「彼女の憂鬱」
著作者:坂井草
涼子はベッドの上で布団に包まっていた。
現在午後11時。中学三年生の彼女にとって、まだ寝るには早すぎる時間だ。いつもならCDを聞いたり、雑誌を読んだりしているころだ。しかし今日は何もやる気になれない。アイツのせいである。
「言いたいことがあるんだ。でも、大事なことだから後でポケベルに入れる。」
そう、同級生の隆志に言われた時は、さすがの涼子もドキっとした。
隆志は小さい時からの友人…そう、親友のはずだった。小学校の時も、中学に入ってからも、ずっとそうだったし周囲にどう思われようと、涼子はそう信じていた。
だけど、最近の隆志はどこか変だ。話していても時々上の空、じっと涼子の顔を見ていたり、突然あらたまって何か言おうとして途中で止めたり・・・。
昔のようなフランクリーな感じが無いのは確かだ。そして、涼子は二人の友情がそう長くは続くまいと感じていた。その矢先のことである。涼子は布団に丸まって、もぞもぞしながら隆志からのベルを待っていた。落ち着かない。大事なことを待っている時の暇。暇だけど、何もできない。
「「もし、もし告白されたら・・・」」
どう答えるべきだろう。分からない。自分の気持ちが分からないから。
「涼子!あなたは、隆志のことをどう思っているの?」
自問。自・・・答?答えられない。
「やっぱり友達でいたほうがいいのかなあ。」などと悩み続けてはや一時間。そろそろこの状態に、いらいらしてくる。
「言いたいことがあるんだ。でも、大事なことだから後でポケベルに入れる。」
「後っていつだよ!!」ブツブツ。
「もう寝るからね。」
DOKOMOのポケベルに向かってそう言って、顔まで布団の中に潜り込む。そして、布団の中から外をうかがった。そのとき!
ベルがぶるぶる震えた。
さっと布団から飛び出し、ベルを手に取る涼子。
「スキヤキ カラ スキヲ トッタラ ドウナル?」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
「や!やきーーーーーーーーー?!」
電気消して寝た。
FIN