学校研究主題

”よりよい自分”を求める生徒を育てる評価を生かした授業研究
    ― 基礎・基本をもとにした学び合いの中から ― 
主題設定の理由

本校の生徒は自分から学ぼう,進んでやろうとする気持ちを持ち合わせた,明るく素直な子どもたちが多く,学習状況調査の結果を見ても全体的に学習成績が向上していることがうかがわれる。しかし,中にはそのような気持ちを持ってはいてもなかなか成果をあげることができずにいる子どももいる。
21世紀を担う子どもたちには変化の激しいこれからの社会の中で、学ぶ意欲や将来直面する様々な課題を解決する力が求められる。そのためには「生きる力」を身に付けることが重要である。
文部科学省や南教育事務所「南の教育」では「生きる力」の要素として次の3点を挙げている。
@確かな学力  (自分で課題を見付け,自ら学び,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力
A豊かな人間性  (自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心など)
B健康・体力  (たくましく生きるための健康や体力)
これらの力をバランスよく育んでいくことが最も大切である。「よりよい自分」とは,まさしくこの3つの力をバランスよく兼ね備えた自己であると考える。本校では「よりよい自分」の確立は一人でできるものではなく,人々や自然との関わりや共生を通してこそ育まれるものと考え,「一人一人の個性や創造性を伸ばす指導」を「学び合い」を通して育成しようと,これまで長年にわたって研究を継承してきた。 その中でも,「確かな学力」の向上が本校における教育の大きな目標になっている。今年度の経営の根幹のひとつに掲げられた「分かる授業,楽しい授業」を作り上げ,様々な人との学習の練り合いを通して「確かな学力」を身につけ,「よりよい自分」を伸ばす指導に力を入れていく必要があると考える。そのためには一人一人が学び合うために必要な基礎・基本の定着の徹底に重きを置くとともに,学び合いを可能にする豊かな人間関係の育成,学習面のみならず生活面も含んだ指導と評価の一体化も視野に入れながら授業改善を図っていく必要があると考え,研究主題を設定した。

研究の仮説
各教科,領域等において生徒一人一人に基礎・基本を身に付けさせ,自分自身の考えを持たせて,たくさんの人々や生徒相互の学び合いを大切にすることで,授業が「分かる,楽しい」ものとなり,その中で「よりよい自分」を育成することができるであろう。また,そこで適切な評価を行うことにより,生徒が自己理解を深めながら学習意欲を高め,教師にとっては授業改善の機会となり,「確かな学力」のさらなる向上を目指すことができるであろう。

本年度の具体的取り組み
(1)よりよい,より高い自分を求める生徒を育成するための評価と指導の工夫

・学習面だけではなく生活面なども含めた多面的な評価の結果を生かして生徒の自己理解を促す。
・単元,題材等の学習前と学習後の評価等を行い,基礎・基本を身に付けることができたかなど,自己の成長を振り返り, 変容を確かめることができる評価を行う。
・評価結果を次時に生かすとともに,評価規準の見直しも随時行いながら,生徒にとっては次の学習意欲につながり,教師にとっては授業改善に結びつけることができるよう指導と評価の一体化を図る。
(2)基礎・基本の確実な定着を図る指導の工夫・改善
・本時のねらいを精選し,焦点化を図る指導を充実させる。
・評価カードなどによる生徒の実態の把握を通して,本時のねらいの達成状況と基礎・基本事項の定着の確認を行う。
・単元・題材終了時の定着確認テストの実施方法の工夫を行う。
・基礎学力テストを継続し,基本的事項の定着を図る。
(3)「学び合い」の指導の工夫
・学び合いが可能となるような学級内の受容的な人間関係の醸成を図る。
・学級担任のみならず教科担任も積極的に関わりながら基本的学習週間の定着,授業での約束事の徹底,情報提示の あり方や工夫の指導を充実させ,学習集団としての質の向上を図る。
・グループ学習や話し合い,発表の際に自分の解法や意見を述べるだけではなく,疑問点やつまずいた点なども披露できるように指導を重ね,相互に高め合おうとする意識を育てる。
・学び合いの場面で,生徒が自分の考えをまとめたり述べたりしている内容を観察し,分析する。

重点教育活動
(1)教科指導においては「個を生かし」「学び合う」学習指導の一層の充実を図る。多様な個に対応し,基礎・基本を身に付けさせるために少人数学習や習熟度別学習,教科内TT,教科外TT等の効果的な実施を試みる。授業に中に学び合いの場面を積極的に設定するなどの授業方法の改善を図る。また,学習のルールをはじめ,学習方法,評価についてなど学びの習慣化に関わるガイダンスを充実させる。
(2)選択教科においては必修教科との関連を考えながら,「魅力的で力のつく」選択教科を目指す。課題の追究の仕 方等を生徒の手に委ねることによって主体性と学び方を育成し,個の伸長を図る発展的学習と共に,個に対応した補充的な学習も重視する。
(3)道徳では「人が人とどう関わって生きていくのか」を考えながら生きる道を探らせ,道徳性を高める道徳教育を目指す。
(4)特別活動においては「個と集団との関わり」を通してよりよく生きようとする態度を育成する。共に活動できる喜びを味わわせながら社会性を育成する。
(5)総合的な学習の時間,道徳,特別活動においてはより広く社会の人々や自然の中での学び合う機会を設ける。また,各教科の学習で得た個々の知識を結びつけ,総合的に応用することができるように,さらにその獲得した力を各教科の学習に生かすことができるように総合的な学習の時間「生生」を推進する。
(6)各活動に不可欠な「よりよい人間関係」「豊かな人間関係」については様々な機会をとらえ,その構築を図る。