「やりなおし」
著作者:あらき まさる

「あなた、別れましょう」
「なんだ、突然、馬鹿な事を言うな」
「私は、本気です。別れます」
「何が、不満なんだ」
「何もかも」
「な、なんだと・・・。一郎は、どうするんだ?」
「心配いりません。もう、すみました」
「すんだ、とはどういう事だ。あいつは、納得したのか?」
「ええ。あの子は、この世に未練は無いと、言いました」
「まさか、おまえ、一郎を道連れに・・・」
「私は、死ぬつもりはありません。ただ、あの子を私のお腹に戻しただけです」
「腹に戻しただと・・・?」
「ええ。胎内に戻したのです」
「そんな・・・」
「一郎は、この世と別れたかった。私たちは、子供がいなければ別れられる」
「ばかな・・・」
「これで、三人とも、やり直す事ができるのです」
「俺は、このままがいい」
「いいえ、これが、お互いのためです。それじゃ、さようなら」
「ちょっと、待て。俺の一郎を返せ!」
「お望みならば、はい、どうぞ・・・」
「な、なんだこれは・・・?」
「<水に流した>一郎です」


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