分娩誘発・陣痛促進剤について

1.陣痛とは?

分娩には“赤ちゃんを押し出す力”とお母さんの“いきみ”が必要です。この“赤ちゃんを押し出す力”を陣痛といいます。

2.陣痛促進剤とは?

陣痛誘発・促進剤は、本来ならば妊婦さんが自分で分泌するはずのホルモンをお薬として投与することで陣痛を誘発(ほとんど陣痛の無い状態から陣痛をつける)したり、促進(弱い陣痛を十分な強さにする)したりする薬剤です。

3.どのような時に必要なのか?

1)医学的適応

a.妊娠中毒症などのために早く分娩にしたほうが良い場合

b.破水が先に起こり(前期破水)、早く分娩にしないと感染の危険が高い場合

c.陣痛が弱く、分娩が長引く場合(微弱陣痛)

d.胎児の状態が悪く、早く分娩にしたほうが良い場合

2)社会的適応

 a.家族の都合などで、妊婦さん側が計画出産を希望される場合

4.陣痛促進剤の危険は?

子宮口が十分に開いていない場合などに陣痛誘発・促進剤を使用し過ぎると、胎児が危険になったり(胎児仮死)、
子宮が破れたりする場合(子宮破裂)があると言われています。
もしも子宮が破れると胎児・お母さんが危険な状態になります。

5.安全な使用方法は?

当院での陣痛誘発・促進剤の使用は、医学的適応のある場合で、ご家族のご希望による計画出産は行っておりません。また、陣痛誘発・促進剤を使用する場合には、輸液ポンプと分娩監視装置を使用しています。これによりお薬の量を守って、胎児・お母さんの状態を安全に保てるようにしています。子宮口が十分に開いていない場合には、ラミナリア、メトロイリーゼなどの子宮頚管拡張のための処置を行う場合があります。

 *陣痛誘発・促進剤について、なにか疑問がありましたらいつでも質問してください。

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