かったような気もします……。ただし、この辺はボクの方の気分の問題かもしれません。

なお、ドタバタの部分に関しては、芝居のライブ感を重視した演出で悪くなかったと思います。相沢淳さんは1年ほど前に、shin-D枠で「未来からのラブレター」(2000/1/24参照)の演出をしていた人ですが、そのときも家庭内コントの演出が上手かったのを思い出します。


01/02/16  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(6)

演出:土井裕泰(1)(2)(3)(6)、松原浩(4)(5)

4〜5話に比べると、仕掛けの少ないジミ〜な演出になっていたように思います。(^^) 松原さんのように、オレンジ色を強調するようなところもないし、BGM面での遊びもなかったです。

雨の中に立ち尽くす深田恭子に滝沢秀明が赤い傘を持ってくるシーンに顕著ですが、土井さんはオレンジではなくイチゴ色にこだわっているようです。このシーンにおける引きのカットは、オープニングのタイトル(廊下にイチゴ)の色彩感に酷似していました。

土井さんが演出した回の方が、滝沢秀樹の仕種に微妙なユーモアがあるような気もするのですが……、どうなんでしょう? この回で、「拝啓って、どう書くんだっけ」というセリフがありましたが、こういうセリフは脚本じゃなくて、土井さんのアイデアなんじゃないでしょうか。物語の流れから、微妙にハミ出す生活臭いニュアンスを重視しているような気がします。

また、土井さんの場合、滝沢秀明に限らず、白黒がハッキリした明快な演技を要求していないような気がします。「自然で作りすぎない演技=複雑なニュアンスを重んじて、明快な解釈を拒否するような演技」とでも言えるような傾向があるような……。(^_^;)

この日誌を書くに当たって、公式サイトに情報収集に行ってきました。(^^ゞ ボクが目を通した範囲では、滝沢秀明が一番、理知的なことを言っていました。

僕の印象では、今までの野島作品はすごく悲劇的な部分が多かったのですが、このドラマはすごくポップなんです。でも、伝え方は今までの作品と同じ部分もあると思います。SOSは台本だけ読むとすごく暗く感じますが、出来上がりはとても明るくてビックリしました。でも、明るい中にも複雑な気持ちが隠れていたり、暗いシーンをあえて明るくすることもあります。最初はそういうのに抵抗があったんですが、今は逆に、切ない部分はあえて笑う方が切ないのかな…なんて気づきました。芝居の面で、たくさん勉強になっています。

この発言は、野島さんについて語ったというよりは、土井さんの演出について語ったと解釈した方が、分かりやすいと思います。言葉遣いのレベルで見れば、伊藤Pの発言の方がインテリっぽいのですが、伊藤Pに限らず、プロデューサーの発言には、山師っぽいウサン臭さを感じることが多いです。(^^ゞ むしろ、滝沢秀明の方が、シンプルな言葉で物事の本質を語っているような気がするのですが、買いかぶりすぎ……? (@_@)

ところで、土井さんの演出(解釈)が、野島脚本の解釈として成功しているかと問われると、微妙な感じもします。滝沢秀明が言っているように、台本はもっと暗いわけです。土井さんは、このドラマを、野島さんの意図以上に“青春ドラマ的”にしちゃったような気もするのですが……? 土井さんの青春ドラマ的な解釈に惹かれて、このドラマを見ている人にとって、今後予想される野島的展開は邪魔なものかもしれないです。(^_-)

http://www.tbs.co.jp/sos2001/


01/02/17  愛犬ロシナンテの災難(6)

脚本:吉田智子(1)(5)、福田卓郎(2)、福田千津子(3)(6)、西本洋子(4)、武田菜穂(4)
演出:大谷太郎(1)(3)(4)(6)、細野英延(2)(5)

今回はめずらしく脚本が面白かったので、ちょこっとだけ「土曜のW談・脚本倶楽部」の開幕です。(^_-) ただし“W”が適切なのかどうかは分かりません。(笑)

子供向けドラマみたいだと感じることが多かったのですが、今回の北村総一郎さんのセリフは徹頭徹尾、大人のドラマでした。「執着心というのは、人間の感情の中で、もっとも厄介な感情だ」というヤツです。なかなか深みのあるテーマだと思います。一人の脚本家の生涯テーマになりうるような可能性を感じます。

福田千寿子さんついては、「伝説の教師」第2話の日誌(00/04/22)でも注目しておきましたが、あの時のテーマはソウルメイトでした。つまり福田さんは、そこでも、友達に対する“執着心”を書いていたわけです。多分、執着心というのが、福田さんの人間観の基本にあるのかもしれません。(^^)(福田さんのことは、00/05/13の第5話の日誌にも書いてあります)

今回の物語に関していえば、根津甚八が馬に執着していく過程が実に上手く描かれていたと思います。出会いと別れを繰り返すこと、やり直しのきかない過去を積み重ねること――、つまり“失うこと”によって、執着心が増殖していくというプロセスがリアルでした。(「伝説の教師」第2話の日誌を読み返してみたら、これと同じようなことを書いていたので、笑ってしまいました。^^;)

薬物中毒患者だって、薬物を断つことによって「やっぱり薬がないとダメだ」っていうことを、逆に学習してしまうわけです。(^^) この回の根津甚八の演技からは、そうした“中毒患者”っぽいニュアンスも感じられたので、人間の業というものに迫ったドラマのようにも思えました。執着=依存と考えれば、このテーマの深さが、より分かってもらえると思います。

誤解のないように書いておくと、執着心をテーマにしていることがスゴイのではありません。執着心が増殖していくメカニズムをキッチリ捕らえているところがスゴイんです。ちなみに、この観点を押し進めるなら、人間は歳をとるにしたがって執着心が強くなる――という結論になります。

――このドラマの解釈としては、かなりムリがあるとは思いますが、ボクとしては脚本家・福田千寿子さんの可能性を過剰に解釈したいです。(^_^) 大森美香さんといい、福田さんといい、今期は脚本家に新世代の誕生を感じます。


01/02/18  仮面ライダーアギト(3)

脚本:井上敏樹
監督:田崎竜太(1)(2)、長石多可男(3)(4)、六車俊治
助監督:鈴村展弘、斉藤滋嗣、近藤信子
アクション監督:山田一善
プロデュース:松田佐栄子(テレ朝)、白倉伸一郎、武部直美、塚田英明
出演:賀集利樹、要潤、友井雄亮、秋山莉奈、田辺季正、升毅、藤田瞳子
音楽:佐橋俊彦
制作:テレビ朝日、東映、ASATSU-DK
関東放送枠:テレ朝・日曜朝8時

 やっぱ長石さん!

やっぱり、長石多可男さんはいいですね〜。(^^) 表情のニュアンスで芝居を組み立てていくセンスが違います。第1話のときは、誰が主役(アギト)なのかも分からないまま終わっちゃったんですが、3〜4話を通じて、三宅健みたいな顔をした主役の青年やその他の登場人物に親しみが感じられるようになりました。まあ、これは脚本展開上の事情もあるので、単純に演出だけの問題じゃないですけど、それでも、長石さんの功績も無視できないと思います。

第3話では、ローアングル〜手持ち撮影風のカメラワークを多用していたほか、戦闘シーンで、顔に照明(スポットライト)を当てるなど、映像的にも見るものがたくさんありました。事件現場に、捜査官が集まっているシーンの絵面(えづら)などは、2時間ものサスペンスみたいな雰囲気もあります。――要するに、3〜4話は特撮ヒーロー物っぽくない雰囲気が濃厚だったということになります。

主役の青年が、金城武みたいな顔をした準主役(要潤)に漬物を勧めるシーン(第4話)などは、簡易共テレ風のカット割りになっていました(貧乏臭い月8みたいな趣きも……?)。この路線を押し進めると、ものすごくヘンテコな特撮ヒーロー物になってしまいそうですが、ボクは特撮ファンじゃないから、一向に構いません。(^_-)

 読めない名前をめぐって

ところで、三宅健顔の主人公の俳優名が読めなかったので、公式サイト(テレ朝)で調べました。(こんなことやってるから更新が進まない。^^;) 賀集利樹(かしゅう・としき)と読むそうです。そういえば、升毅(ます・たけし)も最初は読めなかったことを思い出します。蛇足ですが、V6にいる人は三宅健(みやけ・けん)で、アトピー関係の本を書いている人は三宅健(みやけ・たけし)。同じくV6にいるのが森田剛(もりた・ごう)ですが、明日香出版社のホームページに出てくる編集部の森田剛は……ルビがないので分かりません。(^_^;) 日本語は難しい……。

で、一番のニュースはここからです。(^^) ついでに、東映の公式サイトを見てみたら、次週の演出をするテレ朝の六車俊治さんに、“むぐるま・しゅんじ”とルビがついていました。これでやっと長年の謎が解決です。(^^ゞ 最初は“ろくぐるま・としはる”って読んでたのが、ここの掲示板の指摘で“むぐるま・としはる”と読むようになって、今回“むぐるま・しゅんじ”に確定――長い道程でした。おかげさまで、うちのパソコンでは、どの読みでも一発変換できます。(笑)

前々から思っているのですが、アブノーマルな名前にルビ付けを義務づける法律とかは作れないものでしょうか? 通称は“河相我聞法”です。(笑) 念のために書いておくと“かわい”じゃなくて“かあい”と読むのが正解です。僅かな差ですが、これによってタレント名鑑の掲載位置とかが何ページも違ってきます。これに泣かされた編集者/校正者は100人くらいいるでしょう。世の中には、タイプミスだと勘違いして、無断で“かあい”を“かわい”に直しちゃう人もいるから、後で大ゲンカになっちゃったりするワケです。(^_^;)

 その他

バカ話はこのくらいにして演出の話に戻ります。「クウガ」終了とともに、日曜朝ドラマからは解放されたいと思っていたのですが、六車さんの名前があったばっかりに、今後1年間付き合うハメになるのでしょうか。六車さんが1年間「アギト」に拘束されてしまうのは、嬉しいような悲しいような……。ただ、長石さんと六車さんの2人が、ドラマの雰囲気を大きく変えてしまうような可能性も感じられて、その辺の葛藤が楽しみだったりします。もしも、「仮面ライダー」が月8だったら?――みたいな世界を期待してます。(^^)

さて、六車演出第1弾の第5話は、「グッドニュース」「QUIZ」「涙をふいて」で、おなじみの子役、神木隆之介も出るみたいなので、ますますフツーのドラマっぽくなりそうな気配です。神木隆之介って、不気味な可愛さがあるから、悪役とかでも行けそうです。

蛇足。
東映の公式サイトの「あぎと日記」に紹介されている、太一役(升毅の息子)の田辺季正(たなべ・ときまさ)のエピソードが面白いです。これを読んだら、次週から注目したくなっちゃいました。(^^ゞ 同じく東映サイトの第3話のストーリー紹介に“『クウガ』との「時間軸の矛盾」について”という一文があります。そんなことにいちいちエクスキューズしないといけないのが特撮の世界なんでしょうか。でも、内部事情が少し書いてあるので面白いです。(^^) ところで、テレ朝の公式サイトにあるスタッフ紹介に、六車さんの名前がないのはどうして?

http://www.toei-group.co.jp/tv/agito/
http://www.tv-asahi.co.jp/agito/


01/02/18  史上最悪のデート(11)

脚本:田中一彦
演出:都築淳一(1)(2)(4)(7)(9)(11)、松田秀知(3)(5)(6)(8)(10)
出演:赤西仁、鷲尾真知子、こずえ鈴、提箸一平、橋田康

赤西仁のことをちょっと見直してしまいました。「諭吉」ではあまり存在感が感じられない人ですが、このドラマでのコミカルな表情演技には好感が持てました。予想外に良かったという意味では、先週やった生田斗真もそうです。彼の場合も、表情演技に力が入っていました(演出:松田秀知)。このドラマは全体的に脚本〜ネタがイマイチなので、表情とかキャラクターに面白味がないと、見ていてツライです。この番組が1時間モノだったら、とっくに脱落していると思います。(^_^;)

この回は、音楽の教科書に載っているような曲をBGMに多用していましたが、これは、やはり都築さんが演出した第7話(村上信五)と同じです。マンガっぽい構図とか、人物の動きを早回しで処理するセンスも、1〜2話の頃より向上しているような気もします。

ところで、この番組には公式サイトがあって、プロデューサーの荻野哲弘さんが毎週、制作裏話を書いています。「shin-D」の公式サイトを見に行ったときに偶然見つけたのですが、なかなか面白いです。生田斗真が「自分の現場は自分で作る」と言って、スタッフと一緒に雪かきをやったとか、都築さんが「赤西君は、積極的でいいですよ」と絶賛したとか……。この手の記事は、額面通りに受け取れないケースが多いのですが、赤西仁に対する賛辞が単なる社交辞令でないことは、ドラマの出来を見ればわかります。(^^ゞ

ドラマを見るだけでも大変なので、ボクの場合、公式サイトとかはあまりチェックしていないのですが、やっぱり多少はチェックした方が良いみたいです。(T_T) 他の公式サイトでオススメのところがあったら、掲示板等で教えてください。>読者の皆さん。

http://www.ntv.co.jp/s-date/


01/02/20  女子アナ。(7)

脚本:前川洋一(1)(2)(6)、金子ありさ(3)(6)、十川誠志(7)
演出:西谷弘(1)(2)(4)(6)、土方政人(3)(5)(7)

今週の土方政人さんは、「ショムニ」的な演出でグイグイ押してましたね〜。(^_^;) BGMのオンとオフをやたらと強調するところも、前日に見た「HERO」(鈴木雅之D)を思い出してしまいました。現代音楽〜ミニマル・ミュージック風のリフ(リフレイン)を断片的に利用する――という手法は、音のモンタージュ理論と言えるのでしょうか?(笑)

 反復(リフ)→切断→反復→切断→

……という、反復と切断の落差を強調する手法というのは、「ショムニ」あたりで確立された手法だと思うのですが、そのオリジネイターは鈴木さん(と土方さん?)ということになるんでしょうか。この手法を、ボクは勝手に“BGMのダブ的使用=ダブ効果”と呼んでいます。(^_^;)

生放送中のトラブルを同時進行的に描くストーリーは、この種のドラマとしては定番の一つと言えなくもないのですが、「ラジオの時間」的なコメディに仕上げたところがオイシイです。登場人物全員のキャラが立っている「女子アナ。」だからこそ、この定番が生きるわけです。このドラマは、魅力的なキャラが多いから、こういうシチュエーション物に挑戦したかったというスタッフ(土方さん?)の気持ちが、伝わってくるような気がしました。

今回はコメディ重視ということで、物語的には強引〜不自然〜大人げない部分もありましたが、TK(タイムキーパー)の屈折した心情にひかりを当てていたところには、ちょっと感心しました。「トラブルが起これば視聴率が上がる」みたいな言葉にムッとする心理は、わかるような気がします。華やかな業界における職種のヒエラルキーというのは、意外と根深いのかもしれません。――ただ、吉沢悠に恋心を抱くという部分は必要なかったと思います。(^_^;) まあ、水野美紀&吉沢悠の関係というのは、今後展開する四角関係の伏線なんでしょうが。

大友康平も良い味を出していましたが、「FLY」後半でコメディ演技に挑戦した経験がモノをいっているんだと想像します。(^^ゞ――いずれにしても、このドラマは基本的な設定やキャスティングがよくできているので、シリアス/コメディの両面でいろいろと冒険できる可能性を秘めています。できることなら、SP版〜続編が可能になる程度の視聴率を取ってほしいです。

ちなみに、ボクの予想では、終盤にヘビーなエピソードが来そうな気がするのですが、どんなもんでしょう。先日再放送された「踊る大捜査線」第10話みたいな演出とか。……ボクの予想は当たらないことが多いですけど。(^^ゞ


01/02/20  もう一度キス(7)

脚本:梅田みか
演出:星田良子、三木茂(7)のみ
制作統括:小松隆一、一井久司
プロデューサー:中山和記
制作協力:KBS
共同制作:NHKエンタープライズ21、共同テレビジョン
関東放送枠:NHK総合・火曜夜23時

このドラマにコメントするのは、これが初めてです。星田良子さんの演出が金太郎飴みたいに思えてきて、ちょっとしつこさを感じていたのですが、そのせいか、今回の三木茂さんの演出に解放感を感じてしまいました。(^^ゞ 映像の質感が、星田演出よりもノーマルでクリアな感じになっていたほか、色調も暖色系のシーンが多かったように思います。窪塚洋介の顔色とかも茶色っぽい感じが多くて、ちょっと健康的になったように見えました。(^^)

カット割り〜カメラワークなども、ギミック的な要素が減って、落ち着いた感じになっていました。とはいっても、演出のクオリティが落ちたという感じはしなくて、むしろ、お芝居の緊張感などは今回の方が高かったんじゃないかという気もします。たとえば、病室のシーンでは、国分佐知子や柏原収史の表情などに、今までとは違う緊張感があったような気がします。

このドラマは、窪塚洋介のアイドルビデオみたいな甘ったるいムードが強すぎて、その部分に抵抗を感じていたのですが、この回はそうした甘ったるさが抑えられていたということです。この意味では、三木さんの自己主張が強く感じられる演出だったと思います。

それにしても、このドラマの設定やストーリーには、古典的なメロドラマっぽさを感じてしまいます。トレンディドラマじゃなくてメロドラマです。ボクが子どもの頃にテレビで見た「慕情」とか「ローマの休日」みたいな映画と、雰囲気が近いような気もします。ただし、映画の内容は完全に忘れていて、漠然としたイメージが脳裏に残っているだけなので、まったくの見当違いかもしれません。(^^ゞ スティーブ・バラカットとかいう人のピアノ曲が、古っぽい印象を強くしているのかもしれません(曲自体は悪くないと思います)。

星田さんの演出は好きなんですが、このドラマに関しては、三木さんの演出の方に親しみを感じました。三木さんといえば、星田さんと一緒に、モーニング娘。の5分ドラマを演出していたような記憶があります。現在は「ココだけの話」で何話か演出しています。


01/02/21  shin-D Ryo〜恋の季節(3)

演出:大野哲哉(1)、相沢淳(2)、武澤忠(3)
演出補:清水卓(1)(2)、相沢淳(3)

う〜ん。(>_<) 「今週も演出のタッチが違ってる〜」と思っていたら、やっぱり演出家も替わっていました。椎名法子と宮崎将の微妙なニュアンスをきっちり押さえていたのは第1話の大野哲哉さんだけで、その後はどうもイマイチです。(_ _) 椎名法子自体は悪くないのですが、でも、椎名法子が一番良かったのは第何話かと聞かれれば、第1話だっていう話になっちゃうのがツライところ。第1話のラストなんて実に味のある表情をしてました。――こうなってくると、極端にデフォルメされた映像も無意味に思えてきます。

今回演出していた武澤忠さんは初めて見る名前ですが、これが初演出なのでしょうか。「いろいろやってみたい」という意欲が伝わってくるカット割り〜カメラワークにはなっていて、特に椎名法子のアイドルビデオみたいな部分は、それなりに楽しめました。ただ、全体的には荒削りな感じです。宮崎将のキャラも第1話とは別人のようになっていて、ガサツな感じがしました。もちろん、第1話のキャラの方が良かったです。

この日誌を読んで、このドラマを第2話から見始めた方がいらしたら、申し訳ありません。でも、細かな演出にこだわらなければ「第1話だって、たいして変わらない」と思う人もいると思います。(^^ゞ ――自分の感性が心配になったので、第1話のビデオを軽く見直してみました。やはり第1話は良いです。お芝居のノリにエロチックな緊張感があるし、BGMがあるシーンと、ないシーンの使い分けも良いです。映像に絵心も感じられるし、生活臭さ〜臨場感が伝わってくるのも第1話です。ドラマ全体に独特の詩情が漂っていました。

第4話(最終回)は誰が演出するのでしょうか? それが問題です。


01/02/22  カバチタレ!(7)

演出:武内英樹(1)(2)(5)(7)、水田成英(3)(4)(6)

大雑把な議論だという前提で言うなら、このドラマの柱は3つあると思います。1番目は事件〜ストーリー物の部分、2番目はコメディの部分、3番目は内省〜モノローグ劇の部分です。常盤貴子と深津絵里の人間観を対比させる部分は、主に3番目に属します。これだけ多様な要素を盛り込むと、消化不良を起こしてしまうケースが多いと思うのですが、このドラマに関しては、違和感なくスッキリ見れてしまうところがスゴイです。

見方によっては、かなりヘンテコなドラマだと言えなくはありません。食べ物でいえば、キムチ鍋とショートケーキを同時に食べさせられているような感じです。面白いのは、そのことに文句を言っている人を見掛けたことがないことです。つまり、それだけ脚本・演出が巧みだということなんでしょうか。

大森美香さんは、AD出身の脚本家で、今でも第一志望は監督業だと発言していますが、このドラマがスッキリ見れてしまう要因は、その辺にあるのかもしれません。ドラマ制作の過程を熟知しているがゆえに、脚本段階のイメージと完成作品のギャップが最小限に抑えられる。その結果、複雑で緻密な脚本構成が可能になる――というメカニズムです。もちろん、ボクの勝手な想像なので、実際はどうなんだか知りませんけどね。(*^_^*) それにしても、監督志望の人がこんなにユニークな脚本を書いてしまうと、脚本家志望の人たちは困っちゃうかもしれません。

このドラマの演出は2人ですが、かなり意図的に演出のテイストを違えているみたいです。武内英樹さんは、共テレ風の派手なカメラワークとロックンロール系のBGMを多用して、コメディシーンをコテコテに仕上げています。そして、シリアスシーンでも、セリフをモノローグ風に処理するなど、強引な(?)手法でドラマにまとまりをつけているという感じです。脚本も、そんな演出に合わせて書かれているみたいで、たとえば、篠原涼子の登場シーンが多いのは武内さんの担当回です。

それに対して、水田成英さんの担当回では、ストリングス系のBGMが多くて全体的にしっとりとしたテイストに仕上がっています。篠原涼子が登場しない回も何回かありましたが、水田さんのしっとり志向に合わせているのでしょう。どうしてここまで作風に差をつけるのか理由が分かりませんが、一部の演出家マニアのためのサービスなんでしょうか? 特に、武内さんの場合、過去の演出作品と比較しても、明らかに作風が違うわけで、ますます謎が深まります。まあ、どうでもいい謎なんですが……。(^J^)

この回では冒頭のコンビニのシーンが印象的でした。コンビニ店内のギャグは共テレ風の演出で笑わせておいて、陣内孝則が帰って行くシーンでは唐突にモノローグ劇になってしまいます。この辺の展開の強引さが「カバチタレ!」というドラマの特徴です。しかもこのシーンのモノローグは、常盤貴子のロマンチックなモノローグを陣内孝則のモノローグが否定するという構造になっていました。常盤貴子の少女的な夢想癖に対して、「大人が空想するのは、ツライ現実から目をそらすためであり、現実逃避だ」と。そして、これが、この第7話全体のモチーフになっているワケです。(^^)

もう一つ印象に残ったのは、階段の手すりです。(^^ゞ 山下智久のアパートの部屋の前まで来た香里奈は、結局会わないで帰るワケですが、その際に階段の手すりに手をやるカットが挿入されます。そしてその後、アパートを飛び出す山下智久が同じ手すりに手をやるというカットが登場しました。なかなかロマンチックというか渋い演出です。ボクはこういう演出、好きですね。(^^ゞ

あと、キーホルダーを指でくるくる回すカットもえらく印象に残りました。これは大森さんのアイデアなんでしょうか。手すりの一件もそうですが、こういう些細なところに着目するセンスが、このドラマの奥行きを深くしています。かと思えば、5〜6話に出てきた湖のエピソードみたいな、観念的なセリフもあったりするから手強いです。(^^ゞ


01/02/23  ビッグウイング(7)

脚本:矢島正雄(1)(2)、武田百合子(3)(7)
演出:森田光則(1)、倉貫健二郎(2)、富田勝典(3)、高野英治(8)、松田礼人(7)

CMで見た河相我聞の病的な顔がすごかったので、久しぶりにちゃんと見ました。(^^) 河相我聞が内田有紀と共演するのは「時をかける少女」(94年・フジ、脚本:君塚良一)以来です。また、柏原崇も「青春の影」(94年・テレ朝、脚本:君塚良一)で河相我聞と共演しています。そういう意味では、同窓会的な顔ぶれがそろったといえます。これで、袴田吉彦が出てくれればいうことないんですけど。(^^)

で、河相我聞の顔はCM以上に病的で、それだけでも一見の価値ありでした。本人の演技もさることながら、演出スタッフ特にメイクさんの力も大きかったと思います。彼は1カ月くらい前にテレビ東京の2時間ドラマにも出ていて、そこでも障害者の役をやっていました。ボクは見なかったのですが、新聞の紹介欄に「河相我聞の演技が良い」と書いてありました。この分だと、この先も病人役のオファーが続きそうです。(^^ゞ

この回を演出していた松田礼人さんの名前は、どこかで見覚えがあるような気もするのですが思い出せません。全体的な傾向として、画面が暗さが印象に残りました。第1話の頃は、画面全体が明るかったような印象〜記憶があるのですが、この回は医務室や事務室など、セットのシーンでも画面が暗めで、表情を撮るにしても、光の陰影を強調した映像になっていたようです。ラスト近くに出てきた、河相我聞を見送るシーンはロケですが、ここでも内田有紀の表情アップは、暗い感じになっていました。

ただし、次週予告でも画面の明るさに差は感じられなかったので、この回だけの傾向ではないみたいです。または、単にボクの思い違いなのかもしれません。ただ、河相我聞の部屋が極端に暗かったのは松田さんの意向でしょう。変わっていたといえば、評判の悪かったハメコミ合成の画面にも改善が見られました。第1話のようなクリアな映像じゃなくて、霞がかかったような映像になっていました。こちらは思い違いではないと思います。(^^)

この回は脚本にも注目していました。「君が教えてくれたこと」が面白かった要因の一つに武田百合子さんの脚本があったと考えていたからです。今回は同じ障害者ネタだし、武田さんの得意ジャンルだと思えました。

結論を言えば、かなり健闘していたと思います。特に、内田有紀が河相我聞を説得するシーンには思案の跡が感じられました。このドラマはハッピーエンドが基本なので、そこは動かせないのですが、会話の内容だけを見るとまったくハッピーエンドになっていないところが渋いです。このシーンの最後は、「やっぱりつらい」とこぼす河相我聞を内田有紀が抱きしめるというものでした。間違っても「俺、がんばるよ!」みたいな展開にしなかったところに武田さんの意地が感じられます。(^^)

このシーンは、松田さんの演出も悪くなかったのですが、1ヶ所だけ気になるところがありました。会話の途中でBGMが始まるのですが、そのタイミングがわざとらしくて、もう少しさりげない感じにできないものかと思いました。しかも、BGMと同時に照明が明るくなったりするから、ますますウソ臭い印象が強くなってしまいました。とはいえ、河相我聞関連のエピソードに限っていえば、松田さんの演出は悪くなかったと思います。カメラワークなどにも工夫が感じられました。(演奏のシーンを除く。^^;)

そしてなにより、「君が教えてくれたこと」において、武田百合子さんが果たした役割の大きさが、このドラマで再確認できました。(^^ゞ


01/02/23  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(7)

演出:土井裕泰(1)(2)(3)(6)(7)、松原浩(4)(5)

今回初めて気がついたのですが、BGMなしで始まって、会話の途中でBGMが穏やかにスタートする――というパターンがやたらと多かったです。

窪塚洋介と滝沢秀明のシーンで日常会話的なギャグを挟み込むセンスは、野島さんの脚本というよりは、土井さんのアイデアっぽいような気がします。いわゆる“作りすぎない”という感覚です。(^^ゞ それから、やはり、土井さんの演出した回の方が滝沢秀明の演技のニュアンスに味があるような気がします。深田恭子の方はそんなに差がないように思いますが。

窪塚洋介が深田恭子に別れを告げる公園のシーンは、ピンクっぽいフィルターがかかっていたようです。松原さんが重要なシーンでオレンジ系の色を強調するのに対して、土井さんは淡いピンク系だと言えそうです。(^^ゞ

このシーンの窪塚洋介のセリフは前後の流れからみれば、深田恭子のためにあえてキツイことを言った――と解釈するべきなんでしょうが、ボクには妙にリアルに感じられました。このドラマには、野島ドラマ特有の悪人キャラが登場しませんが、あえて言うなら、深田恭子が一番“悪魔的”だからです。窪塚のセリフはその辺のことを的確に突いていたと思います。このドラマの登場人物は、みんな深田恭子に振り回されていると言えなくもないし、野島さんもそのことを意識して物語を組み立てているような気がします。滝沢秀明や内山理名の悪意には、ある種の愛おしさを抱くことができますが、深田恭子の無邪気さには無理でしょう?

それにしても、このドラマの野島さんは本当に凄いです。野島さんはもともと、ユニークなシチュエーションを考えるのが上手い脚本家で、古くは「すてきな片想い」なんて例もありますが、今回はその才能が全面開花しています。物語は確実に展開しているのですが、展開する度に、特異なシチュエーションが新たに成立します。スゴイです。この点は、これまでの野島ドラマの中でも傑出していると思います。――この回で言えば、内山理名が、滝沢秀明がでっち上げた恋人に成りすまして、文通の継続を望む返事を書くという展開がそれに当たります。

この回のラストカットは、イチゴを食べながら涙を流す滝沢秀明の姿でしたが、このドラマのコンセプトを象徴しているカットだったと思います。“イチゴ=恋愛=神が人間に与えた罰”というワケです。野島さんはやたらと“真実の愛”にこだわる人ですが、恋愛と真実の愛は別物だと考えているようです。むしろ、人間の恋愛感情に対してはかなり醒めた視点を持っているみたいです。だから、このドラマも、恋愛を通じて成長する――みたいな青春物語には絶対にならないと思います。(^^ゞ 一言で言うと、聖書〜キリスト教的な世界観・恋愛観なんですが……、市川森一さんが野島ドラマをどう思っているのか聞いてみたいです。(^^)

あと、窪塚洋介が感情を爆発させるシーンもインパクトがありました。やっぱ、この人は上手なんだな〜ちょっと田村正和系だけど――などと感心しながら見てました。(~_~;)


01/02/24  愛犬ロシナンテの災難(7)

脚本:福田卓郎(2)(7)
演出:大谷太郎(1)(3)(4)(6)、細野英延(2)(5)、水田伸生(7)

かぶりモノを使ってみたり、セットが暗転させてみたり――、いつもの「ロシナンテ」とは違う演出でした。その他でも、ドタバタコメディ的な要素が強くなっていました。というワケで、第3の演出家の登場を予感して、エンドロールを見たら、水田伸生さんの名前が……。

半分驚きつつも、半分納得の結果です。水田さんといえば、「お熱いのがお好き」など、ドタバタ系コメディを多く手がけている演出家だからです。ただ、このドラマに登場するとは思っていなかったので、ビックリしたわけです。――制作サイドとしては、コメディの部分を強化したいという思惑があったのかもしれません。物語を含めた全体的な印象は、「有森冴子」みたいな人情ドラマ……という感じでしたが。(^^ゞ


01/02/25  仮面ライダーアギト(5)

監督:田崎竜太(1)(2)、長石多可男(3)(4)、六車俊治(5)

見終わったときには、頭がクラクラしました。(笑) ある程度予想していたことですが、えらく気合いの入った演出でした。六車俊治さんとしては、最初の一発目が大事だと考えたのでしょうか。六車カラーが濃厚に出ていた30分だったと思います。(^^ゞ

冒頭のシーンは、昔の特撮映画みたいなストリングス系の音楽がBGMに使われていて、はやばや1ポイントゲット!――という感じでした。(^^ゞ その後の家庭内ギャグのシーンは、鈴木雅之さんをちょっとB級っぽくしたようなカット割りになっていて、今後の「アギト」の方向性が見えてくるような思いがしました。(^^ゞ 「音無可憐」のようなコミックの実写版みたいなニュアンスもあったし、「カバチタレ」における武内英樹さんのコメディ演出などに近いものも感じます。(^^ゞ

警察のトラックに荷物を運び込んでいるシーンは、クレーンを使ったカメラワークで、BGMにはマーチ風の音楽が流れていました。これはもろに「踊る大捜査線」ですね。(^^ゞ

女性家庭教師(福澄美緒)を駅まで送っていくシーンでは、“都電がある風景”をフィーチャーして、下町っぽい生活臭さをねらっていたようです。ちょっとおおげさに言うなら、「男はつらいよ」の柴又みたいな雰囲気も感じられて、さくらが寅さんを駅まで送っていくシーンなどを連想しました。

よく考えて見ると、「クウガ」もそうですが、特撮ヒーロー物の画面から生活臭さを感じることはあまりないです。そういう部分も狙っているのかもしれませんが、どこか物足りなく感じることが多いです。「アギト」にしたって、升毅の一家が住む家から生活臭さはあまり感じられません。家庭菜園とか漬物とかいうアイテムに、生活感志向が感じられなくもないのですが、“臭い”感じがしないです。(^^ゞ

しかし、「男はつらいよ」みたいな空間に怪人が登場したら、異様なリアル感が生じるような気がします。(^^ゞ ひょっとして、六車さんはそういうことも視野に入れているのかもしれません。現実問題としては、下町の商店街で怪人のシーンを撮影するの難しいのかもしれませんが……。

空から人が落下するシーンも見ごたえありました。公園で砂遊びをする子どもの顔と落下する男の映像を、スローモーションで、モンタージュ風にカット編集していました。このシーン以外でも、アクション系のシーンでは、スローモーションを多用していたようです。最後の方の怪人登場のシーンも、スローモーション〜モンタージュ系のカット編集になっていて、特撮系戦闘シーンに鈍感なボクでもドキドキしました。(^^ゞ

で、その公園を警察が現場検証するシーン(夕方〜夜)では、画面全体が真っ暗になっていたのが印象的でした。このシーンは公園全体(被写体全体)の光を当てるのではなくて、パトカーのヘッドライトを模した光などを効果的に使っていました。照明にこだわりが感じられたシーンです。

こんな風に書いていくと切りがないので、この辺で止めますが、今回の演出の注目ポイントをもう1点だけ指摘しておきます。足元のアップの多用です。六車さんは「あぶない放課後」第10話でも、足元のアップを効果的に使っていましたが、今回の「アギト」第5話でも、足元に対するこだわりが感じられました。

女性家庭教師(福澄美緒)が元カレ(友井雄亮)に出くわすシーンもそうですが、ラストの戦闘シーンでも足元に注目です。アギトの足元アップから一気にカメラがズームアウトして、闘う2人(?)の俯瞰になる――というカットがありました。

そういえば、前回の日誌では当てずっぽうで、神木隆之介は悪役が似合いそうと書きましたが、本当に悪役でしたね。(*^_^*)

ところで……。

先ほど、東映の公式サイトを見てきたら、キャスティング表示のところにルビがたくさんついていました。前回の日誌で、名前の読み方についてグダグダ書いたことと関係あるのでしょうか?(笑) 気になって、テレ朝公式サイトのスタッフ欄を見たら、そちらも更新/訂正(?)されていました。――なんか、道を歩いていても無言の視線を感じる今日この頃。(笑)う〜む。(~_~;)


01/02/27  女子アナ。(8)

脚本:前川洋一(1)(2)(6)、金子ありさ(3)(6)(8)、十川誠志(7)
演出:西谷弘(1)(2)(4)(6)(8)、土方政人(3)(5)(7)

この回は、伊藤英明の表情やニュアンスに比重をおいた脚本・演出になっていました。終盤の展開に向けて四角関係のお膳立てを仕上げる――という意味合いを持っていたようです。

特に気になったのはエンドロール終了後のラストシーン。ともさかりえのセリフの音声処理がすごかったです。録音レベルが急に変わってしまって、録音ノイズ(テープヒス?)みたいな音がガンガン聞こえました。(笑) よくある手法の一つなんですが、ここまで派手にやるケースは少ないと思います。(^_^;)

音声系の演出の定番としては、踏み切りの警報機の音とか、救急車/パトカーのサイレンとか、電車やバイクの通過音とかがありますが、録音ノイズ系の効果音(音声処理)というのも、注目してみると面白いです。


01/02/28  ロケットボーイ(4)

演出:河毛俊作(1)(2)、田島大輔(3)(4)

演出が田島さんに替わった3・4話ですが、撮影再開後の3・4話といった方が適切なんでしょうね。(笑) 第3話で織田裕二が家族旅行に同行しないのは、入院と関係あるんじゃないかとか、いろいろ勘ぐりながら見てしまいます。(^_^.)

この第4話では、本当に(?)入院してしまうわけですが、入院の原因が骨折というのは中途半端な感じがします。どうしてヘルニアにしなかったんでしょうか。その方がギャグに幅が出てきて面白くなると思うのですが……。「お前、本当にヘルニアかよ」とか言って腰を突っつくとか。(笑)――そこまでやると、バラエティになっちゃうと考えて自制したのでしょうか。

で、田島さんの演出ですが、1・2話に比べると、簡易共テレ風のカメラワークが増えていました。特に第4話はそうです。「仮面ライダーアギト」の家庭内ギャグの演出に近い感じもします。鈴木雅之さんなどは、顔のアップを100%真っ正面から撮るケースが多いのに対して、田島さんは真っ正面を避けた顔アップを多用しているような感じがします。あと、車椅子のシーンでも広角レンズを多用していました。

シリアスっぽいテイストだった第3話に比べると、第4話は室内コント風のギャグを重視した出来映えで、現場の混乱ぶりが伝わってくるようでした。あと、これも、これもほとんど蛇足ですが、このドラマの織田裕二と「ロシナンテ」の堂本剛って、芸風が似ていると思いませんか?(^_^)
さらに、蛇足を続けると、「テレパル」誌では以前から田島大輔さんのことを、“田嶋”と表記していますが、なにか意味があるのでしょうか? 心配になって、ビデオで再確認しちゃいましたよ。でも、“島/嶋”の表記は難しいです。途中で換える人も多いし。(^^ゞ


01/02/28  shin-D Ryo〜恋の季節(4)[終]

演出:大野哲哉(1)(4)、相沢淳(2)、武澤忠(3)
演出補:清水卓(1)(2)、相沢淳(3)(4)

最終回は大野さんの演出に戻って、第1話のクオリティが戻ってきました。ただ、脚本に期待感が持てた第1話と、そうではない最終回とでは、どうしても印象が違ってきます。脚本に関しては、結局なんだったのかよく分からなかったです。登場人物の心理がまったく理解できません。

大野さんの演出については、すでに書いているので、特に付け加えることもありません。やはり、宮崎将の使い方が圧倒的に上手いです。椎名&宮崎のお芝居のニュアンス〜緊張感が、このドラマのキモなので、この部分の演出がしっかりしていれば、見れるドラマになるわけです。ただ、BGMの80年代洋楽がしつこく感じられたのが残念。あと、ラストシーンの“女になった”椎名法子の容姿もない方が良かったです。ボーイッシュな風貌が良かっただけに、興醒めしちゃいました。(^^ゞ


01/03/01  お前の諭吉が泣いている(8)

演出:今井和久、片山修、久野昌宏(8)

このドラマはちゃんと見ていないので、ハッキリしたことは言えないのですが、3〜4話の頃と比較して、脚本のクオリティが落ちているような気がします。特にギャグ〜コントの類いが安直すぎます。ちょっと前に、国分太一が「TOKIO歌います」とかいうネタがありましたが、思いついたネタをフィルターにかけないで全部採用している――という感じです。(>_<) 物語の構成やアイデアも、東山の弟が登場した頃に比べて、雑になっています。こういうのを見ていると、現場の志気が下がっているんじゃないかと、勘ぐりたくなります。

赤西仁が「史上最悪のデート」で良い演技をしていたことは、以前に書きましたが、彼に限らず、このドラマで「良い仕事してる」と思える出演者は一人もいません。「金八」出身者(森雄介と五十畑迅人)が他のドラマでパッとしないのはよくあることですが、その他の出演者も“安直に起用されている”という印象が否めません。野波麻帆も、矢沢心も、羽場裕一も、長塚京三も、森下愛子も、ヒロミも、ほとんど全員がそんな感じです。

――「女子アナ。」の出演者がイキイキしているように見えるのと好対照です。強いてあげれば、不潔系の松下由樹と、子持ち役の小雪が、ちょっと目新しい感じですが……。(^^ゞ

新人系で唯一気になるのは、女子生徒役で安西ひろこみたいな顔をしている一場千秋(いちば・ちあき?)でしょうか。カレーライスのエピソードでフィーチャーされたコです。ときどきですが、目元の表情のニュアンスが面白かったりします。(^^ゞ


01/03/01  カバチタレ!(8)

演出:武内英樹(1)(2)(5)(7)、水田成英(3)(4)(6)(8)

今回は、常盤貴子と深津絵里の人間観の対立は抑えられていて、オーソドックスな社会派ドラマ的な要素が強かったです。法律家のモラルがテーマでしたが、擬似刑事ドラマと化している「HERO」には出てきそうにないテーマです。(^^ゞ しっとり系の演出をしている水田成英さんに、こういうシリアス志向な脚本をぶつけてくるところも確信犯的です。

子どもがタクシーを追いかけるシーンは、「平成夫婦茶碗」みたいでちょっと臭すぎると思いましたが、女の子の方が(追いかけるのをあきらめて)しゃがみこむカットを見て、画面の前で「おぉ〜!」と唸ってしまいました。(^^ゞ まあ、大半の視聴者は、ボクみたいに唸ったりしないで、素直に涙しながら見ていたことでしょう。(笑)

ただし、山下智久のシーンだけは、不自然なくらい手の込んだカット割り〜効果音になっていました。1〜2話が不評だったせいか、このところの山下智久は、セリフが少な目で表情のニュアンスで芝居をする傾向が強くなっています。セリフ(出番?)が少なくなってしまった分、カット割りに力を入れてバランスを取った――という、気まずい事情でもあるんでしょうか。(^^ゞ 山下智久は顔質はドラマ向きなんですが、声質に魅力がないのがネックですね。

水田D&山下智久といえば、第6話に出てきた山下智久のエンピツのアップも良かったです。常盤貴子が山下智久と家出した時のことを話すシーンですが、話が始まるのを耳にして、山下智久のエンピツの動きが止まるというカットです。


01/03/02  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(8)

演出:土井裕泰(1)(2)(3)(6)(7)、松原浩(4)(5)(8)(9)

滝沢秀明が急に怒りっぽい人になっちゃいました。(笑) それ以外でも、全体的に芝居のテンポが速くなっていたように思います。土井Dの6〜7話がニュアンス重視だった対して、松原Dの第8話は、大映ドラマ的なメリハリを少しだけ導入したような印象です。

そのせいなのか、登場人物の心理がよく理解できない場面が多くて、見ていて「どうして、そこでそんな反応するの?」と疑問を感じることが多かったです。ただし、こうした変化は終盤の急展開を考慮したものなのかもしれないので、単純に松原Dの演出のせいにはできないと思います。ただ、違和感を感じたことは事実です。(^_^.)

夜の教室に忍び込むシーンで、ABBAの「イーグル」がかかっていましたが、演出上の評価とは別にして、懐かしかったです。(^^ゞ この曲って、日本だけのヒットで英米ではヒットしていない曲なんですよね。やっぱ、ベスト盤買っちゃおうかな〜。(^o^)


01/03/03  歌恋温泉へようこそ

脚本:鈴木聡
演出:松岡孝治新田真三
制作統括:浅野加寿子
音楽監督:渡辺俊幸
出演:三浦友和、天海祐希、関口知宏、森口瑶子、里見浩太朗、他
関東放送枠:NHK・土曜夜7:30〜8:45

ミュージカル仕立てのテレビドラマといえば、「浪花少年探偵団」第9話(00/12/02参照)が記憶に新しいですが、今回の「歌恋……」はなかなかの力作だったと思います。ストーリーの部分はかなり安直な感じもしましたが、音楽に対する力の入れ方に圧倒されました。ミュージカルをテレビドラマという枠組みの中に定着させる――という実験意図は成功していたと思います。

まず、音楽や演出の方向性を、ニューヨーク〜ブロードウェイ・ミュージカルに統一させていた点に惹かれました。たしか、コンサートホールの名称がビッグアップルだったと記憶していますが、“ビッグアップル”というのはニューヨーク市の俗称です。演奏〜歌唱のクオリティも高かったと思います。

選曲にも工夫が見られました。ビッグバンド〜コーラス系の曲を少な目にして、ボサノヴァ〜ソロボーカル系の曲を多用していましたが、これもステージとテレビの特性の違いを考慮した結果なのだと思います。テレビで、ビッグバンド〜コーラス系の曲を連発すると、しつこいですから。(^_^;) 個人的には天海祐希の「イパネマの娘」にやられてしまいました。(^o^)

音楽に関していえば、出演者のキャラクターや持ち味を充分に活かしていたと思いますが、お芝居やキャラ設定という点では、物足りない印象もあります。まあ、今回のドラマ(実験)にとっては、ドラマの部分よりも音楽の部分の方が重要なんでしょう。(^^) あと、キャスティングに若手が少なかった点もちょっと残念です。開発業者と地元住民の対決という図式は「合い言葉は勇気」を連想させますが、若手が少ないのも「合い言葉」に似ています。(^_^;)

演出の松岡孝治さんは、「緋が走る〜陶芸青春記」(99年4月)で上原さくらにカントリーバンドをやらせていましたが、アメリカ音楽が好きなのかもしれません。(^_^;) もう一人の演出家の新田真三さんは初めて見る名前ですが、音楽担当の人だったんでしょうか?


01/03/03  愛犬ロシナンテの災難(8)

脚本:吉田智子(1)(5)(8)、福田卓郎(2)(7)、福田千津子(3)(6)、西本洋子(4)、武田菜穂(4)
演出:大谷太郎(1)(3)(4)(6)、細野英延(2)(5)、水田伸生(7)、北川敬一(8)

北川敬一さんは、このドラマの“スケジュール”とクレジットされていた人で、ドラマの演出をするのは、多分、今回が初めてだと思います。非常に絵心のあるカットを取る人だと思いました。絵心というのは曖昧な概念ですが、今回のドラマでいえば、見終わった後に脳裏に残るような映像が多かったです。

特に印象に残っているのは、堂本剛が小犬を連れて廊下を歩いているカットです。スローモーションなどで何回か登場したカットですが、犬の目線とほぼ同じ高さのローアングルから(多分)広角レンズで撮られていました。歩くスピードに合わせて、カメラも後方移動していく(ドリーバック)のですが、奇妙な空間感覚が脳裏に残ります。脚本の吉田智子さんは、この回の脚本に「ピクニック」というタイトルをつけたそうですが、このカットがその“ピクニック”にあたるワケです。だから、このカットが脳裏に残るということは、北川さんの映像センスの鋭さを示しているといえるでしょう。

なお、公園の高台のシーンもなかなか味がありましたが、このロケーションは堂本剛の発案だそうです。山田麻衣子と水野真紀の屋上のシーンなんかも、ロケーションを含めて情感がありました。北川敬一さんの名前は、記憶に留めておきたいです。ただ、前半のギャグの部分は全部カットしてもよかったように思います。

もう一つ印象的だったのは、山田麻衣子と秋山純です。今までよりも表情が豊かで、活き活きとした演技をしているように感じられました。ただし、撮影が進むに連れて演技がよくなるのはよくあることなので、一概に演出家の功績だとは言い切れないのですが……。

この日誌を書いている時点では、次週の第9話も見ていますが、脚本的にはこの第8話がピークかもしれません。安直な結論に着地しなかったラストも渋かったし、根津甚八(のような人)に「俺にもわからん」などと言われると、重厚な人間ドラマみたいな深み〜説得力が出てきます。――ただし、このエピソードは、このまま終わらせた方がよかったんじゃないかという気もします。第9話は第8話より陳腐なセリフやエピソードが多かったし、そもそも、根津甚八のセリフを超えるような結末なんて、ありうるんでしょうか? (^_-)

なお、「おそらく、俺たちのやっていることは正しくない」という重要セリフの直後に、弦(バイオリン?)のフレーズが入るところは、第5話クライマックスの演出と同じです。(^^)


01/03/06  女子アナ。(9)

脚本:前川洋一(1)(2)(6)、金子ありさ(3)(6)(8)、十川誠志(7)(9)
演出:西谷弘(1)(2)(4)(6)(8)、土方政人(3)(5)(7)(9)

ともさかりえと岩城滉一の、陳腐な親子物語には閉口しましたが、水野美紀&吉沢悠のコンビがたっぷり見れたという点では、それなりに意味のある回です。個人的には、シリアス系のともさかりえ&伊藤英明よりも、バカ系の吉沢悠&佐藤藍子の方が好きなんで……。(^O^)

前半では、吉沢悠が歯を気にしているような仕種を何回かしていましたが、虫歯という“隠し設定”でもあったんでしょうか。この他にも台本には書いてないと思われるアイデア〜小ネタがいっぱいあって、個人的には大満足です。(^^) あと、佐藤藍子の「カチュジェチュ」も爆笑しました。

「テレパル」の水野美紀のインタビューによれば、吉沢悠との恋愛話(?)はスタート当初は予定に入っていなかったが、現場が意気投合したので付け加えられた――とのことです。いじわるな見方をするなら、視聴率がイマイチなので恋愛ドラマ的な要素を強めたと解釈できなくもないんですが、見ていて不自然な感じはしないから、ここは素直に受け取ります。

――というよりも、ドラマを見るかぎりでは、現場が盛り上がっているのは疑う余地なしです。そもそも水野美紀は、11日夜の「スーパーナイト」でも、吉沢悠コンビでおなじみの“ダッシュ→敬礼”ポーズをやってました。(笑)

……あぁ〜あぁ〜、秋か年末に「女子アナ。SP」とかムリかなぁ〜〜。「HERO」の視聴率を4%くらい分けてほしい今日この頃。このまま終わらせちゃったら、もったいないです。(T_T)


01/03/06  いくつもの海を越えて

脚本:深沢正樹
演出:雨宮望
企画:酒井浩至
プロデュース:?
音楽:三枝成章
出演:渡瀬恒彦、坂口良子、石田ひかり、藤原竜也、池脇千鶴
関東放送枠:日テレ・火曜夜9:03〜10:54

これは、1年前に終了した「カネボウヒューマンスペシャル」の姉妹編みたいなドラマで、今後シリーズ化するようです。要するにカネボウの冠がとれたということですね。ちなみに、新しいスポンサーは日本テレコムなので、時代の波を感じます。(^_^;)

雨宮望D、池脇千鶴、浅野ゆう子など、1年前に放送された「大地の産声が聞こえる」(00/02/08)と共通する人が多いです。マラソンだか駅伝のシーンも、「大地…」に、ほぼ同じようなシーンがありました。雨宮Dはマラソン好きなんでしょうか?

ロケ中心の映像がなかなか魅力的でしたが、自宅内シーンのセットにも、ロケに負けない味わいがありました。「大地…」の自宅はオープンセット(屋外セット)だったそうですが、今回もそうだったのでしょうか? 雨宮さんの映像趣味が強く感じられた作品で、カメラワークよりも、ロケーション〜美術〜照明に力を入れた演出でした。この点では「大地…」よりもクオリティが高かったと思います。

この手の物語にはあまり興味がありませんが、それにしたって、エピソードの詰め込みすぎです。これは去年の「大地…」にも言えることだし、1週間後の「母業失格」にも言えることだから、この手の“原作単発ヒューマン物”に共通する問題点かもしれません。やたらと展開が速いから、個々のエピソードがすべて安直〜御都合主義的に見えてしまいます。(^_^;)


01/03/09  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(9)

演出:松原浩(4)(5)(8)(9)

このドラマについては、たくさん書いてきたので、特に付け加えたいこともありません。……が、しかし、どうしても書いておきたいことがあります。「一緒に寝よう」とかいうセリフを聞いて、深田恭子をブッ殺したくなったのはボクだけでしょうか。(笑)


01/03/10  幻のペンフレンド(10)

脚本:山永明子、藤長野火子、他
演出:小松隆(1)〜(5)、田中健二(6)(7)(8)、今井洋一(9)(10)、中島由貴(11)(12)

演出家が交替した第6話くらいから、若干、演出のテイストが変わってきているような気がします。特に、谷口紗耶香がキスをするシーン(第7話)や、転校生の加藤夏希にヤキモチを焼くシーン(第8話)など、演技や演出に青春ドラマっぽいニュアンスが強くなっているかもしれません。主演の内山眞人にも若干親しみを感じるようになりましたが、これは単なる慣れかもしれません。(^_^;)

ロケーションの雰囲気にも若干変化があって、多分、1〜5話には出てこなかったロケ地がいくつか登場していると思います。

ところで、6〜8話を演出した田中健二さんは、「必要のない人」「ズッコケ三人組」「六番目の小夜子」を演出した田中賢二さんと別の人なんでしょうか? なんか紛らわしいです。(~_~;)


01/03/10  介護ビジネス(1)

脚本:下川博
演出:片岡敬司(1)(2)
制作統括:古川法一郎
出演:松坂慶子、鈴木一真、高岡早紀、尾野真千子、大滝秀治、竜雷太etc
関東放送枠:NHK総合・土曜夜7:30〜8:45

まず、介護センターの屋外セットに注目です。屋外〜屋内をシームレスに動くカメラワークにちょっぴりシビレました。介護センター以外でも、屋外から屋内へカメラが移動する、手持ち撮影風のカメラワークがありました。それ以外でも、遊び心が感じられる共テレ的なカメラワークが多かったです。

また、どこでロケをしているのか、よくわかりませんが、セット(美術)〜ロケーションの完成度も高いです。東京の下町っぽい雰囲気が濃厚に感じられました。(NHKのホームページを見たら、片岡敬司さんのコメントが載っていて、東急大井町線沿線だと書いてありました。わざわざホームページに書くくらいだから、ロケーションに対するこだわりは強いのでしょう。)

片岡敬司さんは、「晴れ着、ここ一番」でアイドルドラマっぽいセンスを見せてくれましたが、今回は尾野真千子の起用にそうしたセンスが感じられます。尾野真千子は去年、北海道テレビ放送(HTB)制作の「ひかりのまち」でも介護ビジネスをやっていましたが、介護アイドルでも目指しているのでしょうか。(笑) 第1話を見た時点では、「ひかりのくに」の方が可愛かったです。(^_^;)

脚本の下川博さんは、ちょっと前に「中学生日記」でバレンタイン・チョコの話を書いていました。


01/03/10  ココだけの話(9)

 「我が家の流儀」

原案:東野ひろあき
脚本:太田愛
演出:三木茂
出演:井之上チャル、菊池麻衣子、石田太郎etc

久しぶりに演出が面白いと思いました。キャラクターの活かし方が上手いと思ったら、三木茂さんの演出でした。表情を捕らえるセンスは「アダルトビデオ」に通じるものがあります。脚本の太田愛さんは、こうした家庭内のディテールを扱った作品から、「ウルトラマンティガ」のようなテーマ性の高い作品まで、幅広いジャンルで佳作を残している脚本家ですが、連ドラを書く予定はないでしょうか?


01/03/11  仮面ライダーアギト(7)

監督:田崎竜太(1)(2)(7)(8)、長石多可男(3)(4)、六車俊治(5)(6)

1〜2話を見たときは、あまり印象に残らなかった田崎竜太監督ですが、この第7話はなかなか力の入った演出で、長石〜六車演出の影響を強く感じました。手持ち撮影風のカメラワークが多いことや、芸の細かい光の使い方などは、特にそんな感じです。

1〜2話のビデオは消しちゃったので正確な比較はできませんが、長石監督の第3話で「アギト」の演出の方向性が定まったような印象があります。(^^ゞ

物語〜謎解きの部分の展開は思っていたよりも早くて、賀集利樹の記憶の一端が明らかにされました。このネタで来年まで引っ張っていくのでしょうか。(笑) ただ、秋山莉奈が「出て行ってくれ」と言うシーンは、お芝居のニュアンスがイマイチだったので、長石さんや六車さんだったらどんな演出をするんだろう――なんて考えてしまいました。

自宅内のシーンに生活臭さが足りないことは以前に書いたと思いますが、部屋が広すぎることが、そう感じてしまう一因かもしれません。部屋が広いと殺風景な感じになっちゃうでしょう。居間はもちろんのこと、秋山莉奈の部屋も広すぎます。(笑)


01/03/12  母業失格

脚本:小松江里子
演出:中山史郎
プロデュース:照喜名隆、?
出演:竹下恵子、池脇千鶴、小栗旬、他
制作:TBS、ザ・ワークス
関東放送枠:TBS・月曜夜9:00〜10:54

物語〜脚本に関しては、1週間前の「いくつもの海を越えて」とまったく同じ感想です。(^_^;) 脚本の小松さんと兄妹役の2人は「Summer Snow」と同じですが、制作〜演出は、月8や昼ドラなどでお馴染みのザ・ワークスです。他にも日テレ、フジ、テレ東と幅広く番組制作をしているプロダクションです。

「いくつもの…」の雨宮望さんとはテイストは違うのですが、「母業失格」も、自宅内セットのシーンに力を入れているな、という印象を持ちました。スタジオ撮影に力を入れるというのが、最近のドラマ演出のトレンドなんでしょうか? 90年代ドラマはロケ志向が強かったと言えなくもないですが、スタジオ技術の見直し〜再評価の動きが出てきたのかもしれません。(^^)

個人的には、「青空麻雀」+「J家の反乱」=「Ryo〜恋の季節」みたいな演出の潮流を、考えてたりしますが……。(^^ゞ


01/03/11  史上最悪のデート(14)

脚本:山崎岳
演出:松田秀知
出演:田中聖、酒井彩名、田山涼成、大津綾香

この番組は、このところ、脚本を中心に立て直しを図っているようです。前週のジミーMacky(?)が出ていた回は、めずらしく脚本が面白かったので、クレジットをチェックしてみたら、「独身生活」「花村大介」「月下の棋士」の尾崎将也さんでした。

田中聖のこの回も、猫アレルギーの主人公が寝小便をする――というオープニングで面白かったのですが、後半は息切れ(ネタ切れ?)っぽい感じでした。山崎岳さんは初めて目にする名前です。


01/03/15  カバチタレ!(10)

演出:武内英樹(1)(2)(5)(7)(9)(11)、水田成英(3)(4)(6)(8)(10)

水田さんが演出するのはこの回が最後ですが、だからなのか、全体的に力の入った演出になっていました。特にどのシーンがスゴイとか言うわけじゃないんですけど、カット割りひとつとっても、すべてのシーンでアイデアと労力を惜しまないで撮影・編集している――という感じがしました。たとえば、妻夫木聡が登場するのは2回目ですが、前回よりも存在感があるような気がしました。

ただし、山下智久と香里奈のエピソードは、結局なんだったのかよく分からないまま終わっちゃいそうです。英語ネタも、山下智久の台詞回しを隠蔽するためのアイデアでしょうか? (^_^;)


01/03/16  ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(10)[終]

演出:土井裕泰(1)(2)(3)(6)(7)(10)、松原浩(4)(5)(8)(9)

先週に続いて「一緒に寝よう」などと暴言を吐く深田恭子を見て、「ひょっとしたら……」などと思っていたら、その通りの展開になっちゃいました。(笑) その後もすべて予想通り。唯のキャラ設定から考えたら“死んだふり”に決まっている――と思いながら見てました。ただ、ラストの「森の熊さん」のオチは予想外で「やられたー」と思いました。(笑)

そのオチと同時に主題歌に突入するところがカッコ良かったので、個人的にはそのまま終わってほしかったです。正直いって、主題歌の後のエピローグは蛇足だと思います。――まあ、第8話以降が全部蛇足だと言われれば、肯いちゃいそうですけど。(^_-)

深田恭子は第1話の時点から一貫して滝沢秀明のことが好きだった――というオチの方が、物語に一貫性が感じられて良かったような気もするのですが……。


01/03/17  幻のペンフレンド2001(11)

脚本:山永明子、藤長野火子
演出:小松隆(1)〜(5)、田中健二(6)(7)(8)、今井洋一(9)(10)、中島由貴(11)(12)

最終回間際になって、急に演出がカッコ良くなってしまいました。(^^) ドラマ冒頭、教室で山下容莉枝(保健の先生)と加藤夏希が対決するシーンは、ステディカムを使ったと思われる、かなり高度なカメラワークになっていました。技術的に高度なのではなくて、映像的なセンスが良いという意味です。非常に緊張感のあるカメラワークでした。さらに、このシーンは、窓から注す光の処理にもこだわりが感じられました。

この後のシーンも、カメラワークと光の処理の2点に対するこだわりは、ほぼ一貫していました。ストリートミュージシャンのシーンなどは、物語展開上はさほど重要ではないのですが、ステディカム〜手持ち撮影風のカメラワークを多用することによってドキュメンタリー映像的なテイストをねらっていたようです。後半の海のシーンも、小さなアイデアをたくさん詰め込んだ積極的な演出だと思いました。

演出の中島由貴さんは初めて見る名前です。女性で“ゆき”さんと読むのか、男性で“よしたか”さんと読むのか、まったくわかりません。

というワケで、来週の最終回も期待して見ることにします。見逃した人、すでに脱落していた人は、3/26から再放送が始まるので、その際にラスト2話だけチェックしましょう。(^^ゞ


01/03/17  介護ビジネス(2)[終]

演出:片岡敬司(1)(2)

竜雷太と鈴木一真の親子が対面するシーンで、嵐〜雷系の効果音が入っていて、ちょっとおおげさだなと思っていたら、本当に暴風雨になっているという設定でした。ただ、このおおげさな感じはどこかで見覚えがある――と、しばらく考えていたら思い当たりました。 藤田明二さんの「美味しんぼ」です。(^_^;)

ストーリー展開がどんどん浮世離れしていったのは、このドラマのベースが「美味しんぼ」だったからでしょうか?――個人的には、松坂慶子&尾野真千子の母娘の物語をもっと見たかったです。尾野真千子が自転車に乗っている姿などは、それなりに味がありましたが……。(^^)


01/03/19  HERO(11)[終]

脚本:福田靖、大竹研(1)、秦建日子(5)、田辺満(10)
演出:鈴木雅之(1)(2)(4)(7)(9)(11)、平野眞(3)(5)、澤田鎌作(6)(10)、加門幾生(8)

篠井英介さんの“まばたき”のシーンが最高でした。日本で何人の人がこの最終回を見たのか分かりませんが、このシーンだけでも、見た価値があったというものでしょう。(^^ゞ このシーンはカメラワーク〜アングルも手持ち撮影風で、演出家のこだわりが感じられました。

こういうことをポンポン思いつく鈴木雅之さんの発想力は、やはり凡人の理解を超えている、と言うべきでしょう。(^^) たしか、第9話だと思いますが、松たか子がだらしなく口を開けているカットも印象的でした。できることなら、宇多田ヒカル(第8話)も鈴木さんにいじってほしかったような……。(^_-)

ラストシーンも鈴木さんらしかったです。歩み寄る2人を映したカットがストップモーションになった状態で主題歌に突入。で、主題歌が終わった後にどうなるかなと、いろいろ想像しちゃいました。(^_^;) 月9の定番スタイルでいけば抱擁シーンになるワケですが、最後まで“あの調子”で終わりました。まあ、以前から“月9嫌い〜恋愛ドラマ嫌い”を公言していた鈴木さんらしいエンディングだと思います。(^o^)

ストーリーに関しては、一切のコメントを控えます。(^_-)


01/03/20  女子アナ。(11)[終]

脚本:前川洋一(1)(2)(4)(6)(10)(11)、金子ありさ(3)(5)(6)(8)、十川誠志(7)(9)
演出:西谷弘(1)(2)(4)(6)(8)(10)(11)、土方政人(3)(5)(7)(9)

ストーリーに関してはコメントを控えます。(^_-) 視聴率がイマイチだと「ストーリーを単純明解(=チープ?)にしろ!」などと横ヤリが入るのでしょうか? それとも、塩見三省さんをゲストに迎えて、「ストレートニュース」最終回の脱力感をパロディ的に再現してみたのでしょうか……。(>_<)

で、演出の話です。個人的に大問題(?)だったのは、終幕ブザーの音をバックに登場したエンディングの映像です。オープニングのタイトルバックのラストでおなじみの映像ですが、あの映像はずっと気になっていたので、日誌に書いておけば良かったと、後悔しました。(^^ゞ

レギュラー出演者の写真が画面の奥に後退して(中心に縮小して)、スタッフのクレジットが現れる――というカットですが、音楽と映像が連動するセンスが最高でした。ちょうど歌が終わって間奏のキーボードが入る部分なんですが、ここで音響の空間感覚(音像?)がガラッと変わります。それと連動するようにして、映像の空間感覚も変わるわけです。

こういう、音響と映像がシンクロする感覚は、西谷弘さんの重要な個性のひとつだと思います。先週の第10話のラストシーンもそんな感じでした。音無しのシーンが続いたあと、ノイズ映像〜音声をバックに「このドラマはフィクションです」という表示が入りました。――演出業界における“音響派”という感じです。(笑) ちなみに、これに近い感覚を持っているのは本広克行さんだと思います。


01/03/20  2001年のおとこ運(11)[終]

演出:中島悟(1)(2)(5)(8)(11)、飯島真一(3)(4)(7)(10)、三宅喜重(6)(9)

中盤以降のかったるい展開に、ほとんど脱落してました。(~_~;) この最終回もちゃんと見ていないのですが、ラストシーンにちょっとビックリしました。東海汽船に乗る菅野美穂をヘリコプターで撮影してました。貧乏臭いのが演出上の特徴だったのですが、最後はちょっとゴージャスな(バブリーな?)印象になりました。予算に余裕があったのでしょうか。

ところで、このドラマの演出補は位部将人さんですが、最終回のエンドロールではいんべ☆まさととなっていました。今回だけの遊びなんでしょうか。(~_~;)

なお、今回更新した「HERO」「女子アナ」「おとこ運」のスタッフデータは「テレパル」の記載を一部参考にしているので、オンエアと違っているかもしれません。……という書き方は「テレパル」関係者に失礼?


01/03/21  はみだし刑事情熱系(23)

脚本:秦建日子
演出:息邦夫
プロデュース:田中芳之、香月純一、他
制作:東映、テレビ朝日

90分スペシャル。普段は見ていないドラマなんですが、裏の「ロケット・ボーイ」最終回があまりにも辛かったので、つまみ食い的に見てしまいました。あくまでも“浮気視聴”であり、ちゃんと見たわけではありませんが、息邦夫さんの映像はなかなかカッコ良かったです。(^^)

クレーンまたは台車を使ったような豪快なカメラワークとか、手持ち撮影風の接近ショットなどは、何年か前に星田良子さんが演出した回を連想しました。また、逆光系の光を強調した映像も多くて、特に、屋外のシーンで独特の味を出していました。

エンディングに流れるタイトルバックでは、前田愛のアイドルビデオみたいな映像を大々的にフィーチャーしていましたが、これなんかもう、刑事ドラマのタイトルバックじゃないです。(^^) このタイトルバックについては、10月13日(金)の掲示板に、Tちゃんさんが次のように書いています。

≪今回の「はみ出し刑事情熱系」のエンディング・ロールの制作って東映CMってなっていて、演出が中島さんって方だったんですが、(下の名前忘れてしまった、すみません。真次だったかな?)ちょっと印象的な「絵」だったもんで気になってました。≫

今回のシリーズはまったく見ていないのですが、従来の路線からどんどん逸脱いているのでしょうか? (^^ゞ


01/03/22  少年H・青春篇

原作:妹尾河童
脚本:大竹研
演出:杉田成道
プロデュース:杉田成道、西岡善信、樋口徹、酒井実
美術:西岡善信
演出補:小笠原佳文
演出助手:小林和宏、本田貴之、岡哲朗、高木健太郎
出演:中井貴一、桃井かおり、尾上寛之、増田安那、岩城滉一、西村雅彦、田中千絵、他
制作協力:映像京都株式会社
制作:フジテレビジョン
関東放送枠:フジ系・金曜夜8:03〜23:22

見たのは後半の1時間半くらいで、それ以外はビデオに録画したままです。(^^ゞ しかし、全部見るまで待ってたら、日誌に書く機会がなくなると思うので、後半の印象だけで書いてしまいます。m(__)m

杉田成道さんは「北の国から」で有名な演出家で、中江功さんなどはインタビューで、杉田さんに鍛えられたなどと言っています。フジテレビにおける“非共テレ系映像派ドラマ”の重鎮と呼べるような存在です。最近、日テレに移った岩本仁志さんも、以前インタビューで「北の国から」の演出が好きだった――というようなことを言っていました。

このドラマの印象を一言で言うと、映画のおいしいところとドラマ(ビデオ)のおいしいところをミックスさせた作品――という感じです。大掛かりなオープンセットを中心とした美術の充実ぶりには、映画の世界で培われた伝統の重みを感じました。一般のテレビドラマでこういう大がかりなセットというのは、なかなかお目にかかれません。去年夏にTBSでやった「百年の物語」もセットに手がかかっていましたが、「少年H」はそれを上回るような充実ぶりでした。

で、このドラマで一番面白かったのは、美術が映画的な伝統を重視していたのに対して、カメラワークやカット割りは、テレビドラマ的な今っぽさを感じたことです。ただし、カット割りの方法論などは、すでに映画の世界で出尽くしているような気もするので、映画に詳しい人が見たら“テレビドラマ的な今っぽさ”なんて感じないかもしれません。(^^ゞ

とはいえ、映像処理などには今風のビデオ処理がなされていたようだし、ボクはそういうところに土9っぽさを感じてたりします。たとえば、堤幸彦さんや佐藤東弥さんが「金田一少年」でやっていたことっていうのは、映画的な重厚さとビデオ的な臨場感をミックスさせることだったとも言えるわけで、「少年H」がやっていることとそんなに離れてはいないと思います。オレンジ系の色彩処理がやたらと目につきましたが、こういうところも土9(猪俣隆一さんとか)っぽいですよね。(^^ゞ

イマイチ、具体性に欠ける文章ですが、この辺で終わります。m(__)m 戦争とか、出演者のことに一切ふれていない「少年H」評というのもめずらしくて良いでしょう?(^_^;) ――エンドロールを見ていたら、技術スタッフより先に美術スタッフの名前が先に出てきましたが、通常は技術スタッフの方が先です。それだけ、美術重視のドラマだったということなんでしょう。(^^ゞ あと、大竹研さんは前作では脚本協力か何かだったと思います。


01/03/23  天の瞳2

原作:灰谷健次郎
脚本:井上由美子
演出:猪原達三
プロデュース:上村達也、池上照子、高戸農一、三輪祐見子、松島俊輔、小林由紀子
出演:鈴木京香、赤井英和、浅田拓哉、神野舜、池脇千鶴、小西美帆
制作:テレビ朝日、電通
関東放送枠:テレ朝・土曜9:00〜10:51

今年の春は、この手の地味な(?)ドラマに秀作が多いですね。このドラマも脚本・演出、共に良かったです。原作のことはよく分からないのでハッキリしたことは言えませんが、ストーリーやセリフが良かったのは井上由美子さんの功績だということにしておきます。井上さんは人間の内面を探偵小説的な構成で描写するのが上手い人で、このドラマで言えば、池脇千鶴が母親のことを語るシーンが、探偵小説でいう謎解きにあたります。このシーンで、かとうかずこ一家をめぐる内面のドラマが明らかにされるわけです。

その他にも、鈴木京香親子の気持ちのすれ違いなど、味のあるストーリーなんですが、含蓄を感じさせるセリフもいくつかありました。「自分で自分の目を見ることができない」というのは、物語全体のテーマを暗示していたような気がします。また、「人の話に耳を傾けると自分に自信が持てなくなるが、自分に自信があるときは人の話に耳をふさいでいる」とかいうセリフも印象的でしたが、赤井英和の口から出てくると、ちょっとだけ違和感を感じます。(笑)

猪原達三さんの演出は、光の陰影の処理にこだわりが感じられて、特に子どもの表情をローアングルから撮ったショットに、印象的なものがたくさんありました。ロケでもセットでも、下町的な生活感と重視しつつ映像的な叙情性も追求したという感じです。特に電車内のシーンとかが良かったです。(^^ゞ 脚本とお芝居と映像がバランス良く決まっている作品だと思います。

このドラマのパート1もけっこう好きだったんですが、日誌には書いていないみたいですね。(^^ゞ 好きだったのに日誌に書いていないドラマっていうのも、いくつかあります。なお、猪原達三さんは「メロディ」(日曜劇場)とか「失業白書」(ドラマ30)といったカノックス系のドラマを演出することが多い人で、現在「新・天までとどけ2」の演出もしています。このドラマも、制作協力がカノックスだったような気がしますが、録画しないで生で見たので確認できません。(^_^;)


01/03/24  金田一少年の事件簿SP

脚本:小原信治
演出:下山天
音楽:土井宏紀
プロデュース:角田朋子、内山雅博
撮影:斑目重友、千葉明律
照明:佐藤忠
美術:中村桂子
選曲:小西善行
アクションディレクター:多賀谷渉
演出補:木村ひさし
演出助手:清水俊吾、丸毛典子、井上雄介
プロデューサー補:古郡真也
協力プロデューサー:櫨山裕子
出演:松本潤、鈴木杏、内藤剛志、井上順、藤井尚之、村井克行、長谷川純、山田まりや、山田優etc
制作協力:オフィスクレッシェンド
関東放送枠:日テレ系・日曜夜9:00〜10:54

「金田一少年の事件簿・魔術列車殺人事件」は、こちらをクリックしてください。

01/03/28  はみだし刑事情熱系(24)

脚本:尾西兼一
演出:村川透

最初の10分くらいを見て、「これって本当に村川さんなの?」と思って「テレパル」誌のクレジットを確認してしまいました。(^_^)

前週同様、カメラワークに星田良子さんの影響が明瞭に感じられました。刑事ドラマ界の重鎮である村川透さんも、星田さんの手法を無視できないということでしょうか。まあ、村川さん個人がというよりは、「はみ刑事」スタッフ全体が星田ウイルスに感染しているという感じがします。(笑) 星田さんは、昨年末の「年末SP」の演出をしていたそうですが、ボクは見ていません。

90年代後半に起きた“演出革命”の波が、「はみ刑事」のような刑事ドラマにまで及んでるという現実を実感させられました。東映といえば、日曜朝の「百獣戦隊ガオレンジャー」や「仮面ライダーアギト」にも、演出革命の波が押し寄せているといえます。――というよりも、共テレ(星護)〜土9(堤幸彦)から始まった演出革命が、ドラマ業界の末端にまで浸透したということでしょうか。

……な〜んて書くと「東映は末端か」などと突っ込まれそうですが、特に悪意はありません。なんせ、NHKの新・朝ドラ「ちゅらさん」ですら、CM映像を見るかぎり、完璧に月8〜アイドルドラマと化しているくらいですから。(*^_^*)

こうなってくると「水戸黄門」とか「鬼平犯科帳」とかも、演出革命と無縁じゃないと思われます。(-_-;)


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