事業分析(マネーのツボ)

一連の不祥事での入場者大幅減をうけて、
USJの経営については、マスコミ報道では経営不安説があふれている。

当サイトでは、独自に集め調べた各種情報を元に、USJの経営内容を徹底分析。
記者クラブというぬるま湯体質につかり調査報道をしない新聞記者には出来ない事業分析を、
いち小市民がコツコツと地道に足を使い調べ上げて分析した結果。
初めて明らかになる、金銭面でのUSJ事業の内容。
「マネーの虎」なみに「マネーのツボ」が徹底分析。とくと御覧あれ。


目次
1 USJ事業計画 2 USJ総事業費 3 借入金 4.金利について 5 営業利益について
6 入場者別利益額について 7 損益分岐点について 8 USJの債務(借入金)の推移 9 シュミレーション別でのグラフ
10 年間売上額について
11 年間入場者数について 12 新アトラクション(設備投資)について 13 一人あたりの売上高 14 USJ決算内容 15 リピーター率とリピーター周期
16 テーマパークのリピーター対策 17 USJのアトラクション計画と投資計画 18 USJ決算分析 .


1 USJ事業計画
USJの初年度の集客目標は800万人。パーク5カ年計画では初年度売上高が約800百億円、計画期間内で1000億円を目指す。
四年目の単年度黒字化、六年目の累積損失一掃。将来は上場を検討する。

2 USJ総事業費

    
当初計画    1700億円 最終事業費   2030億円 (330億円増)
事業費が増えた理由
米ユニバーサルグループ側のイメージに合わせるため、建物をより古く見せるなどアトラクションや商業施設の品質を上げる設計変更。
米国側が発注したライド(乗り物)やショーの設備などで、日本での安全基準や法令基準に合わすための、追加投資が相次いだ。
入場ゲート付近は運河を埋め立てたため地盤が悪く、ゲートなどが将来ゆがまないようにする地盤改良に約30億円。
追加アトラクションとなった毎日放送(MBS)スタジオの建設費約60億円。
事業費が増えた対策
USJは元々、100億円程度の事業費増大を見越していたが大幅超過となった。
しかし、協賛企業からのスポンサー収入は約550億円と当初計画より250億円程度増えた為、金融機関からの追加融資なしで、支出膨張分は吸収できた。

3 借入金

融資元 金額 内容
金融機関 1250億円 日本開発銀行、住友銀行など約18の金融機関からの協調融資。
不動産担保無しに事業自体の採算性を評価するプロジェクトファイナンス方式。
USJのプロジェクトファイナンスが、英国の金融専門誌、ユーロマネー社による一九九九年の年間優秀賞を受賞。
大阪市 100億円

4.金利について
金利については、USJは公表していないが、大阪市議会の答弁や大阪市が公表している株式会社ユー・エス・ジェイの損益計算書から推測可能である。 
     
大阪市の金利ついては、大阪市議会の答弁より推測可能
市議の質問  「去年非常に調子よかったいうことなんですけど、あのままでいってたらすばらしい会社であると思います。 (略) ところで、会社にいろいろかかわって大阪市、大阪市民の利益になるということであれば、USJ事業において一体どれだけ具体的な経済的な利益を本市にもたらしているのか、数字を挙げて説明してもらいたい。 (以下略) 」
大阪市側の答弁 「お答え申し上げます。まず、大阪市が株式会社ユー・エス・ジェイから得ております収入でございますが、平成13年度で申しますと土地の賃料が約5億 4,000万円、水道料等は4億 7,000万円、貸付金利息が2億 4,000万円及び (以下略)・・・・・・。」
上記の答弁から 100億円融資に対しての 「貸付金利息は2億 4,000万円」 である。
金利は 利息 ÷ 融資額 で計算可能である。 2.4億円 ÷ 100億円 = 2.4%
よって、大阪市の金利は 2.4% である。

金融機関の金利ついては、大阪市公開の損益計算書より推測可能
金利は市場連動金利をベースにした変動金利だが一部は固定金利)
株式会社ユー・エス・ジェイの2001年度の損益計算書より
  支払利息  3,908,187,442 円
上記の内容から USJの支払利息は分かる。
この中には、大阪市分の利息も含めれているので、その分(2.4億円)は引かなければいけない。
そうすると金融機関に対しての 「貸付金利息は
\3,668,187,442円」 である。
金利は 利息 ÷ 融資額 で計算可能である。 3,668,187,442 ÷ 1250億円 = 2.935%
よって、金融機関の今年度の金利は 2.935% である。

5 営業利益について 
減価償却(金融機関への返済金)しない時の営業利益については、USJは公表していないが、大阪市議会の答弁や大阪市が公表している株式会社ユー・エス・ジェイの損益計算書から推測可能である。

5−1 800万人での営業利益について
USJの初年度(2001年度)の目標入場者数は800万人である。損益計算書で、金融機関への返済金を減価償却として計上しているので、その金額が分かれば、入場者800万人でのパーク運営での営業利益が推測できる。
減価償却(金融機関への返済金)ついては、大阪市議会の答弁より推測可能
市議の質問  「ところで、ちょっと話それるんですけど、この決算見せてもらったら、8期決算公告というのを見てると、営業収益が 1,181億 5,800万。経常利益が、3月の決算ですよ、 155億 9,800万。特別損失が 174億 4,700万ですか。税引き前当期損失が11億 9,300万。これを見ると特別損失の中のほとんどが開業日償却というふうに聞いてるんですね。これいわゆる減価償却と同じ非支出費用ですよね。それと減価償却 146億円。去年1年間でこれ単純に見て 300億円のキャッシュフローをUSJはたたき出してる。 300億円を超えているという計算なんですけども、どうですか。ちょっとどう思います。おうてるかどうか。」
大阪市側の答弁 「お答え申し上げます。おおむね委員の御指摘のとおりでございます。」
上記の答弁から 初年度、目標入場者800万人での減価償却(金融機関への返済金)146億円である。
ゆえに、初年度、入場者800万人での金融機関への返済をしない時の営業利益146億円と推測できる
しかし、初年度については、広告費・人件費・その他の開業時費用が特別に発生する。2年目以降は、初年度経費は発生しないので、その分を営業利益に上乗せしたいといけない。
初年度経費について
初年度経費ついては、大阪市が公表している収支計画書より推測可能
2001年度(初年度)と2002年度(2年目)の、収支計画書の支出項目での支出金の差により、推測な可能である。
2001年度  収支計画
 予備費      1,803,000,000円  
2002年度  収支計画
 予備費        なし
上記資料により、予備費が初年度経費と推測される。 初年度経費は  18億300万円と推測できる。
2年目以降の営業利益について
初年度、目標入場者800万人での営業利益(146億円)と初年度経費の和で、2年目以降の入場者800万人での営業利益が計算できる。
 146億円 + 18億300万円 = 164億300万円
よって、2年目以降の入場者800万人での営業利益は164億300万円である。  

5−2 800万人以上での営業利益について
テーマパーク産業では、パーク維持費の固定費(損益分岐点)を超えた時から、売上に占める利益率は、飛躍的に向上する。
ゆえに、入場者800万人を超えた時点での売上額に占める利益率を求めることにより、正確な損益分岐点や入場者数別の営業利益額も推測できる。
入場者800万人以上での売上に占める営業利益率は
大阪市公開の損益計算書より推測可能
株式会社ユー・エス・ジェイの2001年度の損益計算書より
  営業利益   20,137,125,699 円

USJの2001年度、目標入場者は800万人であったが、実際の入場者は1102万人。302万人増であった。
302万人増のため、金融機関への返済金を引いた営業利益は20,137,125,699 円あった。
USJでのゲスト一人当たりの売上額は、約1万円である。302万人増では、302億円の売上増があった。
302億円の売上増で、約201億円の営業利益があったことを元に、入場者が800万人を超えた時の、売上に占める利益率を推測できる。
上記内容より、入場者が800万人を超えた時の利益率を推測できる。
 2001年度営業利益 ÷ 2001年度の売上増金額 = 800万人を超えた時の利益率
 
 20,137,125,699 円 ÷ 302億円 = 66.67・・・% 
 入場者が800万人を超えた時の利益率は  約67%と推測できる。

6 入場者別利益額について
入場者別利益額については、上記内容から営業利益と利益率が求められたので計算可能である。

入場者数(万人) 1000 900 800 700 600 550 500 450
営業利益(億円) 298.03 231.03 164.03 97.03 30.03 -3.47 -36.97 -70.47

7 損益分岐点について
パーク固定運営費用での損益分岐点については、上記内容から営業利益と利益率が求められたので計算可能である。

損益分岐点の定義 
金融機関への借入金の返済や利息を除いて、パーク維持費の人件費や設備投資費や経費等の直接費用だけとする。
 損益分岐点の入場者数   555万1791人

8 USJの債務(借入金)の推移
今までの内容から、営業利益や利益率や金利が求められたので、USJの債務(借入金)の推移もシュミレーション可能である。
債務(借入金)は金融機関からの1250億円、金利は金融機関の今年度の金利の2.935%で計算する。
営業利益は全額、債務(借入金)の返済にまわす。単位は入場者は万人、利益等の金額については億円とする

 8−1 パターン1(USJの当初事業計画) 
      初年度800万人で、次年度移行は5%の増員を見込み
    
年度 入場者数 利益 借入残 利息 借入+利息
2001 800 146 1104 36.68 1140.68
2002 840 190.83 949.85 33.47382441 983.3238244
2003 882 218.97 764.3538244 28.85612883 793.2099532
2004 926.1 248.517 544.6929532 23.27714231 567.9700956
2005 972.405 279.54135 288.4287456 16.66736618 305.0961117
2006 1021.02525 312.1169175 -7.020805766 8.953197805 1.93239204
2007 1072.076513 346.3212634 -344.3888713 0.05670701 -344.3321643
2008 1125.680338 382.2358265 -726.5679909 0 -726.5679909
2009 1181.964355 419.9461179 -1146.514109 0 -1146.514109
2010 1241.062573 459.5419238 -1606.056033 0 -1606.056033
6年で債務(借入金)の返済完了。8年2ヶ月で総投資額(2030億円)の回収完了。  

 8−2 パターン2(USJの初年度フィーバ後の事業計画) 
      初年度はフィーバ1102万人で、2年目は入場者は正常な水準にもどり900万人。3年度移行は5%の増員を見込み

年度 入場者数 利益 借入残 利息 借入+利息
2001 1100 320 930 36.68 966.68
2002 900 231.03 735.65 28.36770749 764.0177075
2003 945 261.18 502.8377075 22.42048128 525.2581888
2004 992.25 292.8375 232.4206888 15.41396393 247.8346527
2005 1041.8625 326.077875 -78.24322229 7.272831686 -70.97039061
2006 1093.955625 360.9802688 -431.9506594 0 -431.9506594
2007 1148.653406 397.6277822 -829.5784415 0 -829.5784415
2008 1206.086077 436.1076713 -1265.686113 0 -1265.686113
2009 1266.39038 476.5115549 -1742.197668 0 -1742.197668
2010 1329.709899 518.9356326 -2261.1333 0 -2261.1333
4年10ヶ月で債務(借入金)の返済完了。6年11ヶ月で総投資額(2030億円)の回収完了。  

 8−3 パターン3(USJの一連の不祥事での下方修正案) 
      初年度はフィーバ1102万人で、2年目は入場者は一連の不祥事で大幅減の750万人。3年目は客足も戻り850万人。
        4年目は、新アトラクションのスパーダーマン、フィーバでリピーターを大挙訪れてゲスト大幅増で1000万人。
        それ以降は5%の増員を見込み。

年度 入場者数 利益 借入残 利息 借入+利息
2001 1100 320 930 36.68 966.68
2002 750 130.53 836.15 28.36770749 864.5177075
2003 850 197.53 666.9877075 25.36970398 692.3574115
2004 1000 298.03 394.3274115 20.3175741 414.6449856
2005 1050 331.53 83.11498557 12.16796423 95.2829498
2006 1102.5 366.705 -271.4220502 2.796125759 -268.6259244
2007 1157.625 403.63875 -672.2646744 0 -672.2646744
2008 1215.50625 442.4191875 -1114.683862 0 -1114.683862
2009 1276.281563 483.1386469 -1597.822509 0 -1597.822509
2010 1340.095641 525.8940792 -2123.716588 0 -2123.716588
5年4ヶ月で債務(借入金)の返済完了。7年3ヶ月で総投資額(2030億円)の回収完了。  

 8−4 パターン4(USJの一連の不祥事での下方修正案2) 
      初年度はフィーバ1102万人で、2年目は入場者は一連の不祥事で大幅減の750万人。3年目以降も客足は戻らず750万人。

年度 入場者数 利益 借入残 利息 借入+利息
2001 1100 320 930 36.68 966.68
2002 750 130.53 836.15 28.36770749 864.5177075
2003 750 130.53 733.9877075 25.36970398 759.3574115
2004 750 130.53 628.8274115 22.28372257 651.111134
2005 750 130.53 520.581134 19.10718148 539.6883155
2006 750 130.53 409.1583155 15.83742321 424.9957387
2007 750 130.53 294.4657387 12.47171225 306.937451
2008 750 130.53 176.407451 9.007232826 185.4146838
2009 750 130.53 54.88468382 5.441086518 60.32577033
2010 750 130.53 -70.20422967 1.770289865 -68.4339398
9年6ヶ月で債務(借入金)の返済完了。14年6ヶ月で総投資額(2030億円)の回収完了。  

 8−5 パターン5(USJ、2004年2月での経営計画修正案) 
        初年度1100万人、2年目763万人、 3年目予想995万人(フレンドパスリピーター含む)
        4年目はリピーター元年とスパイダーマン効果で920万人、5年目は850万人、6年目以降は2%増を目指す
        2002年以降の一人あたりの売上高は9000円で計算。


年度 入場者数 利益 借入残 利息 備考
2001 1100 320 930 36.68 一人単価、1万円
2002 763 122.837 843.843 28.36770749 一人単価、9000円
2003 995 140 732.2107075 25.59545891
2004 920 228.027 529.7791664 22.2382005 スパイダーマン効果
2005 850 181.127 370.8903669 16.19922538  
2006 867 192.517 194.5725923 11.35933745 2%成長
2007 884.34 204.1348 1.797129743 6.043175349
2008 902.0268 215.984956 -208.1446509 0.230077669
2009 920.067336 228.0721151 -435.9866884 0
2010 938.4686827 240.4010174 -676.3877058 0
2011 957.2380564 252.9764978 -929.3642036 0
7年1ヶ月で債務(借入金1250億円)の返済完了。8年1ヶ月で累積損失(213億円)解消。
10年5ヶ月で総投資額(2030億円)の回収完了。  

9 シュミレーション別でのグラフ



10 年間売上額について
年間売上額と目標売上額については、大阪市が公表している株式会社ユー・エス・ジェイの損益計算書から分かる。

年度 目標売上額 実売上額
2001 \89,823,000,000 \118,158,893,709
2002 \94,368,000,000 \75,848,965,299
2003 \87,393,000,000 \71,250,015,347
2004 \83,310,000,000


11 年間入場者数について
年間入場者数と目標入場者については、USJが記者会見で公開した内容である。 

年度 目標入場者数 実入場者数
2001 800万人 1102.9万人
2002 900万人 763.7万人
2002年度の目標入場者数は一連の不祥事により下方修正
2003年1月  800万人に下方修正
2003年3月  750万人に下方修正
2003 850万人 .
ワンデー入園者数 715.9万人
Fパス・リピータ数 273万人
総入園者数 988.9万人
Fパス販売枚数 約80万枚
Fパス所持者・平均来園回数 3.4
2004 .
総入園者数 920万人 .
ワンデー入園者数 760万人 .
年パス・リピータ数 160万人 .
年パス販売枚数 約30万枚 .
年パス平均来園回数 5.3 .

注) 2003年の入園者数には、Fパスリピータ(約80万人)の入園者を含んでいます。

11−1 期別入場者数
期別入場者については、USJが記者会見で公開した内容である。 

2001 2002 2003 2004
総入園者 ワンデー 総入園者 ワンデー
第1四半期(4〜6月) 288.3万人 215.7万人 265万人 171.4万人 189.1万人 171.1万人
第2四半期(7〜9月) 318.9万人 213.5万人 267.4万人 187.2万人 215.2万人 185.2万人
第3四半期(10〜12月) 288.2万人 179.3万人 282万人 182.8万人
第4四半期(1〜3月) 207.5万人 155.2万人 174.5万人 174.5万人
合計 1102.9万人 763.7万人 988.9万人 715.9万人


12 新アトラクション(設備投資)について

USJの新アトラクション(設備投資)については、マスコミ報道では「2年ごとに約100億円を投資して新アトラクションを追加する」となっている。しかし、当サイトでは、リピーター周期に合わせての大型アトラクションを投入してリピーターの獲得を目指すものと推測する。ゆえに大型アトラクションは、2〜3年おきに投入してリピーターの獲得を目指し、その間の年は小規模アトラクション(20億円規模)で話題性を提供する物と考える。
また、大阪市が公表している株式会社ユー・エス・ジェイの貸借対照表の投資等に約60億円が計上されている。ゆえに、新アトラクションの設備投資額が、毎年、60億円程度の定額として会計処理をして、設備投資負担の分散処理をしているものと推定する。
(結論) 新アトラクション(設備投資)の投資額は、毎年60億円で、10年間での総投資額は総額600億円となる。

新アトラクションの設備投資額
超大型アトラクション 約140億円 スパイダーマン
大型アトラクション 約100億円 ジェットコースタ
小規模アトラクション 約20億円 パレード、セサミ、シュレック

新アトラクション(設備投資)の経過
年度 オープン日 アトラクション名 金額 工事開始日
2002 2002年4月27日 ハリウッド・プレミア・パレード 21億円 2002年1月頃
2003 2003年4月26日 セサミストリート・4-D・
ムービーマジック
31億円 2002年12月頃
2003年6月20日 シュレック4-Dアドベンチャー
2004 2004年1月 スパイダーマン 144億円 2002年8月頃
1. スパイダーマンの当初のオープン日は、ゴールドパスの除外日が2004年3月末に集中していることから、2004年3月末のプレオープンで4月1日の正式オープンだったものと思われる。
2. スパイダーマンの当初の経理上の処理は、2002年度から2004年度に分散して費用を計上していたものと推定される。
3. スパイダーマンのオープン日は、入場者の早期回復とリピーター元年のイベントを早期に仕掛けるために、USJ新社長の佐々木社長が2003年10月に決断したものと、大阪市議会での答弁内容から推測される。
4. スパイダーマンのオープン日を当初予定より早めた為に、2004年度での約60億円の設備投資の処理を2003年度にしなくてはいけなくなった為に、大阪市への30億円の短期設備投資融資と、米ユニバーサル社に支払う新アトラクションの製造費用のうち、約10億円の支払いを繰り延べをしたものと推測される。
注) 新アトラクションの金額は、大阪市議会の情報である。

新アトラクション(設備投資)の会計処理内容
アトラクション名 会計処理年度
ハリウッド・プレミア・パレード 2002年度
セサミストリート・4-D・
ムービーマジック
2003年度
シュレック・4-Dアドベンチャー
スパイダーマン 当初) 2002年度〜2004年度
最終) 2002年度〜2003年度
注) 上記内容は、当サイトの推測です。

スパイダーマンの前倒しオープンでの処理内容
内容 金額 備考
大阪市への短期融資要請 30億円 大阪市の短期設備投資融資の金利は1.2%〜1.7%である
米ユニバーサル社への支払い延期要請 10億円
残高 20億円 USJが自己資金で捻出すると推測する
注) 昨年11月に大阪市がおこなった、USJへの50億円のグループファイナンス融資は、USJ事業資金と銀行への金利付替え資金と当サイトはみなし、スパイダーマンでの設備投資融資とはみなさない。

売上に占める新アトラクション(設備投資額)の割合
テーマパーク名 入場者数 売上額 設備投資額 割合
USJ 800万人 850億円 推定毎年60億円 約7%
2005年度から投資額変更 推定毎年25億円 約3.5%
750万人 700億円
TDR 2550万人 2895億円 毎年150億円 約5.2%
注) TDRでの入場者数と売上は、オリエンタルランドの2002年度の決算予想でのテーマパーク事業分野での内容です。TDRでのテーマパーク事業での売上には、TDSのホテルミラコスタの売上も含みます。 TDRでの設備投資額は、マスコミでの報道内容です。
割合とは、売上額に占める設備投資額の割合です。

13 一人あたりの売上高
USJ目標客単価(一人あたりの売上高)とUSJ実績客単価は当サイトの当初推測と、大阪市が公表しているUSJ決算書から計算して求めた、USJ実績客単価である。2003年度の大阪市公開のUSJ決算報告で、USJ各部門別の売上を公開したので、正確な1人あたりの売上高が求められた。
TDR目標客単価(一人あたりの売上高)とTDR実績客単価は、オリエンタルランドが決算で公表した内容である。
USJの客単価解析の参考資料として、TDRの客単価も表示した。 

年度 TDR USJ
当サイト当初予想 USJ決算書からの
実績客単価
目標客単価 実績客単価 目標客単価 実績客単価
2001 9610円 9760円 10400円 10178円 10217円
2002 9820円 9510円 9820円 9150円 9192円
2003 9430円 9247円 9600円
. 総入園者 6663円
ワンデー入園者 8785円
Fパス・リピータ 1075円
注)ワンデー入園者とFパス・リピータの一人あたりの売上高は、
当サイト独自調査・分析による案分に基づいて、算出しています。

注) 2003年のUSJ実績客単価は、ワンデーゲストの人あたりの売上高です。
ワンデーゲストの一人あたりの売上高は、当サイト独自調査・分析による案分に基づいて、算出しています。   

13−1 各部門別の一人あたりの売上高
2002年度の大阪市公開のUSJ決算報告で、USJ各部門別(チケット、物販、飲食)を公開しました。この情報に基づき、USJの各部門別の1人あたりの売上高を求める。

大阪市公開のUSJ営業報告書より
チケット収入は349.47億円(前期比36.5%減)となりました。
また、商品販売収入は228.70億円(前期比39.2%減)、飲食販売収入は123.84億円(前期比38.2%減)にとどまりました。
2002年度の入園者は763.7万人である。
   各部門別の1人あたりの売上高は、 各部門別売上高 ÷ 年間入園者数(763.7万人) で計算できる。
   又、2001年度の各部門別の売上高は前期比があるので計算でき、それを元に各部門別の1人あたりの売上高も計算できる。
 

各部門別の一人あたりの売上高
年度 チケット 商品 飲食 合計 入園者数
2001 4989円 3410円 1816円 10217円 1102.9万人
2002 4576円 2995円 1621円 9192円 763.7万人
2003 全入園者 3422円 1999円 1241円 6663円 988.9万人
ワンデー 4735円 2500円 1550円 8785円 715.9万人
Fパス・リ 0円 658円 417円 1075円 273万人
注) 各部門での計算は、小数点以下は切り捨て。
2003年度のワンデー入園者とFパス・リピータの一人あたりの売上高は、
当サイト独自調査・分析による案分に基づいて、算出しています。

13−2 各部門別の一人あたりの売上高のTDRとの比較
上記、計算でUSJの各部門別の1人あたりの売上高が分かりました。TDRもオリエンタルランドが決算で、各部門別の1人あたりの売上高を公表しています。両者を比較することにより、USJの強みと弱みを分析します。

年度 2001年度 2002年度 2003年度
USJ実績 TDL実績 USJ実績 TDL実績 USJ実績 TDL実績
チケット 4989円 4380円 609円 4576円 4233円 343円 4735円 3947円 788円
商品 3410円 3340円 70円 2995円 3205円 -210円 2500円 3260円 -760円
飲食 1816円 2040円 -224円 1621円 2070円 -449円 1550円 2040円 -490円
合計 10217円 9760円 457円 9192円 9508円 -316円 8785円 9247円 -462円
注) 各部門での計算では、小数点以下は切り捨て。差とは、USJ − TDL である。
2003年度のUSJ実績は、当サイト独自調査・分析による案分に基づいて算出した、
ワンデー入園者の一人あたりの売上高です。

当サイトのUSJ各部門別分析 (2002年度)
チケット部門 USJは大人向けのテーマパーク、TDRは子供・若者向けのテーマパークと言われている。この事が、1人あたりのチケット収入で裏付けられた。また、USJが中人(中学・高校生)料金を設定していないのも、収入源にとっては大きい要因である。今後、少子化社会においては、大人向けテーマパークの意義は大きい。今後も、子供達が驚いて泣くぐらいのパークを目指してほしいものである。
商品部門 TDRにはミッキーマウスと言う、世界一のキャラクターがいます。USJは、開園当初からキャラクターの役不足から商品部門は苦労すると予想されていました。しかし、ミッキーマウスに対抗する為に、ウッディーやスヌーピーやET、など、全キャラクターの総合力と商品開発力で、TDRと同等な一人あたりの売上高を達成した。
又、POSシステムによる売れ筋・死に筋の商品管理も徹底していて、スヌーピー関連商品が売れ筋と分かると、メインキャラのウッディーを隅に追いやってでも、スヌーピーを商品販売の主力にしたのは、素晴らしい。
売上の悪かった店舗のスタジオスタイルを文房具専門店のカルフォルニアペーパーカンパニーとして、再生させたのも見事だった。
2003年度は、リピーターの増大により、スヌーピー商品の売上が落込んできたのが分かると、セサミ商品をメインにすえて、2003年度クリスマスはセサミ一色にして、セサミ商品の販売拡張を目指した戦略も見事である。
商品部門での残された問題は、ETトイクローゼットのみである。ETショップは、アメリカでは人気が無いショップだったので、日本でも小店舗にした。しかし、日本人はETが好きであり、現在のETショップはあまりにも小さくて、商品を店舗の外に出さないといけない状態である。商品部門は売上成績が良いので、ETショップ拡張の為の予算を早急につけるべきである。
飲食部門 飲食部門の売上成績は、あまりにも悪すぎる。パークの閉園時間が、TDRに比べてUSJの方が早いが、それを差し引いても悪すぎる。USJ開園当初の2001年度は、USJも遅くまで開いていた。また、USJはビール等のアルコールを提供しており、大人の割合もTDRよりも多いので、もっと、一人あたりの売上高が高くなっていないといけない。
USJのレストランのメニューは、セットメニュー・コースメニューが少なすぎる。2003年からセットメニュー・コースメニューを増やしだしてきたが、対応が遅すぎる。キャラクターダイニングを開始するのも遅すぎた。
特に、パートナー企業の伊藤ハムが協賛している、ロングブランチバーベキューのガラ空き問題を今まで放置してきた事は、重大である。あのレストランは、味の問題で客が入らないのではなく、場所の問題で客が入らないだけである。ゲストがあまり行かないエリア(場所)にゲストを呼び寄せるには、ショーやキャラクター・ダイニング等の、食事以外でのプラスアルファの要素が必要である。2003年クリスマスに、ロングブランチバーベキューをキャラクター・ダイニングの場所にしたが、もっと早い時期にするべきであった。
飲食部門は成績の悪さを自覚して、セットメニュー・コースメニューの充実やショーやキャラクター・ダイニング等の提案や、色々なアルコール飲料の提供などによって、一人あたりの飲食売上高、2000円を目指すべきである。

14 USJ決算内容
大阪市公開の株式会社ユー・エス・ジェイの決算報告書よりUSJは、2001年3月31日開業

科目 年度
2000年度 2001年度 2002年度 2003年度
売上高 \8,998,153,636 \118,158,893,709 \75,848,965,299 \71,250,015,347
営業損益 \-3,910,012,126 \20,137,125,699 \-5,764,675,642 \-1,751,271,744
経常損益 \-9,518,131,887 \15,598,383,748 \-9,439,782,728 \-5,068,572,593
当期損益 \-8,462,228,537 \-1,199,382,495 \-9,315,552,705 \-5,204,112,996
.
累積損益 \-10,799,303,788 \-11,998,686,283 \-21,314,238,988 \-26,518,351,984
資本(資本金+累積損益) \29,200,696,212 \28,001,313,717 \18,685,761,012 \13,481,648,016
資本金 \40,000,000,000 \40,000,000,000 \40,000,000,000 \40,000,000,000

15 リピーター率とリピーター周期
テーマパークの成否で重要な要素はリピーター率であると、どのマスコミも言っています。しかし、USJのリピーター率は、TDLの開業後の同時期に比べて当サイトの独自調査で約10%も高いです。この高リピーター率の原因は、関東地域(首都圏)での新規ゲスト獲得に失敗した為に、年間入園者が最低目標の800万人に届かず、分母が少なくなったために、リピーター率が高くなりました。
開業年数に比べてリピーター率が高い事は、そのテーマパークは遠方からのゲスト(お客)が少ないその地域だけのローカルテーマパークと言う事であり、リピーター周期が長い事は、そのテーマパークがリピーターを引き寄せる魅力がない事である。
テーマパーク運営においては、リピーター率とリピーター周期と新規ゲスト獲得の三位(さんみ)が調和されてないといけません。
今回は、この三位を分析してみたいと思います。

  15−1 リピーター率
リピーター率については、TDLやUSJはマスコミとのインタビュー時に、公表しているので分かる。

TDLのリピーター率
開業からの年数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
年度 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993
リピーター率(%) 25 40 60 70 75 80 85 90 90 92
リピーター率は、各種マスコミ情報より。リピーター率は、4月又は5月調査分。

USJのリピーター率
開業からの年数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
リピーター率(%) 30 50 70
2002年リピーター率は、各種マスコミ情報より。リピーター率は、4月又は5月調査分。
2003年、2004年は、当サイトの独自調査。2004年度は、3月調査分。


  15−2 リピーター周期
リピーター周期とは、何年ごとにテーマパークに来園するかである。リピーター周期は、TDL、USJ共に公開していない。また、マスコミもリピーター周期の重要性に気付かず調査していないので当サイト独自調査が必要である。調査方法としては、集客係数法やモデル予測法やアンケート調査法があるが、どれも莫大なお金と時間がかかります。個人で運営している当サイトでは莫大なお金は無いので、当サイト独自に編み出した船場式計算モデル(商圏人口÷年間入園者)を使ってリピーター周期を算出します。

TDLのリピーター周期
開業からの年数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
年度 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993
入園者数(万人) 993.3 1001.3 1067.5 1066.5 1197.5 1338.2 1475.2 1587.6 1613.9 1581.5 1603
リピーター周期(年) 3.32 3.30 3.09 3.09 2.76 2.47 2.24 2.08 2.04 2.09 2.06
リピーター周期(年)は、当サイトが独自に算出した数字です。TDLの商圏人口は、3300万人です。
計算方法(船場式計算モデル) : リピーター周期 = 商圏人口 ÷ 年間入園者数

商圏人口の求め方 : 片道2時間(距離換算で約120キロ)の人口

USJのリピーター周期
開業からの年数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
年度 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
入園者数(万人) 1102.9 763.7 予想) 995
リピーター周期(年) 2.18 3.14 2.41
リピーター周期(年)は、当サイトが独自に算出した数字です。USJの商圏人口は、2400万人です。
計算方法(船場式計算モデル) : リピーター周期 = 商圏人口 ÷ 年間入園者数

商圏人口の求め方 : 片道2時間(距離換算で約120キロ)の人口


  15−3 地域別入園者の割合
USJは、地域別入園者の割合を公表していません。
しかし、行政の観光統計情報、旅行会社のUSJチケット販売情報、USJ駐車場での状況、パークでの方言等の各種情報を元に、当サイト独自で算出したいと思います。

北海道・東北  関東   中部   近畿  中国・四国  九州   外国 
2003年度割合 0.5% 8% 10% 70% 7% 3% 1.5%
適正割合 0.5% 15% 12% 61% 7% 3% 1.5%
2003年度割合は、当サイトの独自調査分析による、2003年USJ入園者の地域別の割合です。
適正割合は、当サイトが各地域の人口割合を元に算出した、USJの適正な地域別入園者割合です。

 15−4 総括

リピーター率とリピーター周期の分析結果
テーマパークの成否で重要な要素はリピーター率であると、どのマスコミも言っています。しかし、リピーター率は、年数が経てば上がっていくものでリピーター率だけで判断するのは誤りです。東京では豊島園、大阪ではエキスポランドがリピーター率は90%以上ですが、TDLやUSJが開業した時に、大幅に入園者を減らしました。しかし、入園者は大幅に減りましたが、リピーター率についてはあまり変化がありませんでした。

2004年3月時点でのUSJのリピーター率は、当サイトの独自調査で約70%です。同時期のTDLが60%ですので、約10%も高い割合です。USJのリピーター率の高さは、ターミネーター2:3Dの待ち時間を見れば誰にでも実感できます。ターミネーター2:3Dは、USJの人気アトラクションです。開業当初の2001年度は、休日の待ち時間120分で、ジュラシック・パーク・ザ・ライドと人気を二分していました。しかし、2004年の現在は待ち時間は60分程度で夕方になると待ち時間無しで体験できます。これは、映像系アトラクションがリピーターに弱く、ライド(乗り物)系アトラクションがリピーターに強い事に起因します。そして、待ち時間が激減したターミネーター2:3Dは2003年から無料Eパス対象のアトラクションから外れました。

USJの高リピーター率の原因は、関東地域(首都圏)での新規ゲスト獲得に失敗した為に、年間入園者が最低目標の800万人に届かず、分母が少なくなった為です。適正な関東地域(首都圏)の入園者割合は15%です。しかし、現在は8%です。その差は、7%で入園者数に直すと50万人〜70万人にも、なってしまいます。

USJは、開業当初の経営戦略では、首都圏の宣伝費やテレビコマーシャル料金は割高で経費が掛かるとの理由で、自社では積極的に取り組んでいませんでした。パートナースポンサによるUSJ商品を使っての販売促進活動のみを頼りにしてきました。2001年のUSJ開園当初は、超大型テーマパーク開園という事で、東京キー局のニュースでも大々的に取り上げられて、日本全国にUSJの話題が提供されました。この事により、全国からゲスト(お客)が殺到し、予想の800万人を大きく上回る1100万人ものゲストが来園しました。しかし翌年度からは、USJ自身の宣伝力と営業力で新規ゲストを獲得しないといけません。USJは、西日本地域では、テレビCMやJR西日本を使って膨大な宣伝・営業をしましたが、関東地域ではお金が掛かりすぎるとの理由で宣伝をしませんでした。関東地域での宣伝・営業活動をおろそかにした結果、関東地域からの入場者は目標数字に遠く及ばす、50万人〜70万人もの新規ゲストを逃してしまい、2002年度・2003年度ともにワンデーゲスト入園者が最低目標数の800万人に達しませんでした。USJは、関東地域の大事さに気づき、2003年4月から関東地域での広告費を15%増やし、関東地域での営業人員も大幅に増員しました。一番有名でインパクトのある関東地域での宣伝は、東京駅の京葉線へ向かう動く歩道にあるUSJ広告です。これは、もちろんテーマパーク大好きなTDRのゲストをターゲットにしたものです。

USJは、素晴らしいテーマパークです。USJのアトラクションとクルー(従業員)のゲストサービスは、どの地域、どの年代にも夢と感動を与えるものと、私は確信しています。しかし、どんなに素晴らしい物でも、営業や宣伝が不十分な為に、人々に知られていなくては意味がありません。ある商品を発明するのには1の力、開発するのには10の力、販売するのには100の力が必要と言われています。それほど、販売力である営業・宣伝が重要なのです。今のUSJには、関東地域での営業・宣伝力が不足しています。せっかく、クルーが一生懸命、真心のゲストサービスをしても、営業や宣伝部門が新規ゲストをパークに呼び込んでくれないと意味がありません。このままでは、USJは関西・大阪のローカルテーマパークで終わってしまいます。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)は名前のとうりに、日本のテーマパークを目指しています。決して関西・大阪のローカルテーマパークのUSOを目指しているのではありません。

日本のテーマパークになるのには、首都である東京を攻略しないといけません。日本のメディアの約90%は東京にあります。東京を攻略することは、メディアを攻略することになり、より多くのテレビや雑誌にUSJ特集を組んでもらえる事になるのです。そして、東京発のメディア情報は全国に波及するのです。テレビの視聴率も関東地域の視聴率だけが基準です。東京で関心の無いことは、どのメディアも取り上げません。東京人の関心をひき付ける為にも、パートナー企業だよりにならない、USJ自身がおこなう首都である東京での宣伝・営業活動が重要になるのです。2004年に大手百貨店の高島屋がパートナースポンサになり、全国の高島屋でUSJキャンペーン・イベントを開催します。しかし、営業・宣伝の主役は、あくまでもUSJでなければいけません。宣伝部門は、もっと関東地域での宣伝費を使い、より効果的な宣伝方法を考え、より多くメディアでUSJ特集を組んでもらえるように、メディアまわりをしなくてはいけません。営業部門は、旅行代理店をまわってUSJの旅行パンフレットを少しでもいい場所に置いてもらえるようにしないといけません。

テーマパーク運営においては、リピーター率とリピーター周期と新規ゲスト獲得の三位(さんみ)が調和されてないといけません。USJは、関西地域の多くのリピーターに支持されています。今後は、首都である東京の新規ゲストを獲得して、日本のテーマパークになるべきと、私は思います。目標は、脱・大阪(USO)、目指せ日本(USJ)です。USJの夢と感動を、日本全国に広げていって欲しいと、私は思います。
 管理人 船場 天保山   2004年3月23日

16 テーマパークのリピーター対策
人間には、飽きがある。どんなに素晴らしいテーマパークを作っても人は飽きてしまう。その飽きやすい人々をパークにつなぎとめる為に、各テーマパークは莫大な金額を投資して新アトラクションを建設して、あらたな感動をゲストに提供しています。ウォルト・ディズニー氏は 「テーマパークは、永遠に未完成でなければならない」と言っています。今回は、各テーマパークがリピーターを獲得するために、どのような対策・戦略をとってきたかを分析してみたいと思います。

  16−1 TDLのリピーター対策
TDLは、西暦2003年で開園20周年。TDLは、何の問題もなく順風満帆で、ここまで来たと多くの人は思っています。
TDLがどのようにして、リピーターと新規ゲストを獲得してきたかを分析したいと思います。どのマスコミも、どのテーマパーク専門家も、TDLは 「リピーター対策や獲得がうまい」 と言っていますが、その内容を調査・分析していません。当サイトが、TDLのリピーター獲得戦略を徹底分析して、初めて体系的にまとめました。初めて明かされる、TDLのリピーター獲得と新規アトラクション建設の相関関係。あらためて知らされる、テーマパークの成功には莫大な新規アトラクション建設の重要性。素晴らしいテーマパークのTDLさえも、永遠に未完成なのです。

経過
年度
年度 入園者数 入園数
増加率
導入日 新アトラクション と 重要事項 投資額 施設 規模 内容
0 1983 9,933,000 . 1983/4/15 グランド・オープニング(TDL開業) .
1 1984 10,013,000 0.805% .
2 1985 10,675,000 6.611% 1985/1/17 マジック・ジャーニー 不明 変更 映像系
1985/3/9 エレクトリカルパレード 不明 新設 パレード
【評価】 エレクトリカルパレードは、もともと、1987年のリピーター対策用に導入するビッグサンダー・マウンテンまでの、つなぎ目的のアトラクションであった。エレクトリカルパレードでの、ゲスト(お客)の増員は目的ではなく、あくまでもマスコミ向けへの話題性の提供程度てあった。しかし、パレードを公開すると予想に反して大好評。TDLを代表するアトラクションへとなった。
日本でエレクトリカルパレードが予想外の好評を博した原因は、日本での祭り文化に寄与するものと当サイトは分析する。あの美しく華麗な夜のパレードは、日本での夏祭りの 「青森ねぶた祭り」 や 「だんじりの灯入れ曳行」 や 「提灯行列」 に似ている。多くのゲストは、夜のパレードを、新しきアメリカ文化より、古き良き日本の夏祭り文化ととらえ好感を覚えたのであろう。
エレクトリカルパレードは、TDLのアトラクションの中で一番、費用対効果がよかったアトラクションであった。
3 1986 10,665,000 -0.094% 1986/3/8 アリスのティーパーティー 5億 新設 ライド系
1986/5/7 アメリカン・ジャーニー サークルビジョン360 11億 変更 映像系
1986/7/11 シンデレラ城ミステリーツアー 22億 新設 ツアー系
4 1987 11,975,000 12.283% 1987/3/20 3―D映画「キャプテンEO」 20億 変更 映像系
1987/7/4 ビッグサンダー・マウンテン 80億 新設 ライド系
【評価】 TDLで初めてリピーター対策の為の新アトラクション導入。総額100億円もの多額の投資であったが、その効果はてきめんで、入園者数が前年対比で12%増の好決算となった。あらためて、リピーター対策には多額の新アトラクション建設の重要性を知らしめた結果であった。
5 1988 13,382,000 11.749% 1993/4/15 5周年イベント .
  ディズニー・クラシックス・オン・パレード
 (昼パレード)
. パレード
  スターライト・ファンタジー(夜の花火) 花火
1988/4/15 ショーベース2000を新設。
ミュージカル「ワン・マンズ・ドリーム」上演
不明 新設 ショー
1988/12/1 JR京葉線一部開通 舞浜駅開業 .
【評価】 TDLで初めての大規模周年イベント。期間限定のパレードと夜の花火で、TDL5周年を盛り上げた。入園者数は、TDLの目標を180万人も上回った。あらためて日本人の記念イベント好きが確認され、区切りの周年イベント(5・10・15周年)はTDLのゲスト増員とリピーター戦略の大きな柱となる。
6 1989 14,752,000 10.238% 1989/7/12 スター・ツアーズ 140億 含む ライド系
【評価】  TDLで2度目のリピーター対策の大型アトラクション。多額の債務返済をするTDLには、100億円もの投資をした1987年の2年後の1989年に、スター・ツアーズ建設資金の140億円はなかった。
そこで、TDLは松下電器に 「TDLから撤退して電機メーカー代表の座をソニーに明け渡すか、スター・ツアーズに100億円の追加投資をするかどちらかです」 と迫り、スター・ツアーズの建設資金を獲得した。今まで松下電器は、ミート・ザ・ワールドという人気のないアトラクションのスポンサーであって、TDLでの宣伝効果はほとんどなかったが、スター・ツアーズのスポンサーになることによる宣伝効果は抜群であった。スター・ツアーズは、松下電器とTDLの両方にとって、重要で効果があったアトラクションであった。
7 1990 15,876,000 7.619% 1990/3/10 JR京葉線が全線開業。東京駅から直通 .
【評価】 陸の孤島と言われていたTDLに、やっと東京駅からの電車が直通した。交通網の改善によりゲストも増員。
8 1991 16,139,000 1.657% .
9 1992 15,815,000 -2.008% 1992/10/1 スプラッシュ・マウンテン 285億 含む 特大 ライド系
【評価】  TDLで3度目のリピーター対策の大型アトラクション。投資金額は、今までの投資金額をはるかに上回る285億円。エリア開発費込みであるが、空前絶後の投資金額である。しかし結果は、前年対比で入園者数2%減の大失敗であった。
この大失敗の原因は、TDLのリピーター対策の新アトラクションが若者向けのジェットコースター系に偏った為であると当サイトは分析する。TDLは若者だけでなく、子供にもお年寄りにも人気があるテーマパークである。それは、TDLが夢とファンタジーの世界観で、どの世代からも共感がもてるからである。
しかし、TDLのリピーター対策の新アトラクションは若者向けのジェットコースター系ばかり。そのTDLの方針に、ゲストは明確にNOの答えを出した。ゲストが絶叫系のジェットコースター系を楽しみたいのなら、富士急ハイランドや長島スパーランドの遊園地に行けばいい。ゲストがTDLに望んでいるのは、どの世代も楽しめる夢とファンタジーの世界である。この失敗で、1994年導入予定だった新アトラクションの「マッターホルン・ボブスレー」(雪山を下るジェットコースター)は中止になった。
10 1993 16,030,000 1.359% 1993/4/15 開園10周年 
10thアニバーサリー"It's Magical!" 開催
.
 ディズニー・ファンタジー・オン・パレード
 (昼のパレード)
. パレード
 マジック・イン・ザ・スカイ(夜の花火) 花火
1993/4/15 ビジョナリアム 50億 変更 映像系
1993/7/21 スイスファミリー・ツリーハウス 30億 新設 体験
【評価】  TDLで2度目の大規模周年イベント。やはり周年イベントは強し。前年度の新アトラクションのスプラッシュ・マウンテンでは入園者減であったが、10周年イベントでは入園者増を達成した。
11 1994 15,509,000 -3.250%
12 1995 16,986,000 9.524% 1995/7/21 新パレード「ディズニー・ファンティリュージョン!」 30億 変更 パレード
【評価】  TDLで一番人気のアトラクションのエレクトリカルパレードを一新して、ディズニー・ファンティリュージョン! になった。この夜のパレードの一新で、入園者数は前年対比で9.5%も増えた。1500万人で入園者数が頭打ちしていたTDLにとっては、驚きの入園者増であった。
これだけ入園者増があったのは、新パレード「ディズニー・ファンティリュージョン!」だけの要因ではない。去り行くパレードの 「エレクトリカルパレード」 の最後を見るためにも多くのゲストが訪れた。まさに、エレクトリカルパレードはTDLを代表するアトラクションで、多くの人々に愛されたアトラクションと言えるだろう。
去り行くパレードの「エレクトリカルパレード」を惜しむゲストと、新パレード「ディズニー・ファンティリュージョン!」を楽しむゲストの両方のゲスト増員で、驚異の入園者数9.5%増を達成した。
13 1996 17,368,000 2.249% 1996/4/15 新エリア「トゥーンタウン」オープン。 150億 含む
1996/12/11 オリエンタルランド、東証1部上場、8850円初値
【評価】  TDLは1992年導入のスプラッシュ・マウンテンの失敗に反省して、家族向けアトラクションのトゥーンタウンを導入した。このアトラクションは、家族だけでなく若者にも好評だった。まさに、TDLが追い求めるテーマの、夢とファンタジーの世界観が形になったと言える。入園者数は2%増だか、売上は6%増と好成績であった。売上増が入園者増を大幅に上回ったのは、キャラクターグッズ等の売上が増えたためである。あらためて、ミッキーマウスの凄さを実感した。
14 1997 16,686,000 -3.927% 1997/4/15 ミクロアドベンチャー! 28億 変更 映像系
15 1998 17,459,000 4.633% 1999/4/15 開園15周年 15thアニバーサリー開催
 ビバ!マジック (キャッスルショー) . ショー
 ディズニーカーニバル(昼のパレード) パレード
1999/7/17  スターライト・マジック (夜の花火) 花火
【評価】  TDLで3度目の大規模周年イベント。やはり周年イベントは強し。予想通りの好成績だった。
16 1999 16,507,000 -5.453% 1999/10/15 魅惑のチキルーム”“ゲット・ザ・フィーバー 不明 変更 ショー
17 2000 17,300,000 4.804% 2000/9/1 プーさんのハニーハント 110億 新設 ライド系
【評価】   リピーター対策の大型アトラクション、今回も家族向けの新アトラクションを導入した。プーさんのハニーハントは大人気。前年対比5%増の好成績だった。新アトラクションにジェットコースター系ばかり導入して遊園地になろうとしていたTDLが、本来目指すべき姿に戻ったといえよう。
区分内容の意味)
1.入園数増加率 ・・・ 前年対比での入園者数増加率
2.導入日     ・・・ アトラクション導入日は、実際に効果があった年度の項目に計上しています。
  会計年度では、4月1日〜3月31日までを1年としていますが、導入日は1月1日〜12月31日を1年としています。
  入園者数と入園数増加率は、会計年度(4月1日〜3月31日)です。
  例)  1990年 1月 1日導入アトラクション => 1990年度の項目に計上 (会計上は1989年) 
      1990年12月31日導入アトラクション => 1990年度の項目に計上 (会計上は1990年)    
3.投資額     ・・・ 投資額は、オリエンタルランド公表情報です。
4.施設      ・・・  新規(新規建設アトラクション)
               変更(フィルム交換や既存施設のリニューアル)
               含む(新規建設アトラクションで、エリア開発費を含むもの)
5.規模      ・・・ アトラクションの投資規模 
  小(50億円未満)  中(50億円以上〜100億円未満) 大(100億円以上〜200億円未満) 特大 (200億円以上)
6.内容      ・・・ アトラクションの大まかな分類
7.評価   ・・・ 評価は 「USJのツボ」 船場天保山の独自の評価です。如何なる団体や会社の影響を受けていません。
8.黄色は、TDLのリピーター対策年度です。(1987年、1989年、1992年、1996年、2000年)  

  16−2 USJのリピーター戦略
TDLのリピーター対策をもとに、USJのリピーター戦略を当サイト独自の視点で予想したいと思います。 

経過
年度
年度 入園者数 入園数
増加率
導入日 新アトラクション と 重要事項 投資額 施設 規模 内容
0 2001 11,029,000 . 2001/3/31 グランド・オープニング .
1 2002 7,637,000 -30.755% 2002/4/27 ハリウッド・プレミア・パレード 22億 新設 パレード
2 2003 9,889,000 29.488% 2003/4/26 セサミストリート・4-D・ 25億 変更 映像系
リ無し 7,158,000 -6.272% 2003/6/20 シュレック4-Dアドベンチャー 変更 映像系
3 2004 9,200,000 -6.967% 2004/1/23 スパイダーマン 140億 新設 ライド系
リ無し 7,600,000 6.175% 注) 年パスリピーターを除いた、USJの今年の年間目標入園者数
ツ予想 8,200,000 14.557% 注) 年パスリピーターを除いた、当サイト独自のUSJの今年の年間予想入園者数
USJのツボ予想(2004年5月予想)
4 2005 8,036,000 -2.000% . なし (この年の設備投資資金は、
レストランやショップの改装・増築にあてる)

ショー系レストランへ改装
  ロストワールドレストラン
  ロンバーズランディング (誤り)
  ロングブランチバーベキュー (正解)
増築
  ビバリーヒルズ ブランジェリー
  ETトイクローゼット
10億 .
5 2006 9,000,320 12.000% 2006/3/31 5周年イベント 40億 .
  ハリウッド・ファンタジ・パレード(昼のパレード) 5周年期間限定 パレード
  ハリウッド・ファンタジ・マジック(夜の花火) 5周年期間限定 花火
  ハリウッド・エレクトリカル・パレード
  (夜のパレード)
常設へ パレード
平日は、ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)のみ 20時開始
休日は、ハリウッド・ファンタジ・マジック(夜の花火)  19時30分開始
  ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード) 21時開始 の2本立て
【解説】 USJで初めての大規模周年イベント。ここでの目玉企画は、夜のパレード「ハリウッド・エレクトリカル・パレード(仮称)」。USJのハリウッド・マジックは素晴らしいが、集客力では夜のパレードにはかなわない。夜の花火には、感動はあるが夢がない。夜のパレードには、夢も感動も情緒もある。夜のパレードの集客力は、TDLで証明済み。TDLでは、エレクトリカルパレードを見るだけの為に入園するゲストも多数いる。USJにも、夜のパレードを望むゲストの要望は多い。5周年を記念して、待望のハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)をスタートさせる。
また、ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)は風の影響を受けないので、海沿いにあり強風でハリウッド・マジックがよく中止になるUSJにはもってこいである。
平日は、ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)のみ上演。休日は、ハリウッド・ファンタジ・マジック(夜の花火)とハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)の2本立て。ショー構成上は、ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)が先で花火が後のほうが望ましいが、ゲストがパレード終了後に花火のベストポジションへの場所取りで、走る恐れがあり危険なので、安全上、ハリウッド・ファンタジ・マジック(夜の花火)を先にした。
6 2007 9,810,349 9.000% 2007/6/1 リベンジ・オブ・ザ・マミー・ザ・ライド 100億 新設 ライド系
2007/9/10  ナイトパス(夜間割引入園券)一般発売
 17時以降入園
 夜のパレードを目当てに来るゲスト用
.
【解説】  USJで2度目のリピーター対策の大型アトラクション。期待の恐怖のジェットコースター「リベンジ・オブ・ザ・マミー・ザ・ライド」。場所は、ユニバーサルモンスター・ライブ・ロックンロールショーの裏の空き地が有力候補。建設工事は、2005年9月頃から開始される。
また、ナイトパス(夜間割引入園券)も一般発売してハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)だけを目当てに来るゲストの集客に力を入れる。ハリウッド・エレクトリカル・パレード(夜のパレード)登場から約1年半遅らせてのナイトパスの発売は、1年程度はナイトパス(夜間割引入園券)を発売しなくとも、集客力があるため。
7 2008 9,614,142 -2.000% . 不明(モンスター・メーキャップ変更) 20億 変更 ショー
8 2009 9,614,142 0.000% . スパイダーマン・ロック
(ザ・ワイルド・ワイルド・ワイルド・
ウェスト・スタント・ショー変更)
20億 変更 ショー
9 2010 9,998,707 4.000% 2010/4/1 コングフロンテーション 100億 新設 ライド系
【解説】  USJで3度目のリピーター対策の大型アトラクション。アメリカのユニバーサルスタジオで終了した、コングフロンテーションの復活。さらに迫力を増しての復活。キングコングのキャラクターは、日本でも人気があるのでキャラクターグッズの売上も期待できる。
10 2011 10,498,643 5.000% 2011/3/31 10周年イベント 30億 .
  ハリウッド・パワー・パレード(昼のパレード) 10周年期間限定 パレード
  ハリウッド・パワー・マジック(夜の花火) 花火
【解説】 USJで2度目の大規模周年イベント。ここで1000万人の入園者が達成できれば、第二テーマパーク建設も見えてくる。
【全体を通しての解説】  当サイトの予想のポイントは、5・10周年イベントの前後の年にリピーター対策を持ってきた点である。これにより、周年イベントでのゲスト増員とリピーター対策用の新アトラクションでの、両方でのゲスト増員が見込まれる。ゲスト増員要素が2年続けてあることは、非常に効果的である。いわゆる 「2段ロケット戦略」 で、ゲスト増員の推進力が通常より増す。   
区分内容の意味)
1.入園数増加率 ・・・ 前年対比での入園者数増加率
2.導入日     ・・・ アトラクション導入日は、実際に効果があった年度の項目に計上しています。
  会計年度では、4月1日〜3月31日までを1年としていますが、導入日は1月1日〜12月31日を1年としています。
  入園者数と入園数増加率は、会計年度(4月1日〜3月31日)です。
  例)  1990年 1月 1日導入アトラクション => 1990年度の項目に計上 (会計上は1989年) 
      1990年12月31日導入アトラクション => 1990年度の項目に計上 (会計上は1990年)    
3.投資額     ・・・ 投資額は、マスコミからの情報です。
               2005年以降の投資額は、当サイト独自に予想した投資金額です。
4.施設      ・・・  新規(新規建設アトラクション)
               変更(フィルム交換や既存施設のリニューアル)
               含む(新規建設アトラクションで、エリア開発費を含むもの)
5.規模      ・・・ アトラクションの投資規模 
  小(50億円未満)  中(50億円以上〜100億円未満) 大(100億円以上〜200億円未満) 特大 (200億円以上)
6.内容      ・・・ アトラクションの大まかな分類
7.解説      ・・・ 解説は 「USJのツボ」 船場天保山の独自の予想に対しての解説です。
8.入園者数   ・・・ 2003年と2004年の入園者数は、ワンデー入園者数とフレンドパスリピーター込み入園者数の両方表示
   2005年以降の入園者数は、TDLの過去の実績をもとに、当サイト独自に予想した入園者数です。
   2005年以降の入園者数は、ワンデー入園者数です。年パスリピーターを加えると、約30万人〜50万人増えます。
9.名称      ・・・ 5・10周年イベントでのハリウッド・ファンタジ・マジックやハリウッド・エレクトリカル・パレードは、当サイトが独自に付けた名称です。

17 USJのアトラクション計画と投資計画

年度 設備投資計画内容
2001年度
(開業当初)
2年ごとに約100億円規模の大型アトラクションを建設する。
2005年度
(計画変更)
2年ごとに約100億円規模の大型アトラクションを建設する計画を一時中止して、ショーやイベントを中心にした投資に事業計画を変更。実施は2005年度から。 (2004年7月に発表)
【解説】  USJの新アトラクション(設備投資)の投資額は、毎年60億円程度である。しかし、これは年間入園者数800万人を基礎とした、設備投資金額である。
現在のUSJの年間入園者数(ワンデー入園者数)は約700万人である。700万人の入園者数で黒字を目指す時の適正な設備投資金額は25億円程度である。
2期連続黒字を達成して、株式を上場して債務の一括返済をするまでは、年間の設備投資額は25億円程度に抑えて、小規模な新アトラクションやイベントを中心としたリピーター対策の運営になると思われる。
現在の経営・運営内容なら、2004年度は赤字で、2005年度・2006年は黒字になり、2007年度に株式上場し債務一括返済をして、2007年度か2008年度から年間の設備投資額を60億円に戻して2年ごとに約100億円規模の大型アトラクションを建設するパーク運営になると思われる。


18 USJ決算分析

 18−1 2003年決算分析
総括
2003年度のUSJの決算内容は想像以上に厳しい内容であった。売上高の悪かった原因は、商品部門の一人あたりの売上高の急激な落ち込みである。チケット部門と飲食部門は前年の同程度の売上額を達成したが、商品部門の売上高は196億7900万円で前年対比−13.9%となった。当サイトが独自に案分して算出した商品部門の1人あたりの売上高は2500円で前年対比−17%となった。この商品部門の急激な落ち込みは、テーマパーク運営において黄信号が点灯したと言って良いだろう。商品部門の売上げは、パーク運営にとって大事な柱である。
USJは2005年度から 『キャラクター・ワンダー・イヤー 』 として、大人のテーマパークから、家族で楽しめるテーマパークへと運営方針を大変更します。この運営方針の変更は、アメリカ側の運営責任者がダニエル・ジェンセン副社長からグレン・ガンペル社長に変わったためにおこなったものと思われていたが、2003年度のUSJの決算内容を見て、株式会社ユー・エス・ジェイが総合的に決断した内容だろうと、私は思います。USJの適正な商品部門の一人あたりの売上高は3100円である。これを達成するのには、売れ筋キャラクターをメインにした新アトラクションとイベントの開催が不可欠である。その為  『キャラクター・ワンダー・イヤー 』 の中には、USJの主役であるウッディー・ウッドペッカーは入っていない。ウッディーは人気があるが、ウッディーのキャラクターグッズは売れない。いわゆる死に筋商品である。売れ筋キャラキター商品のスヌーピ、セサミ、シュレック、ハローキティの販売促進の為にも、アトラクションやイベントと連動した商品販売は重要である。
また、キャラクターの商品販売での寿命も短くなっている。当初、当サイトは、5年程度はキャラクターの商品寿命はあると思っていたが、情報化時代の現代においては人気の移り変りも激しく、キャラクターの商品寿命も2年〜3年程度になった。今後は、ハローキティのように、2〜3年おきに新キャラクターを投入して、新キャラクターグッズを開発していかなければならない。

今回の、大人のテーマパークから、家族で楽しめるテーマパークへと運営方針の変更は、スピード決断であり正しい決断であると私は思います。
家族で楽しめるテーマパークへと運営方針の変更は、2003年度の決算が出た3ヵ月後の7月には決断した。これは、アメリカのユニバーサル社がUSJに直接資本参加していて、USJのテーマパーク運営の決定事項は、日本で決められるからであると当サイトは考える。資本参加がなくてロイヤルティー契約だけだと、全ての最終決断はアメリカでおこなわれる。日本側とアメリカ側で、それぞれ稟議書と決済をしないといけないので、これだけの重要な運営方針の大変更だと2年以上の時間がかかってしまいます。スピード重視の現代の企業活動においては、致命的である。
本来、実施時期では、2004年の第三四半期の10月が最短であるが、2004年度の設備投資資金は既にスパイダーマンで使ってしまったので、新しく設備投資資金が出来る2005年度からが資金面での最短時期である。

商品部門の一人あたりの売上高の急減により、多きく落込んだUSJのゲスト一人あたりの売上高。これを、回復させて健全なパーク運営をするのには、『7つの改革』が必要だと私は思います。
7つの改革
1.パーク運営の効率化
  2004年秋から、入園者数に見合った営業時間、ライドの効率運行を実施。
2.株式会社ユー・エス・ジェイの合理化
  2004年から各種合理化を実施。
3.関東地方(首都圏)からの新規ゲスト獲得
  2004年度から、東京での営業社員を増員して営業力と宣伝を強化。関東からのゲストの割合が約2倍増えた。
4.飲食(メニュー、価格、イベントとの連携)の見直し
  2004年度の秋からイベントと連動したメニューの提案を実施。
5.商品部門(ショップ)の見直し
6.修学旅行生獲得の強化

7.年間パス会員数の適正化とワンデーパス主体のパーク運営

補足) 上記内容の1〜4については既に実施中。5〜7については未実施。
     5〜7についての、当サイト独自の私案は以下の内容である。
 5.商品部門(ショップ)の見直し
【目的】 商品部門で、ゲスト一人あたり3100円の売上高を目指す。
1.新キャラクターの導入 【決定事項】
   2005年度から、新キャラクターとしてハローキティを正式に導入する。これにより新キャラクターの商品を開発して、リピーターゲストに新キャラクター商品への購買意欲を与える。
2.売れ筋キャラクターや新キャラクターをメインにした、新アトラクションやイベントの導入 【決定事項】
  2005年度から 『キャラクター・ワンダー・イヤー 』 として、売れ筋キャラキターをメインとした新アトラクションやイベントの導入。これにより、売れ筋キャラクター商品のさらなる購買意欲をゲストに与える。
3.セサミショップの拡張
  セサミグッズは売れ筋商品であるが、シネマ4Dストアは狭すぎるので、せっかくの販売機会を逃している。せっかく買い物をしようとしている客をショップの外の野外までにレジ待ちで待たすのは最悪である。平日でパークが空いている日でも、多くのゲストが野外でレジ待ちをしている。アトラクションでゲストを待たしてもゲストは逃げないが、買い物でゲストを待たすとゲストは買い物をやめようとする。シネマ4Dストアの奥には、セサミとシュレックの展示場があるので、その部分をショップにして拡張すべきである。これにより、ショップは現在の3倍の広さになり、レジ待ちは解消され売上げは2倍になる。
4.ETショップの増築
  日本では、ETグッズは売れ筋商品である。手狭で、現状は店舗の外にも商品を陳列している。このショップは拡張したいが増築しないといけない。増築には、多額のお金がかかるので、費用の工面がついた時に増築すべきである。
5.買い物ガゴをスーパーマーケットサイズ(大型化)へ
  ショップでの買い物カゴをスーパーマーケットサイズ(大型化)して、ゲスト一人あたり100円増の商品部門の売上増を目指す。
  USJのショップでの買い物カゴは、スーパーマーケットの買い物カゴに比べると6割ぐらいの大きさである。物凄く小さい。この大きさでは、ゲストはお土産を沢山買いたくても買い物カゴがすぐに一杯になり、ゲストはその時に購買意欲をなくすきっかけにもなっている。ゲストは、買い物カゴを2つも持とうとは思わない。カリフォルニアコンフェクショナリーだけはスーパーマーケットサイズの買い物カゴを導入したが、小物を扱う店舗(カリフォルニアペーパーカンパニー等)以外は、スーパーマーケットサイズの買い物カゴにするべきである。標準の買い物カゴはスーパーマーケットサイズで、例外がミニサイズの買い物カゴであるべきである。
6.お土産袋の均一料金
  お土産袋の大・中・小を全て420円均一料金にする。これにより、大きいお土産袋にお得感を持たせて、大きいお土産袋の販売量を増やし、ゲスト一人あたり100円増の商品部門の売上増を目指す。
  現在の各お土産袋の販売割合は、当サイトの調査では、大袋3割、中袋2割、小袋5割である。
  お土産袋の大きさと、お土産の金額は比例する。大きいお土産袋のゲストの方が、沢山のお土産を購入する。パークとしては、大きいお土産袋を買わしたほうが得である。もし、買ったお土産が少なくても、大きいお土産袋を持っていれば、後で再度お土産を買ってもらえる機会がある。小さいお土産袋だと、再度お土産を買おうと思っても、お土産袋に入らないのでお土産を買うのをためらう。多くの人は、再度、有料の高いお土産袋は買おうとしない。ならべく大きいお土産袋を買わすのが売上げ増へは最適である。
7.キャストによる手書きPOP広告
  USJのキャスト(役者)による手書きの商品POP広告を作成。これにより、イベントとキャストと連動した商品販売を行い、ゲストへの購買意欲向上と、キャストのパークへの経営参加意欲の向上を目指す。売上げ一番のPOP広告を作成したキャストには、USJで一番高いレストランの夕食をプレゼントとして提供して参加意欲を盛り立てる。
8.ショップ以外での商品販売
  USJはグッズをショップでしか販売していない。しかし、ショップ以外のレストランやフードカートやベビーカーレンタル場でも、商品販売する。大事なのは、ゲストが欲しいと思ったときに、商品が目の前にあると言うことです。
  例としては、2004年クリスマスであったセサミのショーで鳴らすリングベル(630円)は全フードカートやレストランで販売すれば、イベントと連動した販売でイベントも盛り上がるし、グッズの売上げも増える。ベビーカーレンタル場では、ひざ掛けを置けば売れる。ユニバーサル・スタジオ・ツアー参加者には、ガイドのクルーが映画スタジオガイドブックを10%引きで勧めれば売れる。
9.一部商品の値上げ
  2004年度からUSJでは、ぬいぐるみ類の商品を全体的に値下げしました。これは、USJの企業努力で商品納入業者の見直しや納入業者との交渉等で仕入れ価格の値下げを達成し、ゲストに値下げ価格を還元したものと思われる。しかし、USJはテーマパークであり娯楽産業である。生活必需品でない娯楽産業では、その商品に魅力があれば消費者は値段をあまり気にしないで商品を購入します。USJの企業努力で納入価格の値下げに成功したのなら、その利益は商品価格で還元しなくとも、イベント開催資金や新アトラクション資金へ内部留保すべきである。現在なら、ぬいぐるみ類は平均10%、お菓子類は5%の値上げは可能である。雑貨類は現在の価格程度が適正であると思われる。
3.セサミショップの拡張 4.ETショップの増築
セサミとシュレックの展示場 いつも混雑。野外でレジ待ち 手狭。野外にも商品陳列
5.買い物ガゴをスーパーマーケットサイズ(大型化)へ 6.お土産袋の均一料金
左(スーパーマーケットサイズ)  右(USJ標準) 420円均一料金で大袋販売強化
 6.修学旅行生獲得の強化
【目的】 修学旅行への学校や先生や生徒への各種優遇措置により、修学旅行生の35万人獲得(京都への修学旅行生102万人の3分の1)と、一人あたりの売上高ではチケット部門で3120円、商品部門で8000円、飲食部門で2000円、合計13120円を目指す。また、遠足ゲストは、25万人の獲得を目指す。
1.修学旅行支援センターの設置
ステージ22を修学旅行支援センターとして活用し、修学旅行の先生や生徒の支援場所として利用する。
現在、USJに修学旅行で来る学校は、先生の待機(生徒への連絡場所)場所として、セルフサービスのレストラン(ビバリーヒルズブランジェリー、メルズドライブイン等)を利用している。しかし、コーヒ1杯で長時間(入園時〜退園時:平均5時間)座席を、占有している。また、入れ替わり立ち代り生徒が先生に相談に来て大声で話すので、静かにゆっくりと食事をしたい一般のゲストに取っては迷惑な存在になっている。これは、先生のマナー問題と言うよりも、先生や学校を支援する場所や待機場所を提供していなかったUSJが悪いと私は思います。今後は、USJが、修学旅行でUSJを訪れる学校を支援する場所と待機する場所を提供し、USJでの快適な一日をすごしてもらい、次回もUSJを修学旅行先として利用してもらう為にもパーク内に修学旅行センターを設置する。
また、修学旅行獲得のキーワードは、自由行動と体験学習である。修学旅行支援センター内には、体験学習的な内容も導入する。
修学旅行支援センターの内容は、以下のとうり。
  1−1.ツアー相談所
      旅行会社の団体営業窓口を設置して、旅行会社から学校に対してはUSJを核とした修学旅行の提案、生徒に対してはUSJを核とした卒業旅行の提案を行う。直接、旅行会社の担当者に消費者(学校、生徒)の意見を聞いてもらうことにより、USJを核とした関西旅行のパックツアー開発の促進をする。
  1−2.先生へのコーヒ・ケーキ無料サービス
      先生へコーヒ・ケーキ無料サービスをして、USJへの好印象を与え、次回の修学旅行先もUSJにしてもらうようにする。又、先生からの口コミで他学校へもUSJを修学旅行先へ推薦してもらう。
  1−3.USJの安全対策の紹介(パネル展)
       学校が修学旅行や遠足で場所を選ぶ時に一番重視するのは、安全と安心です。USJは、2002年の一連の不祥事で修学旅行や遠足の学生ゲストは減りました。USJが学校からの集客をするのに一番重要な要素は、USJの安全性をアピールすることです。USJでは24時間、人が働いています。ゲストが帰った深夜に、アトラクションの整備や点検がおこなわれています。また、USJ消防隊は、万が一の火災に備えて日々厳しい訓練をしています。その日々の安全対策をパネルにして先生や生徒に分かりやすく紹介と説明をします。USJみずからが、先生方がなっとくするまで安全性について説明してこそ、USJに対する安心感が生まれ、USJを修学旅行や遠足の場所として選んでもらえるのです。
  1−4.USJのパーク模型展示
      USJのパーク模型を展示して、USJの壮大なプロジュクトを理解してもらう。
      超巨大・USJの模型(実物の約九十六分の一、横九メ−トル、縦七メ−トル)
  1−5.USJを核とした関西観光の紹介(パネル展、ビデオ)
      関西は世界遺産と国宝と歴史の宝庫です。京都、奈良、和歌山と世界遺産があり、これほど世界遺産が集約した地域は、世界でも珍しいです。これらは大阪・USJを中心として存在しており、USJや大阪が世界遺産の旅の窓口としては最適です。世界遺産では日本の歴史を学び、USJでは最先端の科学やアトラクションを学ぶ。世界遺産とUSJで、旅行の相乗効果が期待できます。
  1−6.USJの社会貢献の紹介(パネル展)
      これまでUSJは数々の社会貢献をやってきました。しかし、アピールをしていません。これからも社会貢献を続けるなら、なぜUSJが社会貢献をするのかの説明と、今までの社会貢献の活動実績の紹介をしなければいけません。USJの社会貢献の考えは、USJの企業理念としても重要な要素です。
  1−7.プロジェクトファイナンスの説明(ビデオ)
      USJのプロジェクトファイナンスについて、NHKの21世紀ビジネス塾で放送された 『根づくかプロジェクト・ファイナンス〜巨額融資の新手法〜』 をビデオ上映する。NHKからは教育目的使用で、上映許可をもらう。
     21世紀ビジネス塾『根づくかプロジェクト・ファイナンス〜巨額融資の新手法〜
  1−8.テーマパークビジネスの講義・講演
       子供達は、テーマパーク運営やテーマパークビジネスに大変興味を持っています。今まで、USJは大学ではテーマパークビジネスについて講演をやっていますが、小学校や中学校や高校では、やっていません。子供達にも、学習の一環としてテーマパークビジネスの講演をし、USJ社会貢献の一環として、子供達の人材の育成を目指す。また、テーマパークビジネス以外にも、USJの安全対策や広報の仕事等、各種の講演を開催して、USJクルーと子供達との交流の場や直接対話の場をもうけ、パーク運営にもいかす。

2.お土産代引きサービスの導入
  アメリカに無くて、日本にあるのが、お土産文化です。お土産文化とは、近所や親戚に、旅行先でのお菓子などの名品を買ってきて配る文化の事です。日本のテーマパーク運営では、お土産は収入源の重要な柱です。お土産文化の起源は古く、江戸時代の「お伊勢参り」が起源と言われています。江戸時代、伊勢に行くことは名誉なことで大変な事であり、 「一生に一度は伊勢参り」 とも言われ、伊勢にお参りに行く人は、近所や町内の人々から行かない人への祈願の代行料として、餞別を貰いました。その餞別で伊勢神社まで行き、ちゃんと祈願をしたとの証拠の品として、その土地の名称の入ったお菓子や工芸品を、お土産として持って帰り、近所に配りました。これがお土産文化の始まりと言われています。
  さて、関西の小学校の修学旅行先は、お伊勢さんです。私も、数十年前に修学旅行で行きました。ここで便利なシステムが、お土産の 「学校単位での宅配システム」 です。伊勢のお土産と言えば 「赤福餅」 です。赤福餅は、日本で一番売れているお土産です。なぜ、日本一のお土産になったかは、 「学校単位での宅配システム」 を古くから導入していたからです。まだ、クロネコヤマトの宅急便が無い時代から、伊勢の 「赤福餅」 は、宅配システムを導入していました。
伊勢に修学旅行に行く学校では、修学旅行に行く数日前に 「赤福餅の注文表」 が配られます。その 「赤福餅の注文表」 を元にして、子供達は近所や親戚の分のお土産の個数分の赤福を親と相談して受注してきて、注文表に個数を記入します。平均で5個、多い人なら20個以上もの赤福餅を注文します。そして、その注文表は修学旅行の時に、伊勢で先生や学校に渡して、赤福を一括で注文してもらい、後日、宅配や郵送で自宅まで送られて来ます。宅配なので、旅行の時には、重たいお土産を持たなくてすみ、先にお土産を買っているのでお土産を選ぶ心配もしなくてすんだので、とても良いシステムです。
 USJでも、伊勢の赤福餅で導入している、「お土産の宅配システム」 を導入すれば、とっても便利で、商品部門の一人当たりの売上高も大幅にアップします。また、 「代引き」 なら、お小遣いの心配もしなくて良いので、さらに売上げが上がります。USJも、赤福を見習って、お土産ナンバー1の座を目指して欲しいものです。

  2−1.お土産代引きシステムの流れ
     1.USJに修学旅行で来る学校に対して、旅行の2〜3週間前に、お土産一覧表とお土産注文表を、生徒の人数分、配布する。お土産一覧表とは、USJの売れ筋商品を10商品、USJのお勧め商品を5商品程度、写真で紹介した商品カタログの事である。宅配お土産対象は、この中の商品のみとする。1つのお土産の商品単価は、1000円程度とする。
     2.USJに修学旅行で来た学校に対して、「お土産代引きシステム」の注文を来園当日のみ、ステージ22の修学旅行支援センターで受付ける。
     3.「お土産代引きシステム」は、5000円以上購入者に対しては、送料・代引き手数料は全国一律1000円とする。10000円以上購入者に対しては、送料・代引き手数料は無料とする。これにより、10000円以上購入に対してのお得感を持たせて、売り上げ増を目指す。また、代引きで商品代金は後払いになるが、未成年者だと代引きのキャンセル率が高いので、前受け金として商品代金の10%を注文受付け時に受け取り、キャンセル時は前受け金をキャンセル料金として徴収する。

3.先生へのアトラクション優先入場券を配布
  先生方は、生徒への引率や待機の為に、USJを十分に楽しむことができない。待ち時間が120分もある超人気アトラクションのスパイダーマンに乗る事は不可能である。その先生へ、アトラクションの優先入場券を配布して、USJの良さや楽しさを知ってもらい、次回もUSJを修学旅行先へ選んでもらう。
4.アメリカのホームパーティーの開催
  ステージ33で中学生や高校生を対象にしたアメリカのホームパーティーを開催して、ステージ33の稼働率を上げる。また、アメリカのホームパーティーの開催では、すべて英語で会話して、外国人のクルーやキャストがゲストサービス(接客)を行い、学生にはアメリカに行った気分にさし、体験学習の場を提供する。料理は立食サービスとし、料金は1人あたり5000円程度とする。
 ハリウッド・フレンド・パスについて (7.年間パス会員数の適正化とワンデーパス主体のパーク運営)
USJは、2002年の一連の不祥事で落込んだ入園者数と売上を早期に戻すために、2003年3月から5月までの期間限定でハリウッド・フレンド・パスと言う超格安年間パスを6900円で販売しました。ハリウッド・フレンド・パスは、購入日から12月15日まで何度でも入園できる特別スタジオパスです。
当サイトの分析では、USJはハリウッド・フレンド・パスのリピーターによる一人あたりの売上高を商品部門で1500円、飲食部門で1500円、合計3000円の一人あたりの売上高を見込んでいたと思われます。この戦略は、ハリウッド・フレンド・パスのリピータには、USJでランチ(昼飯)を食べてもらう、ランチゲストの獲得を目指した戦略であると思われる。
しかし、実際のハリウッド・フレンド・パスのリピーターによる一人あたりの売上高は、当サイトの分析では商品部門で658円、飲食部門で417円、合計1075円の一人あたりの売上高だった。これでは、ランチゲストではなく、ワンドリンクゲストである。このようなゲストや消費者の事を、大阪弁ではシブチンと言い、標準語では倹約家と言う。USJの原材料費、人件費、運営費等の必要経費を考えれば、一人あたりの売上高が1075円では赤字である。最低、一人あたりの売上高が2000円ないとビジネスとして採算が取れない。

ハリウッド・フレンド・パスと言う奇策は、ビジネスとして失敗だったと言っていいだろう。

アメリカのユニバーサルスタジオでも、ハリウッド・フレンド・パスのような超格安の年間パスは有り成功している。しかし日本では失敗した。これは、日本人とアメリカ人の消費傾向の違いにあると、当サイトは分析する。日本人は倹約家のアリさんタイプであり、アメリカ人は浪費家のキリギリスさんタイプである。蟻タイプ(倹約家)の日本では、2〜3年間、遊興費・娯楽費として貯蓄してもらって、2〜3年おきにテーマパークに来てもらう蟻型ビジネスでなければならない。アメリカで成功した1年に何度も来るキリギリス型ビジネスモデルは、日本では成功しない。

また、ハリウッド・フレンド・パスを発売したために失ったゲストもいる。それは、近県の遠足ゲストである。学校でクラスに平均2人〜3人程度、ハリウッド・フレンド・パスを持っていたら、その学校はUSJを遠足の場所として選ばないであろう。遠足や修学旅行等の学生ゲストは、テーマパークにとっては美味しいゲストである。なぜ、美味しいゲストかと言うと、滞在時間が短くて、お金を良く使ってくれるからである。この滞在時間の短さは重要である。学生ゲストの平均滞在時間は5時間。この時間では、USJのアトラクションを半分程度しか楽しむことが出来ない。この半分が重要なのです。半分しかパークを楽しめない学生ゲストは、USJに遊び残した欲求がある。この欲求を解消すべく、近々、USJに再度、訪れたいと思う。その時に、小学生は自分のお小遣いではUSJに行けないので、親にUSJに行きたいとおねだりをして、家族でUSJに来る。子供連れの家族は、テーマパークで一番、お金を消費するゲストである。遠足の学生ゲストは、1来園で2度美味しい、パーク運営にとっては最高のゲストなのです。USJの開業初年の2001年度は、修学旅行で1500校、遠足で2500校が来園しました(情報元:日経新聞)。人数で換算すると、修学旅行15万人、遠足25万人である。しかし、ハリウッド・フレンド・パスを発売した2003年から近郊の遠足のゲストが急減し、その人数は当サイトの分析では10万人以上にものぼる。大きな損失である。
一人あたりの売上高が少なくて収益力の低いハリウッド・フレンド・パスや年間スタジオパスのゲストが増えて、収益力の高い遠足ゲストが減った。
ハリウッド・フレンド・パスや格安年間スタジオパスは、パーク運営にとっては、入園者数が急増して苦労や経費は増えたが、その成果がお金(売上げ・利益)として報われなかった。ビジネスとしては失敗である。

USJの規模で適正な年間スタジオパスの人数は、当サイトの分析では2万人である。その人数を達成するための年間スタジオパスの価格は、年間ゴールドパスで25000円、年間プラチナパスで3万円である。USJは一日も早く、年間スタジオパスの価格を適正な水準に戻すべきである。
そして、1年に何度も来園する年パス主体のキリギリス型ビジネスのパーク運営から、2年から3年おきに来園する1日券(ワンデーパス)主体の蟻型ビジネスにパーク運営を戻すべきであると、私は思います。
目指すべき数値目標
商売をするのには、知恵を絞り貪欲でなければいけません。目標を定めての創意工夫が必要です。

USJが目指すべき数値目標は、年間入園者数で毎年2%〜5%増です。現在のワンデー年間入園者数は715万人です。
一人あたりの売上高では、チケット部門で4500円、商品部門で3100円、飲食部門で1900円で、合計9500円です。

USJに人を呼ぶのには、いつも話題を提供しなければいけません。
一人あたりの売上高を達成させるのには、魅力的な商品やメニューを提供するのだけでなく、クルー(従業員)が笑顔で無ければいけません。クルーの笑顔があれば自然にゲスト(お客)の財布の紐は緩みます。
USJが、話題にあふれ、魅力にあふれ、笑顔にあふれていれば目標は達成できます。
しかし、この中の一つでも欠けていれば目標は達成できません。

USJはテーマパークであり、娯楽産業です。娯楽産業は、人間が生きていくうえで、必要な物ではありません。必要でないものに、人を呼び消費してもらうには、常に危機感を抱き、絶え間ない創意工夫が必要です。
クルーに対しての情報公開と説明責任
USJは2005年度から 『キャラクター・ワンダー・イヤー 』 として、大人のテーマパークから、家族で楽しめるテーマパークへと運営方針を大変更します。それ以外にも、各種改革を実施します。
これらの運営方針の変更と改革は、商品部門の一人あたりの売上高が急減したUSJでは、必要な改革です。
しかし、この改革を成功させるのに大切なことは、クルー(従業員)に対しての経営情報の公開と説明です。
USJは株式を公開していません。株式を公開していないUSJは、入園者数等の細かな経営情報をマスコミに公開する必要はないと私は思います。しかし、大人のテーマパークから家族で楽しめるテーマパークへと運営方針の大変更をするUSJは、クルー(従業員)に対して、なぜ、運営方針の変更と改革が必要なのか、経営情報を開示して、クルーに説明をして理解を得なければいけないと、私は思います。
USJで働いているクルーの人達は、単なる働き口としてUSJを選んだのではないと私は思います。USJを世界一のテーマパークにし、ゲストの笑顔であふれる場所にするために、夢と希望を持って、USJに就職したのだと私は思います。その人達(クルー)にとって、運営方針の変更は大変、重要な事です。

日産のカルロス・ゴーン社長がリストラや工場閉鎖等の社員にとって痛みを伴う改革が成功したのは、カルロス・ゴーン社長が現状の会社の経営情報を従業員に公開し、現在おかれている会社の危機的状況を説明し、なぜ、痛みを伴う改革が必要なのかをカルロス・ゴーン社長、自らが、たどたどしい覚えたての日本語で従業員に納得するまで説明したからです。
カルロス・ゴーン社長は従業員の働いている現場まで直接出向き、改革の必要性を説明しました。だから、従業員もなっとくして、全従業員が心を一つにして、痛みを伴う改革を真剣に実施して、改革が成功したのだと私は思います。改革で一番重要なのは、全従業員が一致団結することです。その為にも、社長自身による、従業員への経営情報の公開と説明責任が重要になってくるのです。

USJでも、グレン・ガンペル社長、自らの口で、従業員へ経営情報の公開と改革の必要性を説明すれば、改革は必ず成功します。今、重要なのは、正社員もアルバイト社員も改革の重要性と必要性に納得し、一致団結して改革に取り組み、改革を達成することだと私は思います。
「夢と感動」は変わらない
USJは2005年度から 『キャラクター・ワンダー・イヤー 』 として、大人のテーマパークから、家族で楽しめるテーマパークへと運営方針を大変更します。これは、ゲスト(お客)の声なき声に沿った運営方針の変更です。

声ある声とは、政治に例えるなら、特定の利益団体や応援団体や支持者の声です。その声が全てと思っていると、その団体やその人の為だけの政治や政策を行う事になってしまいます。政治は国民の為にあり、テーマパークは大衆の為にあるのです。
大衆や国民は、日々の生活に一生懸命です。陳情や投書など、直接、声をあげたりはしません。しかし、大衆の声なき声は、政党支持率や内閣支持率等の、数字で現れてきます。
政治も企業も、常に、大衆の声なき声に耳を傾けなければいけません。声なき声は、消費行動となって、USJの年間入園者数や一人あたりの売上高となって敏感に反映されます。
USJでは毎日、入園ゲートでゲストからアンケートを取っていますが、その中には子供達や障害者は対象外です。また、子供達や障害者やお年寄りの方は、手紙やインターネットでUSJに意見を言うことが出来ません。そのような情報弱者の人の声は、USJのクルーが代弁して、株式会社ユー・エス・ジェイに伝えなければいけません。子供達はUSJの何に感動し、何を怖がり、何に不満なのか。パークに直接届かない、声なき声を敏感に察知してこそ、USJに未来があるのだと私は思います。
USJは、USJのクルーのものだけでも、USJファンのものだけでも、ないと私は思います。USJは多くの人々に開かれているべきものであり、多くの人々に愛されるべきものと、私は思います。

東京ディズニーランドでも、現在のUSJと同じように、ゲストの直接の声に反して、過去に新規アトラクション計画を変更しました。TDLのリピーター対策の新アトラクションは若者向けのジェットコースターでした。しかし、1994年導入予定だった新アトラクションの「マッターホルン・ボブスレー」(雪山を下るジェットコースター)は突如中止になりました。マッターホルン・ボブスレーを楽しみにしていた一部のTDLファンは、運営会社のオリエンタルランドに抗議の声を上げました。でも、TDLファンでない一般大衆は若者向けのジェットコースターばかりに偏ったオリエンタルランドの運営方針には飽きてしまい、それが年間入園者数という結果に現れていました。いわゆる、一般大衆の声なき声のは反乱です。TDLやUSJのテーマパークに意見を直接言うのは、20歳〜40歳の大人のテーマパークファンです。いわゆる偏ったそうの声です。TDLでは、若者向けのリピータ対策から家族向けのリピータ対策へと運営方針の大変更をしました。そして、1996年、新規アトラクションとしてトゥーンタウンが完成しました。トゥーンタウンは、家族だけでなく若者にも好評でした。入園者数は2%増え、売上は6%も増えた。これは、ゲスト(お客)の声なき声に敏感に察知して、新規アトラクション計画を変更した、オリエンタルランドの勝利だと私は思います。

USJが開業した2001年当時、子供達はUSJで泣いていました。大人向けのショーやアトラクションばかりで、子供達には怖いものばかりです。また、ライド系アトラクション(乗り物)も身長制限で乗れず、いつもアトラクションの前で乗れない子供達は泣いていました。当サイトは、TDLのような 『未来のチャレンジャー証明書』 が、USJにも出来たら良いなと、ささやかにサイトで訴えていました。1年後、USJにも 『チャレンジャーカード』 ができ、子供達の涙は少なくなりました。それ以降、USJは、子供達にシールをプレゼントしたり、子供達も楽しめるイベントを開催したりして、全ての世代が楽しめるパークへとなってきています。当初、USJが目指した 『大人のテーマパーク』 は、私から見れば 『大人の為だけのテーマパーク』 だったと思います。子供達が犠牲になって泣いているパークは、おかしいと思います。USJは、子供にも大人にも 『夢と感動』 を与える場所でなければいけません。

USJは2005年度から、大人のテーマパークから、家族で楽しめるテーマパークへと運営方針を大変更します。これは、ゲストの声なき声に沿った運営方針の変更です。また、これからも移ろぎで気まぐれなゲストの消費動向によって、パークの運営方針が変わる可能性があります。
しかし、変わらない事が一つあります。それは 「夢と感動」 をゲストに与える事です。USJに遊びに来てくれたゲストに夢と感動を与え、ゲストの笑顔が満開のパークにする事が、USJが目指す事です。夢と感動は、子供達にも若者にも大人にもお年寄りにも障害者にも外国人の方にも、USJを訪れる全ての人々に対して与えなければいけません。これからも 「夢と感動」 で満ち溢れるパークであるように、USJのクルーの人達には絶え間ない努力をして欲しいものと、私は願います。
管理人 船場 天保山   2005年2月21日


注 意
これらの事業分析は、大阪市公表の株式会社ユー・エス・ジェイの各種資料と各種マスコミ情報をもとに、
USJのツボ、管理人の船場天保山が独自に分析したものです。
株式会社ユー・エス・ジェイとは、一切関係ありません。

作成 2003年3月9日 2005年2月21日 11版
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