「声が聞こえる……」
著作者:由羅

声が聞こえる……

 あの時の情景が頭から離れられない。

 あの時、あの場所で。
 そして、……冷たい……

 あの時、僕の中で何かがなくなった。

 夢で君と出会った。
 最後に君は「頑張れよ!!」と言ってくれた。笑顔で……
 僕は泣きながら「ありがとう」と答えた。
 もう、君とは逢えないのに……

 あの時、僕が、ごめんね。
 なのに、君は、笑顔で、最後の別れを。

 頑張るよ、君の分まで、
 あの時に失った何かを見つけて、必ず!!

声が聞こえる……

 この声は、誰? 寂しい僕の心の声?
 それとも、僕の失った心の声?
 見つけてみせるよ、あのときに失ったものは必ず取り戻してみせる!!

 どこかにさまよう心の切れ端
 つなぎ合わせて本当の自分をみつけて見せるよ

声が聞こえる……

 でも僕はあの時の一言を胸に生きて見せるよ。
 本当にごめんね。そして本当にありがとう。
 さよなら……最後に逢いに来てくれてありがとう。

 何年あれから経っているのだろう。

 それまで、君はさまよっていたの??
 本当に僕も会いたかったよ。でも逢いに行けなかった。
 何年も僕は頭から離れられなかった。あの時、あの場所、あの情景が。

 もう君はさまよっていないんだね。
 ありがとう。最後に逢いに来てくれて、僕は失ったものを探しに行くよ。
 この地上で何年もかかろうとも。
 君は何年もさまよい続けた。僕も何年も探し続ける。

 さよなら。本当にありがとう。そして本当にごめんね。
 生きて見せるよ。頑張って見せるよ。

声が聞こえる……

 でも、もう僕は怖くない。
 君の一言が、僕の希望、僕の生きる望み
 絶対に探して見せる。心の切れ端を……本当の自分を。
 絶対に生きて見せる。もう逢えない……君の分まで。


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