「ドラえもーん! おまんじゅうが食べたいよー!」
「はい、おまんじゅうー!」
のび太はおまんじゅうをドラえもんに投げ返してもう一度言った。
「ドラえもーん! おまんじゅうが食べたいよー!」
「はい、おまんじゅうー!」
「こりゃ!」
のび太はドラえもんの頭をスリッパで叩いた。ドラえもんはスリッパの中に
おまんじゅうを入れて尻に当てがった。
「はい、トイレまで我慢できなくてスリッパの中にしちゃった人ー!」
「食べ物で遊ぶのはやめろよ! おまんじゅうが欲しい人におまんじゅうをあ
げるなんて、そんなのボクだってできるやい! ドラえもんは未来のロボット
なんだから、未来の秘密道具を出しなさい!」
「全然違うよのび太くん。これは未来のスーパーおまんじゅうなんだぜ」
「え、ホント?」
「ホントホント。ためしに一口食べてみな」
「はーい!」
のび太がおまんじゅうにかぶりついた瞬間、口の中で白い光が弾けた。
2005年八月、世界は核の炎に包まれた。
つづく
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