「手紙」
著作者:あみ
S様
きょうは、ライヴ、おつかれさま。
あいかわらずだね。
あなた、いい声してるわ。
バンドの演奏もノリも、最高。
いいメンバーとやってるね。
うらやましいわ。
あなたが、冗談で、わたしのためにうたう、って言った曲。
ちょっぴり期待しながらきいていた。
あなたは、わたしの方ずっと見なかったくせに、その曲のときだけこっちを見た。
ハートが、ドキン、って、おおきく一度、波打ったわ。
ちょっとほかの子に、優越感。
大勢の、あなたのファンの女の子たち。
彼女たちよりは、わたしのこと、大事にしてくれてるのかな。
あなたのバンドの演奏が終わって。
わたしは、あなたと話をする。
ファンの女の子たちの視線を感じる。
それは、少し快感ね。
わたしもバンドやってるのよ。
同じ、ボーカリストとして、彼と話ができるの。
なんて、心の中で、言ってみたりして。
彼と、いっしょにライヴをするときもある。
そんなときは、いっしょに打ち上げするのよ。
彼女たちに自慢したくなる。
わたしの自慢なんだよ。
あなたと、友達であること。
あなたは、どう思ってるのかな。
わたしにだって、けっこうファンがいるのよ。
たくさんの男の人が、わたしの歌をききにくるわ。
その中で、あなたは、特別なのよ?
うれしく思ってよね。
それじゃ、またね。
今度、いっしょにライヴできたらいいね。