解決事例 @〜 S病院解雇問題 〜団交でTさんの現職復帰勝ち取る |
協定書に「謝罪」の文言盛り込む S病院Aさんの解雇に対して、練馬ユニオンでは、練馬全労協の支援を得、懲戒解雇通告の撤回と Aさんの現職復帰を求めて、団体交渉を行いました。3回目の団体交渉でAさんの現職復帰、退職届 を提出してから復帰までの賃金全額の支払いと解決金を勝ち取ることができました。協定書には「精 神的苦痛を与えたことについて謝罪する」という文言も盛り込むことができました。 団交の中で、直属の上司の室長は“研修”について、「Aさんが『勉強に行きたい』と言ったので許可 したが、謝礼を貰っていたことは全く知らない。元々アルバイトは秘密に行うものなので、私に報告す るはずがない」と自分が指示した事実を真っ向から否定していました。しかし、病院の新設に当たって 購入する備品に関して、室長が、Aさんに「研修先の備品のサイズを測ってきてほしい」と指示した点 をこちらが突くと、室長としてもシラを切り通すことができなくなったのです。 懲戒解雇を言い渡した事務長も「懲戒解雇と言うつもりはなかったが、話の流れの中でつい口から 出てしまった」と苦しい言い訳をしていましたが、ユニオンは「大切な人の命を預かる医療の現場が、 簡単に人のクビを切るような体質のままで、本当に心のこもった医療を提供できるのか」と追及。団交 を重ねる中で、Aさんが解雇後に味わった苦しみの大きさを認識し、事務長はAさんに謝罪するととも に、風通しのよい職場をつくるための対策をリポートにまとめることを約束しました。 交渉の途中では、室長が、自分にとって都合のいい話だけを職場で部下に話し、突然、病院を退職 するという事態も発生。病院内での根拠のない噂に、Aさんは心身ともにズタズタに傷付けられた場面 もありましたが、最終的には室長も文書でAさんに対する謝罪の意を表し、何とか、Aさんが職場に復 帰できる条件が整ったのです。 弁護士との話し合いすら拒否した病院! ユニオンは団交で非を認めさせた! Aさんはユニオンに相談する前に、知り合いの社会保険労務士や弁護士を通じて病院側と話し合い を持とうとしましたが、病院側は交渉のテーブルに就くことすらしませんでした。ユニオンが団交を要求 したことで初めて話し合いに応じ、職場復帰を認めたのです。ユニオンは小さな組合ですが、働く者の 当然の権利を主張し、弁護士にもできなかったことを果たすことができ、大きな自信になりました。 Aさんは勇気を奮って仕事に復帰しました。4カ月余り離れていた職場の仲間と良好な関係を築いて 頑張っています。これからもAさんを応援していきましょう! |