「いちにち」


★がんばろー★
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 目覚まし時計の電子音をBGMにして、私はまどろみの中から這いずり出すのです。
 低血圧だから、ベッドの中からずるずると這いずり出すまでには、少しばかりの睡魔との戦いが必要ですけど、それでもコーヒーメーカーがコーヒーを抽出するだけの時間があれば、なんとか目も覚めます。
 清々しい朝なんて贅沢な事は言わないから、せめて目覚めが良くなってくれればいいのにとか思うのだけど、それも贅沢なのかなあ?
 せめて、朝に起こしてくれる人がいればいいのに。
 なんて言っても、それこそ贅沢な願いなのかもしれないですね。
 だから、コーヒーを胃の中に流し込んで、無理矢理にでも頭を起こすのです。
 今日も一日、がんばろー。


★日常的な通勤風景★
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 ガタゴトと、賑やかな音をたてて電車がホームへと走り込んできます。
 ぎゅうぎゅう詰めの車両の中で身動きがとれないまま、右へ左へと波打つみたいに人が揺れています。
 駅に着くたびに、電車から降りる人達が溢れ出し、それと同じくらいの人達が乗り込んで来るのです。
 沢山の人が交差するホームは、どこまでも人で埋め尽くされて、立ち止まっていることすら出来ません。みんな何処からきて、何処へ行くのだろう?
 もちろん、そんな事を本気で考える訳じゃないですけど。
 でも、これだけ沢山の人達が集まるのって、ちょっと異常な気もするけどなあ。
 もし、これだけ沢山の動物が集まってたとしたら、ちょっと気持ちわるいもんね。


★街の夕焼けと車のテールランプ★
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 夕焼けに赤く照らされたのっぽのビル達は、きらきらと輝くその窓と言う窓に、もうすぐ火を灯すのでしょうか?
 急ぎ足で駅へ向かってた足を止めて、辺りを見回してみました。
 細長くなった影が、皆の足元からにょっきりと伸びています。
 途中で少しばかりの買い物----夕食の材料と、ちょっと高めのお酒----を買って、少し忙しげな人達に紛れて家路へと向かうのです。
 とっぷりと日が暮れた街は、それはそれでキラキラと輝いていて、車のテールランプがどこまでも続いているようで、ちょっと幻想的な気分に浸れます。
 鼻歌なんて歌っちゃったりして。
 今日の夕食は、彼と一緒に食べるのです。


★ヤケ酒でお月様に乾杯★
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 カタンと言う小さな音をたてて、ジュースの空き缶が転がりました。
 はあ。小さくため息、私は一体なにをしてたのだろう?
 精一杯のおしゃれして、化粧をし直して、料理を作って。はん、それなのに直前になってから『ごめん、今日だめになったんだ』なあんて。
 最初っから来ないのが解ってたんだったら、おしゃれも化粧も料理もしなかったのに……なんて考えても、何も始まらないから、仕方が無しに私はグラスになみなみとビールを注ぐのです。
 みっともないなんて、注意してくれる人もいないから、ちょっとヤケ酒。
 お腹一杯になるまで食べて、酔っ払う程お酒を呑んだら少しは楽になるのかな?
 窓の外には、丸いお月様がでていて、ちょっとばかりの不幸に乾杯しました。


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