『ハムレット』 の二つのエスペラント語訳に見る

エスペラント語の語源

 

The Etymology of Esperanto

as Seen in Two Translations of Hamlet

(La Esperanta Etimologio

Vidata en Du Tradukoj de Hamleto)

 

(Toshifumi Noro)

 

 この小論はシェイクスピア『ハムレット』の二つのエスペラント訳からそれぞれの同じ一節を取り上げ、そこで使用されているほぼすべての語に関してその語源を調査したものである。まず最初に、エスペラントの語彙について概観しておきたい。(「エスペラント語」と「エスペラント」という両方の言い方があるが、この小論の本文では、より一般的である「エスペラント」を用いることにする。)

 エスペラントはポーランドの眼科医ザメンホフ (Ludwik Lejzer Zamenhof ) (1859-1917) によって創案され、1887年に発表された人工言語である。エスペラントは共通語を意図してつくられた言語であるため、学習が容易に行えるよう工夫されている。ヨーロッパの言語は、古典ギリシア語 (以下では単に「ギリシア語」と呼ぶ) やラテン語に見られるように、もともと非常に複雑な文法体系を持った言語であった。エスペラントでは学習しやすいよう、文法は、例外というものが存在しない規則的なものとなっている。例外がないという点では、エスペラントの発音、アクセント、綴りにおいても同様である。外国語学習の際に、文法と並んで多くの労力と時間を要するのは語彙の習得である。語彙の習得をも容易にするために採られた方法が、多くのヨーロッパ人が知っている、初めて見た場合にも、意味の察しが付くような単語を選んで、そこから語根をエスペラントに借用するというものであった。また、充実した接頭辞、接尾辞、品詞語尾の体系を作り、それらと限られた数の語根とを組み合わせて、派生語を作るという造語法により、単語の数を何倍にも増やしていく方式が採られた。

 他の言語と比べて、エスペラントの語彙はどのような特徴を持っているのであろうか。エスペラントの単語の特徴を考えた場合、まず第一に、元の言語の発音および綴りがより単純な覚えやすい形に変えられているということが挙げられる。エスペラントでは、合成語において語と語が結びつくときなどを別とすれば、同じ子音を重ねた、-tt- -nn- などのいわゆるイタリア語のような「つまり音」は存在しない。このことは単語の発音を簡単にし、記憶しやすくするのに役立っている。

 しかしエスペラントの成立過程では常にそうであったわけではなかった。エスペラントが成立するまでには、1878年のLingwe Universala から最終的なエスペラントである1887年のLingvo Internaciaまで、2回か3回、根本的な作り直しがなされている。1881年から1882年にわたってザメンホフが残した3冊のノートでは、anno () bella (美しい) など、同じ子音を重ねた語が多いということである。現在のエスペラントでは合成語で異なる要素がくっついた場合以外は、このような重ねた子音は無くなり、発音や綴りがよりシンプルになっている。たとえば、ラテン語のeffectivus (実際の) はエスペラントでは -ff- f1個にしてefektivaとなり、イタリア語のpermesso (許可) は、-ss- s1個にしてpermesi (許可する) となっている。実際1881-1882年案のkusso (キス) bella (美しい) のような語は、最終的エスペラントではkisobelaという形に変えられている。

 逆に、単語の過度の短縮化というのも、人工言語の語彙の作成において陥りやすい過ちである。エスペラントが創案されていた当時、ドイツのMartin Schleyerという神父が発表していたVolapükという人工言語が陥った過ちも、またこの単語の過度の短縮化というものであった。Volapükという人工言語はやがて没落し、消滅していったのであった。語をあまりに短縮しすぎれば、初めてその単語を目にしたとき、自然言語の語彙からの意味の推測が困難となるばかりでなく、単語が記号のようなものになってしまい、記憶しにくくなるという欠点があるからである。

 ザメンホフの1881-1882年案では「影」umbroumboであり、「話す」parolipalliであり、「利点」avantaĝovandoであり、「週」semajnosimoであったというように、かなり短縮された形をしていた。この1881-1882年案の単語であれば、初めてこれらの語に接した人はその意味を推測することができないであろう。ザメンホフはこのVolapükが陥ったのと同じ過ちに早くに気づき、最終案で現在のような形に改めた。改められた形ならすぐに意味の察しがつくのである。    

 また、エスペラントが語を借用する際の重要な原則は、元の言語の語から一つの語根を借用してある品詞の語を作り、それ以外の品詞や派生語については、その借用した語根にエスペラントの接頭辞、接尾辞、語尾を付加して、単語を作っていくという方式を取っていることである。つまり、様々な品詞の語を元の言語からそれぞれに借用するのではないのである。たとえば、イタリア語では「許可する」という動詞はpermettereであり、「許可」という名詞はpermessoであるが、エスペラントはイタリア語のpermessoという名詞からpremes- という形を語根として借用し、それから動詞permes|i (許可する) を作り、更にそれを派生させてpermes|o (許可) という名詞を作った。あるいはエスペラントの「答える」という意味の動詞respond|iは、その語根respond- がラテン語respondereから採られているが、「答え」という名詞はラテン語のresponsum (答え) という名詞からではなく、エスペラントの動詞respond|iに名詞語尾の -oを付けて、respond|o (答え) となるという具合である。

 単一の語源から多数の派生語が作られる場合もある。ラテン語では「見る」という動詞はvidereであり、「見ること」という名詞はvisusであり、「見られるもの、光景」はvisumであるが、エスペラントではvidereからvid-という語根を借用し、そこからvid|i (見る) という動詞が作られている。そしてこのvid|iから様々な品詞の多くの派生語が作られる。例を挙げると、vid|o (外観)vid|a (視覚による)vid|ad|o (見ること)vid|aĵ|o (風景)vid|ebl|a (目に見える)vid|ebl|e (目に見えて)vid|ebl|ig|i (明示する)vid|em|a (見たがりの)vid|ig|i (見せる)vid|ig|il|o (ディスプレー)vid|iĝ|i (現れる)vid|ind|a (見るべき)vid|ind|aĵ|o (名所)antaŭ|vid|i (予見する)antaŭ|vid|ebl|a (予見可能な)ne|antaŭ|vid|ebl|a (予想できない)akr|e|vid|a (眼力の鋭い)aŭdi|o|vid|a (視聴覚の)bel|vid|ej|o (展望台)ek|vid|i (見かける)el|vid|o (展望)inter|vid|iĝ|i (会見する)klar|vid|a (明晰な)laŭ|vid|e (外見では)preter|vid|i (見過ごす)retro|vid|il|o (バックミラー)re|vid|i (再会する)re|vid|o (再会)sen|vid|a (視界の閉ざされた)tra|vid|i (見通す)tra|vid|a (透明な)tra|vid|ebl|ec|o (透明度)unu|a|vid|e (最初の一目で)vid|al|vid|e (向かい合って)tele|vid|i (テレビを見る)tele|vid|a (テレビの)tele|vid|o (テレビを見ること)tele|vid| ad|o (テレビ視聴)tele|vid|ant|o (テレビ視聴者)tele|vid|at|ec|o (テレビ視聴度)tel|vid|ig|i (テレビで放送する)tele|vid|ig|o (テレビ放送)tele|vid|il|o (テレビ) などがある。

 すなわち、ある関連した単語群に関しては、エスペラントが借用するのはだだ一つの語根のみであり、それを元にして様々な語を作るという方式を取っている。こうすることによって、ひとたびエスペラントの接頭辞、接尾辞、語尾などを覚え、造語法を学習すれば、限られた数の語根から容易に語彙を増やしていけるようになっている。このように、エスペラントは、借用された限られた語根から多くの派生語を生み出し、独自の語彙体系を持つにいたっているのである。

 反意語や対になる語もこのような方式で作られる場合がある。エスペラントの「父」patroはラテン語のpater () に由来するが、「母」は、ラテン語のmater () からではなく、patroに「女性」意味する接尾辞 -in- を追加したpatrinoという形となる。同様に、「兄弟」fratoはラテン語fraterに由来するが、「姉妹」はラテン語soror (姉妹) からではなく、frato -in- を追加したfratinoという形になる。あるいは、「右の」を意味するdekstraは、ラテン語dexter (右の) に由来するが、「左は」ラテン語sinister (左の) からではなく、dekstraに「正反対、逆」を意味するmal-という接頭辞を付けたmaldekstraとなる。

 語彙に関しては、エスペラントは、ヨーロッパ人なら容易に察しが付くような語を選んで語根として借用しているので、ヨーロッパの言語をある程度知っている人にとっては、初めての単語であっても、意味が理解できることが多い。その語がたとえ派生語として現れていたとしても、エスペラントの接尾辞や接頭辞などを知っていれば、容易に意味が分かるようになっている。また、書いたり、話したりするときのように、自分で発信する場合にも、語根を知っていれば、それを使って自分で派生語を作りながら、書いたり、話したりすることができるのである。

 エスペラントが他の言語から語を借用するとき、綴りを似せて語を作る場合と、発音を似せて作る場合とがある。たとえば、発音より綴りを似せた例としては、フランス語や英語のscience からのscienco (学問) や、英語のsunからのsuno (太陽) があり、発音が似ていて綴りが異なる例としては、英語のfireからのfajro () や、ドイツ語のscheinenからのŝajni (〜と見える) などがある。

 しかし現在のエスペラントの語彙となるまでに、異なる語源に変更されたものもあった。1881-1882年案では、エスペラントのletero (手紙) brivoであり、varma (暖かい) kalaであり、kaj (〜と〜) eであった。最後の英語andに相当するkaj という語は、最初、ラテン語のet あるいはそのイタリア語形eを考えていたようであるが、エスペラントでは -etは「小さい」を意味する接尾辞となったため、それとの混同を避けて、最終的にはギリシア語のκαι (〜と〜) からkajが採用された。

 では、エスペラントでは実際にはどのような言語から語彙が採られているのであろうか。想像できるのは、かつてヨーロッパの共通語であったラテン語や、主要な言語とされる英語、ドイツ語、フランス語などが多いのではないだろうかということである。実際にエスペラントの文章を読んで感じる印象は、ラテン語が最も多く、次にフランス語が続き、さらに次には英語、ドイツ語、イタリア語などが続くのではないだろうかというものである。イディッシュ、ポーランド語、ロシア語、ギリシア語などもエスペラントの単語の語源となっている場合があるが、それらは数の上ではわずかではないかという印象を受ける。つまり、専門用語を除くエスペラントの大多数の語は、ラテン語、フランス語、英語、ドイツ語、イタリア語という5言語の何れかから採られているように思われる。

 これらの5言語の何れか、あるいはそれらのうちの複数を知るヨーロッパ人は多く存在し、一方、イディッシュ、ポーランド語、ロシア語などはザメンホフ自身が精通していた言語ではあったが、これらを解するヨーロッパ人はそれらの母語話者を除けば、限られていたからであろう。また、ギリシア語について言えば、ザメンホフはギムナジウムを卒業するとき成績優秀で、特にギリシア語の成績が抜群のため、銀メダルを受賞したほどギリシア語やラテン語は得意であった。しかし科学などの専門用語や、すでにヨーロッパの各言語に広く採り入れられている語を別とすれば、エスペラントの一般的語彙にはギリシア語はそれほど多くは入っていないという印象を受ける。フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語などのロマンス諸語 (ローマ帝国の各地の民衆の話し言葉としてのラテン語を源とする諸言語で、フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語など) として単語が今日まで続いているラテン語とは異なり、ギリシア語はあくまで学問語という性格が強く、すでにヨーロッパの各言語に取り入れられている語を別とすれば、だれでもすぐ理解できるというわけではなかったからであろう。もちろん、上に挙げた言語以外の言語がエスペラントの語源である場合もあるが、それらはそれほど多くはないだろうことが予想される。

 では、実際のエスペラントの文章中で用いられている語彙はどのような言語から取り入れられているのであろうか。それを見るために、シェイクスピアの『ハムレット』第2幕、2場を取り上げ、その箇所の1894年のザメンホフ訳および1962年のニューエル訳で使用されているほぼすべての語について、語源を調査したのがこの小論である。エスペラントの語源辞典としては主にAndré Cherpillod, Konciza Etimologia Vortaro を使用した。この辞典はKonciza とはいうものの、網羅的にエスペラントの単語が収録されており、また記述もきわめて学問的であると判断される。また補助的に、ヤマサキ セイコー編『エスペラント語源小辞典 非縮約版』およびAndras Rajki, Etymological Dictionary of the Esperanto Language も参照した。ただし、語源辞典間で解釈の異なる場合もあり、また解釈に賛同できない場合もあるので、そのようなときは最終的には筆者自身の解釈によった。

 作品で使用されている語の語源がどの言語からのものであるかを調査する際に直面する困難について説明しておきたい。実は、エスペラントのある語根がどの言語から採られているかを決定するのは、それほど簡単ではないことが多いのである。それはラテン語系の語の場合、それに対応する語がフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語などに広く分布することがあり、また英語はフランス語、ラテン語から多くの単語を取り入れている言語なので、それらに対応する語が英語にも存在する場合が多いからである。

 たとえば、エスペラントaperi (現れる) という語の場合、語源として考えられる語として、ラテン語apparere、フランス語apparaître、イタリア語apparire、英語appear、スペイン語aparecer、ポルトガル語aparecer、ルーマニア語apǎreaなどがあるCherpillodの語源辞典ではラテン語apparereを最初に挙げ、そこから出た語として他の言語の語が挙げられている。ヤマサキ編の語源辞典では英語appearのみが挙げられている。また、Rajkiの語源辞典では、“Fre. apparaître, Ita. apparire, Eng. appear, Lat. apparere” のように4つの言語が並列されて記載されている。形の上ではaperiは、ヤマサキが記しているように、英語のappearに最も近いのではないかと思われる。したがって、aperiの語源が英語appearであると記しても正しいのかもしれない。

 しかし、もしappearに類似した語が英語以外の言語には存在しないと仮定したらどうであろうか。その場合は、エスペラントのaperiという語は採用されていなかったのではないだろうか。aperiという語がエスペラントに採り入れられた最大の理由は、それがラテン語apparereに由来し、そのラテン語由来の語がフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などに広く分布し、さらにフランス語経由で英語にappearという語が入っていたという事実ではないだろうか。ラテン語apparereから語を借用する際、綴りや発音については英語appearに倣って、より単純で覚えやすいaperiという形になったのではないだろうか。ザメンホフはこのようにラテン語からある語根を採り入れる際、形を単純化するなどの目的のため、ロマンス諸語などを参考にして、語の形を一部変更している場合がある。それで、Cherpillodがラテン語apparereaperiの主要な語源として挙げているのだと思われる。この小論でもaperiの語源はラテン語であるとして数えた。

 語源として複数の言語の可能性が考えられる場合には、この小論では一定の方式で一つの言語を語源として挙げることとした。Cherpillod の辞典では、語源がラテン語と、フランス語、イタリア語などのロマンス諸語とに共通に見られる場合は、ラテン語を語源として挙げて、その他の言語に見られる形を同族の語として示すという形を取っている。このような場合は、この小論でもおおむねその語の語源をラテン語であるとして数えた。また、ラテン語の形態とそれに由来するロマンス諸語の形態とが大きく異なり、エスペラントの語根が明らかにロマンス諸語の方から借用されていると思われる場合は、ロマンス諸語の方の語を語源とした。その際、フランス語と英語、イタリア語とスペイン語、英語とドイツ語というように、語源と考えられる語が複数の言語に共通に存在し、形の上からはどちらの言語を語源として考えても差し支えないと思われる場合は、次のように処理した。

 フランス語とイタリア語については、「フランス語>イタリア語」という優先順位をもうけ、フランス語として数えた。フランス語が、ラテン語に次いでザメンホフが重視した言語であると考えられるからである。イタリア語、スペイン語、ポルトガル語は類似した語を持つことが多いのであるが、その場合は、「イタリア語>スペイン語、ポルトガル語」という優先順位にしたがってイタリア語に数えた。エスペラントの語彙を概観したとき、ザメンホフが意図的にスペイン語やポルトガル語から語を採用するということはほとんどなかったのではないかという印象を受けるからである。また、英語とフランス語に類似の語が存在する場合、たいていはその語がフランス語から英語に借用されたものであるので、よほどのことがない限り、フランス語として数えた。英語とドイツ語に類似の語が存在し、形の上からはどちらを語源と考えても差し支えないような場合は、ドイツ語の方を優先して数えた。ザメンホフにとって、英語よりもドイツ語の方がはるかに身近な言語であったからである。フランス語とドイツ語に類似の語が存在し、その語がフランス語からドイツ語に入ったものである場合、フランス語を語源として数えた。また、英語とイタリア語に類似の語が存在する場合は、おおむねイタリア語を優先した。これはたいていの場合、英語の語がロマンス諸語からの借用語であるからである。

 以上の方式によって、たとえばĝoji (喜ぶ) の語源を見てみよう。一見、この語は英語のjoyに近いように見える。Cherpillodĝojiの語源として、オック語joia、フランス語joie、英語joy、イタリア語gioiaを挙げている。実際、多くの場合、このように複数の言語を語源として列挙するのがより正確であるかもしれない。あるいはこのような場合は、それらの言語をひっくるめてロマンス諸語とするのが、適当であるかもしれない。しかしこの小論では、調査のための方策として、語源に一つの言語を挙げる方式を取り、「フランス語>イタリア語」および「フランス語>英語」という優先順位にしたがって、フランス語joieĝojiの語源として数えた。joie [ʒwa] の場合、ĝojiとは母音の発音が大きく異なるが、ここでは綴りを基にして借用されていると考えることができる。

 たとえば、ricevi (受け取る) ribeli (反乱する) の場合、この小論ではCherpillod の語源辞典とは異なる解釈を取った。Cherpillodではriceviの場合、イタリア語ricevereが語源として挙げられ、それに近い形としては、コルシカ語riceve、フランス語recevoir、英語receiveなども挙げられている。Cherpillod が他の言語よりイタリア語ricevereを語源として挙げている理由は、ricevi語頭がre-ではなく、ri-となっているからであろう。しかし、re- はエスペラントでは「再び」を意味する接頭辞として使用される形態であるため、それと区別するために、すでに固定した語として借用するとき、意図的に語頭のre-ri- に変える場合がある。このriceviri-もそれであると考えられる。したがって、この小論ではフランス語recevoirriceviの語源として数えた。

 同様に、Cherpillodribeli (反乱する) の語源をイタリア語ribelle (反逆心のある) としているが、これは「反乱する」がラテン語ではrebellare、フランス語ではrebeller、英語ではrebelであって、すべて語頭が共にre- で始まっているのに対して、イタリア語ではribellareとなって、語頭がエスペラントの場合と同じri- であるためだと考えられる。エスペラントで元の言語のre- ri- と変えられている例はいくつかあり、例を挙げれば、rifuzi (拒絶する)rigardi (眺める)rilati (関係する)rimarki (気づく)rimedo (手段)ripari (修理する)ripeti (繰り返す)ripozi (休養する)riproĉi (とがめる) などがある。したがって、ribeli (反乱する) の語源として、語頭がri- であるからといって、他の言語より優先させてイタリア語ribelleを挙げる理由はなくなるのである。この小論では、ロマンス諸語の元であるラテン語rebellareribeliの語源として数えた。

 エスペラントhavi (持つ) に関しては、Rajkiやヤマサキの語源辞典が語源を英語のhaveとしているように、語源を英語と考えることもできる。しかし、この小論では語源としてラテン語のhabereを挙げた。実は、haveに対応する語は、ラテン語系の言語とゲルマン系の言語に広く分布している。英語have、ドイツ語habenなどのほか、ラテン語habereに由来する語として、イタリア語avere、フランス語avoir、カタロニア語haverなどがある。Cherpillodの語源辞典はエスペラントのhaviが、ラテン語habereと、英語haveおよびドイツ語habenとの混成であるとしている。この小論では語源として一つの言語を数えるという方針なので、語源がラテン語であるとして数えた。

 語源となっている言語を数える際に、以上説明した優先順位にしたがって、フランス語とイタリア語に類似した形がある場合、語源をフランス語として数えた語に次のようなものがある。

manĝo (食事) (F. manger, It. mangiare); mondo (世界) (F. monde, It. mondo); paroli (話す) (F. parole, It. parola); peni (努める) (F. peiner, It. penare); pensi (考える) (F. penser, It. pensare); pesi (〜の重さを計る) (F. peser, It. pesare); piedo () (F. pied, It. piede); saĝa (賢明な) (F. sage, It. saggio); tuta (全部の) (F. tout, It. tutto) など。

 フランス語と英語に類似した形があり、フランス語を優先させて語源をフランス語として数えた語に次のようなものがある。

brava (F. brave, E. brave); dezir (欲する) (F. desirer, E. desire); moki (あざける) (F. moquer, E. mock); obei (従う) (F. obeir, E. obey); pala (青ざめた) (F. pâle, E. pale); pentri (描く) (F. peintre, E. paint); plezuri (楽しむ) (F. plaisir, E. pleasure); princo (君主、王子) (F. prince, E. prince); ŝoki (ショックを与える) (F. choquer, E. shock); supozi (仮定する) (F. supposer, E. suppose) など。

 ドイツ語と英語に類似した形があり、ドイツ語を優先させて語源をドイツ語として数えた語に次のようなものがある。

baki (焼く) (G. backen, E. bake); haltigi (止める) (G. halten, E. halt); hasto (大急ぎ) (G. hasten, E. haste); lando (国土) (G. Land, E. land); sendi (送る) (G. senden, E. send) など。

 イタリア語と英語に類似した形があり、イタリア語を優先させて語源をイタリア語として数えた語に、provi (It. provare, E. prove) などがある。また、oficiro (将校) (F. officier, G. Offizier) ではドイツ語よりフランス語を優先させ、polvo () (It. polvere, S. polvo) ではスペイン語よりイタリア語を優先させた。

 使用語数をカウントする場合、次のような方針を取った。たとえば、trinki (飲む) trinko (飲むこと) のように品詞が異なる語は、たとえ語根が同じであっても、別語として数えた。複数語尾 -jや対格語尾 -n-jnなどは、それらを取り去った形で数えた。動詞に関しては、-as-is-os-us-uなどの語尾は、-iに直した形で数えた。それ以外の接尾辞が付いた語は、接尾辞が異なれば、おおむね別語として数えた。接頭辞については、接頭辞が異なれば別語として数えた。エスペラントの単語はふつう「接頭辞+語根+接尾辞+語尾」のような構造になることが多いが、語源を数える場合、語根のみを問題とした。複数の語根を持つ合成語の場合は、調査のカウントからは除外して、語源に関しては別に示すこととした。なお、厳密には合成語であっても、後半に意味の重点があり、前半がほとんど接頭辞と見なされ得るmez|nokt|o (真夜中) sin|mort|ig|o (自殺) などは合成語の中には入れず、派生語として扱い、中心となる語根 (下線部) の語源について数えた。同じ語が複数回重複して現れる場合は、1種類、すなわち1語として数えた。

 また、人名、国名、地名などの固有名詞は除外した。繰り返し使用されている機能語などの基本的な語については、調査から除外した。除外した基本語は次の約125語である。ただし、基本語に語尾が付いたpost|eなどに関しては、調査のカウントに含めた。

ajn, al, aliaj, ankaŭ, ankoraŭ, antaŭ, apud, aŭ, ĉar, ĉe, ĉi, ĉiam, ĉie, ĉio, ĉiu, ĉiuj, ĉu, da, de, eĉ, de, do, dum, ekster, el, en, fi, for, ĝi, ĝin, ĝis, ha, ho, iam, ili, iliaj, inter, ia, io, ion, ja, je, jen, jes, kaj, ke, kelka, kelke, kia, kial, kiam, kie, kiel, kio, kiom, kion, kiu, kiujn, kiun, kontraŭ, kun, kvazaŭ, l’, la, laŭ, li, lia, lian, lin, mem, mi, mia, mian, min, ne, nek, neniam, nenian, nenio, neniun, ni, nia, nian, nin, nu, nun, nur, ol, oni, per, plej, pli, plu, por, post, pri, pro, ŝi, ŝian, se, sed, sen, sia, sian, sin, sur, tamen, tia, tial, tiam, tie, tiel, tio, tiom, tion, tiu, tiuj, tiun, tra, tre, tro, vi, via, vian, vin

 台詞の話し手を示す人名、ト書きはすべて調査から除外し、純粋に台詞の部分のみを取り上げた。『ハムレット』第2幕、2場について、ザメンホフ訳の総使用語数は1857語である。これから固有名詞および上に挙げた基本語を除外すると、ザメンホフ訳の場合、使用語数は860語となり、重複を排除すれば、336語が使用されている。一方、ニューエル訳の第2幕、2場の総使用語数は1730語である。これから固有名詞と基本語を除外すると、ニューエル訳の場合、使用語数は789語となり、重複を排除すれば、479語が使用されていることになる。

 語根を2個重ねた合成語がザメンホフ訳では5語、ニューエル訳では11語使用されている。これらの合成語を除いた、ザメンホフ訳331語、ニューエル訳468語について、それらの語源を調査した。これらの語のうちで、両訳で共通に使用されている語の数は101語である。共通に使用されている語は、割合で示すと、ザメンホフ訳で30.5%、ニューエル訳で21.6%となる。『ハムレット』の同じ箇所のエスペラント訳としては、両訳間に同じ語の割合が少ないという印象を受ける。この両訳で共通に使用されている語の割合が少ないということは、おそらく両訳書全体について言えることであろう。

 『ハムレット』第2幕、2場で使用されているザメンホフ訳331語、ニューエル訳468語に関して、それらの語の語根の語源についての調査の結果は、次の通りである。

ザメンホフ(Zamenhof):

 ラテン語 (Latin)       214 (64.7%)

 フランス語 (Fench)   74 (22.4%)

 イタリア語 (Italian)  10 (3.0%)

 ドイツ語 (German)   20 (6.0%)

 英語 (English)          10 (3.0%)

 イディッシュ (Yiddish)3 (0.9%)

ニューエル(Newell):

 ラテン語 (Latin)  294 (62.8%)

 フランス語 (French) 104 (20.2%)

 イタリア語 (Italian)  22 (4.7%)

 ドイツ語 (German)   27 (5.8%)

 英語 (English)          13 (2.8%)

 イディッシュ (Yiddish)4 (0.8%)

 ギリシア語 (Greek)     2 (0.4%)

 ロシア語 (Russian)     1 (0.2%)

 ポーランド語 (Polish)  1 (0.2%)

 ザメンホフ訳とニューエル訳では、78割で互いに異なる語彙が使用されているにもかかわらず、その語根の語源の割合は驚くほど近いことが分かる。共に6割以上の語の語源はラテン語であり、2割以上の語源がフランス語である。ラテン語、フランス語、イタリア語をまとめてラテン語系言語と考えれば、ザメンホフ訳の場合、ラテン語系言語は298語となり、90.0%を占めていることが分かる。また、ニューエル訳では、ラテン語系言語は420語であり、89.7%を占めている。つまり、両訳共に、ほぼ9割の語がラテン語系言語を語源として持つことになる。

 それに対して、ドイツ語はザメンホフ訳では6.0%、ニューエル訳では5.8%と、ともに6%程度であり、英語はザメンホフ訳では3%、ニューエル訳では2.8%である。ドイツ語と英語を合わせても、それぞれの訳で9%程度にしかならない。また、上記の言語以外の割合は、ザメンホフ訳ではイディッシュだけなので、0.9%、ニューエル訳ではイディッシュ、ギリシア語、ロシア語、ポーランド語を合わせて、1.7%となる。

 以上の調査から、エスペラントの語彙は、一見英語に近いように見えるにもかかわらず、実際には、6割以上がラテン語から採られた語根でできていることが分かる。また、フランス語が占める割合も、予想外に大きく、2割以上となっている。したがって、ラテン語とフランス語で、エスペラントの語根の8割以上を占めていることが分かる。

 ザメンホフは、ドイツ語教師であった父親の影響もあり、ポーランド語、イディッシュ、ロシア語に加えて、ドイツ語も学校時代から自由に話すことができた。母語話者以外では使用する人の少ないポーランド語、イディッシュ、ロシア語は別として、ドイツ語がエスペラントの中にもっと多く取り入れられているのではと予想したくなる。しかしこの予想に反して、エスペラントにおけるドイツ語の割合は数パーセントに留まり、意外と少ないのである。ザメンホフが、共通語としてのエスペラントの語彙としてラテン語が最も適当であり、ラテン語に次いでは、ドイツ語ではなく、フランス語が広く理解される言語であると考えていたことが分かる。

 『ハムレット』第2幕、2場の両訳で用いられている実際の語を次に示しておく。括弧内に記載した単語は、エスペラント単語の意味の中心となっている語根部分の語源を示す。なお、下線を付けた語はザメンホフ訳とニューエル訳の両方に見られる語である。

 

 ≪ザメンホフ(Zamenhof)訳≫

ザメンホフ訳に見られるラテン語(Latin)語源の語根を持つ語 (214):

abomeninda (いやらしい) (L. abominari); adulto (不倫) (L. adulterari); agado (行動) (L. agere); akcepti (受け入れる) (L. acceptare); akvo () (L. aqua); alporti (持ってくる) (L. portare); alpreni (採用する) (L. prendere); alta (高い) (L. altus); alvivi (〜に生きる) (L. vivere); amanta (愛している) (L. amare); ami (愛する) (L. amare); ambaŭ (両方) (L. ambo); amika (友達の) (L. amicus); amo () (L. amare); aperi (現れる) (L. apparere); apero (出現) (L. apparere); armi (武装させる) (L. armare); aroganta (尊大な) (L. arrogans/-ntis); atesti (証言する) (L. attestari); aŭskulti (聴く) (L. auscultare); bele (美しく) (L. bellus); besta (獣のような) (L. bestia); bone (よく) (L. bonus); bono () (L. bonus); cedo (譲歩) (L. cedere); cento () (L. centum); ĉesi (やむ) (L. cessare; ĉesiの語頭の ĉ- 音はIt. cessareの発音に倣ったもの); dece (ふさわしく) (L. decere); decidi (決心する) (L. decidere); decido (決心) (L. decidere); depremi (押さえる) (L. premere); dispono (自由裁量) (L. disponere); disporti (ばらまく) (L. portare); dispremi (押しつぶす) (L. premere); doni (与える) (L. donare); dubi (疑う) (L. dubium); efektivaĵo (現実) (L. effectivus); efektive (実際に) (L. effectivus); ekonomio (節約) (L. oeconomia); ekstera (外の) (L. exterus); eksteraĵo (外面) (L. exterus); eksterorda (秩序をはずれた) (L. ordo); ekturmenti (いじめる) (L. tormentum; ekturmenti -u- 音はF. tourmenter の母音の発音に倣ったもの); ekzisti (存在する) (L. existere; ekzisti -z- 音はF. existerの発音に一部倣ったもの); elaŭskulti (最後まで聞く) (L. auscultare); eluzi (使い切る) (L. usare; eluzi -z- 音はF. user, It. usareなどの発音に倣ったもの); enterigo (埋葬) (L. terra); esti (〜である) (L. est); facile (容易に) (L. facilis); fandiĝi (溶ける) (L. fundere; fandiĝi -a- 音はfundo ()と区別するため); feliĉa (幸福な) (L. felix/-icis; feliĉa -ĉ- 音はIt. feliceの発音に倣ったもの); fervoro (熱意) (L. fervor); fidele (忠実に) (L. fidelis); fino (終わり) (L. finis); forrapidi (急いで立ち去る) (L. rapidus); forte (強く) (L. fortis); forto (強さ) (L. fortis); frato (兄弟) (L. frater); frunto () (L. frons/-ntis; frunto -u- 音はfronto (正面)と区別するため); funebro () (L. funebris); gesto (身振り) (L. gestus); guto (しずく) (L. gutta); ĝemo (うめき声) (L. gemere; ĝemo-ĝ- 音は、gemo (宝石)と区別するためにF. gémir, It. gemere の発音に倣ったもの); havi (持っている) (L. habere); herbo () (L. herba); heredantino (女相続人) (L. hereditare); homa (人間の) (L. homo); indo (価値) (L. endus); infano (幼児) (L. infans); intenco (意図) (L. intentio); interne (内部で) (L. internus); iri (行く) (L. ire); juste (正しく) (L. justus); ĵuri (誓う) (L. jurare; 語頭のĵ- 音は、juro ()と区別するためにIt. giurare, F. jurerの発音に倣ったもの); kalkulado (計算) (L. calculare); kalkuli (計算する) (L. calculare); kapo () (L. caput); kzo (原因) (L. causa; kzo-z- 音は、F. cause, E. cause, It. causa などの発音に倣ったもの); kolego (同僚) (L. collega); kompari (比較する) (L. comparare); konveni (ふさわしい) (L. convenire); koro () (L. cor); korpo () (L. corpus); kredigi (信じさせる) (L. credere); kredi (信じる) (L. credere); krima (犯罪の) (L. crimen); krimo (犯罪) (L. crimen); kune (一緒に) (L. cum; kune -n- 音はIt. con -nに倣ったもの); kunvoki (呼び集める) (L. vocare); laboro (労働) (L. laborare); levi (持ち上げる) (L. levare); leĝo () (L. lex/legis; leĝo -ĝ- 音はlegi (読む)と区別するためにIt. leggeの発音に倣ったもの); libera (自由な) (L. liber); liberigi (自由にする) (L. liber); ligi (結ぶ) (L. ligare); ludi (演じる) (L. ludere); lumo () (L. lumen); majesta (堂々とした) (L. majestas); malafabla (愛想の悪い) (L. affabilis); malamiko () (L. amicus); malbela (醜い) (L. bellus); maldiligenteco (怠惰) (L. diligens/-ntis); maljuna (年取った) (L. juvenis, junior); mallevi (下げる) (L. levare); maltrankviligi (不安を抱かせる) (L. tranquillus); memoro (記憶) (L. memoria); minaci (脅す) (L. minax/-acis); miro (驚き) (L. mirari); mistera (不可解な) (L. mysterium); momento (瞬間) (L. momentum); moro (風習) (L. mos/moris); mortigi (殺す) (L. mors/mortis); mortinto (死者) (L. mors/mortis); moveto (微動) (L. movere); multa (多くの) (L. multus); murego (城壁) (L. murus); naturo (自然) (L. natura); necese (必然的に) (L. necesse); necesigi (必要にする) (L. necesse); nematura (未熟な) (L. maturus); nerapida (低速の) (L. rapidus); nokto () (L. nox/noctis); nomi (名付ける) (L. nomen); nomo (名前) (L. nomen); nubo () (L. nubes); okazi (起こる) (L. occasio; okazi -z- 音はkaso (金庫) の発音とではなく、kazo (訴訟、事例、場合) の発音と呼応するように、F. occasion, It. occasioneの発音に倣ったもの); okulo () (L. oculus); ordinara (普通の) (L. ordinarius); ordo (順序) (L. ordo); palpebro () (L. palpebra); pasie (情熱的に) (L. passio); pasi (通過する) (L. passus); patrino () (L. pater); paŝo (歩み) (L. passus; paŝo -ŝ- 音はpasi (通過する)と区別するため); peko () (L. peccare); perdi (失う) (L. perdere); perdiĝi (失われる) (L. perdere); perei (滅びる) (L. perire); perfekte (完璧に) (L. perfectus); persono (人物) (L. persona); petegi (嘆願する) (L. petere); peto (頼み) (L. petere); plejpotenca (全能の()) (L. potentia); plena (満ちた) (L. plenus); plenigi (満たす) (L. plenus); plenumi (実行する) (L. plenus); ploro (泣くこと) (L. plorare); popolo (人民) (L. populus); porti (持って行く) (L. poltare); postulo (要求) (L. postulare); potenca (強力な) (L. potentia); prediki (説く) (L. praedicare); prepariĝo (準備) (L. praeparare); proksima (近い) (L. proximus); proksime (近く) (L. proximus); rapidi (急ぐ) (L. rapidus); rapide (速く) (L. rapidus); redoni (返す) (L. donare); reiri (再び行く) (L. ire); rekompenci (報いる) (L. recompensare; rekompenci -c- 音は、n音に続く発音を容易にするためと考えられる); respekti (尊敬する) (L. respectus); respondi (返答する) (L. respondere); resti (残る) (L. restare); reteni (押さえる) (L. tenere); reviziti (再訪する) (L. visitare; reviziti -z- 音はF. visiter, It. visitare, E. visitなどの発音に倣ったもの); ribelo (反乱) (L. rebellare); saluto (挨拶) (L. salutare); sciigi (知らせる) (L. scire); sekreto (秘密) (L. secretum); sekvanta (後に続く) (L. sequi); sekve (したがって) (L. sequi); sekvi (後について行く) (L. sequi); senco (意味) (L. sensus; senco -c- 音はsenso (感覚)と区別するため); sendube (疑いなく) (L. dubium); senescepte (例外なく) (L. exceptare); senkonsoleco (慰めのなさ) (L. consolari); senprudenta (分別のない) (L. prudens/-ntia); serioza (まじめな) (L. seriosus; serioza -z- 音はF. serieuseの発音に倣ったもの); serioze (まじめに) (L. seriosus); servema (世話好きな) (L. servire); servi (仕える) (L. servire); servo (サービス) (L. servire); ses () (L. sex; sesにおいて語末が -ks音ではなく、-s 音になっているのは、F. six [sis] の発音に倣ったもの); sigelo () (L. sigillum; sigeli -el- 音は、道具を示す接尾辞 -il- との混同を避けるためにG. Siegel () -elに倣ったもの); signo (合図) (L. signum); silentego (静寂) (L. silentium); silenti (黙っている) (L. silentium); simila (よく似た) (L. similis); simili (似ている) (L. similis); skribo (書き物) (L. scribere); spirito (精神) (L. spiritus); subite (突然に) (L. subitus); sufero (苦しみ) (L. sufferre); sulkiĝi (しわを寄せる) (L. sulcus); tempo (時間) (L. tempus); teni (保つ) (L. tenere); tera (地上の) (L. terra); terure (恐ろしく) (L. terror); teruri (恐れさせる) (L. terror); timo (恐れ) (L. timere); trankvile (平静に) (L. tranquillus); trankviligi (静める) (L. tranquillus); transiri (超えて行く) (L. ire); trono (玉座) (L. thronus); vagadi (さまよう) (L. vagari); veni (来る) (L. venire); venena (毒の) (L. venenum); venki (打ち勝つ) (L. vincere; venki -e- 音はF. vaincreの母音に倣ったもの); vereco (真実性) (L. verus); vesto () (L. vestis); vidi (見る) (L. videre); vido (見ること) (L. videre); virino () (L. vir); vivi (生きている) (L. vivere)

ザメンホフ訳に見られるフランス語(French)語源の語根を持つ語 (74):

afero (物事) (F. affaire); aranĝi (手配する) (F. arranger); batalilo (武器) (F. battaile); brava (勇敢な) (F. brave); buŝo () (F. bouche); ĉerko () (F. cercueil); devi (〜しなければならない) (F. devoir); devo (義務) (F. devoir); deziri (欲する) (F. desirer); ekkrii (叫び声を上げる) (F. crier); ekparoli (話し始める) (F. parole); ekpensi (思いつく) (F. penser); eldevigi (強請る(ゆする)) (F. devoir); fantomo (亡霊) (F. fantôme); fojo () (F. fois); garde (見張って) (F. garder); gardi (見張る) (F. garder); gardo (見張り) (F. garder); ĝojo (喜び) (F. joie); halebardo (矛槍) (F. hallebarde); kolero (怒り) (F. colère); kovri (覆う) (F. couvrir); krevi (張り裂ける) (F. crever); larmaro () (F. larme); larmo () (F. larme); malbenaĵo (呪われたもの) (F. bénir); malbeni (呪う) (F. bénir); malĝoji (悲しむ) (F. joie); malsaĝo (愚か) (F. sage); maniero (やり方) (F. manière); marŝo (行進) (F. marcher); mateno () (F. matin); mensogi (嘘をつく) (F. mensonge); mezuro (寸法) (F. mesurer); moki (あざける) (F. moquer); montri (示す) (F. montrer); nevo (おい) (F. neveu); obea (服従した) (F. obéir); obei (従う) (F. obéir); oficiro (将校) (F. officier); ombro () (F. ombre); ordono (命令) (F. ordonner); orelo () (F. oreille); paroli (話す) (F. parole); peni (努める) (F. peiner); pensi (考える) (F. penser); pesi (〜の重さを計る) (F. peser); plendi (苦痛を訴える) (F. plaindre); plezuri (楽しむ) (F. plaisir); plezuro (楽しみ) (F. plaisir); povi (〜することができる) (F. pouvoir); preta (準備のできた) (F. prêt); princo (君主、王子) (F. prince); rakonti (語る) (F. raconter); raporti (報告する) (F. rapporter); renkonti (出会う) (F. rencontrer); renversiĝi (ひっくり返る) (F. renverser); ricevi (受け取る) (F. recevoir); rifuzi (拒絶する) (F. refuser); rigardi (眺める) (F. regarder); rigardo (まなざし) (F. regarder); sopiri (あこがれる) (F. soupirer); sovaĝa (野生の) (F. sauvage); supozi (仮定する) (F. supposer); teraso (高台) (F. terrasse); tombo () (F. tombe); trompi (欺く) (F. tromper); tuje (すぐに) (F. tout de suite); turni (向ける) (F. tourner); tuta (全部の) (F. tout); verŝi (注ぐ) (F. verser; verŝi -ŝ- 音はversi (詩を作る)と区別するため); verŝegi (大いに注ぐ) (F. verser); vizaĝo () (F. visage); vojo () (F. voie)

ザメンホフ訳に見られるイタリア語(Italian)語源の語根を持つ語 (10):

almenaŭ (少なくとも) (It. almeno); estro () (It. maestro); fariĝi (〜になる、生じる) (It. fare); festeno (祝宴) (It. festino; festeno -en- は、女性を示す接尾辞 -in- との混同を避けるため); malpermesi (禁じる) (It. permesso); permesi (許可する) (It. permesso); polvo () (It. polvere); provi (試す) (It. provare); refarebla (やり直しがきく) (It. fare); sinjoro (紳士) (It. signore)

ザメンホフ訳に見られるドイツ語(German)語源の語根を持つ語 (20):

danko (感謝) (G. danken); disflugiĝi (飛び去る) (G. Flug); flugi (飛ぶ) (G. Flug); fremda (異国の) (G. fremd); hejme (自宅で) (G. Heim); lando (国土) (G. Land); lernejo (学校) (G. lernen); lerni (学ぶ) (G. lernen); monato () (G. Monat); pafilego (大砲) (G. paff); pokalo () (G. Pokal); postene (持ち場について) (G. Posten); sencela (目的のない) (G. Ziel; sencela -cel- 形はPol. cel に倣ったもの); sendi (送る) (G. senden); ŝajni (〜と見える) (G. scheinen); ŝuldo (負債) (G. schulden); ŝuo (短靴) (G. Schuh); tago () (G. Tag); varmega (暑い) (G. warm); vorto (言葉) (G. Wort)

ザメンホフ訳に見られる英語(English)語源の語根を持つ語 (10):

freŝa (新鮮な) (E. fresh); ĵus (たった今) (E. just); lasta (最後の) (E. last); preterŝovi (そばに押しやる) (E. shove); rajto (権利) (E. right); rivero () (E. river); serĉi (捜す) (E. search); strange (妙に) (E. strange); tondro () (E. thunder); tondri (雷鳴する) (E. thunder)

ザメンホフ訳に見られるイディッシュ(Yiddish)語源の語根を持つ語 (3):

edzino () (Y. ); edziĝi (男性が結婚する) (Y. ); edziĝo (結婚) (Y. )

ザメンホフ訳に見られる合成語 (5):

dek|du|a (12番目の) (L. decem+L. duo); du|on|nigr|e-griz|a (半分黒が混じった灰色) (L. duo+L. niger/nigra+F. gris, grise); edziĝ|o|fest|a (結婚祝いの) (Y+L. festus); nokt|o|meza (真夜中) (L. nox/noctis+It. mezzo); propr|a|vola (自発的な) (L. proprius+L. volere)

 

 ≪ニューエル(Newell)訳≫

ニューエル訳に見られるラテン語(Latin)語源の語根を持つ語 (294):

absurda (不合理な) (L. absurdus); afabla (愛想のよい) (L. affabilis); aflikto (苦悩) (L. afflictum); ago (行為) (L. agere); akcepti (受け入れる) (L. acceptare); akviĝi (水になる) (L. aqua); ama (恋の) (L. amare); amiko () (L. amicus); ami (愛する) (L. amare); amo () (L. amare); animo () (L. anima); aperaĵo (幽霊) (L. apparere); aperi (現れる) (L. apparere); apetito (食欲) (L. appetitus); arĝentiĝi (銀になる) (L. argentum; arĝentiĝiの最初の -ĝ- 音はF. argent, It. argentoの発音に倣ったもの); armaĵo (甲冑) (L. armare); armi (武装させる) (L. armare); atenti (気づく) (L. attentus); atesti (証言する) (L. attestari); barbo (あごひげ) (L. barba); bela (美しい) (L. bellus); besto () (L. bestia); bofratino (義姉) (L. frater); bona (良い) (L. bonus); bono () (L. bonus); bonstati (繁栄している) (L. status); ĉeesti (出席する) (L. est); cedi (譲る) (L. cedere); cent () (L. centum); certe (確かに) (L. certus); deci (ふさわしい) (L. decere); doloro (苦痛) (L. dolor); doni (与える) (L. donare); du () (L. du); dubi (疑う) (L. dubium); eksteraĵo (外観) (L. exterus); ekzerci (訓練する) (L. exercere; ekzerci -z- 音はF. exercer [ɛgzɛrse]の発音に倣ったもの); elpremi (絞り出す) (L. premere); elŝiri (引き抜く) (L. dechirer); eluzi (使い切る) (L. usare; eluzi -z- 音はF. user, It. usareなどの発音に倣ったもの); esti (〜である) (L. est); eterna (永遠の) (L. aeternus); eterne (永遠に) (L. aeternus); fakto (事実) (L. factum); familio (家族) (L. familia); fandi (溶かす) (L. fundere; fandi -a- 音はfundo ()と区別するため); faŭko ((猛獣などの)) (L. fauces); festo (祝い) (L. festus); fideleco (忠実) (L. fidelis); figuro (姿) (L. figura); fikse (じっと) (L. fixus); fila (息子の) (L. filius); filo (息子) (L. filius); fine (終に) (L. finis); foriri (立ち去る) (L. ire); foriro (立ち去ること) (L. ire); formo () (L. forma); frato (兄弟) (L. frater); frunto () (L. frons/-ntis; frunto -u- 音はfronto (正面)と区別するため); funebra (喪の) (L. funebris); funebre (喪に服して) (L. funebris); funebri (喪に服す) (L. funebris); funebro () (L. funebris); ĝemo (うめき声) (L. gemere; ĝemo -ĝ- 音はgemo (宝石)と区別するためにF. gémir, It. gemere の発音に倣ったもの); ĝentila (礼儀正しい) (L. gentilis; ĝentila -ĝ- 音は、gento (民族) と区別するためにF. gentil, It. gentile, E. gentle などの発音に倣ったもの); gelato (ゼリー) (L. gelatus); granda (大きい) (L. grandis); herbaĉo (雑草) (L. herba); hodiaŭ (今日) (L. hodie); homo () (L. homo); honori (敬う) (L. honor); horo (時間) (L. hora); humila (謙虚な) (L. humilis); incesta (近親相姦の) (L. incestum); inda (ふさわしい) (L. endus); infero (地獄) (L. inferus); informi (知らせる) (L. informare); instrui (教える) (L. instruere); intenco (意図) (L. intentio); iri (行く) (L. ire); jam (すでに) (L. jam); junulo (若者) (L. juvenis, junior); justa (正義の) (L. justus); kapo () (L. caput); kapti (捕らえる) (L. captare); kara (親愛な) (L. carus); karaktero (性格) (L. character); karno (肉体) (L. caro/carnis); kelktempe (しばらくの間) (L. tempus); klini (傾ける) (L. clinare); kompare (比較して) (L. comparare); kompreno (理解) (L. comprendere); komuna (共通の) (L. communis); konfesi (告白する) (L. confessio); konfidi (打ち明ける) (L. confidere); konsento (同意) (L. consentire); konsideri (考慮する) (L. considerare); konsilo (忠告) (L. consilium); kontraŭi (反対する) (L. contra); kora (心からの) (L. cor); koro () (L. cor); kredi (信じる) (L. credere); kreski (増大する、成長する) (L. crescere); kruda (粗野な) (L. crudus); krude (荒々しく) (L. crudus); kunagi (協力する) (L. agere); kunveno (集会) (L. venire); laborema (勤勉な) (L. laborare); lamenta (嘆きの) (L. lamentari); lamenti (嘆く) (L. lamentari); lante (ゆっくりと) (L. lentus; lante -a- 音はlento (レンズ豆)と区別するために、F. lent [lɑ̃] の発音に倣ったもの); larĝe (ゆったりと) (L. largus; larĝe -ĝ- 音はF. large の発音に倣ったもの); laŭdinda (賞賛すべき) (L. laudare); laŭvole (思い通りに) (L. volere); leĝa (法の) (L. lex/legis); leĝo () (L. lex/legis; leĝo -ĝ- 音はlegi (読む) と区別するためにIt. leggeの発音に倣ったもの); levi (持ち上げる) (L. levare); libere (自由に) (L. liber); limo (境界) (L. limen); longe (長く) (L. longus); ludebla (演じられる) (L. ludere); lukti (格闘する) (L. luctari); lumo () (L. lumen); majeste (厳かに) (L. majestas); makula (しみの付いた) (L. macula); malamiko () (L. amicus); malaperi (消え去る) (L. apparere); male (逆に) (L. malus); malforta (弱い) (L. fortis); malforto (弱さ) (L. fortis); mallaboremo (怠惰な) (L. laborare); mallevi (下げる) (L. levare); malpia (不信心な) (L. pius); malpli (より少なく) (L. plus); malsana (病気の) (L. sanus); malsincera (不誠実な) (L. sincerus); maltrakviligi (不安にする) (L. tranquillus); mano () (L. manus); mantelo (マント) (L. mantellum); memori (覚えている) (L. memoria); memoro (記憶) (L. memoria); meznokto (真夜中) (L.nox/noctis); mirindaĵo (驚異) (L. mirari); miro (驚き) (L. mirari); momente (瞬時に、たちまち) (L. momentum); moro (風習) (L. mos/moris); morta (死んだ) (L. mors/mortis); morti (死ぬ) (L. mors/mortis); mortinto (死者) (L. mors/mortis); morto () (L. mors/mortis); mute (押し黙って) (L. mutus); naski (出産する) (L. nasci); naturo (自然) (L. natura); nebone (悪く) (L. bonus); needukita (教養のない) (L. educare); nesarkita (除草されていない) (L. sarculum); nigra (黒い) (L. niger/nigra); kokte (夜に) (L. nox/noctis); nokto () (L. nox/noctis); nomo (名前) (L. nomen); nomi (名付ける) (L. nomen); noti (メモする) (L. notare); nova (新しい) (L. novus); nubo () (L. nubes); obstini (強情をはる) (L. obstinare); ofendo (侮辱) (L. offendere); okazi (起こる) (L. occasio; okazi -z- 音はkaso (金庫) の発音とではなく、kazo (訴訟、事例、場合) の発音と呼応するように、F. occasion, It. occasioneの発音に倣ったもの); okule (目で) (L. oculus); okulo () (L. oculus); ornami (飾る) (L. ornamentum); paŝi (歩く) (L. passus; paŝi -ŝ- 音はpasi (通過する)と区別するため); pasi (通過する) (L. passus); patrino () (L. pater); patro () (L. pater); perdi (失う) (L. perdere); perfido (裏切り) (L. perfidus); peti (頼む) (L. petere); peto (頼み) (L. petere); pigra (怠惰な) (L. piger/pigra); plenumi (実行する) (L. plenus); ploro (泣くこと) (L. plorare); pluiro (先へ進むこと) (L. ire); porti (持って行く) (L. portare); poste (あとで) (L. post); postuli (要求する) (L. postulare); postvivanto (生き残った者) (L. vivere); prediki (説く) (L. praedicare); prefere (むしろ) (L. praeferre); prepariĝi (用意が整う) (L. praeparare); pretere (そばを通って) (L. praeter); profunde (深く) (L. profundus); proklami (布告する) (L. proclamare); proksimi (近い) (L. proximus); propra (固有の) (L. proprius); prudenta (分別のある) (L. prudens/-ntis); racio (理性) (L. ratio); rapidemo (性急) (L. rapidus); rapido (速度) (L. rapidus); reaperi (再び現れる) (L. apparere); reciproki (交わす) (L. reciprocus); reeĥo (こだま) (L. echo); reen (元へ) (L. re-); reĝa (王の) (L. rex/regis); reĝino (王妃) (L. rex/regis); reĝo () (L. rex/regis; reĝo -ĝ- 音はregi (統治する)と区別するためにIt. regio (王の), regina (女王) の発音に倣ったもの); regantino (女性統治者) (L. regere); regno (国家) (L. regnum); regi (統治する) (L. regere); reiri (再び行く) (L. ire); renupti (再婚する) (L. nuptiae); respekto (尊敬) (L. respectus); respondi (返答する) (L. respondere); respondo (返答) (L. respondere); resti (残る) (L. restare); reveni (戻って来る) (L. venire); revidi (再開する) (L. videre); rezistemo (反抗性) (L. resistere; rezistemo -z- 音はF. résister [reziste], E. resistの発音に倣ったもの); ribela (反乱の) (L. rebellare); rilate (〜に関して) (L. relatum); ripetado (反復) (L. repetere); rosero (露のしずく) (L. ros); ruina (荒廃した) (L. ruina); saluto (挨拶) (L. salutare); salo () (L. sal); samaspekti (同じ外見である) (L. aspectus); samtempe (同時に) (L. tempus); sano (健康) (L. sanus); scii (知っている) (L. scire); sekreteco (内密性) (L. secretum); senforta (無力な) (L. fortis); seninterrompe (絶え間なく) (L. rumpere); senorda (無秩序な) (L. ordo); sento (感情) (L. sentire); sepulto (埋葬) (L. sepultum); servemi (世話好きである) (L. servire); servemulo (世話好きな人) (L. servire); servo (サービス) (L. servire); sigeli (捺印する) (L. sigillum; sigeli -el- 音は、道具を示す接尾辞 -il- との混同を避けるためにG. Siegel () -elに倣ったもの); silenti (黙っている) (L. silentium); silento (沈黙) (L. silentium); simila (よく似た) (L. similis); simili (似ている) (L. similis); sindediĉo (献身) (L. dedicare; sindediĉo -ĉ- 音はdika (太った) と区別するため); sinmortigo (自殺) (L. mors/mortis); skribi (書く) (L. scribere); skribo (書き物) (L. scribere); sole (単独で) (L. solus); solene (荘厳に) (L. sollemnis; 子音 -mn- -n- への単純化はIt. solenne (荘厳な)の発音に倣ったもの); solvi (解決する) (L. solvere); sono () (L. sonare); speco (種類) (L. species); spirito (精神) (L. spiritus); stari (立っている) (L. stare); studado (研究) (L. studere); subpremi (押さえつける) (L. premere); subtaksi (過小評価する) (L. taxare); sufiĉi (十分である) (L. sufficere; sufiĉi -ĉ- 音はIt. sufficienteの発音に倣ったもの); sulkigi (しわを寄せる) (L. sulcus); suspekti (疑う) (L. suspectare); teda (うんざりするような) (L. taedere); tempo (時間) (L. tempus); tero (地球、陸) (L. terra); terurita (ぞっとした) (L. terror); time (恐れて) (L. timere); trakti (取り扱う) (L. tractare); trankviligi (静める) (L. tranquillus); trema (震えた) (L. tremere); tri () (L. tres, tria, trium); tria (第三の) (L. tres, tria, trium); tristo (悲しみ) (L. tristis); trono (玉座) (L. thronus); unika (唯一の) (L. unicus); unua (第一の) (L. unus); urĝe (大急ぎで) (L. urgere; urĝe -ĝ- 音はF. urgent, It. urgente, E. urgeの発音に倣ったもの); utili (役に立つ) (L. utilis); valoro (価値) (L. valor); vana (むなしい) (L. vanus); vane (むなしく) (L. vanus); veni (来る) (L. venire); vento () (L. ventus); vera (真実の) (L. verus); vere (本当に) (L. verus); vestaro (衣類) (L. vestis); vidi (見る) (L. videre); vidvino (未亡人) (L. viduus); viro () (L. vir); vivanta (生きている) (L. vivere); vivo (生活、生命) (L. vivere); viziti (訪問する) (L. visitare; viziti -z- 音はF. visiter, It. visitare, E. visitの発音に倣ったもの); voli (〜する意志がある) (L. volere); volo (意志) (L. volere); volonta (自ら進んだ) (L. volere); volonte (自ら進んで) (L. volere); vulgara (卑俗な) (L. vulgaris)

ニューエル訳に見られるフランス語(French)語源の語根を持つ語 (104):

adiaŭ (さようなら) (F. adieu); afero (物事) (F. affaire); alparoli (話しかける) (F. parole); avantaĝo (利点) (F. avantage); bari (道をふさぐ) (F. barre); brava (勇敢な) (F. brave); buŝo () (F. bouche); ĉagreno (悩み) (F. chagrin); ĉerko () (F. cercueil); deĵori (当直する) (F. de jour); deĵoro (当直) (F. de jour); devi (〜しなければならない) (F. devoir); devo (義務) (F. devoir); deziri (欲する) (F. desirer); deziro (欲望) (F. desirer); diri (言う) (F. dire); eble (ことによると) (F. able); egale (等しく) (F. egal); entute (全体として) (F. tout); enua (退屈な) (F. ennui); eta (小さい) (F. -ette); fantomo (亡霊) (F. fantôme); foje (あるとき) (F. fois); fojo () (F. fois); fortiri (引き取る) (F. tirer); gajo (陽気) (F. gai; ただし発音の点ではIt. gaioにより近い); gardi (見張る) (F. garder); griza (灰色の) (F. gris, grise); gvati (見張る) (F. guetter; gvati -a- 音はIt. guatareの発音に倣ったもの); ĝeni (厄介をかける) (F. gêner); ĝoji (喜ぶ) (F. joie); ĝojigi (喜ばせる) (F. joie); ĝojo (喜び) (F. joie); ĝuste (ちょうど) (F. juste); hieraŭa (昨日の) (F. hier); humoro (機嫌) (F. humour); ĵeti (投げる) (F. jeter); kaŝi (隠す) (F. cacher); koko () (F. coq); kolerema (怒りっぽい) (F. colère); koni (知っている) (F. connaître); konduto (振る舞い) (F. conduite); kovri (覆う) (F. couvrir); krevi (張り裂ける) (F. crever); krii (叫ぶ) (F. crier); kroĉi (引っかける) (F. crochet); kuntiri (締める) (F. tirer); kutimo (習慣) (F. coutume); kuzo (いとこ) (F. cousin); larma (涙の) (F. larme); larmi (涙を流す) (F. larme); larme (涙ぐんで) (F. larme); lito (ベッド) (F. lit); lojala (忠義な) (F. loyal); malbeni (呪う) (F. bénir); malĝoja (悲しい) (F. joie); malĝojo (悲しみ) (F. joie); malkomplezi (悪意を示す) (F. complaisance); malsaĝa (愚かな) (F. sage); manĝo (食事) (F. manger); marŝi (歩いて行く) (F. marcher); mesaĝo (伝言) (F. message); misraporto (誤報) (F. rapporter); moki (あざける) (F. moquer); mondo (世界) (F. monde); montro (表明) (F. montrer); nevo (おい) (F. neveu); nobla (気高い) (F. noble); nombri (数える) (F. nombre); obei (従う) (F. obéir); ordoni (命令する) (F. ordonner); orelo () (F. oreille); pala (青ざめた) (F. pâle); paroli (話す) (F. parole); pentri (描く) (F. peintre); piedo () (F. pied); plezurigi (喜ばせる) (F. plaisir); povi (〜することができる) (F. pouvoir); preskau (ほとんど) (F. presque); pretiĝi (用意が整う) (F. prêt); princa (君主の、王子の) (F. prince); princo (君主、王子) (F. prince); pripensi (考慮する) (F. penser); probable (おそらく) (F. probable); promeni (散歩する) (F. promener); pruvi (証明する) (F. prouver); rakonti (語る) (F. raconter); ravo (大きな喜びのもと) (F. ravir); rekoni (識別する) (F. connaître); revojaĝi (再び旅行する) (F. voyage); rigardi (眺める) (F. regarder); rolo (役割) (F. rôle); ruĝigi (赤くする) (F. rouge); ŝoki (ショックを与える) (F. choquer); saĝa (賢明な) (F. sage); senbrida (抑制のない) (F. bride); sopiri (あこがれる) (F. soupirer); surprizi (驚かす) (F. surprise); teraso (高台) (F. terrasse); tuŝi (触れる) (F. toucher); tuta (全部の) (F. tout); viando (食肉) (F. viande); vizaĝo () (F. visage); viziero (面ぼお) (F. visière)

ニューエル訳に見られるイタリア語(Italian)語源の語根を持つ語 (22):

bando (一味) (It. banda); brilante (輝いて) (It. brillare); brili (輝く) (It. brillare); ĉiela (天の) (It. cielo); ĉielo (空、天) (It. cielo); dio () (It. dio); dolĉe (甘く) (It. dolce); elspezi (支出する) (It. spesa); fari (行う) (It. fare); forpermeso (退出許可) (It. permesso); frida (冷たい) (It. freddo; frida -i- 音はL. frigidusの母音に倣ったもの); ĝardeno () (It. giardino; -en- の部分は女性を表す接尾辞 -in- との混同を避けるためE. garden の形に倣ったもの); kanono (大砲) (It. cannone); kortegano (廷臣) (It. corto); kozo (こと) (It. cosa; kozo -z- 音はF. chose [ʃoːz] の発音に倣ったものか); mezo (真ん中) (It. mezzo); permeso (許可) (It. permesso); permesi (許可する) (It. permesso); polvo () (It. polvere); sinjorino (淑女) (It. signore); sinjoro (紳士) (It. signore); verdi (緑色である) (It. verde)

ニューエル訳に見られるドイツ語(German)語源の語根を持つ語 (27):

baki (焼く) (G. backen); baldaŭ (まもなく) (G. bald); ĉiutaga (毎日の) (G. Tag); danki (感謝する) (G. danken); forgesi (忘れる) (G. vergessen); haltigi (止める) (G. halten); hasto (大急ぎ) (G. hasten); kronado (戴冠式) (G. Krone); kunstudento (学友) (G. Student); lando (国土) (G. Land); lasi (放置する) (G. lassen); laŭte (声高に) (G. laut); monato () (G. Monat); ŝajni (〜と見える) (G. scheinen); ŝajno (外見) (G. scheinen); ŝparemo (倹約) (G. sparen); ŝtato (国家) (G. Staat); ŝuldo (負債) (G. schulden); ŝuo (短靴) (G. Schuh); sencela (目的のない) (G. Ziel; sencela -cel- 形はPol. cel に倣ったもの); strebi (全力を尽くす) (G. streben); tago () (G. Tag); trafi (命中する) (G. treffen; traf- 形はtrefo (トランプのクラブ)と区別するために、treffenの過去形trafPol. trafiać (命中する)の母音に倣ったもの); trinko (飲むこと) (G. trinken); trinki (飲む) (G. trinken); varti (保育する) (G. warten); vorto (言葉) (G. Wort)

ニューエル訳に見られる英語(English)語源の語根を持つ語 (13):

brovo () (E. brow); drinki ((酒を)飲む) (E. drink); inka (インクの) (E. ink); rajto (権利) (E. right); rivere (川のように) (E. river); ŝovi (押しやる) (E. shove); sami (同じである) (E. same); serĉi (探す) (E. search); stranga (奇妙な) (E. strange); suno (太陽) (E. sun); taĉmento (分遣隊) (E. detachment); tondre (雷鳴で) (E. thunder); tosto (乾杯) (E. toast)

ニューエル訳に見られるイディッシュ(Yiddish)語源の語根を持つ語 (4):

edziĝa (結婚の) (Y. ); edziĝo (結婚) (Y. ); edzinigi (妻にする) (Y. ); edzino () (Y. )

ニューエル訳に見られるギリシア語(Greek)語源の語根を持つ語 (2):

ege (たいへん) (Gr. μεγας); fia (下劣な) (Gr. φι)

ニューエル訳に見られるロシア語(Russian)語源の語根を持つ語 (1):

nepre (どうしても、必然的に) (R. нeпрeмeннo)

ニューエル訳に見られるポーランド語(Polish)語源の語根を持つ語 (1):

moŝto (閣下) (Pol. mość)

ニューエル訳に見られる合成語 (11):

baston-distanc|o (杖くらいの距離) (It. bastone+L. distantia); dek-unu|a (11番目の) (L. decem+L. unus); edziĝ-festen|o (結婚の宴) (Y+It. festino); egal|pezo (等しい重さ) (F. egal+F. peser); liber|vole (自由意志で) (L. liber+L. volere); milit|kapabl|a (戦争能力のある) (L. miles/militis+F. capable); mort|solec|a (死のように孤独な) (L. mors/mortis+L. solus); plen|okupi (忙殺する) (L. plenus+L. occupare); rezon-kapabl|o (理性の能力) (F. raisonner+F. capable); ruĝ|vang|a (赤面した) (F. rouge+G. Wange); tim|hast|e (恐れて大急ぎで) (L. timere+G. hasten)

 合成語に関して、ニューエル訳の合成語とザメンホフ訳の合成語と比べた場合の大きな違いは、「つなぎ母音」の有無である。エスペラントの合成語では、語根を直接つなげると子音が連続して発音しづらくなる場合、それを避けるためにつなぎ母音 (主に -o-、場合によっては -a- -i- など) を挿入することがある。つなぎ母音を入れるかどうかについては決まった規則はない。したがって、つなぎ母音の有無に関して、合成語の形に揺れが生じることがある。調査箇所の合成語に関しては、ニューエル訳ではつなぎ母音が全く使用されておらず、一方、ザメンホフ訳ではつなぎ母音が多用されている。たとえば、ザメンホフ訳ではedziĝ|o|fest|a (結婚祝いの) でつなぎ母音の -o- が使用されているが、これに対して、ニューエル訳のedziĝ-festen|o (結婚の宴) ではつなぎ母音は使用されていない。この相違には、ザメンホフ訳の出版が1894年であり、ニューエル訳の出版が1962年であるという、68年という時間の経過も反映されているかもしれない。

 

 以上の調査では語根の語源を中心に語数を数えたが、ここで接頭辞の語源についてまとめて見ておきたい。なお、ここでいう接頭辞とは厳密な意味での接頭辞だけではなく、接頭辞的に使用されている前置詞その他をも含む。

 両訳書で使用されている接頭辞に関しても、その語源はやはりラテン語が多くを占める。ラテン語を語源とする接頭辞等にはal|port|i(持ってくる) に見られるal- (L. ad)de|prem|i (押さえる) に見られるde- (L. de)dis|flug|iĝ|i (飛び去る) に見られるdis- (L. dis)ekster|ord|a (秩序のはずれた) に見られるekster- (L. extra)el|uz|i (使い切る) に見られるel- (L. ex)en|ter|ig|o (埋葬) に見られるen- (L. in; enの形は、「女性」を示す接尾辞 -inとの混同を避けるためF. enの綴りに倣ったもの)kun|vok|i (呼び集める) に見られるkun- (L. cum; kun- -n- 音はIt. con -nに倣ったもの)mal|bel|a (醜い) に見られるmal- (L. malus)ne|eduk|it|a (教養のない) に見られるne- (L. ne)plej|potenc|a (全能の()) に見られるplej- (L. plus); plu|ir|o (先へ進むこと) に見られるplu- (L. plus): post|viv|ant|o (生き残った者) に見られる post- (L. post); preter|ŝov|i (そばに押しやる) に見られるpreter- (L. praeter)re|vizit|i (再訪する) に見られるre- (L. re)sen|dub|e (疑いなく) に見られるsen- (L. sine; senの形は、「自分を」を意味するsinとの混同を避けるため)sub|prem|i (押さえつける) に見られるsub- (L. sub)trans|ir|i (超えて行く) に見られるtrans- (L. trans) などがある。

 ラテン語以外の接頭辞等に関しては、次のようなものが見られる。フランス語を語源とするものとしては、bo|frat|in|o (義姉) に見られるbo- (F. beau)ĉe|est|i (出席する) に見られるĉe- (F. chez)kelk|temp|e (しばらくの間) に見られるkelk- (F. quelque) があり、イタリア語を語源とするものとしては、mez|nokt|o (真夜中) に見られる mez- (It. mezzo)si|n|dediĉ|o (献身) に見られるsin- (It. si)、ドイツ語を語源とするものとしては、for|rapid|i (急いで立ち去る) に見られるfor- (G. fort)laŭ|vol|e (思い通りに) に見られるlaŭ- (G. laut) があり、英語を語源とするものとしては、mis|raport|o (誤報) に見られるmis- (E. mis)sam|aspekt|i (同じ外見である) に見られるsam- (E. same; ただしsam- という形が採用された理由は、ポーランド語にもsam (同じ) という語が存在するからかもしれない) があり、ギリシア語を語源とするものとしては、ek|parol|i (話し始める) に見られるek- (Gr. εκ)pri|pens|i (考慮する) に見られるpri (Gr. περι) などがある。

 

 以上、『ハムレット』第2幕、2場について、ザメンホフとニューエルによるエスペラント訳の語彙の語源を調べ、その結果、ラテン語を語源とする語根を持つ語が6割以上を占め、フランス語を語源とする語も2割以上を占めていることを見た。ラテン語とフランス語を合わせれば、これらがエスペラントの8割以上の語の語源となっており、それにイタリア語を加えれば、エスペラントの語彙の語源の約9割がラテン語系言語で占められていることが明らかとなった。

 ラテン語は今日のフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などのロマンス諸語がそこから発達した元の言語である。またそれは中世、ルネッサンス期を通してヨーロッパの人々が広く学んだ学問の言語であり、ローマカトリック教会の言語でもある。過去においては、ラテン語はヨーロッパの共通語であった。また19世紀にはフランス語がヨーロッパでは広く学ばれていた言語であった。英語の語彙も、半数以上はフランス語系の語彙で成り立っている。したがってヨーロッパの言語、特にラテン語、あるいはラテン語から発達したロマンス諸語に親しんでいる人々にとって、エスペラントの語彙は非常に親しみのあるものと言えるのである。

 また、エスペラントは、その語彙の多くの部分がラテン語系の語根で成り立っていることからも分かるように、ラテン語の現代版といった性格を持っている。ラテン語が過去においてヨーロッパの共通語であったように、ザメンホフはエスペラントが現代の共通語となることを望んだ。ラテン語は複雑な文法体系を持つ言語であり、一方、エスペラントは人称による動詞の変化や、名詞などの性や複雑な格変化を持たないシンプルな言語である。このように文法の点では、両者はまるで正反対の言語のように見える。しかしよく見てみると、これらの二つの言語はかなりよく似た性格を持っていることが分かる。

 エスペラントはラテン語のような複雑な格変化を持たない言語であるが、ただ一つ例外として目的格を示す対格語尾の -n を持っている。この対格語尾を持ったことが、エスペラントにその特異な性格を与えることとなった。目的格には対格語尾が付くので、対格語尾が付かない名詞は、対格語尾が無いということによって主語であることが分かるのである。主語および目的語以外のすべての格 (所有格、与格やその他) はすべて前置詞によって示されるからである。このことによって、結果的に、エスペラントはラテン語にほぼ匹敵するような格機能を持ち、それに伴って、語順の自由さを獲得した。

 ラテン語に由来するフランス語やイタリア語やスペイン語は、代名詞は別として、名詞の格を持たないため、語形によって主語と目的語を区別することができない。多くは語順によって主語と目的語が区別される。ドイツ語は格変化を保持している言語であるが、定動詞が二番目に来ることや、従属節の枠構造など独特の語順を持つので、ラテン語やエスペラントのような語順の自由さを欠いている。

 ザメンホフは若い頃、特定の民族語ではないギリシア語やラテン語が、人類共通の言語として公平で、理想的なものではないかと考え、これを人類語にしようという夢を描いた。しかし、ギムナジウムでこれらの言語を学ぶにつれて、これらの言語の学習がいかに難しいかということを身にしみて知り、共通語とするには不適当であることを悟った。そして、より学びやすい共通語を考案しようと思い立ったのであった。このようにしてできたエスペラントであるが、エスペラントは、その語順の自由さにおいても、またこの小論の語源の調査から明らかになったように、約9割がラテン語系の語根で成り立っているその語彙の点からも、現代版ラテン語と言うことができるのではないだろうか。

 今回のエスペラントの語源調査によって、エスペラントの単語が、他のヨーロッパの言語から適当に単語を採って、恣意的に作成されているのではなく、元の単語が規則的に、一定の法則に則った方法で、エスペラントの単語に変えられていることが分かった。エスペラントの単語は、このように元の単語の形に忠実であるが故に、初めて接した場合でも、元の言語を知っていれば、容易に意味の察しがつくのである。このエスペラントの単語借用の規則性が明らかになったことも、今回の調査の一つの収穫であった。

 

 

Resumo

   Mi ekzamenis la etimologion de preskaŭ ĉiuj vortoj en Zamenhofa kaj Newella tradukoj de Hamleto, Akto II, Sceno 2. La rezulto de ĉi tiu ekzameno montras, ke en ambaŭ tradukoj pli ol 60 procentoj de la vortoj havas latinan etimologion, kaj ke pli ol 20 procentoj havas francan etimologion. Se oni aldonas la vortojn devenintajn de la itala lingvo, la vortoj kun etimologio rilata al latino okupas ĉirkaŭ 90 procentojn el ĉiuj vortoj uzitaj en la ekstraktitaj tradukoj. La germana lingvo, kontraŭe, okupas nur 6 procentojn.

   Zamenhof frue rezignis igi la latinan lingvon aŭ la grekan la komuna lingvo, kiam li komprenis ke tiuj lingvoj estas tro malfacilaj lerni. Sed Esperanto, kian ni nun havas, verŝajne povas esti nomata la moderna versio de latino, ĉar ĝi enhavas ne nur multajn vortojn originintajn de latino, sed ankaŭ la liberecon de vortordo similan al tiu de latino.

   En la procezo de ĉi tiu etimologia studado klariĝis ank la reguleco de Esperanta vortpruntado. Se temas nur pri la vortformo, Esperantaj vortoj estas formitaj ne arbitre, kiam ili estas adoptitaj el la originala lingvo, sed konforme al iu normo kaj fidele al la originalaj vortoj. Tiu reguleco de Esperanta vortpruntado, rivelante al ni la etimologion kaj la signifon de la vortoj, ebligas, ke ni facile komprenu la plimulton de la Esperantajn vortojn, kiujn ni vidas por la unua fojo.

 

 

 

参考文献

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