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「たーくんのお使い」
著作者:白野佑凪



 たーくんは今絵本を読んでいます。
「まんぼーさんはたこさんと、おかいものにいきました。
 まんぼーさんはおてがみをかくために、かみとえんぴつをかいました」
「たーくん、ちょっときてー」
 キッチンでお母さんが呼んでいます。
「はーい」
 たーくんは絵本をとじて、急いでキッチンに行きました。
「なぁに? おかーさん」
「あのね、お母さんね、お魚屋サンでサンマを買い忘れちゃったの。
 たーくん買ってきてくれるかな?お隣さんだから行けるね?」
「うん! たーくん行って来る」
「じゃぁね、お魚屋サンのおじさんにサンマくださいって言ってこのお金をわたすのよ」
「はぁーい。行って来るねぇ」
 たーくんはお母さんにお金をもらってキッチンを出ました。
「さんま、さんま、さんま、さんま、さんま、さんま」
 たーくんは玄関でお靴をはいています。
「いってきまぁーす」
「はーい、いってらっしゃぁーい」
 たーくんは玄関を出てお隣のお魚屋サンに付きました。
「おう! いらっしゃい! たーくん、何がいるのかな?」
 お魚屋サンのおじさんは、たーくんを見つけて寄って来てくれました。
「まんぼうください」
 たーくんは元気に答えました。
「え? まんぼうは売ってないなぁ……お母さんにもう一回何を買うか聞いてみてきてごらん」
「はぁーい」
 たーくんは家に戻りました。
「ただいまぁー、おかぁーさぁーん」
「早かったわね、ちゃんとお買い物できた?」
「何買って来るんだっけぇ?」
「いい? たーくん、サンマよサンマ、分かった?」
「はぁーい、さんまさんまさんまぁ。いってきまぁーす」
「はい、いってらっしゃい」
 たーくんは又お魚屋サンに向かいました。
「さんま、さんま、さんま、まんぼう、うみうし、しゃち」
「おう! いらっしゃい! たーくん、何買うか分かったかな?」
「ち……ちー……ちー」
「ち? 頭にちが付くのかい?」
「んー、分かんない」
「たーくん、もう一回お母さんに聞いてこようね」
「はーい」
 たーくんは又お家に帰りました。
「ただいまぁー。おかぁーさぁーん、何買うのー?」
「……いい? たーくん、よく聞くのよ? さんま、分かる? さんまよ、さんま」
「分かった、さんまぁ。いってきまぁっす」
 お母さんの心配をよそに、たーくんは又お魚屋サンに行きました。
「えーっと何だっけ……あ、まんぼうだ、まんぼう、まんぼう、うみうし、しりとり、りす、すいか、かつお、おかあさー…あははは…言わないぞぉ、まだ負けてないもーん。おかあさーさーさーさぁー」
「おう! いらっしゃい! 今度こそ聞いてきたかな?」
「さー……さー……さー」
「ん? さ? サンマかな?」
「うん、さんまぁー。さんまください」
 たーくんはお金をお魚屋サンのおじさんに渡してゆうゆうと帰りました。
「おう! たーくん! サンマ忘れてるぜ!」
「えー? 違うよぉ? まんぼうだよー」


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