「さようなら」
著作者:Pink



真っ赤な、暖かい液体がしたたり落ちてきた

鈍い痛みが身体を走り抜けた

その時、初めて自分の身に何か起きたことを知った

あぁ、自分の身体から流れ出ている・・・・・

この赤い液体は自分の物だった

「死」ぬのだろうか?

ふと、考えてみた

うつろな瞳で空を見上げてみる

考えていられない

「死」がせまっている

これは神の悪戯なのだろうか?

太陽の光を浴びながら意識は段々奪われていく

これが運命なら、逆らう気など毛頭ない

「死」にたくない?

そんなこと思いも付かなかった

ただ運命だと諦めた

皮肉な笑みを浮かべ、再び空を見上げる

あとどのくらい生きられる?

薄れゆく意識の中で考えてみた

「死」を望んでいたのだろうか

イヤ、望んでなどいなかったはずだ

「死」は、見たことのない世界を与えてくれるだろう

美しい? 醜い?

あぁ、「死」がせまってきた

素敵な美しい世界が広がっていることを祈ろう

そして「死」を待とう

さようならさえ、言えないのだ

口はもう塞がれてしまった

心の中で記憶が暴れる

もう太陽の光すら感じられない

目も塞がれてしまったのだろう

命が終わろうとしている

儚い命だったと人は嘆いてくれるのだろうか

涙を流してくれるだろうか

あぁ、もう考えられない

意識が遠くなってゆく

何も考えられない

さようなら この世界

さようなら わたし

そして冷えてゆく身体を横たえた


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