二日酔い

 年末年始は、なにかとお酒を飲む機会が多くなります。私もお酒は嫌いではありませんが、たまには深酒をしてしまい翌日には二日酔いになることもあります。これ以上飲むと翌日に残るとわかっていながら誘われるとついつい飲んでしまいます。そこで健康特集の第1回として二日酔いの特集を組んでみました。参考にしていただければと思います。
 まずいきなりですが、二日酔いとは何か、を考えてみましょう。

二日酔いは「広辞苑」の定義によれば“酒を多量に飲み、酩酊し、それが去った翌日に、頭痛、悪心などの中毒症状が残っている状態”です。
二日酔いの症状としては、頭痛、悪心の他、めまい、顔が青い、発汗、嘔吐などの身体的なものと、倦怠感、無力感、挫折感など精神的なものがあるといわれます。
二日酔いは@アセトアルデヒドの作用、Aアルコールの脱水作用、B低血糖、C血液の酸性化、Dエネルギー作りの不調、E酸化生成物の作用 などが複合して起こると考えられています。

 @アセトアルデヒド(CH3CHO)の作用
 アセトアルデヒドは、エタノール代謝の中間生成物で、強い薬理作用をもつので、血中にこれが多くなると“悪酔い”の原因になり、頭痛、嘔吐などを引き起こす。毒性の強いアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって酸化されアセチルCoAとなり、いろんな代謝サイクルに関与し、最終的にブドウ糖と二酸化炭素と水に分解されます。またアセトアルデヒドは呼気、尿からも排出され、酒臭いと言われるのはこのアセトアルデヒド臭なのです。
 Aアルコールの脱水作用
 飲んでるとき、誰もがトイレが近くなる。これはアルコールに利尿作用があるからで、この利尿作用はナトリウムやカリウムを排泄しないので、その血中濃度があがり喉が渇く。また体内の他のミネラルを排泄するので、動悸やめまいなどが起こるといわれている。
 B低血糖
 アルコールの分解には多くのエネルギーを消耗するので、アルコールの分解でできるブドウ糖だけでは足りず低血糖におちいる。そのことからアルコール摂取だけでは太ることはない。過剰な脂肪分の摂取が太る原因と考えられる。
 C血液の酸性化
 通常体内の血液は酸性またはアルカリに傾いても、すぐに中性に調節される。アルコール分解物による血液の酸性化は、ミネラルのバランスの狂い(特にカルシウム)や分解生成物のケトン体によって引き起こされ、すぐに元には戻らない。その結果疲れ易くなる。
 Dエネルギー作りの不調
 肝臓でエネルギーを作り出したり、アルコールを分解するには、各種のビタミンやアミノ酸が不可欠です。特にビタミンB群とタウリン,システインといった含硫アミノ酸が重要です。アルコールの分解でそれらは消耗され翌日には欠乏し、エネルギーが作られなくなり、体力が無くなります。
 E酸化生成物の作用
 肝臓でアルコールを分解する過程で活性酸素が発生します。この活性酸素の影響で過酸化脂質などの様々な酸化物が生成され、肝臓を始めとする各細胞に悪影響を及ぼします。

 では、二日酔いを克服するにはどうしたらよいか。それはアルコールが分解されて生成されるアセトアルデヒドとどう戦うかということでしょう。ちなみにお酒が強いと言われる人は、この毒性のあるアセトアルデヒドを酢酸に分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(酸化反応)が多いと言われている。しかしアセトアルデヒド脱水素酵素を増やそうとしても、ほんのわずかでしか増やすことができない。だからお酒を個人差のあるアセトアルデヒド脱水素酵素の許容範囲で飲めばいいのだが、それができない。ではどうするか。
 まず第一には二日酔いを予防することです。それには、次の11ヵ条を守れば大丈夫です。
1.その日の体調をチェックする。

(風邪の症状や胃腸の具合など気をつかう)

2.空腹で飲まない。飲む前に少し腹ごしらえをする。

(アルコールは100%吸収されるので吸収速度を遅らせる)

3.イッキ飲みせず、ゆっくりペースで飲む。

(イッキ飲みは肝臓に負担をかけ、悪酔いの基となる

4.楽しくおしゃべりしながら飲む。

(楽しく飲むことによりストレスを発散し、おしゃべりすることにより飲む量を減らす)

5.たばこはなるべく控える。

(たばこによりビタミンCが壊され、さらに翌日吐き気の基となる)

6.12時前には帰宅し十分な睡眠をとる。

(十分な睡眠はアセトアルデヒドを分解させ体力を養う)

7.寝る前に果汁のジュースなどで水分を補給する。

(翌日の脱水症状や低血糖を防ぎ、ビタミン,ミネラルを補う)

8.肝臓を守るために毎日の牛乳と1日1個の卵を食べよう。

                    (牛乳や卵はビタミン,ミネラルを含め万能な栄養食品である)

9.つまみにはピーナッツなどの豆類やチーズがよい。

(ピーナッツはビタミンB群やミネラルが多く、チーズは牛乳の代用製品

10.テーブルにフルーツがでたら残さず食べる。

(果糖がアルコールの吸収を遅らせ、またビタミン,ミネラルを補う)

11.チャンポンは悪くないが飲み物のアルコールの度数を考えて飲む

(ビールを飲む感覚で日本酒を飲んでしまいがちになるのを気をつける)


 それでも二日酔いになった場合にはとりあえず次の項目で対処する。

1. レモンなどの柑橘系(クエン酸の補給)のジュースで十分に水分補給する(アセトアルデヒドを排泄する)。
その時一度に多量の水分を取ると吐き気をもようすのでこまめに取る。
2. お茶づけや日本そばを食べる(消化がよくさっぱりしたもの)。
3. 薬局に行きドリンク剤(栄養補給)や胃腸薬を飲む。
4. 仮眠をとる。

 以上、予防策や対症療法を述べたが、度を越して飲めば基も項もないのである。人それぞれ違った二日酔い対策を持っているので他の人にも聞いてみよう。また私にも連絡ください。お待ちしております。
 ちなみに店長のおすすめの医薬品を紹介しましょう。以下のものはあくまでも補助的なものであり、薬に頼らないお酒の飲み方をしたいものである。

写真左: ネオレバルミン錠  180錠 3700円    360錠 6500円


 主成分の生薬川柳(カワヤナギ)は、サリシン配糖体やタンニンを含み、古く中国では解酒毒として用いられ日本でも昔は黄疸の治療薬として用いられていた。ネオレバルミン錠の効能は、肝臓疾患全般であるが、最近お酒が弱くなってきたとか肝臓が弱ってきたかなという人にもおすすめ。

写真中央: グルファミンC錠 20錠 661円


 主成分のグルタチオンがアセトアルデヒドと抱合反応してアセトアルデヒドを代謝排泄させる。飲み終わった後寝る前に飲むのが効果的。

写真右: ハイチオールC錠 24錠 950円  90錠2200円


 主成分のシステインは含硫アミノ酸で、肝臓内の代謝サイクルを活性化させる。飲む前、飲んだ後、翌日にのむ。今日も宴会だという人におすすめ。