「答え」
少女は闇の中を走っていた。
そこは漆黒の闇の中で、どっちがどの方向かなんてわからない。
ただ、後ろから追いかけてくる「憎悪」から逃れる為に走っていた。
「憎悪」は正確に少女を追う。
「憎悪」には形は、ない。
だが、その「憎悪」が何なのかは少女には分からなかった。
しかし、ひしひしと寄せてくる感情は少女に絡みつき、ゆっくりだが確実に追い付いてきていた。
一体どれくらい走ったのだろうか?
少女はふと考える。
もう、何時間もたってるような気もするし、まだ数分しかたってないような感覚。
曖昧な感覚に苛立ちを覚えながらも、少女は走り続けていた。
そして、気がつくと、いつのまにか辺りの風景はどこかの川の河川敷になっていた。
今は夕方なのだろうか。
みごとな夕焼けが川に反射してとても綺麗だった。
少女はふと立ち止まり辺りを見回す。
そこには見覚えがあった。
小さい頃よく遊んだ堤防なのである。
しばらく懐かしさに漬っていると、どこからとも無く泣き声が聞こえてきた。
数人の少年がそれぞれの手に小石を握り締め、一人の少女をおいかけているのだ。
「‥‥‥コ、泣き虫ミーコ、泣き虫ミーコ」
少年達は口々にそう言い、少女を追いかける。
ふと、少女は気がつく。
その、追いかけられている少女は幼い時の自分だと。
視線を少年達に移す。
昔、よくいじめられた、いじめっこのグループである。
少年達からは、優越感、歓楽、興奮‥‥、そういう感情がおしよせてくる。
逆に幼い頃の美弥子からは、恐怖、苦痛、悲哀‥‥。
----もし、この時立ち向かう勇気があったならどうだったろうか?
美弥子はふと、そう思った。
「泣き虫ミーコ」が泣き虫じゃなくなったら----。
すると、ふいに風景は暗転する。
そして、しばらく美弥子は立ちすくむと、ゆっくりと振り返り、「憎悪」にの感情に身体を向けた。
----そう、何事にも逃げてばかりでは、駄目、立ち向かう勇気が無いと----。
すると、突然「憎悪」の感情は乱れ、次第に薄れていき、そのうちに、完全に消えてしまった。
一つの答えが見つかったとき。
自分自身に自信を持ち。
それを実行する勇気があるならば。
いつか、その問題は解決される----。
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