この作品は三ページで構成されています

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「手紙」
著作者:あみ

S様

 きょうは、ライヴ、おつかれさま。
 あいかわらずだね。
 あなた、いい声してるわ。
 バンドの演奏もノリも、最高。
 いいメンバーとやってるね。
 うらやましいわ。

 あなたが、冗談で、わたしのためにうたう、って言った曲。
 ちょっぴり期待しながらきいていた。

 あなたは、わたしの方ずっと見なかったくせに、その曲のときだけこっちを見た。
 ハートが、ドキン、って、おおきく一度、波打ったわ。
 ちょっとほかの子に、優越感。
 大勢の、あなたのファンの女の子たち。
 彼女たちよりは、わたしのこと、大事にしてくれてるのかな。

 あなたのバンドの演奏が終わって。
 わたしは、あなたと話をする。
 ファンの女の子たちの視線を感じる。
 それは、少し快感ね。

 わたしもバンドやってるのよ。
 同じ、ボーカリストとして、彼と話ができるの。
 なんて、心の中で、言ってみたりして。

 彼と、いっしょにライヴをするときもある。
 そんなときは、いっしょに打ち上げするのよ。
 彼女たちに自慢したくなる。

 わたしの自慢なんだよ。
 あなたと、友達であること。

 あなたは、どう思ってるのかな。

 わたしにだって、けっこうファンがいるのよ。
 たくさんの男の人が、わたしの歌をききにくるわ。
 その中で、あなたは、特別なのよ?
 うれしく思ってよね。

 それじゃ、またね。
 今度、いっしょにライヴできたらいいね。


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